今日は、ワンオペ育児の話。
ワンオペ育児:
夫婦だけの家庭、もしくは夫婦と乳幼児の子どもだけの家庭において、夫婦のうちどちらか1人のみが在宅し家事・育児などを行っている状態。
(wikipedia )
知ってるよって話ですね。
僕の見るワンオペ
ワンオペ育児の大変さは、みなさん、それぞれ思うところがあるだろう。
僕なんかよりずっと当事者だ。
頭が上がらない。
ホント、お疲れ様です。
個々のケースでめっちゃ大変なのは理解できる。
マジ卍でしょう。
なんていうか、マジ卍。(語彙よ)
ホント、お疲れ様ですとしか言いようがねぇです。
今日はちょっと視点を変えて。
僕の立場から見る「ワンオペ育児」。
個々の大変さじゃなくて、俯瞰的に、マクロの視点でみたワンオペについて、思うところを書いてみたい。
僕のところには、いろんな立場のワンオペの人が来る。
シングルマザー、シングルファザーはもちろん。
専業主婦ワンオペ、共働きワンオペ、単身赴任ワンオペ、夫婦不仲ワンオペ、不仲ってほどじゃないけど理解のない配偶者ワンオペ。
いろいろたくさん。
まぁ、数の暴力ってやつです。
この視点で見ると、まず、
ワンオペの大変さには個人差がある。
これは事実。
手がかかる子と、かからない子がいる。
兄弟構成にもよるし。
一口にワンオペと言っても、その大変さには振り幅がある。
育てやすさには大きな差がある。
客観的に見ても、育てにくい子ってやっぱりいます。
びっくりするけど、育てやすい子も存在するんです。
よく寝る子とか、言えば分かる聞き分けのいい子。
自分から進んで勉強するなんて子も。
都市伝説じゃないんだ。
育児書通りとか、なんなら育児書も不要とか。(困らないから)
ウソやろ?
前世か? 前世で何かしでかしたのか? なんて気色ばみたくもなるけれど。
この大前提の上で言わせてもらうんだけど。
ワンオペ育児は大変
です。
僕から見ても。
平時はまだいいんだよ。
ワンオペもルーチン化してくるから、そのルーチンが回っているならまだ良い。(それでも大変だけど)
『有事』に困る。
イレギュラーが発生したとき、物理的に手が足りない。
これが困る。
そして育児なんて、イレギュラーの連続だ。
実際そんなボヤキや嘆き、悲鳴に近いものまで、僕の耳に入ってくる。
- 子どもから目が離せず家事がすすまない。
- 作業の中断の繰り返しで、想定した通りにやり遂げられない。
- 兄弟に同時に対応できない。
- 療育に行きたいけれど送迎ができない。
- (シングル等で)仕事しないといけないのに、子の発熱等で呼び出し。
- 特性のためスーパーに子どもを連れて行けないが、行かないと食糧がない。
どーすればっっっ。
学校側は平気で「家で丁寧に見てあげてください」なーんて言うけど。
そんな余裕ねーよ!
こちとらワンオペぞ?
いや、もう、ね。
根性論とか精神論じゃなくて、物理的に無理だ。
物理的に。
ワンオペ育児は、物理的に手が足りない。
特に有事。
そして育児なんて、有事のオンパレードだ。
タスクのシェア
以前、夜泣き対応は「終わらない当直」に似ていると書いた。
不定期に起こされ、寝不足の上、概日リズムぼろぼろ。
当直は一晩で終わるけど、夜泣きは終わらないときたもんだ。
マジ卍。
同様に、ワンオペ育児も少し分かる気がする。
当直のプレッシャーに似ているのだ。
僕の病院では、当直は一人体制。
院内に小児科医は一人なので、全責任が自分にのしかかる。
何かあれば、全部自分で対応だ。
数もそうだし、急変対応とか救急搬送なんかも全部自分。
これが来る。
「クる」と表現すると、分かっていただけるだろうか。
普段は、他の医者がいる。
何かあれば相談できるし、手が足りなければサポートを依頼できる。
実際には相談もサポートもあまり要さず実質一人でやっているのだが、それでも精神的な安心度が全然違う。
「自分ひとり」と「誰かいる」には、雲泥の差がある。
以前、コロナの関係で、夜勤の看護師さんが一人体制になった時期があった。
入院ベッド数が減り、比例してナースも減らされ、一人夜勤になったのね。
この時、夜勤さんが泣きそうな顔で「しんどいです〜〜〜」と言っていたのを思い出す。
1人で10の仕事をこなすのと、3人で30をこなすのとを比較すると。
僕は前者が圧倒的に負担が大きいと思う。
圧倒的にだ。
1人だと、常に気を張った状態を強いられる。
これが非常にしんどい。
圧倒的に手が足りない
ってことで、僕の立場から見ても、ワンオペはマジ卍だと思う。
絶対的に手が足りない。
物理的に手が足りないと、精神的な余裕もなくなる。
しんどい。
社会問題の話になっちゃうけどさ。
やっぱり、育児って、いかに手を確保するかだと思う。
物理的な余裕と、精神的な余裕が必要。
ワンオペせざるを得ない人、たくさん見てきた僕が言うけど。
大変だよ、ワンオペは。
そして僕のところに来るのは、発達や心に課題のある人だ。
いわば「想定外」の事態に直面している人。
この辺のトラブルを事前に想定している人は、あまりいないだろう。
大変ですよ。
保育園とか療育とか相談先とか習い事とか訪問リハとか、使えるものはなんでも使ってほしいんだけど。
それを使うにも、保護者の手が必要となる。
子どもだから、一人で完結はできないからね。
手続きとか送迎とか付き添いとかあるから。
月1の通院だけでもマジ大変ってケースはたくさんある。
最後にひとつ、こんな話を。
小児科で入院する際に、親の付き添いが必須の地域がある。
これも問題視する声を聞く。
実際問題だと思うけど、現時点ではこのルールでやっている地域が結構あって。
僕が働いていた病院もそうだった。
でさ。
絶対に入院が必要な病気になった子がいたのよ。
治療しないと後遺症が残るか、最悪命に関わる。
でもお母さんがワンオペで、その子には兄弟が4人いたのだ。
手伝ってくれる人はいない。
入院すると、4人が路頭に迷うことになる。
お母さん、泣きながら
「入院せず、家で見ます……」
って。
僕は途方に暮れた。
ワンオペって、こういうことだ。
有事に破綻する。
※ちなみにこの子はなんとか入院・治療でき、ことなきを得た。本当によかった。
じゃあどうするかって、もう社会問題になっちゃうけど。
手は二本(ワンオペ)じゃなくて、できればたくさんあった方が良いと、僕の立場からは強く思う。
『有事』をたくさん見てきたからこそ実感する。
特性ありの小学生息子がいます。
夫が単身赴任です。毎日を回すのでいっぱいいっぱいです。有事どころかほんの些細な石ころにも躓かないように必死です。
一斉休校でパニックになり、会社に遅刻してしまいました。
近所のママに愛想を振りまく余裕もなく。
脱輪走行は母親も同じで、自分もとっくに優等生ルートを外れています。
こんにちは。いつもありがとうございます。
単身赴任ワンオペです。
やっぱり大変ですよね…
そう、20のタスクを2人でやると、随分楽です。10のタスク1人だとヒィヒィです。
夫が例え家事や子供のこと、あまり手伝ってくれなかったとしても、居てくれるだけでも違うかなぁと思います。
どうしても1人だと気が張りっぱなしで、余裕ないです。
いつもありがとうございます!
有事でなければ何とかなる、けど、有事に慌てても既に自力では何ともならない、、。
私自身の頼り下手と、有事でなければ頼る事がかえって面倒が増える(思いつく頼りやすい相手のキャラ等々により)ことで、有事はまずいな、と思いつつ、備えをしないまま過ぎています。。
有事もずっとは続かないから、幸い今まではとにかく時が過ぎるのを待つ、で何とかなる範囲の有事で済んでしましたが、この先のことは分からないから、今後に備えるのが良いような、でも、平時には今のままの方が考える事は少なくて済むような。と、煮え切らない私です(極度の人見知りもあるからかも)。
普段はゆるーく見守ってくれて、有事にはプッシュ型でサポートしてくれるしくみがあると良いのになぁ、と思います。
我が家は乳児はいませんが、産後なんかは、特にそうだろうな、と思います。
ワンオペ+有事…
まさに昨日の我が家でした…
小6の娘のリストカットの跡を学校側が発見してくれ、夕方急きょ面談。ボロボロで帰宅すると、習い事に間に合わないと息子が泣き、弟の人生を邪魔するわたしは要らないんだと娘が騒ぎ…
挙句に夕飯のアジフライの骨が喉に刺さったと息子が大泣き…
わたし、前世で何かやらかしたのかなぁ…
書き出すと大した事件ではなく
たまたま重なっただけだけど
ホントこんな事ですら、重なるとワンオペは…
分身の術を身につけたい…
結婚して義両親と同居、子供2人が幼稚園児の時から主人が単身赴任。
上の子が中3の時に合わせて私がわがままを言って戻ってきてもらいました。1人では受験に立ち向かえる自信がなかったのです。
しかし二学期に入り不登校に。二ヶ月後下の子も不登校に。学校でも家でも限界でした。
原因は私が子供の意見に耳を傾けなかったこと。生活も勉強にも。私がいつも余裕がなくイライラして子供にあたっていたんです。子供は理不尽な母の言うことを聞くしかなかったんだと思います。子供は全く悪くなかったんですよね。。何度も何度も上の子と喧嘩してやっと分かったこと、そしてP先生のブログのおかげです。
余裕がなかったのは、義両親に気を使っていい嫁でいようとしていたから?旦那の手が足りなかったから?何度も何度も人のせいにしました。
上の子にこないだ言われました。
「育てる覚悟がないなら産むな」
まだこんなことを思わせてしまっているダメな母です。子供が答えを持っています。これからも耳を傾けていきたいです。
話が変わってきてますね、すいません。
マンパワーの大事さですよねぇ。
うちは離婚してシングルマザーからの不登校で、当時は頭の中で「フルコンボだドン!」と何者かが言ってました…めっちゃ深刻な気持ちだったのに、確かに言ってた。今は「やったね、もっかい遊べるドン!」な気持ちです、何がかは分からないけど。多分人生。
娘の不登校初期は、娘の状態と周囲の理解のなさから私に何かあったら詰むと思ってました。有事のために不登校に理解ある預ける場所や日中過ごせる場所を探すも、そもそも小学生を日中預かってくれる場所がないし、自分のメンタルも結構きてたんでハズレを引いたときに耐えられないなととにかく自分の体調には滅茶苦茶気をつけてました。預ける場所をお金で解決出来ない場合は友人に頭を下げるしかなかったです、結局杞憂に終わりましたが。なんで娘が安心していられる場所がないんだよー!と当時は悲しかったです。
娘が少し元気になったタイミングでオルタナティブスクールにも行ったけれど、結局お家が一番なようで今もお家だけれど、娘が回復してくれたお陰で以前より選択肢は広がっているし、私も図太くなれたし、楽になりました。
手持ちのカードを増やす努力は早めにしておくと自分が安心ですよね。優しい世界は自分で作る。
記事の入院の件、なんとかなったと書いてありホッとしました!
記事の方がなんとかなったのは偶然周りに優しい人がいて配慮があったからでしょうが、事前準備が出来ていなかった人に対して「自己責任」で切り捨てない環境で良かったと心から思います。
偶然周りに優しい人がいない場合のためにも、自分で事前準備をしておく事は自分のために本当に重要だと思います。
今回の記事、最初から最後まで共感しました。
私の場合は単身赴任ワンオペ時代、コロナ一斉休校→子どもが不登校という有事発生。パニック状態の中で正規職員の仕事は10年に一度の繁忙期。上司に事情を説明したところ「子どもをしっかりさせるのは親の責任。それ以上に、あなたには職業人としての責任もある」となぜか説教され、本当にその時は病みそうでした。正論が通用しない、ただ共感してほしいだけの、ボロボロの精神状態でした。
その後スクールソーシャルワーカーさんが寄り添ってくださり、なんとか自分と子どもの命をつなぎ、今があります。
スクールソーシャルワーカーさんが物理的に何かを手伝ってくれたわけではないですが、有事を共有して、一緒に考えてくれただけで救われました。
人に話すって、大切ですね。
ワンオペ、大変です。
私は学校の先生してます。
先生のブログは先生の仕事にも役立ってます。これが絶対という訳でなく、自分で考えてというスタンスがいいです。
私ともう一人の先生で運動部を持ってます。もう一人の先生は男性でお子さんも小さいのですが部活が楽しく休みたくないそうです。まわりの先生からはその先生にばかり仕事させてといわれてます。
その先生に奥さんに怒られないのか聞いたところ、怒られるそうですが、部活が楽しいそうです。
どう考えたらいいのかわかりませんが、家で小さい子供の面倒みるよりも年頃の女の子たちとキャアキャアいいながら部活する方が楽しいんだろうなあ。
家事育児は奥さんに押し付けられるし、職場では誉められるし。
家事育児もしっかりやって仕事をするなら良いのですが、こんな調子で仕事だけして評価される社会だともう子供は増えないだろうなあと思います。