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ところで、上手に受診できますか?

『答え(らしきもの)』を求める親御さんの話を書いていて思い出したんだけど。↓

「どうすればいいですか?」 〜答えはどこに?〜 最近頻繁に聞かれる。 「どっちがいいか」について、明確なエビデンスはない。 それぞれ...

 

『答え』を求める人の共通点

そういえば、このタイプの方には共通点がある気がする。

※僕の個人的な感覚です。

 

受診がヘタな人が多い

 

受診がヘタってどういうこと?

受診に上手とかヘタとかあるの?

 

それが結構あってですね。

もちろん相談内容を事前にまとめるとか、医療者の力を引き出す相談の仕方とかあるんですが。

今日はそれ以前の話。

 

予約がヘタ

 

これである。

※個人的な感覚です。エビデンスとかもちろんない。

 

 

僕の外来は、ありがたいことにそこそこ混んでまして。

曜日や時間帯によっては数ヶ月先まで予約パンパンだったりするわけです。

ちなみに初診は、今は3ヶ月待ち。

 

だから、気軽に予約変更していただくのはちょっと難しい。

まずこの前提がある。

 

で。

受診がヘタな方って、頻繁に予約変更するんですよね。

予約入らないって知ってるハズなのに。

 

割と気軽に変更する。

ちょっと予定が入ったとか、忘れてたとか、その時はあまりトラブルが起きていなかったとか。

「体調が悪くて病院に行けませんでした」という笑い話みたいなのもある。(これは別にいいんだけどw)

 

 

変更は別に構わない。

でも、変更作業は結構骨が折れるのだ。

 

電話をいただき、予約を変更する。(電話取るの僕じゃないけど)

電話口で、往々にしてこうおっしゃる。

 

母
10日の17時でお願いします。

 

日にち、時間をピンポイントで指定。

 

いやいやいや。

空いてればいいよ?

枠があればいいんだけど、ピンポイントではかなり厳しくて。

高確率で先約が入ってるわけ。

 

 

場合によってはこんな感じも。

 

母
時間ができたので、今日これから行ってもいいですか?

 

今日の今日は相当厳しい。

 

 

あとね、病院って17時に閉まるんですよ。

僕うんぬんじゃなく、病院のシステム的に17時の予約はダメなんです。

 

母
えっ、でも16時半まで学校だから間に合わない……。

 

こんな押し問答が繰り広げられるわけです。

 

 

ヘタクソかっ!

 

 

(全然怒ってないです) (電話取るの、僕じゃなくてスタッフさんだし) (僕には何のダメージもない) (単なる考察) (やりとりを聞いて勝手に考察してる) (性格悪いのよー)

 

受診がヘタ

相談内容以前の問題で、受診がヘタと感じる方って結構いらっしゃって。

多分、優先順位をつけるのが苦手なんだと思う。

 

  • 学校と受診、どっちを優先すべきか。
  • 学校を早退してまで病院に行く必要はあるのか。
  • 早めに受診した方がいい状況か、先延ばしでも大丈夫か。
  • それとも両立したければ、数ヶ月前から予約しておき、めったなことでは変更しないとか。

 

この辺の軸(優先順位)がないから、

明日の15時に病院に行こう!

予約取れなかった。

どうしよう……。

ってなるんだと思う。

 

 

挙句、ここで言われる言葉。

 

母
じゃあ、どうしたらいいですか?

 

これ。

最初にリンクを貼った、相談時の「どうしたらいいですか?(正解を教えてください)」と通じるように感じる。

 

どうしたら「いい」か。

それは我々医療者にはわからなくてですね。

患者さんの側で判断していただく他ないわけです。

※身体疾患や緊急事態を除く。緊急性のないメンタル的な悩み相談の話をしてます。

 

優先順位をつける

予約がこんな感じの親御さんは、それ以外の場面でも軸がぶれることが多い気がする。

 

診察室にて。

 

母
子どもが〇〇な状態で……一体どうすれば?

 

僕なりに、一生懸命アドバイスする。

でも2ヶ月後の受診で聞くと、たいてい実行していないわけです。

 

母
やってみたんですけど、1回目は良かったんですが2回目からはダメで。

それ以降やってません。

 

母
それはそうと新たに□□なトラブルが起きたんですけど、どうするのが「いい」ですか?

 

ケロッとそう言われ、こちらが肩を落とすこともしばしば。

※この親御さんにも、こうなった理由があるんだと思う。優先順位がつけられない理由。僕は小児科医なのでその辺には言及しないけど。

 

 

このタイプの方って、他にも色々な場面で、様々な刺激に流されて軸がブレブレになる。

いいと聞いた方法をにわかに試してみたり、急に厳しくしてみたり、ペリーに流されてみたり、かと思えば意地を張って逆張りしたり。

 

きっとあちこちでトラブルが起こる。

何より、お子さんが混乱する。

 

 

誤解してほしくないのは、色々試すこと自体はいいと思うんだ。

とりあえずやってみて、合わなかったらやめればよい。

 

僕が言っているのは、軸なくやらないでってこと。

何を狙って、なぜそれをするか。

ここが定まらずにあれこれ手を出し、うまくいかずにすぐやめる。

で、パニックになって別の『答え(らしきもの)』に手を出す。

これをやめてほしいんだ。

 

今、この子には何が大事なのか。

優先すべきは何か。

 

ここを見据えて段取りを決めて欲しい。

 

今精神的に不安定だから、早めの受診が必要。

学校は半日お休みするとして、早めの予約を取ろう。

あ、できれば来週の体育祭の日は外してもらって。

それ以外ならいつでもいいかな。

そうそう、こんな感じ。

これなら1〜2週間以内には予約が入ると思われる。

 

まとめ

全然学術的な話じゃなく、僕の個人的な肌感覚ってだけで申し訳ないんだけど。

 

受診がヘタな人は、それ以外の軸もぶれることが多い。

 

だから即効性のある『答え(らしきもの)』に飛びついてしまうのかなーと思った。

 

落ち着いて、まず優先順位を考える。

その上で段取りを組む。

 

ここがしっかりすることを、腹を括ると表現するんだと思った。

腹を括るとペリーも気にならなくなる。

優先順位が定まれば、人の意見に流されづらくなるもんね。

 

その場その場で『答え(らしきもの)』に飛びつかないで、全体を俯瞰して判断してもらえるといいんじゃないかなーと思った。

POSTED COMMENT

  1. 宿屋 より:

    P先生こんにちは。ブログいつも楽しみにしています。
    軸かぁ~。うちは「いのちだいじに」コマンドを軸にしていますね。
    我がパーティーの勇者(小二支援級自閉男子)はフィードにいるだけで毒、混乱、マヒ、眠りなどの状態異常に陥るので回復優先ですよ。
    回復魔法は傾聴、ハグ、おやつとゲームですw
    こんなこと言っていいのか分かりませんが…小児神経科の医師に多くを求めてはいけないと思います。
    もちろん投薬や入院など緊急時には非常に力になってもらえます。
    でも基本、定期的な受診はゲームのセーブのようなものかな?と。ドラクエの教会です。
    これまであったことを話すことにより自分自身が客観的に状況を把握出来る。専門家に状況を記録してもらう。
    医師は色々な経験や例を出してくれるので、子供を一番分かっているの親がそれを聞いて子供にあったやり方を考え実行、また相談するのが理想的なのかな~。
    うちの問題は状態異常の勇者の回復に手がかかり、なかなかレベルが上がらない事でした。
    以前は学校に行っているだけで偉い!凄い!と思っていたのですが、二年生になり学校生活にも慣れたので少し冒険させてみることにしました。
    無理なく勇者に合った放課後デイサービスはどこかと医者や相談の方と話し合いました。
    結果、勇者も気に入ってくれて先月から行き始めました。
    これで少し経験値を増やして欲しいですね!目指せレベルアップ!

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