人の話が聞けない。
マジ、コレおま。
聞けないのか、聞かないのか、はたまた聞こえていないのか。
「話が聞けない」という相談は、多々受ける。
先生の話を聞いていない。
友達の話も全然。
親の話なんて、右から左にムーディ勝山だ。
コレきっと、こういうことなんじゃないかなぁ。
話が聞けない、詳細
人の話が聞けないと、困る。
指示を聞かない。
やり方も分からない。
勝手な解釈で、全然間違っている。
そういうことを言ってるんじゃないのに、明後日の方向に話が飛ぶ。
学校なんて、授業なんてさ、基本ぶっ続けで先生の話を聞き続けるわけじゃん。
全然聞いてないって、授業中しんどくないの?
つまんなくない?
むしろ、話を聞かずに何やってんの⁉︎
話を聞かない/聞けない人。
聞いてない、聞く気がないんじゃなくてさ。
聞こえたワードから、別のナニカが脳内再生されている
のではなかろうか。
話の全体像と結論を確認する前に、単語から、それまでに個人が経験した「それってこうだよね」が連想される。
誰でもある程度はそうなんだけど、ここでブレーキがかからない人。
「個人の思い」が自動で脳内再生され、思考が支配される。
話し手の意図に戻れない、ついてこられない。
これがいわゆる「話が聞けない人」なんじゃないだろうか。
例えば。
先生「今日は運動会の練習をします。まず1組が校庭に出て、その次に2組が……」
子ども(運動会かー。そういえば去年は風が強くて砂が目に入って大変だったな。今日の天気はどうだっけ?)
例えば。
母「今日は雨だから長靴で登校する? 体育の授業があるならスニーカーがいいと思うけど。」
子ども「今日は雨だから長靴で登校する!!!」(体育の件は耳に入っていない)
例えば。
先生「わざとじゃないかもしれないけど、キミの手が当たって、お友達は痛かったんだって。(だからまずは謝ろうという意図)」
子ども(わざとじゃないのに、いつも僕ばっかり叱られるんだ。そもそもさっき別の子に悪口言われてイラついているんだ。僕の方が被害者だ。だって、何もしてないのに急に悪口言われたんだから!)
例えば。
算数プリント「ジュースは150円、お菓子は200円です。どちらがいくら高いですか?」
子ども(150+200=350円、っと。カンペキ⭐︎)
こんな感じ?
相手の意図より、個人の想いが勝っちゃうというか。
特に困るのが、勝手な勘違いから逆ギレしてくるときでしょうか。
日常生活で、ちょっと声をかけると「うるさい!」とか「文句ばっかり!」。
じゃあ言われないように自分で動けばいいのに、指示を聞いていないからそれもできない。
どうしろと、と。
あー、よく相談に上がるわぁ。
話を聞かないADHD
聞いていないんですよ、話を。
キーワードから脳内で自動再生が始まるんです。
ADHDで顕著だろうか。
脳内マジカルバナナ。
そうしたくてやっているわけじゃない。
悪気はないんだけどね。
勝手に脳内連想ゲームが開始され、気づいたら話の内容が分からない。
本人はわかったつもりでも、実際は全然わかっていない。
ミスや不注意の連発。
次からは気をつけて話を聞くんだけど、やっぱりできない。
聞く態度もそわそわしがちで、話し手をイラつかせる。
メモをとってみるけれど、そのメモをどこかになくす。
あぁ、またやっちまった……。
話を聞かないASD
ASDにもその傾向がありそうだ。
話の概要がつかめない。
まず定義を示してくれないと、どのレベルで話しているか分からない。
定型発達の「普通こうでしょ」が通用しない。
話し手(定型発達)が、この視線で説明しているとき……↓

ASDの視線はこうだ。↓

いや、こうだ。↓

話し手(定型発達)は、当然「ウォーリーと周りの数人」について話しているのだが。
聞き手(ASD)には、その前提がないもんで。
「ん? それってどの部分の何の話?」ってなる。
ASDは基本的に情報過多だ。
ゆえに話が理解しづらい。
たくさんの情報から今フォーカスされている内容を見極めるのに、脳のエネルギーを多大に消費する。(これはそうなの! めっちゃそうなの!!!)
だもんで、たまたま目に入った沖を走る船が気になり、もう、気持ちを全部持っていかれちゃう。
結果、聞いてない。
全っっっ然聞いてない。
当然叱られるって寸法だ。
むぅ。
子どもなんてただでさえ人の話を聞かない、聞けない生き物なのに。
ASDやADHD特性があると、さらに難易度が跳ね上がる。
生きづらい、めんどくさい特性だとマジで思う。
僕自身がASDなので、私怨を込めて追記するとですね。
定義やゴールの設定されない会話、マジでストレスなんですよ。
「で、結局どうしたいの?」
「ゴールはなんなの?」
「全部をうまくなんてあり得ないわけで、この場合の優先事項は⁉︎」
なっちゃうんです。
だって、そこを明確にしてくれなきゃ、噛み合った会話は不可能なわけで。
いろんな可能性が考えられちゃうわけでっ!
だもんで突然「この言葉はどんな定義で使っていますか?」「感情論ではなく、事実を時系列に沿って話してください」「目標設定はどこで、予算はいくらでお考えですか?」「さっき『完璧に』とおっしゃいましたが、こうなると全く完璧ではなくなりますが……」とか言っちゃうわけっ。
平たくいうと、空気読めないわけっ!
空気が読めず地雷を踏み抜くのも、興味が持てないとまったく関与しなくなるのも、少しだけ、こう考えると少しだけ、理解できませんでしょうか。
ASDの特性がですね。
特性なんですよね。
僕の性格が悪いわけじゃないんです。
少しだけ、マジで少しだけでいいんで、優しく接していただけると幸いです。
こちらも、できる限り「定型発達のみなさんが考える当然の前提」を共有しようと、脳のリソースを大量に投入しておりますので。
まとめ
話を聞かない/聞けない人。
聞いてない、聞く気がないんじゃなくてさ。
聞こえたワードから、別のナニカが脳内再生されている
のではなかろうか。
誰にでも、特に子供にはその傾向があって。(でも大人にもあるよね)
中でも発達特性を持っていると、さらに強くなるんじゃないかと。
でもさー。
我々特性持ちから言わせてもらうとさ。
定型発達の、この、いい感じのフィルター。

いい感じにトリミングされて、いい感じにフィルター(青いモヤ)がかかる。
フォーカスにフォーカスするように、自然となっている。
コレが、イリュージョンでして。
定型発達のみなさんって、このフィルターに、なぜかあまり個人差がなくてさー。
みんな当然に、同範囲に、同程度のフィルターがかかっている様子で。
コレ、摩訶不思議。
明示されずとも勝手にこのフィルターがかかるのが、特殊能力に思える。
我々にはないんだ。
そのフィルター。
残念ながら。
そりゃ、話も聞けなくなるってもんで。
少しだけ、ほんの少しだけ、優しい目で見守っていただけると幸いです。
いい感じフィルター!!
腑に落ちて思わず書き込みです
ママ界隈の集まりでは 頑張って
今何の話しているのか に
フォーカスして話を聞いてます
この いい感じフィルター で見てるから
ぐるぐるとした話になりがちなんですね
情報過多から見える 他の視点が
何で今それ?になるのも納得です
いや、わかっておりました。まさにこれですよね。そう承知していても長男はまさにASDの聞いてない、次男は自分の想いが勝っちゃうADHD聞いてない。。。
私の話しかける言葉なんて宙を彷徨い返事は帰って来ず。。(まぁ、どちはも何かやってる最中だったりするもんでなおさら)
でも、何度もこちらが「聞いてる?で、どうする?」としつこく聞くとADHD次男は怒り出す始末。。
長男は過剰適応タイプなので、学校は指示を聞き漏らさないように全集中し過ぎてとても疲れてしまうので無理で、次男は自分のしたい事を自由にさせてくれないから無理と言って2人とも不登校です。
やっぱり、今の学校のシステムにはことごとく合わない我が子達です。
すごく、腑におちました・・・
先生の話を読むと、
私もASD、ADHDが若干入ってるな、と。
だから、息子達よ、ごめんよって思ってしまいます。
なるほどー。わかりみ。いつもいつも早とちりな息子くん。脳内マジカルバナナなんですね。
マジカルバナナというワードが出てくるなんて、同年代ですね。
優しさプラスで。
ものすごい腑に落ちました。
アンテナの感度が悪いのではなくフィルター設定の例えることがとても的確ですね!
私も人との会話の後ものすごく疲れるのは全集中していたからなのね。