不登校

社会適応できてない人って、なんでこうなったの?

不登校の予後は良いって話を書いた。

だからこそ、その子の社会復帰の条件、つまりどんな規模の場所でどんなことをするのが合うかを見定めるのが大事って話も書いた。

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でさ。

そんな話題の中で、この手の意見をちらほらいただくわけです。

 

私は不登校反対派です。

当事者はよくとも、他人がフォローしなくてはならないからです。社会人になって親や先生がフォローしてくれますか?
ひとりで誰にも関わらない職人業についているなら良いですが、そうでないなら他人がまきこまれます。
少しでも意にそぐわないことがあると気分が落ちていたという理由で無断欠勤をしたり、集団生活で培う常識が欠けていたりして同僚としてフォローする域を越えてきます。
不登校児の家族や先生は社会人になれたという事実だけで判断されていて、他人と関わり、時には理不尽なことや我慢が必要なことがあるということについての考えをみたことがないです。
自分の気分でしたいように他人と関わること。それが不登校賛成派の目標でしょうか。

 

不登校の理由はいろいろあると思いますが、不登校で社会性がないまま社会に出ると浮きます。
私の会社に不登校、出席日数足りず、定時制高校を出た方がいましたが、男性のいる前でナプキンをだしたり、下着が見えても気にしない、人との距離感が近いなど、マナーや暗黙のルールがわからない、他人を気にしないのでフォローするこちらが疲れました。
でも本人に困り感がないとお手上げで、最終的に私がしんどくなり退職しました。

 

社会適応が難しい人

こういう人っている。

少数だけど、確実に存在します。

 

何度も書いている通り、この人たちは「不登校だから社会性が育たなかった」のではなく、「社会性がない人だから不登校になった」のだと僕は思っている。

 

もともと、社会のルールを理解するのが難しい人だった。

『そういう人』だった

だから学校に適応できず不登校になったし、さらに不登校になったせいで社会性を身につける機会を逃して、ここまできてしまった。

 

「だから不登校はけしからん! 無理やり復学させて少しでも社会性を身に付けさせるべき!」

その主張は分かるんだけど、ちょっと待って。

 

僕の考えは逆なんだ。

こういう子が、自分と向き合う機会を逸したまま大人になってしまったことが問題だと僕は考える。

つまり、無理やり『普通』に当て嵌めようとしちゃった、むしろ『普通』の会社に就職させちゃったことが問題。

 

どういうこと?

 

こういう人は、社会性が非常に乏しいわけです。

上記コメントにいただいたレベルの人だと、『普通』に仕事をこなすのは難しいと思われる。

だからこそ、この人に合う職場に就職すべきだった。

コメントの人が具体的にどんな困難を抱えているのかは分からないけれど、例えば

  • 自分のペースでできるクリエイティブな仕事
  • ミスしても他人のフォローを要さない(自分で完結できる)仕事
  • 暗黙の了解が不要な仕事

とか?

 

とにかくそういった、その人の抱える困難が目立たない仕事を選ぶべきだったと思う。

そしたら本人も同僚も雇用者もお客さんも、みんなハッピーだった。

 

そういう仕事、ありますよね。

職種は限定されるかもだが、でも、ある。

(それでもムリってレベルの人は福祉に頼って生きていけばいいと思うし)

 

逆に言うと、その人は何が苦手で何はできるのか、自分および周囲が理解していなかった。

そのために起きた悲劇だ。

周りが大変なのは分かるけど、上記の感じだと本人もハッピーなわけがない。(本人の困り感はないかもしれないが、「なんかうまくいかない」という嫌な感じはあると思う。それすらないなら福祉レベルだと思うし。)

 

不登校は特性に気づくチャンス

この人たち。

きっと、今までの人生で気づく機会ってあった。

そう、学生の頃。

不登校だったり、トラブルが多かったり、ルールが守れなかったり。

なにかしらあったハズなのだ。

 

でもその際にスルーしてしまったために、今こうなっている。

不登校になった時点で

「この子はなぜ不登校になったのかな? そうか、社会性がかなり乏しいんだ。だから友達とのトラブルが絶えない。じゃあ小さなコミュニティーで、よく見知った人と過ごす方がうまくいきそうだな。大勢とうまくやるのはムリそうだけど、少人数でやっていく最低限のスキルは身につけさせた方がいいな。」

といった考察があれば、きっと今こうなってない。

 

不登校?

けしからん!

フツーに卒業し、フツーに就職しろ!

それが正義でありお前の幸せだ!

 

という接し方をしたため、その人の特性に気づく機会を逃し、今こうなってしまっているものと予測する。

 

その子はフツーじゃない。(社会性という意味で)

どう頑張ってもフツー(A集団)にはなれない。

生まれついての、チャキチャキのB集団なわけだ。

 

その前提で幸せを模索してあげるべきだったと、僕なんかは思うんだけど。

 

次回予告

目の前のこの子が、A集団じゃないと分かった。

『学校が合わない子』ってわかった。

じゃあこの子はDさん?

お先真っ暗?

そんなハズないでしょ、って話を次回書きます。

POSTED COMMENT

  1. ゆうまま より:

    今、まさにDじゃないかと思ってるASDで不登校児です。小学4年生で、発達障害発覚といった感じです。それまでは過剰適応だったんだと思います。二次障害で不安定、暴言、暴力です。勉強拒否です。でもよく寝て、よく食べて笑う事も多いです。今は良いですが、まだ4年生御膳立てして少しずつとは思うのですが、なかなか社会適応させてあげる場所むずかしいです。
     消去法だと引きこもりしか残らない。得意な事伸ばしてあげて、大人でも今から趣味みつけて、参加してってなかなか難しいです。本当に友人いなくて将来の事にもあせらないのかな?
     学校で友達にいじめられたわけでも、休憩中も一人ポツンではないのに。息子が分からないなぁ。

  2. 匿名 より:

    先生、コメントに返していただきありがとうございます。
    私は2例目の者です。
    仕事はCADオペレーターという設計補助の仕事です。
    CADというソフトを使ってPCで図面を書くのですが、そういう方に向いてると書いてあるサイトも見たことがあります。
    でも現実は違います。(自分で設計できたら違うと思いますが…)
    まず設計士さんの指示を汲み取るところもつまずくし、予定が組めない為作業が終わりません。
    その日の作業が終わらなくても毎日定時で帰り、期日直前に終わらないと相談もないし、平気で期日に間に合いませんでした。

    何より自分で書いた後の図面のチェックができない。
    (チェックしてるのかもしれませんが、)彼女の仕事の後は誰がまたチェックして直さないといけませんでした。
    あまりにも間違いが多いので信用できない、と彼女の仕事を最初からやり直す事になった事もあります。
    指示はメールと口頭、作業の手本を見せて、参考図面があっても無理でした。
    電話対応やメモとるのもフォローしましたが、無理でした。(クローズ就労なので最初はさせました)

    本当、彼女は違う所で働いた方がいいと思います。
    でも設計会社の正社員なのでしがみつくと思いますが。
    本人の困り感は、仕事できなくても謝ったりしてこないのでわかりませんでした。
    当然まわりはあの子はA集団ではないと気づくし、色々と大変でした。

    私は彼女と関わってから自分でフォローできる事を調べては挑戦して、失敗して落ち込んで、最終的に疲れて辞めました。
    どうしたら良かったのかとずっと心に引っかかってました。
    最後に先生のブログにたどり着きました。
    やっと自分に、あの子は元から無理だったんだ、自分の力不足じゃない、我慢が足りなかったわけじゃない、頑張ったと言ってあげれます。

    先生ありがとうございました。

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