心理学

いつ頑張るか? 〇〇でしょ!

頑張らなくていい。

逃げていい。

むしろさっさと逃げる方がいい。

 

ずっとそう書いてきている。

 

母
でも、どこかで頑張らなくちゃ。

逃げ続けても何も変わらない。

 

分かってる。

それを分かった上で言ってる。

 

「逃げる」を推す理由

僕のブログを読んでいるのは、何かしらうまくいってない子の親御さんが多いと思われる。

デコボコのある子。

いわゆる「フツーのやり方」ではうまくいかない子が大半だろう。

 

なんとかなってしまう子なら、こんなブログ読まない。

今ごろ鬼滅の刃を1巻から読み直していることだろう。

 

 

たくさんの外来患者さんを観察した結果、「克服するより逃げる方が早い」という結論に至った。

 

「なんとかなるよ、頑張ろうよ!」

 

いや、なんねーんだよ!!!

実際になんとかならない人が圧倒的に多い。

 

もちろん、なんとかなる人がたくさんいるのも承知している。

努力で克服できることって多い。

でも、そんな人は病院に来ない。

自力で克服し、なんとかなっていく。

なんとかならない人が、なんとかならなかったから受診してるわけで。

受診した人を母集団にすると、あまりにも勝率が低すぎるのだ。

 

 

ブログを読んでいる人もきっと同様だと推測する。

なんとかなるならきっとトラブルに発展せず、親御さんが悩むこともなく、こんなクソみたいなブログにたどり着かない。

今ごろ呪術廻戦みてる。

 

問題になっている時点で、「多分ムリ」だ。

これを読んでる時点で、「多分ムリ」なのだ。

厳しい言い方だけど。

 

成功体験の威力

もちろん、逃げてばかりではラチがあかない。

 

母
うちの子は、無理やり登校させたらそこからうまく行きました!

 

頑張った結果、世界が広がる。

そんな素晴らしい瞬間が、人生には存在する。

この経験が暗闇から抜け出すとっかかりとなる。

分かってる。

 

だから、なんとか頑張らせようとするんですよね?

何度もチャンスを作って、何度もトライさせて。

数撃ちゃ当たる方式で、どれか一つでもひっかかればって。

 

でもね。

あまりに勝率が低いんです。

うまく引っかかって道が拓ける可能性は、なくはない。

上記のお母さんのように、親が無理やりやらせたらなんとかなることも、もちろんある。

でも全然ダメで、打ちひしがれてシオシオのパーコースへ行った際のリスクがデカすぎると思う。

 

スポーツ選手と生まれ月

この図を見て欲しい。

 

 

スポーツ選手は4月、5月生まれが多いのだそうだ。

これは文部科学省の人が朝日新聞(2003年4月19日付)で発表したデータだそうだが、同様のデータはあちこちで見聞きする。

 

4月生まれの人は、身体能力が高いですか?

早生まれの人は運動オンチ?

そんなことないですよね。

特に実際にスポーツ選手になる頃、つまり大人になった時の身体能力に、生まれ月による差はないはずだ。

 

じゃあなぜスポーツ選手に4月生まれが多いかというと、単純に成功体験が多いからでしょう。

小児期は、生まれ月による体格差がある。

4月生まれは身体が大きく、無双できる可能性が高い。

 

「みんなより上手だね」

「足が速いね」

「パワーがあるね」

 

そうやって認められる可能性が高いだろう。

その成功体験から自信をつけ、『自』分を『信』じて努力を重ね、実際にスポーツ選手になっていく。

 

この成功体験の差で、上述のグラフ結果になるものと考察される。

こと左様に、成功体験の及ぼす効果って大きい。

 

失敗体験の繰り返し

じゃあ同様に、スポーツ選手に早生まれが少ない理由。

 

「君は身体が小さいね」

「パワーがないね」

「〇〇くんにはかなわないね」

 

頑張ってもムリだったという体験を繰り返したためだと思う。

どこかで心が折れ、頑張ることをやめてしまう。

努力を続ければ大成したかもしれないのに。

「頑張れなかった」のだ。

 

 

だから。

いたずらに失敗体験を積み重ねるのは避けたい。

苦手なこと、出来なかったことは再トライしても「やっぱり難しい」となる可能性が高い。

もともと苦手なことが、周囲を出し抜いて上手になる可能性って、かなり低いと思っている。

それより、ちょっと得意なこと、これなら出来そうってことを頑張ってみるほうが、ずっと良い。

 

じゃあいつ何を頑張る?

それな。

それが一番重要だと思うんだけど。

 

自分で決めさせてください

 

これよ。

どこで頑張るか。

いつ、何を頑張るか。

自分で決めさせてください。

「ずっと頑張らない」という選択肢も含め、自分で決めさせてください。

 

すると大抵の子は、どこかで頑張る。

その子の人生を、その子に委ねる。

「頑張らないという選択も受容するよ」という気持ちで接すると、不思議なことに勝手に頑張るのだ。

親が先回りして舞台を用意しまくるより、よっぽど健全だと僕は思う。

 

親御さんにできること

どの子にも、たくさんのチャンスが訪れる。

生きていれば、「頑張るチャンス」「成長するチャンス」「成功へのチャンス」「世界が広がるチャンス」が必ず訪れる。

それは絶対。

何度も何度も訪れる。

 

親にできること。

チャンスが来たときに、子供が自分で選択して掴みに行けるよう、エネルギーを充電させることだけだと思う。

 

外来で見ていて本当に思う。

時間を無駄にしちゃう子(何もできないまま何年も過ごすとか)って、圧倒的にエネルギーが足りない。

チャンスが来ても動けない。

動いてみればなんとでもなりそうなのに、あーだこーだグルグル考えて、一歩も動けない。

そしてまたエネルギーを削っていく。

「また出来なかった」「自分はダメだ」って。

 

この状態を回避すること。

つまり、家を快適にしてください。

「その時」が来たら自分で動けるように、エネルギーを溜めてあげてください。

 

無理やり引っ張り回し、貴重なエネルギーを使い果たさないであげてほしい。

HSCとかASDなんかは特に疲れやすいので、「ここぞ」という時に絞って、一点集中でエネルギーを使うことをおすすめする。

 

小言や嫌味でエネルギーを削らないでほしい。

家を安心で快適な居場所にしてください。

ありのままのその子を受容してください。

 

親にできるのって、元来その子が持っている力を潰さず、そのまま開花させることだけだと思っている。

「ない」ものは「ない」、「ムリ」なものは「ムリ」なんです。

厳しい言い方だけど。

 

でも同様に、「ある」ものは「ある」。

これもまた絶対的な事実。

 

この子は何を持ってる?

そこに目を向けてあげてほしい。

 

まとめ

  • 失敗体験を積み重ねない
  • いつ頑張るか? 自分で決めるでしょ!
  • 家を快適にしてください

 

今じゃない、ここじゃないと思ったら、さっさと逃げることを僕はおすすめする。

大丈夫、必ず道は拓ける。

その子が拓く、自分の力で。

POSTED COMMENT

  1. 甘くないチョコが好き より:

    今日はじめてこちらを知り、読ませてもらっています。

    このページを読んで涙がとまりませんでした。

    「あるものはある」

    高校生の我が子につい最近診断名がついて、
    今後を考えると不安ばかりでなにがなんだかわからなくなってました。そんなときにみつけたこの言葉。

    一番当たり前で大切なことを見落とすところでした。

    ありがとうございました。

  2. ひまわり より:

    わかりやすくて、面白い!!
    いつも、勉強になります。

    HSCだろうな…と思う息子は、1年半ほど五月雨登校の後、1か月くらい前から休まずに登校するようになりました。
    五月雨登校にこれという理由がなかったので、行くようになった理由もないのですが、エネルギーが溜まったからなのかな?と思ってます。
    これからも家を安全、快適にして子どものエネルギーがたまる家にして行きたいと思うのですが、家を安全、快適ってなんとなくしかわかってません。
    詳しく、いつものブログようにわかりやすく教えて頂けたら嬉しいです。
    よろしくお願いします。

  3. まぼ より:

    いつも読ませていただいています。
    小5、コロナ休校明けから不登校の息子がいます。発達障害の診断はありません(問題なく学校生活を送り、友だちもいることから検査不要と言われてしまいました)が、匂い、音、味覚などに敏感で完璧主義、予期不安の強い子です。
    先生のブログで色々と勉強し、何はなくとも自己肯定感!ということで関わってはいますが、人と関わらず家にこもり続けているため、「家族以外の人が怖い」状態から抜け出せません。少しずつ人に慣らした方が良いのではと思っていますが、吉と出るか凶と出るか‥。対人恐怖のある不登校のお子さんは多いのではないかと思うので、いつか取り上げて下さると嬉しいです。いつもありがとうございます。

  4. たな。 より:

    ブログとても勉強になります。
    第1子の長男が自閉スペクトラムと診断されてます。
    看護師だけど、全然彼のことが理解出来なくて、色々勉強するけどカチっと当てはまる事もない…
    興味が薄いようで、自分のことも他人のことも気にしてることもある…
    ギリギリタイプのようでもあるけど、頑張らせすぎないボーダーラインが分からない‼︎です。
    次の学年(5年)から支援級に行くことにしました。
    そう決めたら気持ちが楽になりました。
    息子にとってもそうだといいなと思います。

    これこらもブログで勉強させてください‼︎

    お仕事お疲れ様です。

  5. miki0371yh@gmail.com より:

    先生‼️そうですね。
    時々、周囲の声でめちゃ不安になる。
    親としてやってあげられることは
    まだあるんじゃないか。

    それが
    ありのままの子供を受け入れて
    家を快適にすることなんですよね。

    時々読みに来ます。
    私が流されてしまわないように。

  6. マホ より:

    初めまして。
    自閉症スペクトラムの診断出て、IQ高い小学校一年生の娘が4月に6日間登校して行きたくないと言ったので、以来本人が行きたい授業だけ行ってます。体育、図工とか。校長からは転校してくれと言われていますが。

    元々小学校合わなさそうだったので勉強は算数と英語ホームスクーリングしてます。国語は放っておいてもできるのでほぼ放置。

    帯広在住で進学校も無いし、普通の公立小学校で頑張っても二次障害起こすだけ―と。親からは不登校解消する気もサラサラありません。本人任せです。

    先生のブログ拝見して殆どうちの考え方と同じだなと嬉しくなりました。
    家は受容に全く時間かかってないので気楽に不登校してます。

    ブログ楽しみに読ませていただきます。

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