親子関係

最優先すべきは誰ですか? 〜大人の方へ〜

子供に何か問題が起きる。

不登校、不定愁訴、学習の問題、反抗期、情緒不安定……。

そんなとき、誰のことを最優先に考えて行動しますか?

 

親子は響き合う

このブログを読んでいるのは、何らかの問題を抱えたお子さんの親御さんが多いと思う。

子供に問題があれば、まぁあたふたするでしょう。

 

母
うちの子どうしちゃったの?

 

母
これからどうなっちゃうの?

 

はたまた

 

母
申し訳ないけど、子供を捨てる親の気持ちもわかる……。

 

そんなところまで追い詰められてしまうでしょうか。

 

そんなとき。

まずは落ち着いてほしい

パニック状態、混乱、怒り心頭、抑うつ。

そんな状態で足掻いても、たいてい「やっちまう」。

 

な〜に〜? やっちまったな!

男は黙って「これを読め!」↓

感情的になったときはこうするのがオススメ!「わかっちゃいるけどやめられない」 これは人間の真理をついた言葉だと、個人的に思っている。 さすが植木等、そしてさすが青島幸...

 

親子は響き合う

親が落ち着かないと、子供も落ち着かない。

そして落ち着かない子を見て親がさらに落ち着かなくなる。

響きあってしまうんだ、よくも悪くも。

 

これはもう、如実にそうだ。

特にHSCでは顕著だ。

親御さんの様子を敏感に察知し、不安定になる。

そしてHSCの親御さんは往々にしてHSPだもんで、親御さんも引っ張られる。

で、なんとかしようと足掻いて、結果「やっちまう」。

お互いに傷つけ合う。

 

まずは落ち着いてほしい。

落ち着くまで「動かない」。

男は黙って「動かない!」。

 

最優先すべき人物

落ち着きました?

落ち着きましたね?

 

じゃあ、そこから考える。

さてこの困った状況、どうやって打破する?

誰を優先して、どう動けば成功率が高い?

 

僕は外来でたくさんの親子を見てきた。

その上で、もうこれは真理だと思う。

 

親御さんを最優先

 

困ってるのは子供なのだから、子供本人を最優先に動くべきと思った?

惜しいですね。

子供は2番ですね。

 

最優先すべきは親御さん自身。

2番が子供。

3番子供、4番子供、5番も子供。

10番くらいにやっと、学歴とか友達とか親戚とか世間体とかペリーとかが出てくる。

つまり、その他諸々はぶっちゃけどうでもよくて、優先順位一位の親御さんと二位のお子さんのことだけ考えてくださいってこと。

これはもう、真理だと思っている。

 

 

親子で響きあってぐっちゃぐちゃ。

お互いに地雷を踏み合って、目も当てられない状態。

そんな患者さんに、僕はこう言うことが多い。

 

「子供のことは放置でいいんで、お母さんの好きなことをしてください。」

「まずはゆっくり寝て、家事も育児もぶん投げて、ルミネthe吉本にでも行ってきてください。」

「夜中に子供が喚いても『お母さん眠いから明日の日中に聞くわ〜』でお願いします。」

 

オマエ散々「子供の人生だから子供が主役!」とか言ってきたじゃん死ねよって?

そうなんだけど、でもその前に親御さんの人生は親御さんが主役なわけですわ。

 

これは、子供のためにもそうで。

親御さんが安定しないと子供も安定しない。

親は子に「問題児」という役割を与えて、子は親に「問題児の世話を焼く母」という役割を与える。

『共依存』ってやつだ。

こうすることで、お互いを必要とし合い、お互いズブズブに沈んでいく。

お互い役割を奪わない、奪えない。

そうすることでしか、自身の価値を見出せない。

 

これな。

よくあるパターンなんだけど、これを避けたい。

 

まずは親御さんが安定する。

そこは大人なので、子供より先に親御さんが安定してほしい。

すると引っ張られて、子供も落ち着くという寸法だ。

 

自分を犠牲にしない

だから親御さんは、ご自身を最優先してください。

自分を犠牲にして子供のために! とか、たいていの場合良い結果を生まない。

気持ちはわかるけど、美しい姿だとは思うけど、うまくいかないことが多いんだ。

 

医療現場でよく言われることに、人を救うにはまず自分に余裕があること、というのがある。

寝てなくてボロボロの医者や看護師では、良い医療を提供することはできない。

そうだと思う。

そんな医療者に診てもらいたくないでしょう?

 

子供を支えたければまず親御さんが余裕を持つこと。

寝てください。

食べてください。

好きなこと、楽しいことをして、自分の人生を生きてください。

 

余談

完全な余談だが。

コロナ診療をしている医療者に対し、給付金が支給されたのをご存知だろうか。

どう使うか熟考し、僕はマットレスを買った。

今まで使っていた2万円のものから、10倍の値段のものに替えた。

 

やべーよ。

いいマットレスやべーよ。

全大人が早急に買うべきだと思う。

しかも一人でダブルベッドに寝るという暴挙に出たもんだから、さらにやべーよ。

 

寝るって、それもストレスなく寝るって、こんなにも大事なことだったんだと思った。

そして「高級マットレスで寝ている自分」を、その価値がある自分を大事にしようと思った。

 

ってことで、むしゃくしゃしたら子供に余計なことを言ったり変な散財をする前に、思い切って良いマットレスを買うことを全力でおすすめする。

やべーよ。

POSTED COMMENT

  1. よりっち より:

    ホントにそうだなと。思いました。
    まずは自分。
    親子だと難しいですよね。。
    私も3年くらいかかったかなぁ。
    自分と子供達との切り離し作業。
    境界線を引く作業。
    自分に矢印を向ける作業。
    今でも時々揺れそうにぶれそうになります。
    何度も何度も繰り返し。。
    そうやって、肩の力を抜くを覚えているところです。難しい〜😊

  2. りん より:

    こんにちは。

    はじめてコメントします。
    なぜだか不思議といつもピンポイントで悩んでいる時に悩んでいる内容の投稿をしてくれています。

    不登校の中3の息子の進路でモヤモヤし…。
    進路の話をするにもうまくできなくて、眠れない日々ですが…。

    まずは自分を最優先にしないと。
    親がモヤモヤしていると子供も引っ張られてイライラしだす。まさに我が家の事だと思いました。

    なんだか、心が軽くなるのがわかりました。
    本当にありがとうございます!
    こからも、P先生のブログ楽しみにしています。

  3. 匿名 より:

    いつも楽しみに読ませて貰っています(^^)
    実は…リアルタイムで、今日夕方不登校の次男の担任から、傷付く事を又言われてずっーと落ち込んでる状況です笑。
    まぁリモートワークの主人が怒って校長に抗議していましたが、きっと変わらないんだろうなと思ってます。
    他の方も書いていらっしゃるように、わたしも読みながら涙が静かに流れて止まらない状況です笑。先生のように、本当に苦しんでいる人の心に寄り添ってくれる人が、もっとたくさん居れば良いし、自分も目の前で苦しんでいる人に寄り添いたい、そう強く思います。
    普段家族みんな明るく前向きに過ごしています、ですが…こういう時、やっぱりわたし悩んでるだって落ち込んじゃいますね笑。
    でも、わたしは負けません!だって未来は自分でいくらでも変えられるから。

  4. 真矢ミキ より:

    いつも楽しく読ませて頂いてます!
    子供がデイサービスに行っていない時に、寝っ転がってお菓子食べながら相棒の録画みてる私、正しかったと確信しました。
    先生 ありがとうございます!

  5. トム母 より:

    いつも参考にさせて頂いております。
    ありがとうございます!

    親が楽しむ!って大事ですよね。
    私が楽しんだりして余裕が出ると、発達障害の息子にも優しく接する事が出来るので幸せ2倍な気がします!

    リクエストになってしまいますが、いつか発達障害児とその兄弟についての記事を読んでみたいです。

    ちょっかいだされたり、我慢しなといけない事が多かったり、発達障害のない兄弟を宥めるのが大変です。
    たまに2人で出掛けて、リフレッシュさせてあげてるのですが、日々ストレスが溜まってて可愛いそうです。

    機会があればコツとかあれば教えて頂けたら嬉しいです。

  6. ふわ より:

    いつも参考にさせていただいています。
    親にとって大事なことと、子供の意志が両立しない場合、どうすればよいでしょう?
    扶養内パートですが、私には大切な仕事です。でも、低学年の長男は午前だけでも留守番させて仕事ができますが、幼稚園児の次男が行きたくないと言うと、仕事は休まざるをえません。
    子供の意思を尊重すると、私は大事な仕事を犠牲にしなければなりません。このままだと解雇です。
    辛いです。今日も休みました。

  7. hiro より:

    今回の先生のお言葉を見た途端、なぜか涙が止まらず、号泣でした。
    1番は子供だろうと思い、読み進めていたので…。
    2年前、先生のこの文章を読んでいたら、私は自分にもう少し自信が持てたし、もう少し余裕を持てたし、友達を失うこともなかったのかもしれないと思いました。
    でもそのときのひどく傷ついた自分を、先生のおかげで今少し癒せたような気がします。
    今はあの頃よりもう少し図太くなりましたが、まだまだ悩ましい毎日なので、先生のお言葉が希望です。
    これからもUPを楽しみにしています。
    どうか御体御自愛下さい。

  8. にゃにゃ子 より:

    今回の記事、書いて下さりありがとうございます。何度も読んで泣きました(ToT)

    不登校でASDの娘を育ててますが、私の楽しかった人生は数年前に終わったと思ってました。
    言葉が悪いかもしれませんが、「産んだ責任」と自分を責めては落ち込み、周りの目が気になり娘と一緒に引きこもり…。
    下の子供の用事で出ないといけない時は、自分にムチ打って動いてました。最近はそれでも動けない時があり、先日初めて心療内科を受診しお薬を飲み始めたところでした。

    私の人生、私も楽しんでいいんですよね?

    何のために生きてるか分からなくなる時がありますが、そんな時は今回の記事を読ませてもらいます。
    P先生、いつもありがとうございます。

  9. まぼ より:

    「人を救うにはまず自分に余裕があること」、本当にその通りですね。良い言葉をいただきました。
    そしてP先生がやべーマットレスを購入されて私まで嬉しくなりました。
    睡眠ってほんっっとに大切ですよね。特にHSCは普通の人より脳が疲れやすいので睡眠が必要(たぶん)です。まずは親が楽しく、余裕を持つことですね。
    いつもありがとうございます。

  10. 匿名 より:

    いつも為になるお話ありがとうございます。まずは自分を…そう思うと少しホッとした気持ちになれました。マットレス、模索中の私は、どこのマットレスかとっても気になりまーす(笑)

  11. 匿名 より:

    どこか子供を自分の成果物のように、高い評価を世間からもらえる様に、肩の力が入りすぎてしまっていたのかもしれない、
    まずは親自身がリラックスと、自分のこと、地に足つけて生きていく、子供は子供、ってことですかね。

  12. さとゆず より:

    なんででしょうね。
    今日のブログ読んでいたら、涙がだばーっと出てきました。

    まずは自分を大切にして。もう充分がんばってるから。

    って、先生に言われたように感じました。

    ほんとに、勉強とかペリーじゃなくて、まず親、そして子の心身の健康が何より大事。これ真理ですね。

    そこが大丈夫なら、他は何とかなる。

    我が家はHSCの不登校娘と、HSPの母親のセットなので、まさにドンピシャでした。

    P先生、いつもほんとに助けられます。ありがとう!!

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