発達障害

ギリギリは難しい 〜うまく支援につながれない人〜

新年度ですね。

新生活の報告が、僕のところにも続々と届いている。

 

支援につながれない人

みなさんの春は、どんな感じでしょうか。

大人になるとそこまで環境変化は大きくなかったりするが、子どもは結構変わる。

進級、進学、クラス替え。

新しい環境にドキドキだ。

 

発達にデコボコのある人は、たいてい新生活が苦手。

ドキドキしちゃう。

 

困りそうなことが前もって分かっている場合、事前に支援を申請する。

加配とか、通級指導教室とかね。

 

加配とは:

保育園や幼稚園において、障害のある子どもや集団生活を送るにあたって困りごとを抱えている子どもに対し、サポートや援助ができるよう、通常の職員数に加えて先生を配置することを指します。

 

通級指導教室とは:

一部特別な指導を必要とする子どもが障害に応じた指導を受ける教室です。 普段は小・中学校の通常の学級に在籍し授業を受けますが、通級指導教室の時間だけ、通常の学級の授業を抜け、設置された学校へ移動します。 なお同じ学校に設置されている場合は、学校間の移動は必要ありません。

 

もちろん、希望者みんなが使えればいいんだけど。

この辺の支援は大人気なので、使えない人も出てきちゃう。

 

母
加配申請、ダメでした。

 

母
通級に申し込んだけど、ダメでした。

 

そんな声を聞くことがある。

 

どの子に支援をつけるかは、園や学校が決める。

自治体による判断の差もあるようだ。

 

正直、「この子にはつけてあげてよ……」と思うこともしばしば。

まぁ、しょうがないけどさ。

 

 

でさ。

僕の患者さんで、色々な支援から漏れ続けている人がいるのよ。

療育、手帳、通級……。

親御さんがいろいろ手配し申し込んでくれてるんだけど、ことごとく通らねぇ。

 

うそ、またダメだったの?

さすがにちょっとアレじゃん?

なんとかならない?

 

どんな子かというと。

ギリギリchopの子です。

 

ギリギリchopって? って人はコチラ。↓

「中途半端な特性を支援する仕組み」について僕の考え前回に引き続き。 https://hattatsu-kids.com/?p=2473 今日はグレーゾーンとか境界域と...

 

境界知能とか、発達障害グレーゾーンとか。

「明らかな支援対象ではないんだけど、自力で頑張れはちょっとキツい」って人たち。

あとは、1個1個の特性は大きくなくても、困りごとが複数あって、総合すると結構困っちゃう人とか。

いやー、難しいよな。

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見えにくい問題の問題点

そもそもまず、親御さんがギリギリchopに気づいたことが素晴らしいんだけど。

中途半端な特性に気づいた、その観察眼がマジで素晴らしい。

マジ名探偵。

真実はいつも一つ。(ギリギリchopは名探偵コナンの主題歌です。B’zです。)

 

しかも、フットワーク軽くあれこれ情報を調べて。

実際に申請もしてる。

行政の仕組みって、正直めんどくさいじゃん?

部署が違うとかでたらい回しにされ、情報はこっちから聞かなきゃ出てこないし、書類の煩雑さなど卒倒ものだ。

そのめんどくさい手続きをやってくれてるんだよねー。

 

でも、通らねぇ。

 

 

もちろん、支援が不要な子に支援しろって話じゃない。

実際、自力でガンバレはキツい子だと思うのよ。

 

短時間とか、少人数ならいいんだけど。

状況の聞き取りで一対一で話したときは、落ち着いてたのかもしれないけどさ。

わちゃわちゃしたクラスで長時間ってなると、かなりしんどい。

 

あと、めちゃくちゃに気を張って、外ではなんとか問題を起こさないでいる子とか。

SOSが出せず、人知れず困ってたり。

中途半端な発達特性とか境界知能なんかに多いでしょうか。

 

他には、不注意優勢のADHDも。

トラブルは起こさないけど、授業にはついていけてない。

これが続くと、ある時急に不登校になったりする。

 

「表面上問題ないから、問題ナシ」ってわけじゃなかったりするんだよねー。

 

 

うまく支援につながれないと、後々問題が膨れ上がって露呈することがある。

可能なら、そうなる前にフォローしたい。

 

しかもさー。

親御さんも、これだけほうぼう手を尽くして、どこにも繋がれないんじゃさ。

「どうせ支援はうけられない」と思って、以降支援を求めることをやめてしまうかもしれない。

繰り返せば通ったかもしれないのに。

 

僕が言えた義理じゃないんだけどさ。

僕の外来予約だって激戦の上数ヶ月待ちで、予約がとれずに受診を諦めた人も、きっとたくさんいるだろう。

すまないが、マジでこれ以上入らんのだ。

同様に、他の支援者さんだって、その人たちが悪いわけじゃないのは非常に、非常に、よく分かるのだけども。

 

腐らず工夫をお願いします

じゃあどうするかって、解決策は分からないけれど。

希望者全員に支援がいくといいんだけど、現状そうなっていないから。

 

困るなら、取れる選択肢の中から工夫をお願いします。

 

 

マジ、お疲れ様案件だと思う。

お疲れ様案件って? って人はコチラ。↓

「お疲れ様です。」ブログを書いていると、どうしても結論が「お疲れ様です」になるときがある。 僕のスタンスとして、可能な限り対応策を提...

 

グレーとは、白ではなくて薄い黒。

 

誰かが言ってた。

中途半端な特性の人は、特性「アリ」だ。

白じゃない。

 

でも、現実問題この人たちは、自己責任でガンバレになりがち。

大変だよな、やりづらいよなぁと思った春の日。

 

お疲れ様です。

POSTED COMMENT

  1. りんご より:

    まさにギリギリchopだった我が子。学校でも友達関係も問題なし。相談機関でも問題なし。
    違和感感じてるのは親である私だけ。

    そしてある日いきなりの不登校です。

    あれ以上私に何かできたかもと悔やむ日々。
    でもこれからやれるなかで工夫していかないといけませんね。
    骨広いババアでいきます。

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