不登校

不登校=社会適応できない、ってちょっと極端すぎない?

前回の続き。

社会適応できてない人って、なんでこうなったの?不登校の予後は良いって話を書いた。 だからこそ、その子の社会復帰の条件、つまりどんな規模の場所でどんなことをするのが合うかを見定め...

 

社会適応できない人

でね。

前回書いたような、社会適応がちょっとアレな人。(仕事でトラブルを起こしたり、暗黙の了解がわからなかったり)

この人、Dさん(社会適応ムリげな人)ですか?

 

ちがうんですよ。

 

この人もきっと、社会適応できる。

多少は人に迷惑をかけつつ、でもそれなりに生産性のある仕事ができるはずだ。

一応、フツーの会社に就職できた人だ。(適応はできてないけど)

それなりにコミュニケーションが取れるし、それなりに人を欲すると思われる。

きっと、AさんかBさんかCさんだ。

Dさんじゃない。

 

※『学校が合わない人』をB集団と勝手に名付けた。その中で不登校の人をAさんBさんCさんDさんとした。

※AさんBさんCさんDさんって、下図の赤い人の上から順番につけただけね。

 

社会適応できない、にっちもさっちもいかない人(Dさん)って、必ず出る。

そう書いた。

これは事実だと思っている。

 

でもさ。

 

Dさんは、どうしたらいいでしょうか?

 

今回先生は
「全然ダメ」な子が出ることも想定している。
にっちもさっちも行かず、社会適応できない子。
絶対に出る。

この場合の事を教えていただきたいです。
会社で困るのはだいたいこのような感じの方だと思うので。
よろしくお願いいたします。

 

で、不登校せずどっちかというと皆勤だった子が今Dさんです!ぎゃー!高校で友達1人もできなかった事を引きづってんのかなぁ。。何も言ってくれないのでわからない。でもなんか多分、コミユニケーション力ないので、軽度(社会生活はなんとなく送れる)の自閉症スペクトラムかな、と思ってます。病院行ってないので信ぴょう性にかけるけど。Dさんにも不登校児と同じような対応(無理させない等)をしてるんだけど、ダメなんかな?

 

多分みんな、Dさんじゃないよ!

 

Dさんって、僕は結構しっかり障害がある人を想定している。

今まで敢えて具体的には書かなかったんだけど、今回書くね。

乱暴だけど、あくまで僕のイメージだから、怒らないでね。

 

ASDで言うと、レインマンって映画知ってます?

アレのダスティン・ホフマンのイメージ。

知的障害でいうと、IQ 50以下くらい。

※あくまで僕のイメージ! みんながみんなそうではないので、傷ついた人がいたらすみません。

 

日常生活の時点でかなりしんどいよなー、助けが要るよなーってレベル。

このレベルだと、社会に適応するのはしんどいと思う。

特に、仕事という生産性のある行動は難しいだろう。

※もちろんみんながそうってわけじゃないです。

 

でも、この人たちって少ないんです。

絶対いるよ?

でも、少ない。

 

「この子、社会適応できないですよね?」

で。

そこまでじゃない人。

「これはムリだわ」とまではいかない人たち。

ちょっとアレだけど、まあそれなりにはコミュニケーションが取れる人。

社会的には問題アリでも、普通の生活を送ることはできる人。

 

この人たちは、社会適応できる。

小さなコミュニティーで、ライトなお付き合いがちょうどいいかもしれない。

もしくは特定の一人と狭く深くガッツリ付き合うのが良いかもしれない。

人によるだろうけど、でもその人に合う規模のコミュニティーって、絶対にある。

 

なのに、みんな極端なんですよ。

 

A集団(フツーに社会適応できる)

Dさん(社会適応かなり厳しい)

 

のどっちかだと思ってません?

A集団じゃないとなると、すべからくみんなDさんだと思ってない?

 

不登校って、全小学生の0.8%、全中学生の3.9%なんだって。(2019、文科省)

結構多いよね。

この子たちがみんな社会不適合者?

さらに、それ以外の人は全員A集団?

 

フツーにそんなわけなくない?

 

極端なんですよ。

これを読んでいる方のお子さんは、B集団の黄色い人、もしくは不登校でもAさん、Bさん、Cさんが大部分を占めると思われる。

不登校の大部分がAさん、Bさん、Cさんだ。

居場所を見つけられる子だ。

 

ちなみに完全な私見だが。

不登校の予後について、5年後に8割が社会復帰してるって論文がある。社会復帰していない2割の子たち。この中にはDさんももちろん含まれるけど、「対応を間違ってこじらせちゃった子」の方がずっと多いと思う。

だから不登校児が100人いたとしたら、その中でDさんってほんの一握り、数人程度というのが個人的な意見。

 

だからさ。

多分その子、Dさんじゃないです。

その子に合う場所はきっとある。

一緒に探してあげてください。

 

不登校が進路を狭める

不登校が進路を狭める?

 

いーじゃん!

 

それってデメリットなの?

むしろ好ましいことだとすら僕は思う。

 

『フツーの学校』が合わなかったその子。

きっと、『フツーの仕事』も合わないよ。(何を以て普通の仕事とするのかは置いといて)

早めに分かってよかったじゃん。

じゃあどんな場所が合うか、探せばよい。

 

みんなに無限の可能性があるのが良いこととは、僕は思わない。

B集団の子は、じゃあ自分に合う環境ってどんなところか探す。

これに時間とエネルギーを費やして欲しいと思う。

 

そして、見つけた子。

自分のやりたいこと、得意なこと、そのままの自分でいられる場所。

きっと何十年先まで活きる学びが得られていると思う。

 

頑張れ、B集団!

POSTED COMMENT

  1. タタン より:

    文面の「特定の一人と狭く深くガッツリ付き合える」「自分のままでいられる」がお互いにとって楽しい関係だったらいい。実は「一方的に寄ってこられて、ずっとそばに居続けられる。どれだけ言っても、離れて欲しいという気持ちが伝わらない。他者の一方的な犠牲の上に成り立っている」関係ではないか。
     摩擦を起こしやすいパターンはある程度決まっているので、たまたま同級生になっただけの子に歪みを押し付けないよう、支援者が事前にできるサポートをして欲しい。腑に落ちる形で納得できれば、嫌がられる行動が何かに気づき、それはしない事も出来るお子さんもきっと多い。専門職と繋がっていない場合は、支援者は親しかいないかも知れない。
    ・人が好きなのに嫌われがちなお子さんには、「友達とは、一緒にいて楽しいと自分と相手の両方が思える関係」という定義と、「だから、相手に嫌とかやめてとか言われた事はしない」という点を繰り返し教える。 
    ・〇〇さんと仲良くなったとお子さんに言われたら、親として喜ぶのは当然。でもよかったねで終わりにしない。「近すぎる」「離れて」など言われていないか、「何かをやめて」と言われていないか聞く。言われていても、本当に嫌がられているのにじゃれあいだと思っているか、もしくは、相手と会話ができて嬉しいという事だけで意識が止まっている事がある。・相手が自分と一緒にいたいと思っているか考えさせる。そうでない人にずっと一緒にいられるのは嫌なだけ。自分の子が一方的に寄っていくだけの関係でないかチェックする。それでも一緒にいたいなら、相手が嫌がらないくらいの時間はどれくらいか、クラスメイトとしての適切な距離感、例えば毎日一回雑談をして後は離れる、など支援者が一緒に考えてあげて欲しい。嫌がられない範囲で付き合う事ができれば、お子さんの良さに気づいてくれる子も現れる。・「〇〇さんと一緒の時だけ集団の中に入っていける」なら、まずは集団の中で話を聞くのに集中する。次は少しずつ短い話をして、話をつなげてくれた子が〇〇さん以外にもいるなら、そう言う話が受け入れられる、どんな話なら受け入れられるかを考えて欲しい。それが難しそうなお子さんなら、初めから「〇〇さんはあなたなしで他の子と話したい時もあるから、他の子と話に行く時にはついていってはいけない」と教えて欲しい。〇〇さんだって、ホッとする相手だけに囲まれて談笑する権利がある。
     高知能積極奇異型ASD に足りないのは、モラルでも学習能力でもなく、気づき。気づきの部分は、支援者が補って欲しい。他人に嫌がられる事を続ける人間は結局孤独になる、と思いますが、いかがでしょうか。p先生のお考えをお聞かせ頂ければありがたいです。

  2. ゆうまま より:

     先生のいうDの人は私とイメージがちがいました。私がDの子の親ならば、自立ではなく、将来どう福祉へ繋ぐか考えると思います。
     問題は引きこもりになってしまうC→Dさんです。ASDの子でも自ら居場所、人と繋がりたいと思うでしょうか。我が家はまだ小学生です。お膳立てしないとなかなか人と繋がらない。ずっと居場所見つからなかったら、と不安に押しつぶされそうになります。

  3. なつ より:

    はじめまして。
    いつも、ホントその通り!と思いながら読ませていただいています。ありがとうございます。
    私はもう大人ですがB集団の黄色い人です。

    黄色くても赤くても何か好きな事得意な事ある方は良いと思いますが、特にこれといった能力がない場合、自立して稼いで生きていけるかと考えると…。
    企業は(日本は資本主義で儲けることを目指すので)「分かりやすく使える人」を欲しがります。赤い人の履歴書は就活で不利になります。
    恐らく買い手市場だとB集団の人が出来る仕事でもA集団の人で決まってしまうでしょう(個人的にはココが怖いポイントだと思ってます)。
    だから親御さんも、この子はA集団ではないと薄々気付きつつ、でも不登校だと将来が不安、と頑張らせたくなるのでしょうね。

    先生の話、私が学生だった頃に知っていたら人生違っていたかもなあ。
    これからもブログ楽しみにしています(^^)

  4. たま より:

     身内が、職場での人間関係が上手くいかず、うつ病などの精神疾患になった人の相談を受ける仕事をしています。結果的にそのまま離職して、再就職せず大人の引きこもりみたくなる人もいるそうです。
     相談を受ける際に幼少期から学生時代についても確認するそうですが、そういう人たちのほとんどが不登校歴はない(きちんと通学していた)と聞きました。
     「学校に行かなければ社会性が身がつかない」って、必ずしも当てはまらないような気がします。
     不登校でも学校以外の市民サークルや習い事等に参加していて、そこが異年齢で構成されている集団ならば、学校よりも社会性が身につくと聞いたことがありますし、そういう人を実際に知っていますが、きちんと社会人として頑張って働いています。
     学校って、ほとんど同年齢の人との関わりしか持たないので、同調圧力が起こりやすいですし、同年齢の集団の中だけでの関わり方だけを学んでも、実際に社会に出てから通用しませんよね。社会に出てからはずっと年上やずっと年下の人とたくさん関わる必要が生じますから、クラスの同級生のように同年代とだけの変に空気を読むようなコミュニケーションが上手くできたからって本当の意味での社会性がどの程度身につくのか、社会に出てどの程度通用するかは未知数だと思います。
     そういえば「PRES〇DENT Online」に「学年とクラスをなくせば不登校が激減する」って載ってましたっけ。

  5. 匿名 より:

    先生が近くにいてアドバイスをくれたらたくさんの方が救われると思います。
    親子の向き合い方でその子の人生が大きく変わりますね。

    B集団の方が自分に合った環境が見つかりますように。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です