この話から。
ちなみに、ADHD女子も、男子とちょっと違った特徴があるように思う。
女子のADHDの特徴
一般的に、ADHDってどんな子でしょうか。(男女関係なく)
どんな子を想像します?
なんとなくのイメージ、こんな感じですか?
こんな感じ?
それとも、こうでしょうか。
ADHDの特徴は、『多動・衝動・不注意』の3つ。
授業中の離席や、衝動的なケンカ、急な飛び出しなど分かりやすい例だ。
ADHD特性の中でも、これらの行動は目立つので、こんなイメージを抱くことが多いと思う。
でね。
上記のイメージ、間違ってはいないんだけど。
男子は割とこれに近い気がする。
※もちろん個人差あります。そうじゃない子も全然いる。
でも女子は、こういうタイプは多くなくて。
どんな感じかというと。
こんな感じとか。
こんな感じ。
比較的、『不注意』が目立つ傾向にあるように思う。
授業中に、表立って離席したり、人にちょっかいを出すことは多くない。
人の邪魔も(さほど)しない。
でも、とにかく『不注意』。
話聞いてないの。
女子のADHDは『不注意』が目立つ。
ぱっと見わからないけど、実は授業は上の空。
聞いているように見えて、頭の中は関係ない話でいっぱい。
- ゲームの続き
- 校庭の様子
- アニメのこと
- 好きなアイドル
こんなん考えてる。
そりゃ、人間誰しも多少は脱線するよ?
僕だって仕事中に、ふとランチのメニューを考えたりする。
でも、戻ってくるじゃん?
仕事のことも、一応見てるし聞いてるじゃん?
これが、なくなっちゃうのが『不注意』。
もうね、「ない」の。
「無」。
視界の外はブラックホール
どこかで聞いたけど、そうなんだと思う。
マイクラについて考え始めると、マイクラが100%脳内占拠。
授業の進捗とか、まったく目に(耳に)入らない。
「ない」。
だもんで、人知れず困っている。
気づくと、今やっている課題がわからない。
教科書の何ページかわからない。
そもそも、今必要なのは教科書? ノート? ドリル?
家に帰ると、ノートが真っ白。
連絡帳に何も書いていないので、明日の持ち物がわからない。
授業を聞いていないので、テストでトンチンカンな解答をする。
こんな感じで、サッパリ聞いていないことが後から発覚するのがADHD女子だ。
離席や勝手な発言、人の邪魔など「その場で困る」男子と比較すると、結構な違いがある。
先天性? 後天性?
ASDと同様、ADHDの発生率にも明確な男女差がある。
3:1で男性に多いらしい。
これもおそらく、「男子の方が表面化しやすい」ってあると思う。
ADHD男子は、『多動』と『衝動性』が比較的目立ちやすい。
明らかに困るし、はためにも目立つので、診断されやすそうだ。
一方、女子で目立つ『不注意』は、トラブルに繋がりづらい。
授業中に上の空でも、先生からはわからない。
忘れ物が多くても、困るのは本人ひとりだ。
授業中に走り回ったり他の子を引っ叩いたりする男子と比較すると、介入は後回しだろう。
そんなわけで、診断率に男女差が出ると思われる。
それを差っ引いても、ADHDは男性に多いのだろうか。
それとも、実は同率で発生するものなのか。
興味深い。
社会的要因?
ADHDの特性って、男性と親和性が高いように思う。
コメントで、ASDは男性で許容されやすい特性だと書いてくれた人がいて、まさにその通りだと思ったけど。
こだわりが強くコミュニケーションが下手な頑固親父、的な。
女性は、「それを補う看板娘」的な役割を求められるのと比較して。
ADHDも、社会的に男性と結びつきやすそうだ。
例えば、「やんちゃ」と聞くと、男子を想像しない?
多少やんちゃで落ち着きがなくても、男の子なら「まぁ男の子だから」で許される側面がありそう。
やんちゃ坊主という言葉もあるし。
比較し、女子は「女の子なのに、はしたない!」となりそうだ。
こんな圧力から、女子の多動と衝動性は鳴りを潜めるのだろうか。
それとも女子は、もともと多動と衝動性の発現が少ないのだろうか。
実に興味深い。
ちなみに。
多動・多弁でハイパーなADHD女子も、もちろんいるんだけど。
この子たち、年齢が上がるとハイパーながらコミュ力高いのよ。
話を聞かずに一方的に喋るんだけど、それでも絶妙な『間』というか。
共感されやすい内容だったり。
聞き手が不愉快にならない話し方をする。
※ASDと違い、ADHDは空気や行間を読む能力に困難はない。
むしろ、会話をぐいぐい引っ張るムードメーカーだったり。
なんならカリスマ性があったりするから面白い。
これも、女子は先天的にコミュ力が高いのか、はたまた「女子の輪」に揉まれて後天的に身につけるものなのか。
興味深い。
将来の話
子どものADHDは一般的に、大人になる頃には診断基準を外れることが多い。
8割方「治る」(この表現の是非は置いといて)のだ。
特に、多動と衝動性はおさまってくる。
トラブルや困りごとは激減する。
ADHDの子を持つ親御さんは、そこまで心配しなくて良いと思うんだけど。
最後まで残るのが、不注意だ。
これは、大人になってもかなり残るように感じている。
僕の外来にも、ADHDだろうなってお母さんが何人かいる。
多動や衝動性はない(わからない)が、不注意は見えるのだ。
外来日を間違えたり、持ち物を忘れたり。
完全に想像だけど。
このお母さんたち、子どもの頃から多少の不注意はあったのだろう。
でも、さほど目立たなかった。
この人が大人になり、管理すべき情報や物品が増え、ミスがぽろぽろ出るようになったのではないか。
受診のことだけでも、お母さんは自分自身の仕事や家事の管理にプラスして、「子どもの受診」というタスクが入っているわけで。
大人になると役割が増える。
負荷が増えて不注意が露呈するケースは考えられる。
実際、「大人の女性のADHD」の話は耳にする。
女性は『妻』『母』『社会人』と多様な役割を持つことがある。
役割期待が、男性より複雑になりやすい。
そうなったときに、
- 片付けできない
- スケジュール管理ができない
- 食材を腐らせる
- 生活が乱れる
- 貯金できない
などのトラブルから、初めて問題が露呈する。
今までトラブルなどなかったのに、急にこんなことに!
本人も周りも混乱。
確かにこれは困ってしまう。
そう考えると、女子のADHD問題は軽くない。
男子と比較し見つけづらいけれど、子どもの頃から不注意特性に気づきケアすることには、意味があるだろう。
下の子が幼稚園年中なのですが、ハイパーやんちゃ女子です。今は園全体がおおらかな幼稚園にいるのでなんとか過ごせていて、園と相談機関と連携を取りつつ様子見中です。
上の子(中1男子、ADHD・LD・ASD)とタイプで言うとかなり似ています。
が、元々備わっている母性なのか、女子力なのか、はたまた下の子の要領の良さなのか、しっかりしている所がけっこうあったりします。
これが男女の差なのか、単純に下の子のほうが特性が薄いのか、どっちなんだろう?と私もよく思います。
そしてそういう私も家族全員のスケジュール管理は、いっぱいいっぱいです(笑)。
元々物の値段などを覚えていられないことはあったのですが、家族全員の生年月日(西暦、和暦、ついでに干支、星座)は、もうパンク寸前です(汗)。
子どもの生年月日間違えたりするので、数字が頭に入りにくいのかなーと思ってます。
学校・園への提出物や持ち物のフォローも穴だらけですね。
今回の記事は“我が家のことかな?”っていうくらい同感の嵐でした!
女性でも勿論衝動性が高いタイプはあり、私などはそうですが、40年生きてきてやっと、抑えられる様になってきました。
不注意や上の空もあります。それをどうリカバーするか学んできたことで、対処できる事が多く、なんとかなってる感じですね。
母親向けの発信をされているバブリーたまみさんもADHDですが、彼女も多動と不注意が多いらしく、苦手な仕事は可能な限り外注、でも昔からスタータイプで、今でもADHDの良さを十二分に活用して、カリスマ的な活動をされて活躍されています。
ただ、やっぱり仕事にずっと集中してしまう様になり、ADHDの二次障害でパニック障害も発症、現在はこちらと戦われています。
(彼女の「無理に元に戻ろうと思わず、今の自分を受け入れる」生き方には学ばされます)
ただ、たまみさんは別にトランスジェンダーではないのですが、幼い頃は男の子になりたかったらしく(それを親はすんなり受け入れ、彼女のやりたい髪型や服装にさせてくれたそう)、小中でもボーイッシュで、放課後に絡んできた他校の不良に男子と間違われ、投げ飛ばされ、周りが女子になにやってるんだと怒ったら、不良もびっくり、
私も男子とつるむことが多かったので、多動が出やすいADHDの女子は、男っぽいと見られるのかもしれません。
なお、たまみさんのお子さんはHSCで、それはそれでたまみさんからしたら真逆で驚きが多いそうです。