質問をいただいた。
一部抜粋。
不登校の中学生。
「行きたい高校がある、その高校以外行きたいところをはない」と進路を決めました。専門的な高校で課題も多く大変そうでしたが、本人の希望を尊重しました。
合格しとても楽しそうにイキイキと通っていました。
夏休み後半「また前の感じになってきた・・・」とあれよあれよと体調が悪くなり朝起きられなくなってきました。
結局夏休み明けから登校できなくなってしまいました。もう、大丈夫と思っていただけにかなりショックでした。
そして、悩んだすえ「今の体調に合わせて通える通信制高校に行きたい」と転学を決めました。体調は良くなっていきました。楽しそうに見えたけどやはり学校が合わなかったのかと思います。
本人は自覚しているのか?
いつもやる気を出しては体調を崩しダメになってしまいます。
またやる気を出しては同じ事を繰り返してしまうのかと心配です。今まで通り本人のやりたいようにやらせて見守るしかないのか、、、
ご質問ありがとうごさいます。
これな。
よくあるケースよな。
よくあるケースなんだけど、僕一人だとブログに書こうと思わなかったりする。
質問されると「それな!」と思う。
気になることはご質問いただけると嬉しいです。
コメントかメッセージで。
多くの方に当てはまりそうならブログにします。
※特殊なケースは難しいです。
明らかに無理そうなんですけど……
自分の身を置く環境を選ぶ際、かなり無理めな希望をする子がいる。
進路選択時が多いでしょうか。
そりゃ無理でしょうよって選択。
また挫折したら、今度は立ち直れないんじゃないかしら。
止めた方がいいですか?
それとも本人の希望を尊重すべき?
よく聞かれる。
無理めを希望する理由
大人が考えたら明らかに無茶なんだけど。
本人はそこがいいと言う。
なぜ?
これ、『一発逆転』を狙っている可能性がある。
うまくいかない状況下で、全部捨てて新しくリセットしようとする。
つまり、
新しい学校では遅刻欠席なくクラスの人気者になり学業カンペキで、完全無欠のニュー自分になるんだ。
そうすれば今の不本意な状況が「なかったこと」になる! ような気がする!
って考える。
今までのダメな自分を捨てて、新しくリセット。
大学デビューをもっと極端にした感じでしょうか。
多分この心理って、自分のダメさと向き合いたくないのだろう。
今の環境でうまくいかない自分。
その原因と向き合うのはとても怖い。
多分自分に問題があるんだし。
もし新しい環境でカンペキな自分に「リセット」できれば、ダメな自分はいなくなるんじゃなかろうか。
これが一発逆転を狙う心理だろう。
一発逆転の他にも、無理めの希望をする理由はある。
純粋に今の状態が見えていないケースもあるし。(子どもだからね)
状況を理解した上で、自分事として腹をくくったケースもある。(これはうまく行く可能性が高い)
色々だ。
大人の立ち位置:僕のオススメ
さて。
理由はどうあれ、ウチの子が無茶なことを言い出した。
どうしましょう。
止める?
見守る?
もちろん正解なんてない。
それぞれ判断していただくしかないんだけど。
僕のオススメは、「見守り」だ。
本人の意思を尊重する。
とりあえずやらせる。
えっ、やらせるの?
もちろん、失敗する可能性が高いだろう。
大口叩いて決めた進路。
「絶対大丈夫!」って言ってた学校。
なのに、やっぱり行けなくなる。
だったら最初から止めるべきだった……。
気持ちはわかる。
でもね。
僕は、その失敗から学ぶことがあると思うんだ。
しかも、めっちゃでっかい学びだ。
自分では「出来る」と言った。
大見得を切った。
なのに、現実は違った。
できなかった。
この失敗は次につながると思うんだ。
できると思ったけど、できなかった。
じゃあ次はどんな環境に身を置く?
この問いが、明らかな自分事となる。
自分事としてよく考える。
じゃあ、どのレベルのことならできそうか。
次は『一発逆転』じゃなくて、地に足をつけて考える。
そう。
失敗させてあげてくださいってこと。
おっしゃる通り、多分失敗します。
ですよね、わかる。
その上でやらせてあげてほしい。
そこから得るものが大きいから。
失敗して初めて、地に足をつけて考えられるようになるから。
これがもし、大人が先回しして止めたとする。
本人には不満が残るだろう。
何かトラブルがあれば、だからこの学校は希望しなかったんだ! と親のせいにできてしまう。
これを避けたいのだ。
- この場所は不本意だ。
- 本当の自分は違うんだ。
- 親のせいだ。
こう思いながら過ごさせたくない。
その子の人生だ。
納得して生きてほしい。
僕は、
「どこを選ぶか」より「自分で選んだか」がずっとずっと大事
だと思っている。
長い人生、この失敗が必ず生きてくると思うんだ。
だからね。
選ぶのは本人。
そこから学ぶのも本人。
大人は人生経験が長い分、助言はする。
でも、最終決定権は本人にある。
見守ってあげてほしい。
骨は拾う
のスタンスで。
失敗したら戻っておいで。
またここからスタートすればいいよ。
骨は拾うから行ってこい! のスタンスを僕はオススメする。
逃げ帰る場所があるから失敗できる。
安心して失敗させてあげてほしい。
お母さんは、妖怪骨拾いババァになればいいよ。
僕も妖怪骨拾いジジィになるから。
実際、質問のケースでも次は地に足をつけて次は通信制高校を選択したようだ。
こうして自分で納得して選ぶのと、最初の高校にチャレンジさせてもらえず通信制を強要されるのとでは、全然違う。
通信制高校という結論は同じでも、意味が全く違ってくると思うんだ。
その子にとって。
だから僕は、質問者さんのように本人の希望を尊重して見守る姿勢で正解だと思っている。
骨だけ拾ってあげてください。
妖怪骨拾いババァ、出番ですよ。