起立性調節障害

起立性調節障害なのに、予定がある日は起きるんですけど(怒)

起立性調節障害。

みなさんご存知、朝起きられない病気。

なんだけど、「ここぞ」という時には起きてくることがある。

 

 

布団をかぶって地蔵のように動かない我が子をいかに起こすか、毎朝悪戦苦闘しているお母さんが、半ば呆れた顔で僕に言う。

 

「king & princeのイベントの日は、自分で起きて朝からシャワーまで浴びて出かけるんです」

 

キンプリか……。

なら仕方ない。

学校の日は起きられなくても、キンプリの日は起きるものだ。

 

こんなことは珍しくなくてですね。

キンプリでもジャニーズwestでも鬼滅の刃劇場版でも夏コミでも修学旅行でも運動会でも、なんでもいいのだが。

「ここぞ」という日、その1日のみなら起立性調節障害の子は頑張れる。

 

 

だからといって、普段の「涅槃のようなあの子」は嘘じゃない。

その証拠に、起きられる日は長くは続かない。

1−2日が限度で、その後は行きたい気持ちがあっても、また起きられなくなる。

 

 

 

例えば気力だけで登校再開を決めた不登校の子。

出席日数がいよいよ足りないとかで、

「明日から行く! 行けなかったらもう出家して涅槃になるしかない!」

と決めたとする。

 

 

何日通えるか?

朝ちゃきちゃき起きるのは、1日か、せいぜい2日。

3日目くらいからゾンビみたいに這いつくばって起きてくる。

1週間もたつと、また行けなくなる。

 

朝起きられないので出家もできないのだけれど。

起立性調節障害の子は、1日くらいならシャキッと起きられる。

だからといって仮病ってわけじゃないことを知ってほしい。

 

 

逆に言うと1日くらいなら起きられるので、受験当日はなんとかなる。

朝どうしても起きられず受験に遅刻しましたもうダメだ人生終わった、って話は僕は聞かない。(もちろん本人にやる気がなければその限りではないけれど)

なので、受験当日の朝の心配はしなくて大丈夫。

 

 

ただ、受験に行けたんだから入学後も毎朝通えるかというと、これはまた別の話。

ブースターは長くは続かない。

1日か、せいぜい2日と覚えておいてほしい。

 

全然関係ないけど、この話で思い出したことがある。

 

「お前(お母さん)が見ているとダラダラ宿題が終わらないのに、俺(お父さん)が見てれば集中してちゃんとやる。

お前の指導力不足だ! 子供になめられてる!」

 

的な話。

 

 

普段勉強をみているのはお母さんで、たまにお父さんが登場すると子供がピシッとする、と。

 

「普段みてないくせに! あなたに何が分かるのよ!」

 

外来でよく聞く内容。

 

 

 

これもですね、ブースターですよ。

普段見ているお母さんではなく、たまに登場するお父さん。

怒ると怖い。

子供はその時だけちゃんとする。

 

普段できない子でも、その時だけならちゃんとできる。

日常ではだらけてしまうが、非日常のその瞬間だけなら、子供は最大瞬間風速を出す。

 

でも続かない。

 

試しに宿題監視員をお父さんに固定してみたら、数日で元通りだらけるだろう。

だらけたその子が本来の姿だからだ。

 

 

なのでそんなお父さんには、

「子供の一面だけ見てわかった気にならないでちょうだいばーかばーか」

くらい言ってよいと思う。

 

でも喧嘩になると予想されるので、

「あなたってすっごく頼りになるのね。さすがだわさすがだわ尊敬してるわ。 私には難しいみたいだから、次からあなたお願い❤️」

とか言った方がいいと思うんだけど、

お父さんの顔面がking & princeだったら言えるんだけど……。

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