心理学

何はともあれ、まず〇〇!!! 〜注意のお部屋は一つ〜

言っても言っても聞かない子。

なぜこんなに聞かなの?

むしろ、ここまで聞かないのって逆に才能⁉︎

 

僕的には、コレをしていただけるとグッと入りが良くなるように思います。

 

はずは吐き出す

前回の続き。

失敗のすすめ 〜失敗しようぜ!〜特性のある人の、社会適応の方法。 完璧主義な人の、グレーの許容。 それな。 僕も常々思う。 ...

 

子どものうちに、たくさん失敗しようと書いた。

特性がある子は特に。

特性の分だけ失敗したら良いと思う。

※もちろん、シャレにならない失敗、マジで心折れる失敗は回避してください。そこは、子どもなので。

 

 

でさ。

失敗させるときのコツってあって。

闇雲に失敗するより、失敗後のコレに注意してほしい。

 

まず、思いの丈を吐き出させる

↑コレだね。

 

 

コレ、マジで大事だと思っていて。

いやマジで。

マジでですよ。(語彙よ)

 

  • なぜそうしようと思ったのか。
  • その発言の意図はなにか。

 

どんなにしょーーーーーもない内容でも、まずは思いの丈を吐き出す。

これ、必須。

正しい行動を教え込む前に、まずは本人に喋らせてほしい。

 

 

子どもに喋らせると、屁理屈と言い訳しか出てこないって?

よし、想定内だ。

屁理屈と言い訳、想定内。

 

その、しょーーーーーもない屁理屈と、浅はかな言い訳。

それです。

それを喋らせてほしいのです。

 

 

これね、育児書には書いてないんだよ。

根気よく何度も言い聞かせましょう。

とか、

どうすればよかったか、大人と一緒に考えましょう。

とか、書かれてるんだよなー。

 

その有効性もわかるけどさ。

でも、その前にすることがあると思うんだよね。

 

まず吐かせて!!!

 

どんなに無茶苦茶でも。

 

吐いた思い出と、諭された思い出

僕自身の経験で恐縮ですが。

 

僕は子どもの頃、完璧主義とこだわりがあった。

具体的には、強すぎる正義感。

他人のルール違反が見過ごせない。

ASD特性だ。

 

そのせいでトラブルを起こしまくり、失敗しまくった。

で、紆余曲折あって、なんとか社会に適応したんだけど。

 

 

どうやって特性の扱い方を学んだのか。

 

思うに、小学校の担任の先生の力が大きい。

先生が話を聞いてくれたのだ。

 

 

いまだに覚えている。

 

僕
あいつ(友達)、禁止のバトル鉛筆持ってきてる。

 

 

 

僕
筆箱の隠し部屋(多機能筆箱。ちなみにコレも禁止。シンプルなもののみ可。)にかみつきばあちゃん隠してる。

 

↑知ってます? エモい。

 

強い口調で訴える僕に、先生は

そうだよなぁ、そりゃルール違反だよなぁ

と相槌をうってくれた。

 

今でも覚えている。

そもそも僕には関係ないし、先生もそのくらいのルール違反は見のがすつもりだったろう。

フツーの公立小学校の、一年生だもの。

 

でも先生は僕の訴えを聞き、肯定してくれた。

先生に肯定されると、不思議と「まぁいっか」という気持ちになった。

 

あんなに怒っていたのに、

バトル鉛筆、短くなると字が読めないんだよなー

とか

かみつきばあちゃん消えねーんだよ

なんて、怒りが静まったものだ。

 

 

図工で、図案を友達にパクられたときも。

 

そんなルール違反、もちろん僕は激おこ。

盗作ってだけでもダメなのに、よりによって僕のアイデアをパクるなんて!

僕の作品と同じように教室に飾られ、同じように評価されるなんて!!!!!

 

でも先生が話を聞いてくれ、気持ちがおさまった。

あんなに怒っていたのに。

 

先にイルカのデザインを描いていたのは君って、先生は分かってる。

だからここは大目に見てやってくれない?

 

考えてみれば、小学校低学年の図工だ。

デザインが浮かばず、手近な友達のそれをパクる子なんて、そりゃ出てくるわな。

 

果たして、あまりにそっくりなイルカの絵が二枚、教室の後ろの壁に飾られた。

でもイヤな気持ちはせず、先生と僕のヒミツみたいで、むしろ誇らしいような、くすぐったいような。

そんな気持ちを、今でも覚えている。

 

 

これが大きかったように思うんだよなー。

こだわり(僕の場合は強すぎる正義感)を、先生がわかってくれた。

ここが出発点だったように思う。

 

ぼら、僕の親は話を聞いてくれるタイプじゃなかったからさ。

そもそも僕に興味がなかった。(親ガチャ失敗したクチです)

だから、先生が聞いてくれたのが非常に大きかった。

ありがとう先生。

 

 

でさ。

興味深いことに、先生が話を聞いてくれた「その後」については、サッパリ覚えてないんだよ。

 

つまり、先生に

でも、それは君には関係ないよね。

とか

どんなに正しくても、友達を叩いたら君が悪者になっちゃうよ。

とか、いわゆる「正解」を諭されたか否か、全く記憶にないのだ。

 

言われたのかもしれないし、傾聴だけで特にアドバイスはなかったのかもしれない。

覚えていない。

でも、先生が僕の訴えに耳を傾けてくれたこと、つまり自分の気持ちを吐き出した記憶は、今でも鮮明に覚えている。

 

非常に興味深いし、他の子でもまぁこんなもんだろうなと今になって思う。

 

注意のお部屋

まず、吐き出さないといけないのだ。

自分の思いを吐き出さないことには、人の話は聞けず、状況の客観視もできない。

 

 

ADHD特性の表現に、「注意のお部屋」という言葉がある。

 

ADHDは、「注意のお部屋が一つ」と表現される。

お部屋が、一つしかないのだ。

何かが目に入ると、他のことは入らない。

視界の外はブラックホール。

 

同時進行であれこれ考えることができない。

だからプランニングが苦手で、切り替えができず、ケアレスミスが多く、気が散りやすく、でも過集中もある。

 

 

そして、子どもはみんな、多かれ少なかれ多動で衝動的で、不注意だ。

つまり、ADHD特性を持つ。

 

子どもはみんな、基本的に「注意のお部屋が一つ」なのだ。

頭が何かでいっぱいのとき、別のものは入らない。

「こんなことで怒っている」とか「自分はこう考えた」なんて思いが頭の中を占めている間は、他の意見は入り込む余地がない。

 

 

自分の思いを吐き出す。

「なぜそう思ったのか」「なぜこの行動をしたのか」を、ちゃんと吐き出す。

そうしないと、次に進めない。

 

失敗してもいい。

たくさん失敗しようと書いた。

それはそう思う。

 

そして失敗の次にすべきことは、「思いを吐き出す」だ。

正しい行動を理解するのは、そのあとだ。

 

 

大人だってそうでしょ?

なにかミスしたら、とっさに言い訳を考えるじゃん?

冷静になると明らかに自分が悪いんだけど、その瞬間は

  • 疲れてたから
  • 相手が誤解させるようなことを言った
  • ルールはこうも解釈できる
  • 雪だから
  • この味がいいねと君が言ったから

とか、考えるじゃん?

そして、その考えを理性で抑えて、謝罪するじゃん?

 

どうしても言い訳って出てきちゃうんだよねー。

少なくとも、僕はそう。

 

 

対子どもでは、言い訳を叩き潰すと、本人の中に居座ってしまう。

すると、話が入らない。

一旦吐かせないとダメ。

消化してから、次だ。

 

僕が、「言ってもまず入らない」と思う所以はここで。

特にネガティブな話は、ほぼ入らないと思っていただいて。

この場合、「自分の失敗」という目を背けたいシチュエーションだ。

まぁ入らないっすわ。

話を聞かない子、詳細。授業中、全然話を聞いていない(ように見える)子。 あとで確認すると、案外聞いていて驚く。 でも、良かれと思って言った...
言っても聞かないんですけどっ(怒)発達に特性がある子。 まーやらかすわけです。 親御さんは、お子さんにこのようなことを言う。 ...

 

 

まず、吐かせる。

それしかない。

 

人に話を聞いてもらった経験のない人は、人の話も聞けない

↑コレが大原則なもんで。

聞いてやってください。

※まー無茶苦茶な主張をします。的外れです。言い訳がましいです。聞いててムカつきます。なので、話半分で良いです。聞き流していいので、とにかく吐き出させてください。頭のお部屋を空けるのが目的です。聞き流して、今日の晩ご飯の献立でも考えていてください。肉じゃがおすすめ。

 

そして、吐き出すと自分で『正解』を掴むことも多いように思う。

部屋を空ければ、思考できる。

大人が言わなくても、勝手に理解し、掴み取っていく。

子どもって、賢いんです。

 

まとめ

 

まず吐き出す。

注意のお部屋は一つだから、空けないと次が入らない。

 

子どもには、子どもなりの理屈がある。

思いがあって、その言動をするのだ。

軽視せず聞いてあげてほしい。

その観点でも、「あなたはそう思うんだね」って、やっぱ魔法の言葉だ。

 

 

あと、かみつきばあちゃんはデカくて筆箱の隠し部屋には入らないので、キン消しのカケラだったかもしれません。

POSTED COMMENT

  1. だんごはおいしい より:

    こんばんは
    P先生の幼少のエピソード、ちょびっとだけ笑泣いちゃいました。
    こういうお話、心温まります…

    小児科医先生のブログのコメントなのに的はずれになってしまうのを前提で。。。

    大人でもそういう「正義」を振りかざして暴れる人がいまして…グレーゾーンは許せなく、白か黒!!私は間違えてない!!全てが白か黒で決まればいいのですが、社会人になればそうもいかない事がたくさんあります。
    そして
    周りの人は後処理に疲弊し、、病みます。
    子供ならまだまだかわいい、と思えるのですが。。。

    こういう人は聞いてもらった経験がないからなのでしょうか?
    対処法としては、P先生のかつての担任の先生のような対応でいいのでしょうか?本当に面倒くさいです。

    注意のお部屋はひとつ、子供はこの傾向。
    なるほどなあ、って。腹落ちしました。

  2. さとゆず より:

    かみつきばあちゃん・・・!!
    記憶の奥底にあったものが出てきて、ほわぁ~っとなりました。

    「まず、吐き出させる」

    本当ですね。これで、どんなコミュニケーションもうまくいくのに、意外とどこにも書いてない。
    なんで~!?

    「お部屋がひとつ」も、パッとイメージできて、すごく分かりやすいです。

    うちの子は、HSCの癇癪持ちですが、「そう思うんだね」の魔法の言葉を知ってから、それを連発していたら、本当に癇癪が減りました。

    この魔法の威力を知り、旦那にも使える、ということが分かって使ってみると、アラ不思議!

    夫婦仲も良くなってきました。

    まじ魔法です。P先生、ウィザードですか!?

  3. しろ より:

    かみつきばあちゃん、懐かしい!!
    確か、歯が暗闇で光るんですよね。
    押し入れでよく見たような…。

    まず本人の話を聞く。
    心に留めているはずなのに、同じことが毎日繰り返されると忘れていってしまいます…。
    ついつい口論になってしまいます。
    下の子も日に日にややこしさが倍増してきているので“まずは聞く姿勢”を改めて意識しようと思います。

  4. 名無し より:

    おはようございます。

    いつも分かりやすく共感できたり納得出来る内容ばかりで有難いです。

    今回の話…我が子にのも当てはまるなー。と思いました。
    が、うちは兄が特性強め。妹がお笑い芸人ばりにふざけていて、兄に突っ込んでは殴られる…なんて事を繰り返してます。
    妹の突っ込みが絶妙過ぎて面白くてうっかり一緒に笑ってしまい…余計に兄は激おこ。
    何で怒ったの?なんて聴いたって理由は明白で、妹がそんな突っ込みするからだよねー。なんて同調したら、今度は素敵な突っ込み(けっこう正論突っ込み)した妹が「兄の味方した!」と激おこ…。こんなワケワカメ兄妹はどうしたら良いものでしょうか。2人揃って謎が多くて接し方に困っている今日この頃です。ちなみに兄は外では超いい子です。(授業が暇で消しゴム割いて遊んでボロボロにしますが…)

  5. はるまるま より:

    多機能型筆箱!!懐かしいです!

    担任の先生は素晴らしい方ですね。
    出会いって大事だなと改めて思いました。
    親の私はこちらのブログや療育で色々なヒントを学んで活かしていきたいですし、息子がこれから出会う先生方も理解があるといいな〜(^^)

  6. ぼん より:

    かみつきばぁちゃん、持ってました!懐かしい~✨
    この前話し合って決めたルールを守りたい息子、でも今日は特別例外を認めようか?(息子にとっては良い提案のはず…)と言うと、それじゃあこの前の話し合いが無駄になる!と納得いかない。私に文句があるんじゃないけどイライラする💢とキレまくり💧言ってることは屁理屈ばかりだったけれど、散々吐いて折り合いをつけてました。以前なら私も反論して火に油の事態になってましたが、魔法の言葉で乗り切ったところ、自分で正しい答えを導きだしていましたよ、P先生のおっしゃる通りでした!

  7. しのぶ より:

    こんにちは!

    ボタンいっぱい筆箱〜!懐かしい😂
    かみつきばぁちゃんって知らなかったです。

    女子では 香り付き ねり消しとか、つぶつぶの香り玉?におい玉?が流行ったけど
    手に匂いがうつるのがダメな私は 愛想笑いで極力触らずにいたのを覚えてます。

    こどもはみんな、注意のお部屋は ひとつ!
    部屋を空けるのが先。
    よく頭に入れておきます(^_^)

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