心理学

僕は勉強ができない。僕はバカだ。

子どもなんて、勉強しないと相場が決まっているもの。

なのだが。

 

にしても、まぁしない。

まったくしない。

しないから、案の定できない。

成績が地を這う。

 

勉強って積み上げだから、やらないとどんどんできなくなる。

追いつくのが大変。

いや、その時にはもう手遅れかもしれぬ。

 

だからこそ、今やらせなくちゃ……!

 

勉強、やらせる?

全っっっっっ然勉強しない子。

 

少しでもやってるポーズを見せてくれたら安心なのに。

少なくとも平均点くらい取ってくれりゃ、うるさいこと言わないのに。

あまりにもやらないからさー。

 

自宅学習どころか、宿題もマトモにやらないし。

提出物出さないし。

試験前でも焦るそぶりがない。

 

当然成績は悪いんだけど、どこ吹く風。

受験生なのに、他の子の4分の1くらいやって、「疲れた疲れた」って。

 

ちょ、アンタ。

子どもの仕事は勉強でしょ?

 

 

こんな時、親御さんはハッパをかけますか?

かけますよね。

かけると思う。

 

母
勉強しなさい!

 

言うよね。

言うのが普通。

全然、言っていいと思うんだけど。

 

異端な僕の考え

ここからは、僕の呟き。

僕が異端で変なんだって分かってる。

お尻を叩くべきと思う人が大多数だから、そうしたらいいと思う。

人様の意見に口出しなんでできない。

 

でもさ。

僕のブログだから僕の考えをひっそり呟くんだけどさ。

 

それ、危険じゃね?

 

 

みんなが言ってる意味はわかる。

目的もわかるし、意図も超わかる。

勉強させないと、実際確かにヤバそうだしな。

 

でも。

僕は思うんだよ。

 

僕だったら、

勉強って無理やりやらされるもの。

嫌なもの。

って刷り込まれるよなって。

 

そして。

多分、僕は「普通の勉強方法」ではうまくいかないからさ。

特性があるから。

僕は勉強ができない。

僕はバカだ。

って思うと思う。

 

コレ、目先の勉強できるできないより、ずっとずっと尾を引くように思うんだよ。

 

大人になってからの勉強:僕の場合

僕は、割と勉強が好きで。

今でも読書好き。

最近は、学生時代に放棄した歴史と地理を学び直した。

 

そう。

僕は学生時代、勉強を放棄していた。

特に興味のない社会、英語、古文漢文はほぼ手付かず。

いやマジで。

 

香川県って何県ですか? ってレベル。

香川の人が怒ってうどん投げてくる。

 

「英語で答えなさい」の問題文が理解できず、一人だけ日本語で書いたり。

どうりでみんな、記載に時間がかかってるなーと。

設問がわからないんだから、学習以前のレベル。

 

 

でも、僕が幸運だったのは、子どもの頃「勉強しなさい」と言われた経験がないこと。(典型的なネグレクト家庭)

だから勉強に対する苦手意識がなかった。

 

当然、全然勉強できないんだけど。

成績は基本的にアヒル(2)で、追試の常連なんだけど。

※持ち前の器用貧乏で、1は回避。1だと単位落とすからね。

 

でも、

「勉強はできない」けど「嫌いじゃない」が両立していた

のだ。

なんせ、嫌いになるほど勉強してないからね。(エッヘン)

 

 

だからだと思うんだけど。

本腰入れて勉強したら、楽しかった。

 

人間って基本的に、何かを知るのは楽しいはずなんだよ。

新しいことを知る、新たな概念を理解するって、楽しいはず。

 

で、いまだに勉強してる。

いや、大人になってからの方がずっと勉強してる。

興味の赴くまま、とっ散らかって勉強してる。

分野とかバラバラでとっ散らかってるけど、楽しい。

 

 

もし、僕が子どもの頃に勉強を強要されていたら。

僕はきっと勉強の楽しさを知らないまま、大人になった。

勉強って聞くだけで拒否しただろう。

そういう性格だ。

 

学校の勉強って、つまんないじゃん?(おっと失礼)

僕の場合、理屈で説明してくれたら分かったのにさー。

事実ベースで暗記するだけの社会とか、マジで興味ない。

「地理と政治が密接に結びついて、その結果が歴史です」と教えてくれたら、僕だって興味持ったのに。

 

同様に、人によって学び方ってあると思う。

発達の特性のある人は特に、興味の偏りもあるし。

だから、やればやるほどつまんないんだよ。

 

自称「勉強ができない」子

子どもたちから聞くのだ。

 

男の子
男の子
僕は勉強できないから。

 

女の子
女の子
どうせ私はバカだから。

 

みんな、ある程度やってきた子よな。

「やらされてきた」というか。

 

第一志望に落ちたり勉強した割に成績が上がらなかったり、挫折経験のある子たちだ。

それなりの進学校の子に特に多い。

 

やってきたから、「勉強ができない」と思えるのだ。

マジで全然やっていない子は、こんな悲壮感を持てない。

勉強できないんだけど、成績悪いんだけど、割と能天気で明るい子が多い。

 

どっちが幸せなんだろうか。

 

僕は考えてしまう。

 

このまま、自分はバカだと自己否定を続けながら、そこそこの学歴をつけるのか。

まったく勉強せず社会に出る or どこかでお尻に火がつきやる気スイッチを押す の二択か。

どちらがいいんだろう。

 

自分は勉強ができない、バカだ

という感覚を抱えて大人になり、その後全く勉強しなくなるのと。

 

勉強できませーん! あははは。

と軽ーく捉えた状態で大人になるのと。

 

どうしても、後者の方が幸せに見えてしまうのは、僕だけだろうか。

 

 

人生は長い。

大人になってからの方が、ずっとずっと長い。

必要なときにフットワーク軽く勉強できる状態で大人になる方がいいように思う。

「勉強」という観点で見ると、学生時代に瞬間最大風速を出すより、一生学び続けられる方が、圧倒的に到達点が高いように思える。

 

そりゃさ。

日本は学歴が大事だから、就職とか収入とかに直結しちゃうのも理解してるんだけど。

僕だってそれはわかるんだけどさー。

 

でも、それに目を奪われて、大事なことがおろそかになっちゃいないかい? と。

実際世界的に見て、日本人って学生の成績はハイレベルで、大人のリテラシーは低いらしいよ。

子どもの頃にたくさん勉強し、大人になるとしなくなる文化らしい。

 

大人の平均読書数って月1冊程度(か、それ以下)だそうだ。

めっちゃ読む人が平均を押し上げていると予想できるから、まったく本を読まない大人も鬼のようにいるんだろうな。

 

やるなら自己効力感

勉強しない子に、勉強させる意味はわかる。

そりゃ、非常にわかる。

それを非難する気は全くない。

 

でもさ。

やるなら、自己効力感を意識してがいいように思う。

「自分はやったらできる」の感覚を持たせつつ、ですよね。

 

 

勉強しない子って、例えばADHDを例に出すと。

ぼくたちは勉強ができないちょくちょく聞く訴え。 勉強できるようにしてください。 成績を上げてください。 ...
【ADHDの】やる気にならない【やる気スイッチ】ADHD。 やればできるんだ。 今はやってないだけで、本気出せばすごいんだ。 そう、「やれば」ね……。 ...

 

この子たち、多分「普通」に勉強してもダメなわけじゃん?

「普通」のやり方には、うまく乗っかれない。

なぜなら、ADHDだから。

 

そしたらさ。

やっただけの結果が出ないわけじゃん。

勉強したのに成績が上がらない。

 

これを繰り返すと、危険だと思う。

「どうせ自分はバカだから」につながっていく。

 

 

やらせるなら。

やる気のない子に無理やりやらせるのなら。

 

やった分 → できた

 

の経験が、絶対だと思うのだ。

 

努力した分結果が出た経験。

それがないと、腐っていくように思う。

人間だもの。

 

 

じゃあ、どうやってこの経験を積ませるかなんだけど。

 

そう。

これが非常に難しい。

 

ADHDなんて特に、見直しや振り返りを嫌がるわけで。

「間違えたところの見直し」とか、めっちゃ嫌いじゃん?

そしたら、点数が伸びないわけで。

 

これをどうするかは教育の分野で、僕には特に妙案はない。

なんだけど、僕から言えるのは。

心理とか医療の観点から言えることは。

自己効力感をへし折らないほうがいい

ってことだ。

「やったけどできない」「自分はバカだ」という思考に繋げないことだと思う。

 

ただ、それがめっちゃ難しい。

だから僕は、勉強しない子に勉強させるって結構危険だと思う。

自己効力感をへし折るくらいなら、何もさせずに根拠のない自信を持ったままがよいように思ってしまう。

ADHDやASDで、よく分からん根拠のない自信を持ってる子、結構います。

 

結局、やる気スイッチは本人にしか押せないと、僕は思っている。

POSTED COMMENT

  1. なぜに1点台? より:

    まさにうちの子。中2です。1人目と言うこともあり、加減が分からず、幼い頃からできないことに対して異常なほどに叱責しています。ええ、いまも。
    あと二日で夏休み終わりですが宿題全くです。本人やる気全くないです。去年今年は毎日付ききりで勉強を教えていましたが、一分前に教えたことも入らず。理解不能な間違いするのでもうダメだなと…。
    毎年担任に懇談の度に懇々とお説教されるのですが、他人事なため最後は「言っても伝わらない、ダメなやつ」のレッテルを貼られています。なのになぜか人にはびっくりするくらい偉そう。
    ただ私も主人もガチギレして育てているので、自己肯定感は底辺です。
    高校は、名前書けば誰でも受かると言われているところですら危ない(そもそも名前書かなかったり読めない字を書く)ので、諦めないといけないんだろうけど…親の私たちが未練タラタラです。。

  2. ほほ より:

    中学不登校の親歴2年の現在、先生のお考えにまったく同意します。
    でも1年目ではやはり勉強させなければという気持ちが強くだだ洩れてしまっていました。。
    戻れるなら小さい時からどんなに明らかな失敗が見えていたとしても、本人に任せ見守り支える育児がしたいです。
    でも子供が不登校になってくれたからこその今の考えなので、ありがたいとも思います。
    精いっぱいやってきたし、これからも精いっぱいやるしかないなぁと思っています。

  3. 匿名 より:

    これ、自分のこと?と感じます。進学校に行き、朝から晩まで勉強漬けの環境で。でも、好きな文系しかしない自分。先生たちが勉強や受験の話をしていても、この人たちは、今しか関わらない人だし、私は勉強なんて、しないよーえへ。でした。
    社会人入試で看護師目指し、勉強にドはまりしました。医療の勉強は楽しくて、今も苦にならない。本は月に20冊は手当たり次第読む。
    大人になると、勉強する楽しさがわかりました。
    だから、2人の子供には、やりたいならやりなさい、好きなことなら応援する、スタンスです。
    ただ、勉強することで、やりたいことがスムーズにできる場合もあることや、自分の武器を持てることもあるよ、と。
    下の子はグレーで、勉強は苦手そうかな。
    でも、得意なこともあるから、なんとか生きていって欲しいですね。

  4. はるひなち より:

    まさにうちの長男がそれで、中1ADHD不登校、授業全く受けていないのに、なぜか「俺は教えてもらえたら出来る!」と、散々なテストの結果を前にしてこの発言。
    「え?自ら教えてくれる場所である学校を休み、塾もカテキョーも嫌でどうやって教わるの?」と返すと、本人「え?」とキョトン顔

    この深く考えずに勢いで話し、現時点での自分しか見えておらず(まさに注意のお部屋は1つしかない)、その根拠はどこだ?の「やれば出来る!」発言に元不登校長女と爆笑しました。

    しかし…この長男、漢字や計算方法は直ぐに忘れるのに、好きなゲームやアニメになると、すっごい記憶力なのですよ。

    まさに、興味のあることしか覚えない
    そして、やる気になれば出来る(今のところはゲームだけ、だけど)

    「あんたはクリエィティブ系が向いてるよ。好きなことを極めたらええわ〜」と本気で思っているのですが…しかしまだ勉強もできて欲しい!という望み(親のエゴ)も捨てきれず、夏休みの宿題と戦ってます…なにせ本人は宿題やる気無しなので(泣)

  5. わたえみ より:

    タイトルに速攻で引き込まれました。

    息子(中1。4年生から完全なる不登校。近づくこともできないので、最後に学校を見たのはもう3年前。。。)が小学校に入学して間もない頃に、
    まさに、
    「俺は勉強ができない」
    と言い、脳トレ?のつもりだったのか、毎日毎日クイズ番組を見まくっていました。テストも宿題も普通にできていましたが。
    そして、2年生の頃には「俺は大学には行かない」と言い始めました。
    うちは、私も夫も教育熱心ではないので(笑)、「それでいいんじゃない。高校出たら、働くってことね~」と返していましたが、

    まさかの不登校。
    あと2年半後に高校に所属できているのかすら、危うい状況・・・。

    でも、
    「やる気スイッチは本人にしか押せない」
    本当にそうだと思うので、
    引き続き、
    日々できることを、
    日々見守ることを、
    日々自分の息抜きも忘れずに・・・
    でいくしかない、と思っています。

    余談ですが、
    最近、万が一高校に所属できなくても、相談にのってくれる場所・人がいることを知り、少しホッとしました。
    今は、公的に助けてくれる場所・人を全て使いまくっているので(笑)、義務教育終了後、これがみ~~~んななくなることは、息子よりもむしろ私が困る!!!ということに気付きまして。。。
    ひとまずは、親の会以外でも、話を聴いてもらえ相談できる場所があることを知ることができ、良かったです。知った翌日に電話したら、「行動が早いですね」と、驚かれました(笑)。

    先生のblogにもまだまだお世話になります

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