不登校

家が快適すぎるから外に行かない?

ゲーム依存の話から。

 

母
家が快適すぎるから外に出ないんじゃないですか?

 

というコメントをいただいた。

同様の意見を、一人じゃなく数名から頂いたので、ここらでちょっと書いてみる。

 

家を快適にしてくださいって話。

 

家を快適に

以前からたびたび書いているのだけど、とにかく家は快適にしてください

家が快適すぎるから学校に行かない? 〜不登校の子に適した自宅環境〜「不登校なんですけど、家が快適すぎるみたいです。 わざと居心地悪くしたほうが学校に行くでしょうか」 不登校の...

 

確かに、最近書いてなかったかも。

新規読者さんには馴染みのない話かも。

 

なので、僕がなぜそう言うのか、再度説明する。

 

 

人は人を欲する生き物だ。

これは生まれつきそうで。

 

ヒトという種は、集団生活をすることで生き延び、繁栄してきた。

パワーもスピードも体力もないツルツルお猿、単独でいたらすーぐ野生動物にやられちゃうもんで。

群れを作ることで身を守ってきた。

知恵を共有、継承することで地上を支配するまでに繁栄した。

 

ヒトという種族で考えると、構造的に、集団に適応した個体の方が生き残る確率が高い。

今でもその性質は色濃く残っており、だから人は集団になりたがるでしょう?

生まれてたった数年の園児だって同性のグループを作るし。

大人も、職場でポツンとか、ママ友グループに入れないとか、独身で孤独とか、居心地悪いでしょう?

 

人は絶対的に人を求める

 

それが生き残り戦略であり、そういうふうに進化してきた。

まぁ理屈はともかくとして、とにかく人は人を求める! と理解していただければ良いと思う。

 

家が快適すぎる?

その上で。

 

母
でもその人を求める気持ちが、家族で満たされちゃってません?

外の世界へ行くモチベーションを奪ってません?

 

これを危惧されているものと思う。

 

でも、これは明確にノーだ。

家族で満足なんて、するわけない。

他人と交流し、外の世界に自分の居場所を作らないことには安心しない。

※例外として、かなり特性の強いASDだとこの限りではない。まったく人を求めないこともある。この場合は家で落ち着くし、家にいれば超ハッピー! この子を無理に社会適応させるのは、個人的には疑問が残る。でも今はその話じゃなくて、大多数の「人を求める子」を前提に話を進める。

 

だから外の世界を求めるのだけれど。

家は快適なのに外に出ない子って、それだけ外の世界を恐れてるってことだ。

 

 

確かに、荒療治が功を奏する可能性はある。

無理矢理追い出したら、そこでなんとか社会適応できる可能性ってある。

でも、失敗したときのリスクがデカすぎる と思う。

 

無理やり家を追い出して、追い出された先でもうまく行かなかった場合。

家は地獄、外も地獄。

 

あれ? この世に居場所なくね?

 

この、「世界のどこにも居場所がない感じ」。

辛いよ?

僕の想定できる範囲の『人生における辛いこと』のなかで、首位争いしてるよ?

 

どこにも居場所がない。

誰にも認められない。

世界にはこんなにも人がいるのに、その中で自分はひとりぼっち。

 

自分ってこの世界にいていいの?

存在していいの?

何のために生きてるの?

いない方がよくない?

 

この感じ。

スゲー辛いよ?

 

私事で恐縮だが、僕は生まれ育った家庭環境がクソで、この感覚を持って(持たざるを得なくて)生きてきた。

無条件で愛情を注いでくれるハズの親に、疎まれて育った。

 

子どもなので、大人の庇護がないと生きていけない。

自尊心もプライドもかなぐり捨てて、なんとか取り入るしか生存する術がない。

 

納得なんて当然できない。

でも親を悪者にもできず、怒りや絶望の矛先は自分に向く。

 

自分がダメなんだ。

誰からも認められない。

何もない。

でも死ぬ勇気すらない。

もう、何をするエネルギーもない。

 

……思い出して吐きそうなので、もうこのくらいでいいですか?

 

結局、家を捨てて外の世界に居場所を求めることで安定できたのだけど。

でもしなくていい苦労をしたし、すごく遠回りしたと思っている。

 

不登校(とそれに類する子)の心理

不登校をはじめとする、外の世界に出られない子。

家(場合によっては自分の部屋)に閉じこもり、外界と交流を持たない。

 

見ている親御さんは不安になりますよね。

 

この子。

外に出ない子。

 

この子って家にこもって、それで満足していると思います?

 

僕は微塵も思わない

 

家は快適でゲームもできるしコーラとポテチあるし、なーんも問題ない!

 

そう思う?

そんなわけない。

 

本人が一番わかってる。

一番焦ってる。

 

みんながしている社会活動を、自分はしていない。

みんながしている勉強を、自分はしていない。

与えられた役割を果たしていない。

何もしていないのに食事だけは運ばれてきて。

親にも迷惑かけて。

 

本人が痛いほどわかってる。

 

自分で自分を責めまくる。

親御さんからはそう見えなくても、自分で自分を責めてます。

ゲームしてテレビ見て呑気に笑ってるその子、内心めっちゃ自分を責めてます。

 

なんとか自分を保とうと、理論武装して自分を守ったり。

 

女の子
女の子
 親のせいで自分は今こうなっている。

衣食住の世話をするのは親の義務だ!

 

そんなふうにして、罪悪感から身を守ってるんです。

ちっぽけなプライドをなんとか保ってる。

健気なもんですよ。

 

余談だが、この反応が強化されまくった行く末が、『キング・オブ・こじれ家庭』だと思っている。

 

 

この子の傷口に塩を塗るのは、僕は反対。

 

外に出られない。

本能的にも、理性的にも人との関わりを欲するハズの、この子がだ。

絶対に傷ついてる。

 

この子を責め立てることはしないであげてほしい。

どんなあなたでも大事だよ

家は、そんなメッセージを発する場であってほしい。

こんな悪い状況でもウザいほど愛情を注いでくれる人なんて、家族以外にいるわけがないのだから。

 

ドアを開ける

家も地獄、外も地獄、どこにも居場所がない。

こうなるリスクを背負ってまで荒療治(家の居心地を悪くして外に追い出す)を試すのは、僕はあまり賢い選択肢ではないように思う。

 

それより、

家は安全基地で、家族は味方。

その上で外の世界に散策に行きます。

の方がよっぽど健全に思う。

家(家族)という安全基地があるからこそ、外の世界に飛び出していけるのだ。

 

考えてみて。

親御さん自身も、そうやって大きくなったのでは?

そうやって社会に適応してきたのではないですか?

 

じゃあ家族にできることは、家を快適にして、世界にひとりぼっちなんかじゃないって安心させること以外ないと思う。

親御さん自身が自分の人生を楽しんで、「外の世界って楽しいよ」と見せるしかない。

 

そしていつか、その子のタイミングで外に出る。

その時を待つしかないと思う。

 

 

外に出るドアを開けることは、本人にしかできない。

ドアノブは子どもの側にしかない

という言葉を聞いた。

その通りだと思う。

 

なんとか外からドアを開けようと、試行錯誤したくなる。

無理やり押してみたり、引いてみたり。

気持ちはわかる。

 

でも、実際に決心してドアを開けるのは、本人だ。

ドアノブは内側にしかないのだ。

 

基地をぶっ壊すんじゃなくて、その子が自分でドアを開け、自分の足で歩き出すのを待ってあげてほしいなーと思う。

POSTED COMMENT

  1. はたちゃん より:

    ドアノブは内側にしかない
    その通りですね。
    いっくら外から叩いても開かなかった娘のドア。
    あることがきっかけで娘が本音をぶちまけ、それを受け止め謝ってから、娘のドアが少しずつ開くようになりました。

    読んでいてあの頃の気持ちが蘇って泣けてきました。
    家を快適に、期待しない、子どもに振り回されずどんどん出かける、そして、外であったことを娘にただ話す。そしたらいつの間にか自分の進路を決め、動き始めました。
    まだまだリハビリ開始したばかりで心配になりますが、私の期待ハードルはかなり低く、高1娘の中身は小学生設定。
    外から帰ったら娘の話をひたすら聞く事に今は全集中です。

    まだまだ受容ができず、つい余計なアドバイスしてしまうので、求められるまで我慢出来るよう私もリハビリがんばります!

  2. ミッキー より:

    先生‼️
    感動した‼️

    焦らない。
    彼がドアノブを開けるまで。

    壊して出すなんて
    できない。

    周囲の声に焦っていた私。
    先生のブログで助かったぁ。

  3. あい より:

    とてもとてもよくわかりました。そうなのかなと思っていても周りから言われると私が不安になってしまって…。
    先生が断言してくださることですごく安心できました。息子を認めて見守りたいと思います!

  4. ゆなち より:

    いつも読まさせて頂いてます。
    私も 子供らもHSPだったり発達障害があるので 外に出ることは大変疲れます。

    昔 保育園の園長先生に「お家はゴミ箱」と
    言われてから とりあえず 家にいるときは 安らげたらなと思って生活してます。

  5. いっぽいっぽ より:

    今日も納得です。
    家の安全基地、最初は頭で理解してやっていたつもりでしたが、今となれば、子供の言われるまま過ごさせてあげている、何も言わないでいてあげている、という上から目線の感じでした。私の不安イライラを見せないようするのが何よりしんどかったです。

    そして動き出して外に一瞬出ては、また傷ついて止まりを繰り返してました。だんだん、失敗を私が一緒に落ち込むじゃなくて、挑戦したその気持ちを近くで認めてあげることを何度もしていると、だんだん止まっても動き出すまでの時間が早くなりました。

    二年たち今の私の声かけは、「あなたが苦しみながらも一つ一つ壁を自分で決めて、乗り越えてきたのみてたから、絶対なんとかなるから大丈夫。自分を信じてあげなよ。あなたは大丈夫」です。
    私の不安だけは、この子におしつけないよう日々きをつけています。失敗もしますが、、。安全基地、頑張ります。

  6. ミッキー より:

    先生のドアノブの話

    どこかで

    何かと

    あっ‼️‼️

    高橋優さんの

    BE RIGHE って曲です😁

    そのドアノブをガチャっと、さぁ♪

  7. すずめちゃんちゃん より:

    ドアノブは子ども側にしかない!
    いいですねぇ〜

    不登校するのも大変なんですよね。
    甘えでも楽でもなんでもない。
    親の価値観と思い込みを子どもに押し付けちゃ駄目。

    待つのって不安かもしれないけど、大丈夫なんですよ。絶対に大丈夫。
    急がば回れ。待つのが結局一番の近道だから。

    不安が強くてなかなか外れなかった娘のオムツ問題。急かさず、焦らず、ずーっと待ってたら娘は自分からトイレに行くようになりましたよ。

    不安が強くて保育園のクラスで集団に入れなかったけど、無理させず楽しい一人遊び環境を作り続けて待っていたら、気付いたら自分からお友達の中に入っていたし。

    大丈夫なんですよ。待つ自信がついたらどんとこい!ですよ。
    とにかく大事なのは温かい親子関係。だからこそ、うちの中を快適になんですよね。

    がんばります!

  8. 匿名希望 より:

    「家を快適に」を見ると、思い出す文章があります。
     「自分を受け入れる事ができるためには、貢献感がなければなりません。貢献感を持てる為には、他者が敵ではなく、仲間として信頼できる事が必要なのです。」: アドラー 人生の意味の心理学 岸見 一郎著 NHK 100分de名著ブックス
     自分のやり方で救えた者しか見ない人達の言葉は勇ましい。けれど、自分では救えない者もきちんと見てこられた人達の言葉は、途中の論理に違いはあっても、結局似たような結論に行き着く事が多い。その一つの表現形がP先生の言われる「家を快適に」という事なのだろうと思っています。
     それにしてもP先生のブログは、いま困っている保護者にとってのアクセスのしやすさ、具体性、わかりやすさの点で、群を抜いてますよね。一つの更新に一つのテーマだし、読んだ後で明るい気分になれるので、折に触れて読み返したくなります。
     たくさんの経験から得られた物を、惜しみなく言葉にしてくださっている事に、感謝いたします。

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