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【自他境界シリーズ②】自他境界によって見える世界が違う

前回の続き。

【自他境界シリーズ①】自他境界スケール案 〜ASDとHSCとサイコパスとカリスマ〜僕は、ASDやHSCの子と会う機会が非常に多い。 で、困りごとを聞いていくと、大抵この結論になる。 自他境界を引...

 

あくまで僕の趣味であり、主観です。

興味のある方、お暇な方だけどうぞ。

 

自他境界と目に映る世界

前回、自他境界の話を書いた。

 

ASDとHSCは、自他境界が薄い。

逆に限界まで濃くすると、サイコパスに行き着く。ような気がする。(僕が勝手に言ってるだけで、エビデンスはありません。)

 

 

自他境界がめっちゃ濃いって、

自分。以上!

ってことだ。

 

ローランド様は、

俺か、俺以外か。

だが、

サイコパスは

俺だ。

である。

俺以外など存在しない。

 

 

これはこれで生きにくそうなのは、予想できる。

いかにもトラブルが起きそうだ。

 

自他境界が薄いと困るが、強すぎてもそれはそれで困る。

やはり、平均的な自他境界の人が最も生きやいのだろう。

 

 

それぞれの生きにくさについて。

それぞれ、見える視界はどうなっているのだろう。

何を見て、どう考えているのか。

 

ってことで、図にしてみた。

 

↓コレ、平均的な自他境界の人の図。

 

真ん中に自分。

自分と外の境界線には、ところどころ穴が空いている。(黒い破線)

 

周りに、人や環境など様々なものが取り巻く。

それぞれが独立して、まぁ、こんな感じ。

あなたの世界観もこんな感じでしょうか。

 

 

 

 

じゃあ、自他境界が薄い人はどうかというと。

はいドン! ↓

全てがフワッと、ぼんやり、境目がない感じ。

どこまでが自分で、どこからが他人か、はたまた環境か。

よくわかんない。

 

すべてがぼんやり。

だから、時にうっかり、自分と電車が混ざり合ったりしちゃう。

 

自分って電車?

この世界ってハギーワギー?

自分も、世界も、色々行方不明。

 

 

そして。

このままじゃカオスじゃん?

情報量多すぎて、意味わかんないじゃん?

 

だから、はいドン! ↓

多すぎる情報を消す。

以前書いた、「敏感と鈍感は同じもの」、「敏感は行きすぎると鈍感になる」ってやつだ。

ASDとHSCの違い 〜イルカサメ仮説とイーブイ仮説〜 vol.2前回の続き。 https://hattatsu-kids.com/?p=4891 HSCとASDって、今現れているコ...

 

何に敏感で、何に鈍感かは、人による。

上の人は、電車に敏感、それ以外には鈍感になったようだ。

 

こうなると、

世界は電車

である。

 

世界は電車。

電車にしか興味がない。

そう、典型的なASDだ。

いるよね、こういう子。

 

 

 

 

ではでは。

最後に、自他境界が濃すぎるとどうか。

 

↓はいドン!

 

自分。以上!

 

自分以外何もねェ。

自分とそれ以外が完璧に区切られすぎて、もはや他のものなど何もない。

自分は自分じゃぁぁぁああ!

 

人の痛みも喜びも、全く響かない。

自分の損得が全ての行動原理。

そう、サイコパスですね。

 

 

 

ところで、一般にASDとサイコパスはよく似ていると言われる。

確かに、自分中心で周囲を顧みない行動や、にわかには理解しがたい理論など、似ている点が多い。

 

でも、ASDは自他境界が薄く、サイコパスは濃いのよ。

真逆の性質なのに、なぜ似てる? とずっと思っていたのだが。

 

きっと、こういうことじゃないかしら。

仮設を立ててみた。

 

 

↓これを、平均的な自他境界の人の見る世界とする。

自分の周囲の情報は鮮明で、遠ざかるほど不明瞭になる。

そして、ある程度の位置関係や人々の表情などは読み取ることができる。

 

 

↓サイコパスはこう。

自分しか見えねぇ!

 

 

↓そして、ASDはこうだ。

全てが鮮明で、むしろ自分(ウォーリー)はどこ⁉︎

自分が行方不明ってヤツだ。

【ASDの】自分が行方不明【困るところ】ASDは、人と自分の境界が薄い。 だから人の気持ちが分からないし、空気が読めない。 かと思ったら、周囲に共鳴して自分...

 

 

あれ、全然違うじゃん? と思いきや……。

 

これだけの鮮明な情報、脳が処理しきれない。

脳の処理能力には限界がある。

過量の情報は、感覚鈍麻によりかき消され……

↓こうなる。

あっ!

サイコパスの視野とほぼ同じ!

 

↓サイコパスの視野

 

そう。

自分以外見えないのがサイコパスで。

自分以外が見えすぎて、逆に見えなくなるのがASD

 

結局似たような視野、そして似たような行動になるんじゃないか。

そんな気がしている。

 

サイコパスは、黒い暗闇。

ASDは、白い暗闇。

 

光は多すぎると、何も見えなくなるのだ。

雪山のホワイトアウトのように。

 

ASDは、自分中心の行動を取ることがよくある。

「自閉症」と言われるくらいだ。

周囲に配慮しない、空気の読めない、自己中な行動を取る。

 

でも、よくよく観察すると、やっぱり周囲の影響を受けやすいように思う。

環境が変わるとパニックを起こす。

空気は読めないんだけど、でも周囲が不穏な感じになると、その違和感は敏感に察知する。

感覚刺激にも敏感で、キーとなる音や光からそっちの世界(マイワールド)に入って行ったり。

特定の言葉に固執し、やたら影響を受けたりする。

 

サイコパスには、これがない。

「空気の読めない、かつ自他境界が強い人(ツラの皮が厚い人)」にも、この感じを受けない。

 

やっぱり「自他境界が薄い」というのはASDの大きな特徴だと思う。

周囲に影響されやすい。

「自閉症」という表現はASDの特性にあんまり合ってない、むしろ逆で自分が開いちゃってる疾患だと、個人的には思っている。

 

HSCとカリスマの視野

さてさて自他境界。

薄すぎても濃すぎても、困りやすい。

 

なんだけど。

 

薄すぎ、もしくは濃すぎても、さほど困らない人たちがいる。

なんなら強みになっていたり。

 

そう。

HSC (自他境界が薄いのに困らない)

そして

カリスマ(自他境界が濃いのに困らない)

だ。

 

彼らはいったいなぜ、困らないのだろうか。

彼らの見る世界はどうなっているのだろう。

 

次回その話を書きます。

POSTED COMMENT

  1. やよい より:

    すごい!わかりやすいです。
    息子ではなく自分の中でも、色々腑に落ちました。
    会社で社員が一気に増えて、今まさにホワイトアウト状態です。毎日人混みで仕事してて、自分が行方不明に。。なので、8人しかいない会社に転職します。笑
    きっと息子も同じです。
    4月から少人数の学校に進学しました。
    少なければ、ウォーリーはすぐ見つかるのです(^^)

  2. 匿名 より:

    私はハギーワギーに吹きましたw
    知見が広すぎる!
    うちのアスペルガー息子もサイコパスだったらと心配でしたが、今回のお話に納得。
    現在、世界がハギーワギーです。

  3. より:

    自他境界の図にエンダーマンがいてじわり、ウォーリーで噴きました…懐かしい(゜ロ゜)
    ASD面白い、開きまくってるが故に閉じて脳の負担減らす的な感じかぁ…周りにあまりいないタイプだったので、今後色んな方を観察してみます(っ´ω`c)
    hscとカリスマが困らないのは、hscは周囲のニーズに敏感に気付くからで、カリスマは自分に自信を持って貫きつつ周囲のニーズとうまく合致していれば…なのかな?
    次回、考えながらワクワクしながら待ってます!

  4. お母さんはツインズ より:

    今回のブログ、我が家の中2男子が「実におもしろい」と熟読していました。
    因みに「俺か、俺以外か」「俺だ」のどちらでもなく「誰だ?」が自分にはしっくりくるとコメントを残していきました。
    これまでに、うちの息子は「サイコパス?いやいや。。。」と思い悩むことがありましたが、うちの息子はASDでした。

  5. こあら より:

    サイコパスは台風の目みたいだと思います。
    周囲は暴風雨で吹き飛ばされますが、中心は何も起きてないみたいな。

    なぜ自分だけ周囲とトラブルが多いのか、そこは全く考えない。
    言葉と行動の矛盾にも気づかない。
    なぜか自分は優秀と思い込む。
    本当に「自分、以上!」ですよね。
    けれど、自分を客観視する機能がないので、思い悩まないのでは?

    HSCの娘はネガティブな感情にものすごく影響を受けます。
    優しい同級生と接しているはずなのに、楽しいこともあったはずなのに、たった1人の意地悪な言動で「全て最悪」になり、気持ちを切り替えられません。
    まるでオセロのコマが全てひっくり返るようです。

    周囲は振り回されますが、必要以上に憂鬱にならない分だけ、生きてて楽なのはサイコパスかな、と思います。

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