B集団の人の就職の話。
学校が合わないB集団の人。
学校すら合わないのに、企業で適応していける?
B集団は就職に不利?
結局、不登校の何が心配って、
この子の将来が心配
これに尽きると思うんですよね。
将来的に自立できるか。
つまり、一人で生きていけるかってこと。
そのためには、
「この子はとても優しいんです」
「個性的で面白い子です」
「足が速いです」
「そろばん得意」
「歴史の知識は誰にも負けない!」
のような、卒業文集のクラス全員が何かのナンバーワンみたいなフワッとした強みではダメで。(僕は『休み時間に図書室にいる人ナンバーワン』だった) (友達いないんだよクソが) (あと他に褒めるところなかったんだろうなクソが)
現実的に! 即物的に! お金が稼げるか、って話が重要になってくるんだと思う。
わかる。
だからこそ、「就職できるか」「そのためには学歴が」ってなっていくんだと思う。
非常にわかる。
黄色くても赤くても何か好きな事得意な事ある方は良いと思いますが、特にこれといった能力がない場合、自立して稼いで生きていけるかと考えると…。
企業は(日本は資本主義で儲けることを目指すので)「分かりやすく使える人」を欲しがります。赤い人の履歴書は就活で不利になります。
恐らく買い手市場だとB集団の人が出来る仕事でもA集団の人で決まってしまうでしょう(個人的にはココが怖いポイントだと思ってます)。
だから親御さんも、この子はA集団ではないと薄々気付きつつ、でも不登校だと将来が不安、と頑張らせたくなるのでしょうね。
↑こういった話ね。
確かに、その企業に就職するならB集団は不利だと思う。
その会社に就職、ホントにする?
この手の話、非常にわかるんだけど。
でも僕は思うんだ。
A集団の人材を欲しがっている企業に、B集団の人が就職するってどうなの?
いやわかるよ。
良い企業に就職するのが、日本では最も効率よくお金を稼ぐ方法だ。
安定しているし、見栄えも良い。
『おトク』ですよね。
それはわかる。
でもさ。
その企業は
分かりやすく使える人
を欲しがっているわけでしょう?
B集団の人って、どう逆立ちしても「分かりやすく使える人」ではないわけじゃん?
もう、この時点でミスマッチじゃん。
※もちろんこれは誰も悪くない。「使える人」を企業が欲しがるのも当然だし、生まれつきそうじゃないB集団の人にも落ち度はないし。たまたま偶然のミスマッチってだけ。
「分かりやすく使える人」を装って就職したとしても、きっとボロが出る。
以前引用したコメントにあったように、職場で浮いちゃうとか、仕事ができないとか、同僚に疎まれるとか、出てくると思うんだ。
「そんなの織り込み済み、自分は人からどう思われようと今の地位と給与にしがみつけばそれでオールオッケー⭐︎」
みたいな人ならそれでいいと思う。
でも、大抵そうじゃない。
「なんかうまくいかない感じ」を抱え、自己不全感に苛まれている人が大多数だろう。
これ、ダメじゃね?
そもそも企業が欲する人材とマッチしていないのだから、そこに就職しちゃダメじゃね?
お互い不幸じゃね?
と思うんだ。
じゃあどうするか
わかる。
わかるよ。
こう言うと、
「一部の能力や才能がある人は良いが、そうでない人はどうしろって言うんだ! ふんぬー! もう怒った!」
って桜木花道化する人がたくさん出てくると思う。(映画楽しみですね)
でも、僕は違うと思うんだ。
やっぱり、極端じゃないですか?
良い企業に就職する
か
突出した才能を生かして華々しく活躍する
の二択しかないの?
極端じゃね?
例えばこんな仕事①
どちらでもない、でも「その子に合う場所」って、僕はあると思う。
僕は医療畑の人間だから、医療関係以外の仕事はあまり知らないんだけど。
行動範囲は家と病院とツタヤだけなんだけど。
でも例えば、病院で使う資材(注射器とかマスクとか)を補充してくれる人がいる。
多分コミュニケーション能力とかあまり要らなくて、指示された物品を確実に補充するのが仕事っぽい。
あの人たちの仕事の実際(給与とか)を僕はよく知らないんだけど、でも、この仕事がないと非っっっ常に困るわけで。
僕の病院に、この仕事についている脚の悪い人がいる。
少し脚をひきずりながら、でも全く問題なくカンペキに仕事をしてくれている。
例えばこんな仕事②
あと思いついたのは、たびたび家の修理を頼む業者さん。
僕の家は建て付けが悪く、部屋のドアが5cmほど開いてしまう。
ドアよ、お前の役割ってナニ? みたいになっていた。
で、修理を頼んだところ、見事にピッタリ、アリ一匹逃さないぜ! みたいな状態にしてくれたのだ。
その後も壊れた引き出しの修理やら、コンセントの増設やら頼んだんだけど、まぁ見事。
期待した以上のクオリティーで仕上げてくる。
凄腕の職人さん。
なんだけど、毎回といって良いくらい代金の請求がないのだ。
踏み倒しちゃおっかなーとか思うんだけど、でもまぁ僕もいい大人なので、僕の方から会社に連絡してお支払いする形。
わかんないけど、その職人さんには発達障害的な何かがあるのだと僕は思っている。
だから事務処理(契約とかお金のこととか)は他のスタッフが担当し、彼は作業に集中できたらいいのになーなんてこっそり思っている。
仕事を分ける。
たったそれだけのことで、彼の抱える問題はもはや問題ではなくなるのに。
例えばこんな仕事③
それでも無理というのなら。
知人に、大手企業を辞めて個人で起業した女性がいる。
めっちゃ大手で収入も安定しており社会的地位も申し分なかったんだけど。
でも辞めた。
子育てしながら仕事を続けることが、時間的・体力的に厳しくなったんだそうだ。
で、起業したんだけど。
彼女には突き抜けた才能も、ビジネスに繋がりそうな知識や興味も、何もなかった。(と本人が言っていた)
彼女は、まったく経験も知識もないアパレルの分野で起業した。
それで良くない?
調べながら、試行錯誤しながら、人の手を借りながらやってみればよい。
雇用されて働くことが厳しければ、起業すればよい。
幸い今はネットが発達しており、一個人がビジネスを行うハードルがアホほど下がっている。
ないなら作ればよい。
自分の力で、自分に合うビジネスモデルを作ればよいのだ。
選択肢は絶対にある
ここまで書いても、「でもうちの子にはその能力が」とか、「興味を持って自分から動くことがないのに」とか、「最低限の学力が」とか、まだまだ心配が尽きない親御さんがいらっしゃることと思う。
一つひとつのケースに「その場合はこうすれば」と答えることはできないけれど、でも、これまでの内容をヒントにしてほしい。
良い企業に就職する
か
突出した才能を生かして華々しく活躍する
この二択では、断じてない。
その間には、無限の可能性が広がっている。
選択肢は絶対にあるし、選択する権利はその子(と親御さん)にある。
この子に合う仕事は何か。
どれくらいの人数で働く?
人とのコミュニケーションはどの程度必要?
一人で完結できる仕事?
収入は具体的にどのくらい得られれば足りそう?
何より、この子が生き生きとやりがいをもって働ける仕事ってどんなもの?
子供が子供のうちに、よく観察してほしいと思った。
どこがゴール?
そのためには、どんな知識とスキルが必要?
この子大人になるその日までに、しっかり『準備』してあげてほしいと思う。
先生の考え方に同意です!
ですが、子供の好きなこと、進みたい道のための準備など親としてのスキルが低い私にはハードルが高いな、と正直思ってしまいました。
将来を心配して学校へ戻そうとも考えるでしょうが、将来の心配だけなら、学校行かなくても良いと思います。では何故もどそうとするのか?
それは義務だからです。
私は超めんどくさがりなので、「準備」も出来ないタイプです。では何をきっかけに行動するのか?
「義務」は果たす責任感は持ち合わせています。
遠足が義務ならその準備は義務を果たすための工程であり、準備することも義務になるから出来るのです。
義務教育を受けさせるのも、子どもを養育することも義務だからしていること。
義務教育でなくなれば、学校なんて気にしません。
(私自身は義務なので皆勤賞でした)
小4の息子は昨年の夏から学校に行かなくなりました。このままだと私は半分しか義務を果たしていないことになります。
疲弊してレスパイト(医療保護入院になっちゃいましたが)もしてるので、養育の義務すら果たせてない期間があったことになります。
養育も義務でなかったら放棄してるかも。
↑は極論ですが。
でも突然の家庭内暴力に疲弊してそれに近い状況はありました。
凸凹とわかったのもこの時です。
子どもを養育することは義務なので、どのように付き合えば良いのか調べたり、相談したりしてますが、義務じゃなかったら超めんどくさがりの私は何もしていないと思います。
今日も義務を果たすために半分脅しをかけて(学校行かないのに給食止めるのは嫌がる)を送り届けました。
(昨日は義務をはたしてないので)
準備なら行動出来るのは、マシな分類の人だと思います。
私はめんどうな準備なんて嫌いだから。
P先生
伏線回収、「準備」にしびれました!
もはや、半沢です。
学び深く、拝読致しました。
ありがとうございました。
P先生こんばんは!
私は医療従事者なのですが、最近関わっていてどうしても辛いタイプの方がいるのに気づき、ごくたまにしか遭遇しないのに遭遇したときのダメージが強くてこの仕事向いてないのかな~なんて思っておりました…。
いわゆる接客を要する仕事は、お客さんとの相性ガチャがあるから、どこまでを許容できる人間関係ストレスとするか難しいですね。
私のアルバイト遍歴で考えると、一番働き易かったのはマクドナルドです!(お客さんガチャはありますが…)
とにかくマニュアルがしっかりしていて、挨拶ですら10時からは「いらっしゃいませ、こんにちは」18時からは「いらっしゃいませ、こんばんは」と決まっていたり、初日の仕事は挨拶の声出しとトレーの拭き方の練習からで、高校生でも仕事が楽しい!と思える良いシステムだと思いました。
逆に夫はマニュアルガチガチのバイトは合わなかったようで、家庭教師を長くやっていましたね。
よくよく思い返すと、自分自身の事ならちょっと躓いた時に、それ以上派手に転ばないようにちゃんと路線変更してるんですね。
こんなアラフォーになっても、どんな仕事、どんな働き方で食べていくか?って悩むのだから、中高生の時代から親も一緒に模索してくれてたら心強いんだろうなと思いました!
私も先生寄りの考え方をしてます。
先日も、適応指導教室の先生から言われました。
「いつか集団に戻ったほうが良いと思う、それが彼女の為だから、将来の為だから。」(娘は小4です)
この手の意見が多いのは承知ですが、私はあんなにストレスの多い場所に本人が戻りたいと思ってないし、強い意志もないのに戻してなんの価値があるんだろう、と思ってしまいます。
適応指導教室は縦割りで少人数(現在は中学生がほとんどで総勢10人ほど)、この場所が本人にとっての最良の居場所だと私は思っています。が、もし、いつか本人が強い意志を持って集団に戻りたいと思ったときには応援しますし、手伝いもします。
このまま中学卒業まで適応指導教室在籍でも、高校も通信しか行けなくても、この子に合った職業を見つければいいと思っています。
それは他よりもすごく大変かもしれないし、選べるほどの余裕もないかもしれませんが、その少ない中にもたぶん合う居場所は見つかると思っています。
それじゃダメなんですかね、いろいろなペリーさんにいろいろなことを言われると若干、若干ですよ(笑)萎えてしまうときもありますが、先生のブログ見て私は一人勇気付けられます。