発達障害

ギリギリに気付いた方へ

中途半端に困る人。

いわゆる「グレーゾーン」とか「境界域」とかの人。

中途半端に困る人(境界域について)発達障害の診断がつくと、ショックはあるだろうが、支援はしやすい。 周囲の目から見て明確な特徴や困りごとがあれば、支援する方向で満場...

 

気づいた?

そこに気付いちゃいました?

 

母
うちの子、中途半端に困ってるのかもしれない。

 

素晴らしい!

そこに気づくのがもう本当に素晴らしい。

 

気付かないことが多い

実はですね、中途半端な困り感って気付かないことが多いんです。

気付けない、というか。

親御さんも、周囲も、当の本人でさえも。

 

普通のはず。

じゃあできるはず。

出来ないのは甘え(怠慢、努力不足、ズル)だ。

 

という思考に陥りやすい。

だって、明らかに障害ってわけじゃないんだもの。

一見普通なんだもの。

 

気付けたのがすごい。

「この子は感覚が違うのかもしれない」

そう思った想像力、観察力が素晴らしい。

 

前世明智小五郎ですか?

シャーロック・ホームズ?

え、江戸川コナン⁉︎

僕と逆ですね。(僕は体は大人、頭脳は子供)

 

気付かない悲劇

気付かない子。

気付かれない子。

そりゃもうヒサンだろう。

 

「できるはず!」

「頑張れ!」

「真実はいつも一つ!」

 

みんなそう言う。

自分でもそう思う。

でも、できない。

 

周囲が当たり前にできることが、自分にはできない。

出来ない部分をなんとかしようと、親には先回りされたり、叱責されたり。

何度もトライしてみるんだけど、やっぱりできない。

 

「普通はできるはず」なのに、できない。

いつも叱られ、がっかりされる。

そのうち誰からも期待されず、見向きもされなくなるかもしれない。

誰も自分を信じてくれない。

何より、自分で自分が大嫌い……。

 

書いてて自分で吐きそうだ。

つらい。つらすぎる。

もうちょっとこう、なんとかならんものか。

 

気付いただけで素晴らしい

気付かないって悲劇だ。

知らないって残酷だ。

 

この子は普通な『はず』。

でもその『はず』が外れていたら、間違っていたら、どうなる?

そんな悲劇をたくさんみてきた。

 

気付いたことが素晴らしい。

だって「そういう目」で見ないと、何も見えない。

しんどさに気付けない。

対策も立てられない。

 

以前書いたように、「こうするといいよ!」という対応策を、僕は持っていない。

人による。

克服するのか、逃げるのか。

配慮するのか、しないのか。

非常に困るボーダーライン上に、その子は立っている。

 

でも、気付かないことには何も始まらない。

特性に気付かず、ただただしんどい日々が続いてしまう。

 

解決はできなくても、お母さん(お父さん、先生)は理解してくれてる!

 

そう思えるのって、この子にとってすごく大きな救いになるのではなかろうか。

あるのとないのとでは全然違う。

綺麗事かもしれないけど、これだけで心の支えになることって多いと思うのだ。

 

よく観察する

前回書いた通り、「ギリギリ正常」の人ってかなり多い。

「明らかに異常」の人より、ずっと多い。

 

前回は知能や発達障害について書いたけど、それ以外の能力でも「ギリギリ」の人ってたくさんいる。

音楽センスがギリギリ、人当たりがギリギリ、計算がギリギリ、朝寝坊がギリギリ、肥満度ギリギリ、運動神経ギリギリ。

ギリギリchopだ。(そーいえばギリギリchopは名探偵コナンの主題歌だった) (真実はいつも一つ) (蘭ねえちゃん!)

 

どの人も、大抵何かのギリギリだ。

なんでもできる万能な人ってなかなかいない。

だから、わざわざギリギリの能力で勝負しなくていいと思う。

もっと得意なことで頑張る。

勝てる分野で勝負すればいい。

 

ギリギリでいつも生きていたいの?

ここを今飛び出していくの?

前世亀梨くん?(生きてる!) (僕は来世亀梨くんになりたい) (イケメンに生まれたかった)

 

かく言う僕だって、例に漏れずギリギリのクチだ。

ギリギリ診断のつかないASDだと思っている。

特徴は、正直結構ある。

いつもボッチな自分はおかしいんじゃないかと思った時期もあったけど、でも自覚したら楽になった。

実際、友達いなくても別に困らない。

別にいい。

なんたって僕はギリギリchopなんだ!

 

 

よく観察してください。

その子が何を持っていて、何を持っていないか。

何が得意で何が苦手?

つまり、どんなカードを持ってる?

 

平等になんでもできるようになる必要って、マジで全然ないと思う。

僕が「出来ないものは出来ない」「能力がない」と書く理由。

あえて強い言葉を使う理由。

不得手を認めることからしか出発しないから。

それは苦手、出来ないって、まずは認めてほしい。

子供の欠点が目についたときに考えること運動会シーズンですね。 否が応でも他の子と比較し、自分の子どもの欠点が目についてしまう。 ...
「出来ないなんて言わないで!」昨日の続き。 https://hattatsu-kids.com/?p=1985 この話、否定的な反応が返ってくるだ...

 

苦手って気付いた。

ギリギリって気付いた。

 

この子、ギリギリchopだわ。

 

もうそれだけで、すごくすごく大きいことだと思う。

 

お子さんをよく観察してください。

どんなカードを持ってる?

推理してください。

なぜそのトラブルが起きる?

今後どうすればよさそう?

 

お子さんの特性に気付いた、たくさんの名探偵コナンくんたちへ。

POSTED COMMENT

  1. カナカナ より:

    9歳離れた実弟が中学の中間、期末テスト後ろから数えて5番以内に必ず入っていました。
    不注意型のADHDグレーな感じでした。
    私もそうですが、私は勉強は比較的できました。
    高校も赤点でいつもギリギリな感じ。
    ただ、中、高校と野球部で挨拶上手。礼儀正しく優しい、先生に好かれるというスキルで高校を乗り切る。
    父母も「お前は勉強向いてない!どうにかして働いて生きてくしかない!」と言ってました。

    彼の強みは顔がイケメンで性格が超イイ。

    頭がいいイケメンは男社会で嫌われますが、本当に馬鹿なイケメンは逆に好かれるみたいです。高卒後、職業訓練校で取れる資格取ってからガス会社に就職。ガス配達してます。職場も楽しいらしいです。

    超しっかり者の美人の奥さんと結婚。

    父母が早めに、勉強をさせる事を諦めて持てるスキルでなんとか生きてけ!って言ってたのは本当に良かったと思います。
    無理矢理に塾入れたり、中学の時に野球部辞めさせたりしなくてほんと良かった。

    ただ、奥さんには「何でこんな事も分からないの?」って怒られてるようで・・
    でも何とかなっているいい例です。

    P先生がいう自分の持てるスキルは何か?
    というお話が納得です。
    苦手な事に投入する時間配分はよく考えた方がいいと自分の子ども達に関しても気をつけています

  2. まはる より:

    うちの子、ギリギリです。深夜にひとりで読んでたら泣いてました。先生は親に対してのメッセージを発信してくださるので、勇気付けられます。
    粘って支援にこぎつけました。環境調整に努めています。苦手なことを知ることは強みになる!と子供にも伝えています。
    グレーとは「グレーです」と診断(?)されるものなのでしょうか?それとも診断名がつかないけど、受診などをしている時点でグレーなのでしょうか?

  3. あも より:

    中1娘ASDグレー不登校(小6から)小4息子ADHDグレー。2人ともギリギリ姉弟。娘にはきっかけがあり
    不安障害になり、ほぼ外に出れないです。息子はジャイアンタイプなのでコミュニケーションに問題が出てきて学校生活に陰りが見え始めてきました。
    今は担任先生がすごく理解してくれているので、救われていますが、この先理解してくれる大人だけではないし、私もどう対応していっていいかわかりません。
    親にできることって、理解してあげる(これもなかなか難しいけど)事しかないでしょうか。親の対応に悩む毎日。

  4. にゃにゃ子 より:

    小5のギリギリchopの娘がいます。
    自分はなぜみんなと同じことができないんだと、泣いて暴れることがあります。
    「あなたはこのカードで試してみたら?」と提案もしてますが、なかなかカードの威力が発揮できません(^^;;)

    のんままさんがおっしゃるように、中学生になるとさらに難しい年齢(思春期・反抗期)になると思うので今から覚悟してます。

    経験者や医師の方からリアルなお話を聞ける機会がないので、P先生のブログやみなさんのコメントはとても参考になります。

  5. ナッツ より:

    小3の息子は去年担任の先生の大きな声が辛くて学校に行けなくなりました。その時先生方はその内慣れるでしょ。1年生は出来てたんだから。と言われ辛い思いをしました。
    現在適応教室に通っています。適応教室の先生の声が大きくて辛いと行きしぶりが出たとき、適応教室の先生は大きな声でつらい思いをさせてごめんねという内容の手紙を息子に書いてくださいました。それを読んだ息子は明日から行ける!といい、翌日から元気に行けるようになりました。
    つらさを認めてもらう、受け入れてもらうということが子どもにとって大きな力になると改めて思わされる出来事でした。

  6. のんまま より:

    不登校3年目、診断はつかない、所謂ギリギリ?グレー?軽度?の特性がある中2の息子は、自覚はしているものの受け入れることができないで苦しんでいます。
    親にできることを教えて下さい。

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