心理学

どんなときに怒るかで、その人を知る。

 

その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ。

ゴン=フリークス 『ハンターハンター』

 

「その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ」

ミトおばさんが教えてくれたオレの好きな言葉なんだ。

オレには、2人が怒っている理由はとても大切なことだと思えるんだ。

 

桃鉄にて

先日、ゲームをしていてですね。

ゲームって人間が出るなーと思いまして。

 

以前にも書いたが。

ゲームの嗜好には、発達特性が関わる気がしていて。

どうぶつの森やゼルダの伝説が好きなのは、ASDタイプで。

スマブラやスプラトゥーンを好むのが、ADHDタイプではないかと。

※個人的な偏見です。

発達特性とゲームいやー。 すまんこってす。 最近、筆が進まない。 ブログが更新できない。 なんでかって、そりゃ。...

 

 

でね。

先日、ゲームをしていたのだが。

今回は、国民的大人気ゲーム、「桃太郎電鉄」だ。

昭和の時代から愛され続けている、ご存じあのゲーム。

友達数人で、家に集まってやっていた。

 

あ、いい年したオッサンが集まって桃鉄かよと思った?

思った?

でも、国民みんなするじゃん? 桃鉄は。

 

しかもさー。

今回は、桃鉄「ワールド」だもんで。

もう、世界基準じゃん?

ワールドワイドじゃん?

そりゃやるじゃんって話で。

 

ってことで、オッサンが数人集まって、夜な夜な桃鉄にふけっていたわけです。

 

ASDのイヤなこと

でさー。

 

アレって、友情破壊ゲームよな。

 

ケンカになるよなー。

いかに相手の足を引っ張るかのゲームだ。

大人でもイラッとする。

子どもがやったら、そりゃ大喧嘩になるだろう。

 

 

僕は特に、コツコツ築いた資産をぶち壊されるのがイヤで。

そもそもの戦術として、僕は安全志向型だ。

リスクを取らず、地道に物件を買い集めていく。

大儲けしない代わりに、とにかく大損は避ける。

奇をてらわず、堅実に。

そういうタイプ。

 

でもさ。

そうやって作ってきた資産が、ある時突然、総崩れ。

 

そう、アイツだ。

 

キングボンビーだ。

 

 

うぎゃーーーーー!!!!!

 

 

コレはクる。

それまで積み上げたものが、一気に崩れ去る。

マジ、容赦無く崩れるからね。

 

コレは、僕的には非常にイヤ。

これがあるからゲームが面白いって、わかってるんだけどさー。

でも、とてもイヤで。

 

そしてコレって、ASDにある程度共通なんじゃ? と思った。

 

ADHDのイヤなこと

一方、一緒にプレイしていたADHDタイプの友達は。

彼は結構しっかりADHDなんだけどさー。

攻撃を受けたときに、明らかに激怒していた。

 

桃鉄って、ランダムで攻撃を受けるイベントが発生する。

プレイヤーの意図に関係なく、コンピューターが突然攻撃を仕掛けてくることがあるのだ。

もちろん、別プレイヤーが攻撃してくることもある。

 

で、ADHD (オッサン)、この時ブチ切れ。

 

なんでオレばっかり!!!

 

めっちゃ怒ってた。

別プレイヤーからの攻撃は作為的かもしれないが、ランダムの攻撃は確率論だ。

避けようがないし、怒っても仕方ない。

来るときゃ来る。

 

そして客観的に見て、別にADHDの彼ばかりが攻撃を受けているわけではない。

みんなそれなりにやられている。

それこそランダムに。

 

「オレばっかり」は、彼の主観だ。

事実ではない。

でも「攻撃された」と思うと、瞬間的に「オレばっかり」がくっついてくるのは、彼のADHD特性からだろう。

 

現実世界でも……

それを見て、僕は思ったね。

どんなときに怒るかって、その人がどんな人かを如実に表すなぁと。

 

現実でもそうじゃない?

ASDは、コツコツ積み上げたものを破壊されるのが苦手。

「こういうもの」という枠組みを壊されるのはイヤ。

逆に、形が見えるものを積み上げて発展させていくのは得意。

 

  • 先が見えないと不安なので、先の見通しを示すとよい。
  • 変化を嫌い、いつもと違う状況は受け入れられない。

↑この辺、ASDの特性や対処法として有名だ。

ある枠内、ルール内で自分のワールドを広げていきたいのがASD。

そりゃゼルダとかFFとか好きよな。

現実でも、こういうところ、あるでしょ?

 

 

一方。

ADHDは、視界の外から急にネガティブな情報が入って来ると超イヤ。

テレビ見ているときに「宿題やっちゃいなさい」とか。

意識の外から急に人がぶつかってきた、とかね。

 

  • 注意のお部屋が一つなので、それ以外の情報が処理できない。
  • 特にネガティブな情報は、状況把握の前に反抗・反発・反撃する。

↑ADHDあるあるだ。

ADHDは刺激を求めるので、基本、刺激の強いゲームは好きなんだけど。

例えば「急にオンラインの相手がミスる」と、導火線なしで一気に爆発する。

これ、スプラトゥーンでよく見られるヤツ。

 

 

そんな感じで。

例では、ASDとADHDについて書いたけど。

それに限らず、「その人はどんなときに怒るのか」を観察すると、人となりの把握に有用だと思う。

 

  • その人は、何を大事にしているのか。
  • どんなときに怒るか。
  • そして、怒ったとき、何を優先してどう判断するのか。

 

子どもについて知るときに、「好きなこと」より「嫌いなこと」の方が観察しやすいとは、何度も書いているが。

同じ理屈で、「どんなときに嬉しいか」より「どんな時に怒るか」の観察の方が容易な気がする。

その子の特性がわかりやすい。

 

  • なぜ怒るのか。
  • その時どう判断するのか。

 

その人が透けて見えるなぁと。

桃鉄をしながら、中年のオッサンは考えた。

 

 

そして。

これだけケンカになりながら、それでも懲りずにプレイしてしまう桃鉄って実によくできたゲームだなぁと思った。

思ったのねん。

またみんなで集まって、続きをやるのねん。

POSTED COMMENT

  1. にくまる より:

    いつも読ませていただいてます。
    小学校に行かなくなって9ヶ月の子どもがいます。
    精神科に通ってますが、数ヶ月に1度、10分くらいの診察で何も進みません。勝手な判断だと、ASDかHSPなのかなと思っています。
    今日の先生の記事も参考にしようと思っていましたが、基本的に娘が怒ってるところをほとんど見たことがありません。そもそも怒らないという時点で問題なのかな。。。

  2. 匿名 より:

    「嫌いなこと」は何か?テーマで取り上げてほしいです

    相談行くと、お子さんの好きなことなんですか?の質問に答えられませんでした。
    子供の好きなことは、どんどん変わるので、よくわからない。
    「嫌いなこと」は、泣いたり、怒ったりしたあとに理由がわかると今後のこちらも対処法見つけたりします。

  3. ぼん より:

    本当、先生おっしゃる通り、ADHDの息子は「俺ばっかり!!」とよく叫んでます(笑)そんなはずないだろ?ってずっと思ってましたが、彼の主観だからなんですね。納得。

  4. より:

    桃鉄めっちゃ好きー!!!
    もう発売されないと思ってたら前作2020年発売決定で小躍りして、どうしてもやりたくて娘誘ってプレイしたらボンビーで激烈発狂されて『そういうゲームだった…』てなって、しばらく接待プレイしたけど自分がつまらなくなってお蔵入りしました。笑
    ワールド…やりたい…大人になっても一緒に集まってやれるおっさん達がいるの、とってもうらやましいのねん。えのっぴどぅー!

  5. 朝はチーズパン より:

    桃鉄とボンバーマンは友情破壊ゲームですよねー

    なるほど、何に怒りを覚えるのか、ですか。これは考えたことなかったのではっとしました。
    いつも怒った時は、怒りを鎮めることばかり考えていて、そんな言い方や物に八つ当たりするなと言っていました。

    そうか。みんなそれぞれ怒りに繋がるポイントは違うんだなぁ。

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