ところで。
その親御さんの意見、お子さんに伝わってます?
お子さんの主張、親御さんはどこまで汲めているでしょうか。
僕みたいに第三者の立場で親子を見ていると、
驚くほど伝わっていない
と実感させられる。
親の意図。
こどもの主張。
驚くほど伝わってなくて驚く。
こんな子がいました。
ゲーム好きな小学生。
まぁみんな好きよね、ゲーム。
この子も例に漏れずゲームが大好きで。
でもちょっとADHDっ気があって、ゲームしてると他がお留守になっちゃう。
宿題せずにゲームを始めちゃうし。
塾に行くのを忘れちゃうし。
寝る時間も遅くなっちゃうし。
よくあるシチュエーションですよね。
程度の差はあれ、多くのご家庭でこんな感じなんじゃないでしょうか。
当然、お母さんはオカンムリで。
ゲーム機を没収し、どこかに隠してしまった。
子ども目線だとイタイけど、まぁ妥当な罰だろう。
なんだけど。
この子も慣れたもので、親の目を盗んで隠された秘宝(ゲーム機)を見つけ出す。
深夜、みなが寝静まった時間にこっそりゲームを再開するのだ。
案の定バレて、大目玉。
でも、これで懲りたかと思いきや、また同じことを繰り返す。
母はほとほと困り果てた様子で。
もう、どう接したらいいかわかりません。
ね。
どうしたらいいんでしょうね。
これを繰り返すしかないんでしょうか。
ところが。
この子に聞いたら、衝撃の事実が発覚した。
でも、ゲーム機を隠される理由はわからない。
なんで隠すのっ⁉︎
なんと、ゲーム使用に関する家庭内ルールを破ったから罰として隠されているって所を理解していなかったのだ。
ルールを破ったのは悪いこと。
自分でも分かってる。
でもそれはそれとして、ゲーム機を隠された理由とは繋がっていなかった。
嫌がらせだよ。
ムカつくから探し出してゲームしてるんだ。
さも当然の主張のように、この子は言う。
なるほどねー。
単なる嫌がらせだと思ってたのね。
大人の感覚だと、
ルールを破った → だからゲーム没収
が当たり前につながるけど。
でもこの子はそうじゃなかった。
分かってなかった。
じゃあ、罰としてゲームを没収することは、この子にとってなんの意味もなさない。
意味がないばかりか、親子の信頼関係を損ねる原因となっていたのだ。
いやはや。
意図のすれ違い
親の意図が子どもに伝わっていない。
子どもの主張を親がキャッチしていない。
非常によくある。
問題の根幹がここ、単なる「すれ違い」だったってケースもよく見かける。
特性とか環境とか愛着とか知能とか、そんなんじゃなくて。
単に「すれ違い」。
子も親も先生も周りの人も、みんな善意だし、みんな前向きに頑張っている。
ただすれ違ってただけっていう。
まず、問題点がちゃんと伝わっているか確認する。
僕も含め、大人はおろそかになりがちだ。
大人になると、「これが当然」「普通こう」みたいな固定観念が増えるから。
子どもにはまだ「常識」がインストールされてないんだから、注意しなくちゃと自戒。
相手がどう認識し、どう理解しているか。
ちゃんと確認しなきゃだよなーと、外来の子どもたちから日々教えられている。
親が隠したゲーム機。本当に子供に見つけられてしまいますね。現在進行形で、知恵比べを繰り広げている親御さん達に、一言。
どこに隠したか、念のために、スマホにメモを残しておくことをお勧めします。
子供はどんどん知恵をつけて来るし、親の記憶力は加齢で少しずつ衰える。覚えておかなければならない雑事もどんどん増える。
もうこんな物2度と見たくない、という内心の強い思いを持って、子供に出し抜かれたくないと考え抜いたその隠し場所、親自身がなかなか思い付かない死角です。
いつか、取り出そうと思っても隠し場所を思い出せない、やらかす日が訪れます(加齢による記憶力の低下って、出始めは何の対策もしてないんですよね。まさかもう?と、思います)。
今はみんなスマホが手放せないから、どこにメモをしたかを忘れる事は無くなって、便利ですね。