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「まぁまぁ、気にすんなよ」ができない人

ここでも出したけど。↓

HSP以上、ASD未満ASD (自閉スペクトラム症)かと問われると、そこまでではない。 学校でのトラブルはないし、少なくとも診断基準は満たさない。 ...

 

そこっ⁉︎ って部分が気になる子がいる。

些細なことが気になり、不安で不安で仕方のない子がいる。

よくわからんこだわりを発揮する子がいる。

 

 

この子たちが、社会で生きていくために。

思い通りにならない、このカオスな社会で生きていくために。

 

どうしても「まぁまぁ、気にすんなよ」のスキルが必要となる。

それしかないという結論に行き着く。

スルーできないと、壁にぶつかってしまう。

 

調整も、多少はできるけど。

人に依頼したり、環境を選んだり。

周囲に合わせてもらえる部分も、多少はあるんだけどさ。

 

でも、完全な最適化はできないから。

やっぱり最後は、「まぁ気にすんな」だ。

これが受け入れられないと、社会適応は難しい。

何度考えてもこの結論にたどり着く。

 

……んだけど。

 

 

それが出来りゃあ苦労しないんだよっ!

 

 

鈍感力を育てましょう?

『鈍感力』という言葉がある。

これが大事、と。

 

育児書や自己啓発書には、思い通りにいかないことを許容する力を育てましょう的なことが書かれている。

「変えられないものを受け入れる力」と、宇多田ヒカル先生もおっしゃっている。

「それくらい受け入れられないようじゃ、社会でやっていけん!」という強いメッセージも見かける。

この力を育てるのが親の責務と言わんばかりに。

そんな優しい対応を親がしてたら、そりゃねー、やーよねー的な。

 

読み手はハートブレイク。

 

 

いや、鈍感力、わかるんだ。

繊細すぎると人は生きづらい。

いい感じにスルーする力って絶対的に必要。

 

でも、

それがないからダメなんだよ。

甘えんな。(本人も親も)

という論調には、僕は違和感を覚える。

 

だって、できるならやってる。

それができないから困ってる。

気にするなと言われても、どーーーーーしても気になっちゃう人って存在するもので。

と、僕は思っている。

 

 

何度も書いているが、不安の強さは生まれつきらしい。

セロトニントランスポーター的なアレがアレで。

不安の強さってどこからくるの? 〜その子の不安レベルはどのくらい?〜不登校とか、それに類するトラブルの相談を聞くと、 vs自分 の要素がありそうだな、と思う。 https://h...

 

不安が強い人は、生まれつき不安が強い。

育て方云々の問題ではない。

 

にも関わらず、

鈍感力が育っていないのが根本原因!

以上!

になってしまう。

すると、ここで話が止まる。

 

 

この手の主張には、「じゃあどうするか」の解決策がくっついていないことが多い。

親が悪いとか、昨今の教育ガーとか、3歳児神話の崩壊ガーとか、消費税増税ガーとか。

そんなことを言っても、どうしようもないのにね。

 

あ、この話で思い出した。

僕、学校の先生から相談を受ける機会があるんですよ。

勤務の一環で。

困った子の対応の仕方について医学的なアドバイスが欲しいとかで。

 

で、印象に残っている言葉がある。

 

校長先生:

最近の親は、以前と比較し我慢が足りないしワガママだ。

そう思いますよね?

 

子どもの問題は、やっぱりというか、家庭の話につながるんだけど。

そこで出た言葉。

 

おっと。

その「最近の親」を教育したのは、校長先生の世代じゃないですか。

じゃあ、先生の教育の失敗ですね!

 

という言葉が喉元まで出かかって、必死で飲み込んだ。

危ない危ない。

 

話を振る相手を間違えている。

僕なんて、明らかに校長先生の言う「困った子」の側ですぜ?

先生の思うような優等生では、全然ないよ?

 

 

僕はこのような「最近の親は」「最近の若いもんは」的な十把一絡げな表現が嫌いだ。

3歳児神話が崩れたから最近の子は〜〜とかの話も、

3歳児神話を崩したのは(共働きじゃないと経済的に困窮する社会を作ったのは)、3歳児神話で育てられた世代じゃね?

とかさ。

ゲームが脳を溶かすとか、昨今のスマホやネット、ITなんかを発展させたのは、ゲームに触れて育った世代だぜ?

 

 

そうじゃなくて、今の人が生きる今の社会には、この時代に合った考え方ってもんがあるでしょ。

そう思っている。

過去の美化はやめよーぜ。

 

古代エジプト、ピラミッドの時代から、「最近の若いもんは」という言葉があるらしい。

でも、文明を発展させたのはいつだって「最近の若いもん」だ。

 

僕の提案

繊細な子。

不安が強い子。

変なところにこだわる子。

 

今、このような子たちにフォーカスが当たっている。

以前だったら「気にしすぎ」で済んだ(済ませていた)かもしれないけれど。

今は時代が違う。

 

「気にしすぎの本人が悪い」といった自己責任論では、何も解決しない。

それどころか、さらにこじらせる子が多そうだ。

 

じゃあどうするか。

僕からの提案はコレだ。

 

それ、聞いてあげてください。

 

ワケわかんないことにこだわるよね?

どうしようもないことを気にしますよね?

不確定なことをあーでもないこーでもないしますよね?

で、何を助言してもデモデモダッテだよね?

 

オッケー。

それ、聞いてあげてください。

 

 

理由はいくつかあって。

まずひとつめ。

「注意のお部屋はひとつ」だから。

 

そのぐちゃぐちゃを吐き出さないことには、他の内容は入らない。

解決に向けて「まぁいっか」ができるようにならない。

まず吐き出す。

わけわかんない不安やこだわりを。

そこから。

何はともあれ、まず〇〇!!! 〜注意のお部屋は一つ〜言っても言っても聞かない子。 なぜこんなに聞かなの? むしろ、ここまで聞かないのって逆に才能⁉︎ 僕的には、コ...

 

ふたつめ。

自己肯定感をへし折らないため。

 

自分の不安が、「変」じゃないという安心感。

めちゃめちゃ大事だと思うんだ。

 

変じゃないよね?

その子は、そう思った。

事実として肯定してあげてほしい。

 

親が聞いてくれて、「あなたはそう思うんだね」「気持ちわかるよ」と言ってくれた経験は、何物にも替えがたい。

これが土台だ。

失敗できるから、骨を拾ってもらえるから、子どもはチャレンジするのだ。

経験を積むと、図太くなっていくもので。

元繊細な少女(少年)、今となっては図太いおばちゃん(おっちゃん)って方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

みっつめ。

…………特になかった。(ないんかい!)

 

まとめ

 

まぁまぁ気にすんな、って?

どーしても気になっちまうんだよ!

 

「どうしても気になる」という事実を肯定するところから始めませんか? という提案です。

気にするのが悪い! と糾弾しても、意味ないよ。

POSTED COMMENT

  1. たぬきはイヌ科 より:

    いつもこっそり拝見している読者の一人です。
    最初は自分(HSPかなと自分では思ってます)のために、今は子ども達の育児に活かしていきたいなと思って拝読しています。

    理想論ではなく、今ある問題にどう立ち向かえばよいか、先生のユーモアと優しさのある文章から、いつも力を分けてもらっています!(イラストのゆるさも良い感じで好きです)

    過去の関連記事なども遡って、主に携帯で読んでいますが、、、もっとじっくりしっかり(?)読みたいなといつも思っていて、、、。

    書籍化していただけたらとてもうれしいなと思っているのですが、先生、いかがでしょうか?

    タイトルどおりきっと毎日お忙しいだろうし、刻一刻と話題にされたいことなんかも変わるから難しさもあると思いますが、きっと先生の言葉で力をもらう方もたくさんいるはず。。なんて思っています。

    今年も先生の記事、楽しみにしています。先生もお身体には気をつけてください。

  2. より:

    「最近の若者は」はエジプトからあったんですね、それはもういっそ様式美なんですね…そう思うと言ってる人が反抗期等の通過儀礼をこなしてる人間のように感じて今後ニヤニヤしてしまいそうです。笑

    我慢が足りないって発想、最近嫌いになってきました。
    我慢が足りないって言う人は、多分自分が甘える事に許可を貰えなかった人が多い気がします。
    そんなこと他人に言うくらいなら、あなたもやりたくない我慢やめちゃいなさいよ!我慢出来る私カッケーは一人でやってねって思います。でもそんな人に頑張ってるんだねヨシヨシ出来る心の余裕も持ってたいものです。

  3. ふう より:

    P先生!
    ずーっと喉の奥に引っかかっていた事
    「鈍感力が大事。それがない(育ててない)のが悪い。以上!」
    って言い切られて、切り捨てられる辛さを言葉にして下さって、ありがとうございます。

    私も中2の娘(不登校歴1年3カ月)も気にしすぎです。
    それも「え、そこ?」って多いです。

    気にしすぎる私は「気にしすぎるのが悪い」を気にしすぎて(汗)娘の話を聞かないで「気にするな!」と育ててしまいました。今から思うとアホですね💦
     娘がいっぱいいっぱいになって、動けなくなって、P先生のブログやいろんな出会いがあって、やっと「そうなんだね〜。気になるんだね〜」と本人なりの気になる感を聞けるようになりました。

    私自身も「人の反応とか気になるけどさ〜、しょうがないよね」って、そんな自分と付き合っていくって感じです。そんな私を娘は横目で見ながら、自分なりの折り合いを見つけていくのかな…と思っています。

    先生、これからもよろしくお願いします。

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