同意って難しいですよね。
良かれと思って「わかるよー」と同調したら、
嘘つき!
アンタに何がわかるんだ!!!
厳密すぎるHSC
HSCは、解釈にとても厳密。
言わんとしている内容と少しでもズレると、烈火の如く怒り出す。
烈火の炎。花菱烈火。
って話に同意してくれる人がたくさんいた。
ですよねー。
やたら厳密ですよねー。
そして困っちゃうって話も聞く。
少し口を挟むと怒る。
あっ、それわかるなー。
お母さんも昔ね……。
とか、
それはわかるけど、でも〇〇って考えた方がいいんじゃない?
とか言うと……。
違う違う
そうじゃ
そうじゃない!!!!!
↑こうなる。(鈴木雅之)
ので、黙って聞くしかないのだけれど。
聞く方も大変だ。
一方的に喋りまくられ、厳密な解釈を求められる。
ヒトって、基本的に聞きたいより喋りたい生き物だからさー。
会話ってキャッチボールだし、ただただ聞き続けるのはストレスが溜まる!
僕も外来で、HSCと思しき子に喋りまくられることがある。
もう、めちゃめちゃ詳細に。
細かい登場人物やその背景まで説明される。
……僕、その人たちに会ったことないんですけど。
Aさんがこう言ってBさんが聞いて、Cさんはこう考えて、でもAさんはそういうつもりで言ったんじゃなくて、D先生はこういう性格だからこういうつもりでこう言って……
うん。
把握しきれねぇ。
情報量多すぎ。
でもまぁ、相手はHSCだ。
「ごめん把握しきれねぇ」と伝えると、すぐに察してくれる。
あと、HSCなので、一生懸命聞けば何が言いたいか分かる。
ASDのように認知が歪んでいたり、ADHDのように話が飛んだりは、あまりない。
聞けば、まぁ、分かる。(あまりに複雑だけど)
なので、精一杯聞くんだけど。
まぁ疲れますよねー。
相槌も気を遣うし。
話の流れを理解し、タイミングよく適切に相槌を打つ。
あっ、コレ僕の苦手なやつやん。(僕はASD)
話の聞き方
HSCは一般的に、叱ったり正したり矯正したりする必要がない。
優しく諭せば十分。
なので、ヘタなアドバイスとか指摘なんかは不要だ。
むしろ地雷の可能性が高い。
どうするのが正解かは、本人がよく分かっている。
そんなこと言ったってしょうがないじゃない。
とか
それはあなたには変えられないんだから、考えても無駄でしょう。
とかさ。
本人、よーーーーーく分かってる。
分かった上で吐き出したいのだ。
分かっちゃいるけどムカつくんだよぅ!
↑コレが伝えたい。
だから、「あなたはそう思うんだねー」なわけだ。
また、物事を厳密に捉え、深く理解する性質がある。
だもんで不用意に
お父さんも似た経験があるなぁ、気持ちわかるよ
とか言っちゃうと、
その話と同じじゃない!
分かったような顔すんな!!!
となり、お父さん撃沈。
だから、「あなたはそう思うんだねー、わかったよー」なわけ。
HSCの話、ヘタに解釈するべからず
これオススメ。
ピンポイントのドンピシャで解釈が一致すれば、それはすごくいいんだけどさ。(HSCもすごく嬉しいと思う)
リスクがあるなら下手に解釈せず、とりあえず聞くに徹する。
リスク回避だ。
あと、疲れちゃうからさー。
全力で話を聞くって、エネルギーを使う。
親御さんが元気なときは聞いて欲しいんだけど、そんな時ばかりじゃないから。
なんとなーく流れを聞いて、「うんうん」「そうなんだねー」「わかったよ」あたり無難に答えておくのが、攻守のバランスがよい。
(コレが通用しない子には、仕方ないので常時全力投球でお願いしまっす!)(お疲れさまっす!)
話半分で聞きながら、晩ご飯のメニューでも考えていてください。
中華丼、でしょうか。
聞けないときどうするか
でさ。
よくある相談に、「聞いて聞いて攻撃がすさまじい」というのがある。
親御さんに話を聞いて欲しい。
エンドレスで、マシンガントーク。
ちょ、わかった、わかったけど、今ちょっと忙しいんですけど!
親御さんもイライラ。
これはですねー。
時間を区切る
のをオススメしています。
HSCは、話したいときは話したいんです。
スイッチ入ると止まらない。
これは仕方ない。
仕様です。
そして、外では我慢して、家の中で爆発させることがほとんど。
HSCって内弁慶だからね。
一番信頼する相手、つまり親御さんにぶつける。
聞いて聞いてねぇお母さんお父さーん、分かるでしょ? 聞いてるの? それでねそれでね、やっぱりそう思うでしょ? そん時僕がね、ねぇそう思う? ねぇねぇ聞いて聞いてー!
↑コレ。
気持ちはわかるが、聞いてて疲れちゃう親御さんの気持ちもよくわかる。
これは、例えば
毎晩21時から1時間、ゆっくりあなたの話を聞きます
みたいに時間を指定するのがオススメです。
子どものタイミングで来られると、これが大抵親御さんの忙しいときで。(なんでかね)
どうしても話半分になったり、生返事をしたり、話をぶった切ってしまう。
すると、子どもは不安になる。
聞いてくれないの?
え? え?
なんでなんで?
僕のこと嫌いになったの?
確かめるため、不安を払拭するために、さらにしつこく絡む。
よりウザがられるという悪循環。
なので、聞けないときは聞けないと明示する方がよい。
- 今は料理中だから聞けない。
- この後予定があるからゆっくり聞けない。
- 朝は忙しいから聞けない。
その分、いつなら聞けるか明示する。
そして、この時間はこの子だけに向き合ってあげてほしい。
家事の片手間じゃなくて、他の子の世話をしながらじゃなくて。
で、約束の時間になったらそこで終了。
「また明日の同じ時間に続きを聞くね」だ。
このやり方が、親子とものメンタルを最も安定させるように思う。
あ、話を聞きながら「ふんふん、あなたはそう思うんだねー」の魔法の言葉も忘れずに。
どの程度真剣に聞くかは、その子の特性をよく見極めて。
まとめ
HSCは解釈に厳密
下手に理解を示すと、事故る可能性があります。
とにかく喋らせ、「あなたはそう思うんだねー」が汎用性高い気がします。
HSCの、超厳密かつマシンガントークへの対応。
うまくいっている家庭は、もちろんそのままでよいですが。
うまくいかないご家庭は、一度試してみてください。
先生!ありがとうございます。
毎日本当につかれるのです。
時間を区切る。やってみますね。
P先生こんばんは
まさにうちの娘です笑笑
だんまりで自分の心の中を話さないときもあれば好きなことや拘りはマシンガントークで熱く語る。電車や映画館でのマナーの拘りがあり友人にも求めてしまう…でもそんな自分のことを冷静に話します。
否定せず肯定しながら、ただただ聴くのですが
少しズレたことを言うとキレたような口調になり食い付きます…ガブっと笑笑。
分かったフリも駄目、ほんとに分かった時は同意し、そうじゃないときはただ聴くことが大切ですね。
ありがとうございます。
P先生、毎回為になる解説、本当に感謝です。
娘の取説を頂いたようです。
これ、クラスメートの仲良しにやってウザがられ、2人疎遠になったようです。
仲良しだからこそ、理解してほしい、が強すぎて、でも標準装備じゃないので、相手は引きますよね。
あなたはそう思うんだね。
でも、友達は違う考えかもしれない。
皆違って皆いい。(金子みすゞ)
まず親は肯定する。
けれど、「私の考えは友人なら肯定するべきだ」
これは違う。
「私は敏感なんだから、周囲は配慮するべきだ」
これも違う。
うんうん、そう思うんだね、と
肯定し続けると、なんか解釈が自己中心的になって。
親は一生懸命肯定するけど、周囲にもそれを求めるのは違うよ、って伝え方、難しい〜!