「年齢より幼い子」って、いますよね。
アレ、脳の成長の個人差じゃないかなぁ……。
臓器の成長の個人差
なんかさ、医者みたいなこと言って申し訳ないんだけど。(アレ、あんた医者じゃなかったっけ?)
骨年齢
って知ってます?
骨の年齢。
実際の年齢じゃなくて、身体の成長の年齢。
小児科領域では、低身長で話題に上がる。
身長が低い子は、骨の年齢も若いことがままある。
手のレントゲンを撮ると、その子の骨の年齢がわかる。
「実際は10歳だけど、骨の年齢は8歳だから8歳の身体なんだね。(つまり低身長でおかしくない)」
のように使われる。
考えてみると当然なのだが、身長の伸び方には個人差がある。
早めに大きくなる子もいる。
あとから伸びる子もいる。
ここに、「骨の年齢」は関与するだろう。
骨の成長には個人差がある。
暦年齢通り、みんな同じように成長するわけではない。
同じ10歳でも、骨(身体)は8歳の子もいれば、すでに12歳の子もいる。
骨が伸びなくなる(=骨端線が閉じる)時期が、13歳の子もいれば、18歳の子も。
身体の成長には個人差があり、ゴールを迎える時期にもそれなりのタイムラグがある。
でさ。
骨の年齢に個人差があるなら、脳の年齢にもそれがあるんじゃね?
と、ふと思った。
だってさ、他の臓器もそういう傾向あるし。
小児科領域だと、腎臓の成長とか。(尿の濃縮能が低いままの子は夜尿が継続する)
起立性調節障害を見ていると、血管や心臓の発達にも個人差がありそうだ。(血管の調節機能が発達すると症状が軽快する)
子どもの状態から大人の機能を獲得することで治っていく病気って、いくつかあって。
「治る時期」、つまり大人の機能を獲得する時期って、早い遅いがあるよなーと。
こう考えると、脳にも成長の個人差があっておかしくないんじゃね?
むしろ差がある方が自然じゃね?
早く大人になる子もいれば、ゆっくりな子もいて当然だろう。
と、思ったわけです。
ADHD=脳が幼い?
でさー。
ADHDを見ていて、思った。
ADHDは一般に幼い。
多動や衝動性なんて、幼さの象徴だし。
考え方や興味関心も、年齢に比して幼いことが多い。
この年齢でまだこんなことを……と思うことが多くて。
↑こんな相談はよく受ける。
2ー3歳くらい幼いのでは? と思わされることが多い。
年下の子と精神年齢が合い、楽しく遊んでいるなんて話をよく聞く。
アレ?
ひょっとしてADHD、普通に脳が幼いんじゃね?
つまり、脳の成長が実年齢より若いのではないか。
と、ふと思った。
※あくまで勝手に考えた仮説です。エビデンスはない。
そう考えると合点がいく事がいろいろある。
まず、ADHDは、大人になる頃には8割が診断基準を外れるという。
大人になると、治るのだ。
ADHDの子は、同年齢の子たちと比較して脳が若い(幼い)ので、特徴が目立っているのではないか。
脳が成長すると診断を外れるんじゃないか。
という仮説が立てられる。
また、同学年でも月齢の若い子(早生まれの子とか)にADHDが多いらしい。
……そういうことじゃね?
脳が若いとADHDの診断がつけられやすい。(当たり前だけど、早生まれがADHDになりやすいわけじゃない。相対的に診断されやすいってだけ。)
じゃあADHDの診断がついている子って、全体的に脳が若い傾向にあるんじゃないかと。
確かに、子どもなんてほぼ全員、多動で衝動的で不注意だ。
「落ち着いた子ども」とか、そっちの方が珍しい。
ただ、周囲と比較しどの程度かが問題で。
特徴が強くて困っちゃう子に、ADHDの診断がつけられる。
ADHDって、脳の成長がゆっくりな子が多いのでは?
と思った。
低身長に骨年齢の若い子が多いのと、同じようなものなのではないか。
確かに、
ある集団にそれより2ー3歳年下の子を入れたら、その子の多動・衝動性・不注意は目立ちやすい
だろうことは、容易に想像ができる。
3年生の集団に、1年生を入れたら?
1年生の集団に、幼児を入れたら?
その子の落ち着きのなさは目立つだろう。
ADHDって、そういう部分があるのかもしれないなぁ、と。
もちろん大人になってもADHD特性が目立つ人もいるので、持って生まれた、そして変わらない特性という面もありそうだ。
でも、「純粋に脳の年齢が幼いから」という理由で修飾される面も、あるのかもしれない。
子どものADHDと、大人のADHD
以前から言われることに、
子どものADHDと大人のADHDは、別の疾患かもしれない
というのがある。
層が、あまり重ならないらしい。
- 子どものADHDが大人に移行することは多くなく(2割くらい)、
- 大人のADHDは、子どもの頃には特性が目立たなかったことが多い。
らしい。
そもそも別の疾患なのでは? という議論が、以前からあるのだが。
↑べん図でいうとこう。
子どもの頃からADHD特性があり(A)、かつ大人になっても特性が継続する(B)。
上図ピンクの部分のみが『真のADHD』なんじゃないかと。
べん図とか、理系みたいなこと言って申し訳ないけど。(アレ、あんた理系でしょ?)
もしこの脳の成長速度理論が正しければ、「ADHD、大人と子どもで別の疾患説」の一つの答えになり得るなぁと。
子どもの頃はADHDだけど大人になると診断を外れる、「AだがBでない」人たち。
脳の成長速度が相対的にゆっくりな人かもしれない。
ADHDが成長すると……?
骨年齢の若い低身長は、あとでキャッチアップすることが多い。
成長のスパートが人より遅くきて、なんなら他の子を追い抜いて最終的にはむしろ高身長になることも。
夜尿は、中学生になる頃にはほぼなくなる。
起立性調節障害だって、大人になれば症状は相当軽快する。
もしADHDの脳の年齢が実年齢より若いことに起因するなら、きっと後で追いつく。
もしかしたら、他の子を追い抜いて落ち着いた、成熟した大人になることもあるかもなぁ、なんて夢想してみる。
余談だが、ADHDの子は体格が小さいことが多いように感じている。
臨床的にね、勝手にそう思っているだけだけど。
データやエビデンスはないけど。
※大柄な子もいます。そしてこっちの方が目立ちやすい。声も力も大きいから。
ADHD、脳も身体も成長がゆっくり仮説。
大器晩成仮説。
あるかもしれないなぁと、勝手に思っている。
いつも興味深く読ませていただいています。
私もADHDの大半は脳の成長速度が他の人と比べてゆっくりなのかな、と思っています。
ところで、私の父は高齢になってもずっと脳が若いと感じます。
新しいことに興味を持ち続け、好奇心、向学心、向上心が旺盛なんです。
父の子供の頃の様子は私には知る由もありませんが、
私と長男がADHDタイプ(診断はつけていません)で、母は全くADHDを疑わせるタイプではないので
もしや、父は子供の頃ADHDだったのでは…と思います。(分からないですけどね)
つまり、何が言いたいのかと言うと、
ADHDの子達はゆっくり脳が成長していき、場合によっては他の人より若い脳を高齢になっても持ち続けられる可能性があるんじゃないか、と思うということです。
だとすると、今は苦労しても、将来的にはアドバンテージになることもあるかな、と。
そんなことってないですかね?
ADHDは脳の覚醒が弱いと書かれているのを読みました。
睡眠障害や運動不足により、脳が活性化していないとのことです。睡眠時無呼吸症候群は無呼吸を治すとADHDの症状が緩和したり、消失したりします。
また、発達障害の子ども達は、筋力が弱いことも多く、運動不足になりがちです。運動は最強の脳トレともいうように、脳を覚醒させますし、BDNFの作用により、記憶力が上昇したり、認知能力が上がったりするそうです。
認知症の方には、運動を進めますが、発達障害児にも療育のようなゆるい運動ではなく、筋トレなどで筋力をつけて、運動能力の向上を目指すべきだと思います。
P先生はどう思われますか?
ADHDの息子、中学生になりましたが最近になっていろいろなことに成長を感じるようになり『なんやかんや追いつくもんなんだなー』と実感しています。
主人はよく『早生まれだし、1つ下の学年にいたとしたら、そこまで目立たないし困ってないよ』と言ってましたねー。
アメリカでは2〜3才差の子どもたちがまぜこぜでクラスが編成される、となにかで読んだのですが(記憶があやふやなのでどこかの州の話だったか、そこの学校だけの話なのか不明です)、確かにそのようなクラス編成だったらうちの息子もそこまで目立ってなかったのかなーと思います。
今感じている成長は、先生方や通級などの配慮がある上でのいろんな経験を積んだからできた成長だと思うので、やっぱり配慮は必要だったと思いますが…。
いつも読ませていただいてます
うちの子は多動もなく体は大柄で運動神経が壊滅的なタイプで診断はつきませんでした。
いわゆる不注意優勢型らしく困りごとが激増して大学生で診断がつきました。
色々しらべると多動、積極奇異タイプは予後がよく不注意型の方が社会生活につまづくとありふしぎだったのですが先生の説だと合点がいきますね。
別の病気なんだなと思えば納得です。
うちの子は社会に出て三か月で鬱になり今は双極性で投薬リハビリ中です。
コンサータの最低量で昼活動し双極性のリチウムを服用し眠剤で夜寝ています。
ADHD薬が効くという事はやはりそうなんですよね。
逆に脳の発育が遅いだけで投薬されてるお子さんがいるようなら心配だなあと思います。
とてもよく分かります。
学年があがり求められる事が増え出来ないことも目立ち、置いてきぼりを感じることも増えていそうです。近くにいる大人が子ども時代にはまだ症例も理解も経験不足であるから、親も認められない…もっともっと理解が進み、生きやすい世の中になってほしいですね…
いつも本当にありがとうございます!
身体も脳も、個人差あって当然ですよね。
早生まれが指摘されがち、なんて、子供を取り巻く人達がもう少しおおらかに見てくれてたらそんなこと起きないでしょうから、何だかな〜、ですね。(早期診断・早期療育が最善!という思いゆえ、かもしれませんが。。)
以前から、歯の生え変わりもめちゃくちゃ個人差あるな、と思ってて、うちのマイペース凸凹君は、歯だけは早かったけど、みんな遅れてるところばかり指摘してくるから、内心「歯はみんなより早いんだぞっ」と思ってました笑
小3の娘は全く真逆のタイプで、思春期早発症もある高知能ASDです。
体の成長が早く、成長曲線でいうところの+2.0SDで、学校では娘の身長に対して机と椅子が低すぎて、イライラ。授業も簡単すぎて時間を持て余し、イライラ。同学年の子とは話が合わず、イライラしてます。。
病院では診察時に回転椅子でクルクル回り、採血では泣きながら私のお膝で抱っこ状態の姿を見た小児内分泌の医師には「体は大きいけど、まだまだ幼いねー」といわれました。
発達相談の小児科医師からは脳の成長にバラツキがあって、配慮が難しい子だと言われたことがあります。
成長がアンバランスな子って早熟な成長に合わせた環境がいいのか、まだ幼い部分に合わせた環境がいいのか、悩みます。。