親子関係

合理的配慮とか先回りって、どこまでするべき? どうなったらやりすぎ?

すげー余談なんだけど。

 

前回いただいたコメントで、妖怪骨食いババァって書いた人がいたw

しかも二人いたwww

 

違うから。

拾いババァだから。

 

骨は拾うんだよ。

後始末するって意味。

食ったらwwwwwダメwwwwwww

 

めっちゃウケた。

妖怪骨喰いババァ、本当にいそう。

こんなヤツ。↓

wikipedia 柳婆

 

ごめんなさい。

自分も誤字脱字勘違いめっちゃ多いくせに、ウケてしまった。

しかも二人いたってことは、コメントしてないだけでそう思ってる人がたくさんいるってこと。

ってことは僕の文章力の問題なんだけど。

 

笑ってすみません!

でもウケた。

※書いた人マジですみません。笑ってゴメン。許して!

そしてコメント本当にありがとうございます。内容はすごく素晴らしいです!!!

 

先回りしちゃっていいの?

閑話休題。

コメントでもあったけど、明らかに失敗しそうなことを大人が先回りしちゃうって問題。

先回りして、失敗させないように、小石を全部取り除いちゃう。

親の心配もあって。

 

これね。

僕も難しいと思ってて。

 

できない課題に心折れるくらいなら、サクッと『合理的配慮』した方がいいのは、そうだと思う。

僕は個人的に、どうしても「逃げる」を選びがち。

たたかう

▶︎にげる

割とカーソル固定。

 

ドラクエでいうとはぐれメタルだ。

FFでいうと、チキンナイフ(逃げれば逃げるほど強くなる。なんて武器だ。)の標準装備。

僕はね。

コップの話 〜受容が早い親と遅い親の違い〜 親の受容の話を書いていて思ったんだけど。 親御さんがお子さんを受容する早さって、親のコップの大きさに反比例するんじゃないか...

 

どこかで背中を押さないといけないのは分かってるんだけどね。

トライすると、世界が広がる瞬間がある。

わかっちゃいるけど、自分は逃げがちな自覚がある。

 

先回りする目的

これさ。

結局、

ゴールは苦手を自覚すること

なんよな。

 

合理的配慮や先回りをする目的って、

本人が自分の特性を理解し、よりよく生きていくため

なんよね。

今傷つかないため、じゃなくて。

 

苦手とわかった上でなら、戦うでも逃げるでもどちらを選ぶものアリ。

極論すれば、今傷つかなくても苦手に気付けなかったら意味なくて、今めっちゃ傷ついても自己理解が進んで今後の人生に活かせればそれは意味があったわけ。

 

将来的に、この子は自分で切り開いていかなきゃいけない。

苦手を自覚し、自分で上手に選択する必要がある。

今は大人が先回りできるけど、ずっとくっついて回るわけにはいかないんだ。

 

じゃあ、『今』じゃなくて、『未来』を見据えた配慮であるべきで。

ここを忘れると、おかしなことになっちゃうと思うんだ。(僕も忘れがちだけど)

 

 

例えば書字が苦手なら、

みんなと同じように書けなくても将来はパソコンを使えばいいから、小学生の今は課題を減らして貰うのが合理的よね。

って提示する。

全員一律に同じ! じゃなくて、うまく避ける道もあるよーって教える。

そうすることにより、この子の自尊心がズタボロになる(みんなが出来ることが自分はできないから)のを防ぐとともに、自己理解を促す目的がある。

 

この場合、本人は

自分は書字が苦手だから今は配慮してもらっている。

将来はパソコン入力を基本とし、手書き作業は極力避けるようにしよう。

と自覚する必要があるわけね。

 

これが、

 

男の子
男の子
僕は特権的に書かなくても許されるんだラッキー☆

理由は知らんけど、わーいわーい。

 

とか、

 

男の子
男の子
 みんなが課される課題が僕だけ免除されている。

僕はおミソなんだ。

居心地悪い……。

 

とかになったら、せっかくの合理的配慮が台無し。

意味ないどころか、その子にとってマイナスに作用する可能性もある。

 

 

進路選びなんかでも同じで。

例えば、

あなたは現状不登校だし朝が苦手だから、体力に合わせて通信制高校を選ぶのが合理的よね。

って提案する。

 

本人は、

確かに今の自分には、全日制は厳しい。

地に足をつけて通信制を選ぼう。

これは人間的に劣っているということではないし私には価値がある。

将来的にも自分に合う環境(人間関係、仕事内容、体力的な負荷など)に身を置くことが大事だ。

と理解すべきで。

 

女の子
女の子
ダメな自分はみんなと同じようにはできないんだ。

人より劣っているから通信制しか選択肢がない。

 

とか、

 

女の子
女の子
よく分からんけど親が通信制にしなさいって言うから!

不本意!

 

とかなっちゃうと、せっかくの配慮も台無しだ。

 

 

でも、大人のアドバイスってなかなか素直に聞けなかったりするよね。

反抗期のムズカシイお年頃だと特に。

 

だから、本人に「こうしたい」という希望があるなら、尊重するのが良いと思う。

無理めな希望でも、とりあえずやらせる。

その失敗は自己理解につながると思うから。

 

自分の意図があって、やってみて、でもダメだった。

じゃあどう考えるか、次はどうするか。

きっと向き合う。

さっさと逃げて、次を探すのが正しいと僕は思っている。

この時に、妖怪骨拾いババァが生きてくる。

失敗と向き合う際に、逃げる場所(つまり家)があれば、建設的に考えられる。

逃げ場がないと失敗と向き合うなんて怖くてできない!

せっかく失敗したのに何も学ばない。

また同じ失敗を繰り返す。

 

なので骨拾いババァ、子どもが失敗したときが出番ですぜ!

 

失敗する経験の重要性

学生の今、失敗するのは別にいいじゃん?

問題は自分の特性を自覚せず、大人になってからやらかすことだと思うのね。

大人になったら、周囲は配慮してくれない。

できるって言ったなら責任持ってやれよ! ってなるだけだろう。

特性のある人が大人になって圧倒的に一番困ることぶひーーーーー! 最近ですね、個人的にめっちゃ腹立つ出来事があって。 もうね。 もうね。 コレが一番困る...

 

なので、子ども自身の希望があるなら基本的には尊重するのが良いと思う。

失敗しても、その失敗はおそらく意味を持つ。

 

 

問題は、本人の希望がないとき。

何も言わないとか、よく分かってないってときだろう。

 

子どもの失敗する姿は見たくないので、大人はどうしても先回りしてしまう。

わかる。

 

それは別にいいと思う。

僕は、先回りは良いと思うんだ。

 

ただその時に、

ゴールは本人が苦手を自覚すること

って忘れないようにしたい。

 

目的は、『今』傷つかないことじゃない。

目の前の失敗を回避することで、その先にどんなメリットがあるか?

これを意識して先回りするのが良いと思う。

 

先々を意識すれば、必然的に「失敗させなきゃ」と思い至る。

多少なりとも、失敗の経験が必要だ。

自分で失敗して、経験して、自分のものにする必要がある。

つまり、その子の人生を生きさせる、子どもの人生を子どもに返すってこと。

これがどうしても必要という結論になってしまう。

 

 

子どもには失敗する権利がある。

失敗も含めて、その子の人生だ。

良いことも悪いことも、味わうのは本人。

 

大人は、骨拾い係に徹するべきときがあると思う。

子どもの人生を肩代わりすることはできないのだ。

 

そして、人生を味わうことが本人にしかできないのは、大人も同じ。

子どもについては骨だけ拾う覚悟で、あとは放っときましょ。

大人は大人の人生を謳歌するのが良いと思う。

みんなで妖怪大運動会でも開きますか!

POSTED COMMENT

  1. こころん より:

    主人が中高不登校、義母は見守るに撤し、何も言わなかったそうです。その後大検→大学(大学院)の心理学科へ進学し、無事に卒業したのですが、
    就職してからが大変で(この時期、私と結婚)
    中高、集団でのソーシャルスキルを身に付けていなかったので、会社で正義を振りかざしたり、空気の読めなさからいじめにあったり、
    とにかく対人トラブル続きで仕事が続かなく、結婚してから3回転職しています。
    最初の頃は私もガミガミ言っていたのですが、
    私が口うるさく言わなくても本人自身が失敗してしっかり学んでいると感じ、言わないようにし、見守る事にしました。
    今の職場では元気に仕事をしています。とはいえ、
    「仕事はがんばってみて、本当にきついようなら身体を壊す前に辞めろ」とは言っています。世の中星の数ほど仕事はありますもんね!

    因みに主人はADHD、ASDの自覚もあり
    (私自身もADHDの自覚があります)
    主人の夢はゆくゆくは
    「自分のように不登校になった子供を
    支援する仕事をしたい」と言っていて
    (一昨年、公認心理師の資格を取得しましたよ)
    私も夢が叶うのが楽しみです!

    長々と書きましたが
    つまるところは
    骨拾いババア大賛成です!!

  2. Hibachi より:

    いつも勉強させてもらってます。
    不登校の娘がおります。
    今回のお話し、全ての集大成な気がしました。
    傷つかないように…と親は子に願わずにはいられません。先回りして足元固めてあげれたらどんなにいいだろうと思います。
    ですが、それは…できないんですよね。
    ただただ、娘が傷ついた時に向かい入れる事
    、骨を拾う事、それしかできない無力感を感じてます。

  3. 迷える母羊 より:

    骨を拾う意味は理解してますが、骨になってからでは実際は遅い。
    何が言いたいのかと言えば、理想は分かるけど親としては用意してあげられる資金に限りがあるので、いつまでも待つよ。失敗繰り返してやり直せば良い。とは行かない。それが現実には潜んでいるから悩むんですよね。
    大人になった時に理解出来るようにということは、大人になるまでというタイムリミットが存在してる訳で・・・。

    医師の立場としては理想を提案することも理解してますけどね。

    うちはとんでもない失敗の繰り返しをしてますが、5回目の入院で少しだけ学べたようで、イライラが押さえられない状態を把握し、自ら頓服を服用するに至る事が出来るようになりました。

    自分の状態を把握出来るようになったのは大きな進歩だと思います。

    下で熱性痙攣の話が出てましたが、うちの小5の息子も2歳の時に1度だけありました。

    旦那も熱性痙攣歴があると聞いていたので、1歳までは警戒してましたが、まさかの2歳で・・・。

    ASDが判明したのも小4で発症と表現するのが正しいような状態でしたので、何事も通常より遅くに遅くに起こるタイプなんだろうか?

  4. 匿名 より:

    「ゴールは本人が自分の苦手を自覚すること」なるほどです。不登校から全日制高校というイバラの道を選択した息子。完璧主義で疲れやすいので、「苦手」にぶち当たりまくってます。でも小規模高校なので、出番が多くて「得意」を自覚する機会も多くあるようです。かなり論理的に喋るので、プレゼンは得意みたいで、クラスメイトに褒められたと嬉しそうでした。
    こういうタイプってヤンキー多めの公立小中学校ではナマイキとか調子に乗ってるとか思われていじめられやすいんですよね。。
    それが怖くて空気を読んで自分を出せないのもしんどいし。
    高校のクラスの民度はかなりまし的なことを言ってて、そういう個性もおおむね好意的に受け入れてもらえているようです。
    しんどそうだし、全日制高校でほんとによかったのかなと心配してたけど、「苦手」と「得意」を自覚することで、「得意」を使って「苦手」を避けたり軽減する工夫をしていけるんじゃないかな。そんな気持ちになれました。

  5. より:

    息子は今、小学校の支援学級の1年生です。
    支援学級では楽しくやっているのですが、1年生の間は普通級に籍を置いて通級という形で挑戦させてみても良かったのかなと悩む時があります。
    就学前相談の時に悩みに悩んだ末の結果なのですが挑戦させることなく親の決断で支援学級で良かったのかと(本人に聞いてみたがどっちでも良い言っていて、多分良く分かってなかった)思う事かあります。

  6. 匿名 より:

    先生こんばんは!
    質問です。
    自閉スペクトラム症にてんかん発作が多いことは知られていますが、熱性けいれん経験者はどうですか?うちは3兄弟の下2人がASDなのですが、2人とも熱性けいれん経験ありです。熱もありましたし、痙攣は痙攣なんですけど、どうもショートしたっていう表現の方があっている感じの痙攣でした。ストン…みたいな
    今でも興奮や怒りがMAXに達すると、あ、ショートしそうって思います。
    別にエビデンスがどうとかじゃなくて、先生が肌感で感じるところがあれば興味があるので知りたいです。もしよろしければ教えてください。

  7. にったん より:

    前回と今回のお話で、無理めな目標設定しちゃう子がまさかの自分自身なので、とても参考になりました(汗)

    最近反省した事だと、子育てが辛い→1人の時間が欲しい→仕事するしかない!→心身ともに疲弊…という事がありまして。
    たぶんそこは仕事開始じゃなくて普通に休養でしたね…。
    ただ職場にとても恵まれた事と、やはり自分は休養を欲してる事にも気づけたので、仕事した分の休養をちゃんととれるようにスケジュール管理しながら続けています。

    最近読んだ本で、苦手を意識し過ぎてコンプレックスになり過ぎると、人間は心理的にも恒常性を保ちたいから、根拠のないすごい自信を持ち始めてバランスをとるみたいなのが書いてあって、きっと私も上手くいかない育児にコンプレックスを持ち過ぎて、私は仕事もした方が上手く行くタイプ!ってバランス取っちゃったのかなと思いました。

    苦手は劣ってるという事ではなく、対策を練る必要があるという事。
    対策に失敗しても、骨を拾ってくれる妖怪が付いていればまたやり直せるよという事。
    私も子供と一緒に、苦手にとらわれずに毎日を楽しめるようにしたいです!

  8. ぷりちび より:

    私は親から受けたことをそのまま一人娘にしてしまい、高校生で不登校になってしまいました。愛着障害、教育虐待、支配、過干渉、過保護、どれも心当たりがあります。私自身が多分、毒親、アダルトチルドレンです。娘が不登校になり色々学んだことで、通信制高校に移ってからは 「娘が考えて決めて行動する」を大切にして何も言わずにひたすら見守っています。もっと娘が小さい時に気付いていたら、不登校になっていなかったのではないかと悔しくて毎晩お風呂で泣いています。私の代で断ち切れなかった悔しさでいっぱいです。自信と肯定。これは私も持ってないし、娘にも与えてあげられなかった、、、。娘の人生ハードモードを本当に申し訳なく自責の念しかありません。

  9. 匿名 より:

    骨食いの犯人です。
    なるほど…拾うんですね。

    うちの子も、自分は通信制高校しか行けなくて普通の会社員は無理だと悲しんでるのですが、君にとっては通信制から大学に行き、そこで自分にできる仕事を見つけられたらものすごく賢い生き方してるんじゃね?と励ましています。これで合ってるのかな。

    いつも先生に励まされて、ありがたい限りです。

  10. 匿名 より:

    いつも大変為になるお話をおもしろおかしく楽しく拝読させていただいております。今回の記事はまさにドンピシャ、ストンと落ちました。大学には行きたいと言いつつ、自分がどんな大学、学部に行きたいのかを考えたりリサーチしたりする様子もなく、勉強もしておらず、でも推薦はじゃなく一般入試で、と自分の状況を考えたり先の見通しができない息子にどう対応したらよいか悩んでおりました。P先生の仰る通りです。困った状況にならないと自己理解できないですね。困らないように先回りしてはその機会を奪ってしまうのだと深く理解しました。息子には学生のうちに沢山困ってもらいます。どんな苦手があるのか知ってもらい、どんな配慮が必要なのかを一緒に考えたいと思います。

  11. しのぶ より:

    骨拾い側のスタンスと、目的を忘れずに!
    ってことですね。
    子供の性格、理解度をよく観察して、必要なフォローを入れながら挑戦してもらうとします。

  12. レイ より:

    私は子供の頃、今だとネグレクトに近い環境だったので、子供には自分がしてもらえなかった事、して欲しかった事をしてあげるのが良い事と思い込んでいました。
    それが良くなかったのか、、
    来月からの通信制高校はできる限り干渉しないように気を付けます。

  13. 匿名 より:

     いつも、本当に納得!勉強になる話だらけで、有難いです、の一言に尽きるのですが、今回、もうそのさらに何倍も、いいね一万回押したいくらい、頭がはっきりすっきり、集約されました。
     先生のブログをはじめ、色々な立場の人が書いた情報を読む中で、有難いことにずいぶん軸が決まってきて、「今のうちに問題点を洗い出して、社会に出るまでに対応(逃げるも含めて、いろいろな対処の仕方)を身に付けさせよう。一人でなんとかやれるのか、ずっと誰かのサポートがいるのか見極めよう」と思っています。実際、問題は山積みですが、周囲に恵まれ、いろいろ配慮してもらいながら、なんとか過ごしています。
     でも一部、善意からと思いますが、「不得意があるんだから、こうすべき」の、前提(凸凹がある)とすべき行動(療育を受けるべき、この支援を受けるべきなど)の間(目的)がすっぽり抜けている人がいて、受け流すのにエネルギーを使います。でも、今日こうして、今まで漠然と考えていたことが完全にクリアになったので、スタンスが違う人からのアドバイスは、ふわふわ〜っとかわしていこうと思います。

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