発達障害

ダメだったら、その時どうする? 〜うまくいかない可能性〜

僕はこのブログで、かなり極端なことを書いている自覚がある。

 

ゲームの時間制限をしても、どーせうまくいかない。

 

子どもは、話なんて聞きやしない。

 

宿題で学力は上がらない。

 

義務教育9年間の勉強は、本腰入れば1年で終わる。

 

不登校児を無理やり登校させるより、家を居心地よくして本人が動き出すのを待つ。

 

人に迷惑をかけよう!

 

極端な自覚がある。

あえて極端に書いている。

 

だって、うまくいかない人を想定してるから。

 

極端な発信の意図

僕のブログは極端だ。

極端すぎて、「いやいや何言っちゃってるのコイツ」って人はいるだろう。

たくさんいるだろうし、内容によってもそうなったり。

 

「それじゃダメじゃん、なんとかやらせないと」ってこと、あるよね。

あるでしょ?

 

実際その通りだ。

僕も外来では、「ここはちょっと頑張ろう」とか「少しずつでもトライしないと」等言っている。

頑張って、果たしてうまくいくケースはたくさんある。

 

その上で。

 

頑張ってもうまくいかない人向けに書いている

のだ。

 

 

頑張ってうまくいくのは、本当に素晴らしい。

人間逃げてばっかじゃダメだし、いつかは頑張る必要がある。

実際頑張って、それにより結果が出せるなんて素晴らしすぎる。

成功体験を積み上げて行く。

なによりだと思う。

 

でもさ。

 

頑張っても、ダメな人っているから。

頑張っても、ダメなときってあるから。

 

頑張ってなんとかなる人は、ぶっちゃけアドバイスなんていらないじゃん?

なんとかなるんだから。

こんなブログは不要だ。

 

僕のブログは、チマタで言われる対処法とか一般的なやり方とか試して、でもうまくいかない人向け。

 

 

例えば、「ゲームは1日1時間」。

 

文句を言いながらもこれが守れ、日常生活が回るなら、マジでそれで良い。

でも、ヘタに制限しようものなら荒れに荒れて、手がつけられなくなる子もいるのだ。

本人も親御さんもエネルギーを使い果たしてグッタリ。

親子関係を壊し、将来に禍根を残すケースが、どうしてもある。

 

↑こんな人に言っている。

「ゲームは○時間まで」というやり方でうまくいかないなら、飽きた時に現実に戻ってくるかどうかで判断するのはどう? と。

 

 

せっつかれれば嫌々ながら宿題がこなせ、事なきを得るなら、マジで素晴らしい。

でも、少し指摘したら大爆発!

大泣き大暴れで、もちろん勉強は身につかないし、学校自体のハードルも上がるし(宿題が嫌すぎて学校も嫌)、なんなら宿題を強要する親も含めてみんな敵だ! ってなる子がいる。

 

↑こんな子に言っている。

宿題をしても、小学生は学力が上がらない、中学生でやっと、ほんの少しの有意差が出るらしいよ、と。

 

 

不登校の子に登校刺激をして学校に行かせ、結果学校に居場所ができるなら、心から素晴らしいと思う。

でも、登校刺激でハートブレイク。

もともとブレイクしていたハートが家でも休まらず、この世のどこにも居場所がない! と感じてしまう子が、確かにいるのだ。

 

↑こんな子に言っている。

学校復帰が全てではない、あなたの居場所を探していきましょう(まずは家から)、と。

 

育児書の「正解」

お分かりいただけると思うが、発達にデコボコのある子は、いわゆる『普通のやり方』ではうまくいかないことが多々ある。

いや、定型発達でもそうか。

ここはいいけどこっちはうまくいかないなんて、普通にあると思う。

誰だって多少なりとも偏りがあり、多少なりとも特性を持つのだから。

 

 

と、いうのもですねー。

先日、育児のアドバイス的なものを読んでいたんだけど。

 

Q:夜なかなか寝ず、生活リズムが崩れます。

A:体力が余っているのでしょう。日中たくさん遊んで疲れさせましょう。

 

……うん、すでにやってる!

 

特にASDタイプの幼児で、夜寝ないことはよくある。

4歳前後がピークだろうか。

もうね、マジで寝ないの。

 

日中遊びまくるとか、親御さんもうやってる。

夜は部屋を暗くして、寝る準備やルーチン化もやってる。

 

でも寝ないんだよ!

 

日中遊び疲れれば、夜コテっと寝る子もいる。

でも、疲れると余計ハイになって、逆に眠れなくなる子もいる。

 

育児書的な「正解」を目指すと、この親御さんは身動きが取れなくなる。

このようなアドバイスが、親御さんを追い詰めるのではなかろうかと思ったんだ。

 

もっと疲れさせればいいの?

毎日公園をハシゴして、ずっと走り回っているのに?

 

幼児はパワフルなので、親御さんのHPが先に尽きるだろう。

彼ら、HPゼロまでフルパワーだから。

 

解決策が「疲れさせる」一択だと、『詰む』わけです。

合致しない場合、どうしようもなくなる。

 

 

育児系のアドバイスで、このような事例はとても多いように思う。

 

ゲームの時間を制限しましょう。

 

うん、わかるよ。

でも、できないんだよ!

 

勉強は積み重ねなので、不登校でもやっておきましょう。

 

うん、正論だ。

でも、そんなエネルギーがないケースもある。

 

苦手なこと(運動、書字、集団行動、忘れ物チェック等)も、努力して克服しましょう。

 

わかるけどさ。

特性があると、頑張ってもできないことも多いの!

 

次の手を持つ

何度も書いているが、まずは思うようにやってみればいいと思う。

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母
うちの子は際限なくゲームしてしまうので、1時間に制限します。

自主性に任せるより枠を作った方がうまくいくと思うので。

 

よし、やってみよう。

うまくいく可能性は十二分にある。

 

でも、ダメだったとき。

「どーーーーーしても制限しないと!」とムキになって、親子が衝突、最終的には「言うことを聞かせること」が目的になったら?

しつけの名目で親御さんが客観性を失い、ブレーキが効かなくなることがある。

子どもを屈服させるまで、延々争いが続く。

マジで、親子とも不幸だ。

 

やってみるけど、うまくいかないかもしれない。

〇〇のラインを超えたら次の手を試そう。

 

↑この心構えを持って始めるか否かで、その後が大きく変わる。

押してもダメなら引いてみろってね。

 

押してもいい。

とりあえず押してみるのは、全然いいと思う。

僕はそれは否定しない。

でもうまくいかないときに闇雲に押し続けるのは、多分あまりいいことがない。

 

まとめ

一般的なやり方でなんとかなっちゃう人は、全然それで良い。

素晴らしいと思う。

 

僕が書いているのは、なんとかならなかった人向け。

頑張るのは素晴らしいけど、頑張りが空回りするのはもったいないからさ。

 

方法はその1個だけじゃない。

選択肢を持っておいてほしい。

 

意識低く、うまく逃げて、寄り道・回り道していきましょ。

大丈夫、他にも道はある。

逃げ場がなくなるまで逃げ続ければ、いつかどこかにはたどり着く。

人生逃げまくってきた前世メタルスライムの僕は、一段低みからそう言ってみる。

POSTED COMMENT

  1. まど より:

    息子が小さかった頃、育児書を読みまくったのです。
    試しても試してもどうにもならなくて、自治体の発達相談に行っても育児書と同じことしか言われず、どうすることもできなくて。

    その息子は今、不登校です。
    あの頃の私に読ませてあげたいです。

  2. こりこ より:

    家も本当に正論は全て試しました。
    朝日を浴びせ、散歩をし体操をし、それでも頭痛は全く治りません。結果今ゲーム三昧、学校に行くなんてこれっぽっちもありません。だけど頭痛を訴えることは全くありません。このまま逃げる息子を見守ります。少しの変化を見逃さないように。

  3. ハムくん より:

    いつも先生のブログを読む時は
    子供が出来ない時や荒れた時に読ませていただいています。
    出来なくてもしょうがない、その子の特性なんだよ。に振り返るためです。
    どうしても本人や親が『普通』にこだわってしまうためなかなかまわり道や地団駄を踏んでる毎日です。
    でも、先生のブログを読むと気持ちが楽になります。
    中1不登校です。体調がおかしくなったのは今年の1月。不登校になったのは5月。最近、本人の希望もあり保健室登校に行けたり行けなかったり。先生が動き出す時は比例するとブログにありましたが…そんな時期に来たのでしょうか。
    とにかく凸凹してますが家が快適みたいで今日もゲームにYouTube三昧です。

  4. しろくま より:

    最近過去記事も合わせて読ませてもらってます。
    とてもうなづけるものばかりで赤べこのごとくです!
    小2不登校息子がいます。一般的にはうまくいかないことばかりで、ずいぶん「がんばる」をやめてきました。
    YouTubeも最初は制限してましたが、外でうけるストレスと対比して終われなくなり、今は無制限。見ていい時間帯のみ親子で話し合って決めましたが。
    そのほうが自分で切り替えてやめたり、また見たり、と調整できてるんですよねー。

  5. コアラ より:

    正論が親を追い詰める。

    本当にそうだと思います。
    教育センターで親子相談を続けています。
    センター内の適応指導教室に通いたい、と申し出て早5ケ🈷。
    一向に入れてもらえずに相談ばかりです。
    子供の心が前向きにならないと許可できないと。
    不登校なのに前向きなら、別室からやってるよ!と突っ込みたくなります。

    子供は相談員さんに話を聞いてもらって、気持ちの整理をしているようで、無料だし成果はあるようです。
    けれど、私の方はダメ出しばかりで、相談が最近しんどくなってきました。

    それが出来ればやってるよー
    思春期なんだよー
    そんな事聞かないから困ってるんだよー

    そんなんばっかりで、アドバイスするのが相談員さんのお仕事なのは理解できるのですが、ド正論言われて帰宅すると虚無感が残ります。

    子供と親は別の相談員さんで、先方は共有していますが、私達親子は互いの意見をフィードバックはされません。

    セットで相談しないとダメなのですが、なんかもう私はしんどいです。

  6. でら より:

    今日のブログも安心感と勇気をいただきました!
    1行1行、うなずける。
    その通りだ、と合いの手。
    そして、クスッと笑いも。

    不登校1年が経ちました。
    本人からはなんとなく、背中を押してほしそうにも感じるので、今なのか、それともまだなのかと、考えていますが、やってみて、ダメなら次の手を。他の道がある。を心に留めて、少し背中を押してみます!

  7. わたえみ より:

    いつもblogに励まされています。
    今日は、特にグッときて✨初コメントです。

    1人息子が不登校になり2年以上。来年は中学生ですが、行かないだろうな~と考えている母です。
    当初は身体症状が色々本当に色々あり、不登校とはこれっぽっちも考えず、重病を心配していましたが、本人は生きているだけで精いっぱいだったんだと思います。
    ASDのグレーと診断されています。
    勉強は皆無、ゲーム動画三昧の毎日ですが、
    様々な先生方(担任を含め4人)の家庭訪問や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど、公的に使えるものは使いまくり(笑)、
    私は小児科の先生や親の会で励まされ、
    おかげさまで息子もやっと元気になりつつあり、外にも少しずつ出られるようになってきました。

    まだまだ支え見守る道のりは長いと思いますが、これからも先生のblogでパワーをもらいながら、ゆっくりゆっくりやっていこうと思います。
    これからも頼りにしています。

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