不登校

不登校問題の解決に、いじめをなくす

不登校といじめ。

親和性の高い話題だ。

 

不登校の話題になると、いじめ問題に議論が及ぶことがままある。

不登校児本人がいじめられていたのなら、その解決を。

当事者でなくても、いじめのない環境なら不登校児は出なかったのではないか。

 

いや。

いじめを撲滅しても不登校はなくならないと、僕は思う。

 

いじめ、ダメ。

いじめはダメだ。

ダメ、絶対。

 

よく、「いじめられる方も悪い」って言うけどさ。

いじめる方が1000%悪いに決まっている。

※いじめられやすい理由があるのなら、その解決は有用だろうけど。でも、被害者は被害者であり、悪いのは絶対的に加害者だ。そりゃそうだ。

 

 

いじめはダメ。

なくせるなら絶対にその方がいい。

現実的にはゼロにはできないだろうから、減らせるだけ減らすのがよい。

 

いじめのない環境

は無理でも、

いじめの起きにくい環境

は可能だろう。

学校の先生たち、よろしくお願いいたします。(他力本願)

 

いじめと不登校

さてさて。

この「いじめ」と、「不登校」との関係。

 

不登校の子について、高頻度で話題になる。

子どもが不登校になると、その原因にいじめがなかったかはみなさん確認するところだ。

本人、先生、周囲の友達なんかに聞く。

 

この着眼点は非常に大事で。

実際にいじめが原因なら、全力で解決に向かってほしい。

いじめ環境から離れるのも非常に効果的。

 

いじめはダメだ。

そのせいで不登校に至ったのなら、早急に解決してほしい。

 

 

でもさー。

大抵のケースで、いじめ、ないのよ。

 

本人に聞く。

特にそういうのはないと言う。

 

先生に聞いても、気になる点はなかったと。

 

仲良しの友達もいてさー。

学校をお休みしてても連絡をくれて、休日のお出かけに誘ってくれる。

本気で心配しているようで、家に来てくれる子も。

 

母
本当の本当にいじめはなかったの?

ちょっとイヤなことを言ってくる子とか、いたんじゃない?

 

女の子
女の子
本当にないんだって!

しつこいっ!!!

 

何度も確認してウザがられたり。

 

 

いじめ、ないじゃん。

だったらなぜ不登校に?

 

 

誤解されやすいところだと思う。

いじめが原因の不登校って、想像よりずっと少ない。

 

なくはない。

一定数はあるから、それはちゃんと解決してほしい。

でも、不登校の大部分はいじめが原因ではない。

 

 

多分ねー。

大人の感覚で、疑いやすいんだと思う。

不登校の経験のない、むしろ考えもしなかった大人がさ。

もし自分が不登校になるとしたら? と想像する。

すると、「ひどいいじめ」に思い至る。

 

いじめじゃない?

いじめにあったら、自分だったら不登校になる。

 

そう思うから、お子さんに当てはめるのだろう。

というか、それ以外の理由が思い浮かばないし。

不登校?

ちょっと、考えたこともなかった……。(昭和世代は特にそうだろう)

 

いじめがなくても……

でも、実際は違う。

子どもに聞くと「違う」と言う。

 

実際、いじめが原因の不登校って一握りで。

大部分がそうじゃない。

だから、いじめをなくしても不登校はなくならないと思う。

※いじめって構造的になくせないけど。なくしたと仮定して、でも。

 

 

もちろん、いじめをなくす(減らす)取り組みには大賛成。

いじめのない(起きにくい)環境は、不登校児に限らず好ましい。

その環境に属する全員が快適だろう。

ぜひ目指してほしい。

 

余談だけど、いじめについて、この本が参考になると思う。

感情論や体験談ではなく、データでいじめの起きやすい環境や、その心理を分析している。

実践できそうな提案もたくさんあった。

起こった後の対処ではなく、「起こりづらい環境を」というメッセージにも共感する。

そうだよなぁ!

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感想(1件)

 

ただ、こういったいじめ問題と、不登校問題とを一緒に考えると、ちょっと実際とズレてくる。

 

そう。

いじめがなくても不登校は起こるのだ。

 

 

不登校の原因は多岐にわたる。

ケースによって色々なんだけどさ。

でも僕は、本人の持って生まれた資質が大きいと考えている。

 

学校が合わない人だった。

↑この表現が一番しっくりくる。

 

誰も悪くない。

ただ、合わなかった。

 

 

不登校の解決策として、フリースクール等の自由な(縛りのない)環境が挙げられる。

実際にすでに設置され、大きな効果を上げている。

 

でも、じゃあ自由な教育機関が広がれば不登校問題は解決する(ゼロになる)かというと、そんなことはないだろう。

一定数は、逆に「ルールが欲しい」って子もいる。

決められた枠の中で決められたことをするのが安心。

「自由に」と言われると不安になっちゃう。

 

男の子
男の子
自由課題が苦手です。

休み時間とか、何をして過ごせばいいかわかりません。

 

はっきりこう言う子もいる。

 

 

学校ってどうしても、集団教育の場だからさ。

全員に適した指導ってあり得なくて。

「できるだけ多くの子にマッチする指導」が落とし所となる。

 

ベースのルールもそう。

生活指導もそう。

学習の内容や方法・進度だって、マジョリティーに合わせたものとなる。

 

すると、どうしたって『合わない子』が出てくる。

↑この子たちが不登校になりやすい。

 

実際、現時点で不登校の子たちさ。

みんなどこかしら「合わない点」があるのだろうなーと僕は思っている。

 

まとめ

いじめはダメだ。

いじめがある環境は、不登校に限らず、登校できている子、特に何の問題もない子にだってマイナスだ。

こっちはこっちで解決を望む。(他力本願で)

 

でも、じゃあそれで不登校がガッツリ減るかというと、そうでもないんじゃないかなーというのが、僕の意見。

 

不登校の子に、いじめについて確認するのはいいけれど。

大部分がそこじゃないんですよネ。

誤解されがちなところだけど。

POSTED COMMENT

  1. A より:

    子供が学校に行けなくなった時、「何か嫌なことあった?」と確認する親御さんが、本当に多いなと感じます(その確認が当たり前とも思いますが…)。

    行きたくない、休みたい子供は、次々と学校での些細な「嫌だったこと」を挙げ、親御さんはそれだけが不登校の理由と思い…まるでモグラ叩きのようです。理由に挙げたことを解決しても、学校に来れるようにはなりませんでした。

    親御さんの思考の話も、今回のお話でよく分かりました。
    学校の環境を整えるのと同時に、先生が仰る玉を、しっかり見ていきたい、また親御さんに見てほしいな、と思いました。

  2. 星菜 より:

    マッチングの問題だと思うんですよね、結局。

    でも現状、「学校」が合わないとなると行き先が極端に減ってしまうのが困るところ。
    それをほぼすべて「家庭」で受け止めないといけない。←個人的にはここがしんどい。荷が重過ぎる。

    フリースクールもさ、小学校入学前から当たり前のように選択肢の1つとして与えられてて良いと思うんですよ…
    「学校」から零れ落ちた→じゃあ仕方ないね、フリースクールぐらいしか行くとこ無いね。という流れがそもそもなんか自信なくしてしまうというか。
    初めから当たり前のように選べないのか。

    高校は定時制とか通信制とか選べるのに、小学生中学生は選べない。

    マッチングからあぶれた子ども達に対して「教育を受けさせる義務」を、国が果たしてないじゃん、と思ったりします。

  3. comic より:

    今年度の学校の経営目標が『不登校を減らす』
    その時点で私は違和感を覚えました…経営目標の為に予兆がある子と積極的に会話をしうんたらかんたら…それで行ける子もいるかもしれないけど、それで本気で不登校が減ると思ってるのかなって…学校のシステムに合わない子の受け皿とかそっちの整備も必要なんじゃないかと感じます。先生も人手不足だしそこまで手が回らないのが現状なんでしょうけど…学校に合わないなら自分たちで勝手に合う場所探してくれってしながらも所属はしてるんだから学校とコミュニケーションを取り続けるのは必要ですって矛盾しか感じない…うちの学校だけかな…

  4. まやか より:

    学校が全て、友達が全ての息子でした。
    エネルギー切れでの不登校でしたが
    学校がたちまち合わない場所になってしまいました。
    それは学校の方針や先生方の対応も大きく影響してます。
    エネルギー切れ、不登校になってしまった子にどう対応するか。
    ここ数年はすぐに学校に合わない子判定されてしまい
    外部に繋げるという方向のようです。
    地元の長年の友達や知り合いがいる今の学校が1番通いやすい息子。
    ここ数年の文科省の方針も影響してか
    なかなか理解してもらえず
    結局どこにも繋がれず家に引きこもる。
    不登校=合わない子かサボりわがまま。
    世間や学校は、この二択になってしまっています。
    エネルギー切れの子もまだまだいるのでは?と思っています。

  5. 匿名 より:

    うちは凸凹の関係が影響してか、小4あたりから徐々に孤立していき中2で行けなくなりました。周囲からあまり相手にされてないのがわかり、ショックでしたが、いじめもなく本人のコミュ力を見ると、そうなるか。。という。だから、いじめもなく友達もいて、べん

    • こまさん より:

      途中になりました↑
      勉強も問題なく、とか理由がわからない不登校の子も結構いると知り不思議に思っていました。とにかく学校が合わなかった、ということなのですね。

      いつも記事楽しみにしています、ありがとうございます。

  6. CUSU より:

    うちはいじめ。ありました。中3ですが。受験控えて頑張ろうとした矢先にね。
    これは言われたらきつかろうという事を、同じ子が。。
    一旦不登校になり、元気なって再登校後もまた言われたって落ち込み不登校。。

    本当に素質。生まれつき。遺伝もありそう。
    いじめた相手に2年続けて言わないで欲しかったなー。自分のコンプレックスの捌け口にするなーと思っても結局無理なんですよね。
    自然に学べないASDって、ほんと大変!
    ブログから色々学んでます。

  7. 匿名 より:

    そうなんですよね。
    いじめもない、友達もいる、次は先生と合わないとか?となりそうですが、違う
    「学校が合わない」と
    学校+フリースクールが合わさった学校に行きたいらしく、探しています。
    低学年ですが、幼稚園に戻りたいと…
    幼いのかな
    でも、あるんですよね。
    選択肢がたくさんある!すごい、時代です
    私も、こんな学校通いたかった。
    見学に行ってみる?と話しています。

  8. はは より:

    本当にそのまんまです。いじめもないし、友達もいたし、不登校の要因が見つからず。本人も理由がわからないけど学校へは行けない。
    フリースクールに通うようになって気が付いたのは、学校(進学校の中高一貫校でした)の展開についていけなくなったのかなということです。
    テストや小テストの合間に運動会等の行事があって、宿題も毎日あるしグループワークもあるし、とにかく休む時間がない。追われる生活にある日突然ついていけなくなった。
    普通のお子さんたちより理解に時間がかかるADHDには、今の学校生活は難易度が高かったんだと思います。

    • ビアガーデン より:

      先生、いつもありがとうございます。

      そうですよね。。
      うちの娘の場合も、そうです。

      中2の秋頃、友達関係のことで学校に行きたくないと泣きながは言い出した時はヒヤッとしましたが、話を聞き、今までの娘の行動などを思い返してみると、朝が起きにくいことや、校則への不満(なんで、髪をくくらないといけないの?など…)、学校の課題の多さに対して、それを上手に?はしょれない自分の性格など…色々なことが災いした結果、学校に行きづらくなったような気がしています。

      色々なことが重なった、そして本人の性質と学校の取り組みが合わなかった。
      これに尽きるのでは…と思っています。

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