最近、思うんだけどさ。
不登校って、環境が合わないのはもちろんあるけど、加えて自分で高いハードルを設定しちゃってる要素もあるよな。(もちろん、「だからハードル下げなさい!」って話じゃない) (そんな単純じゃない) (本人も無自覚だろうし)
これ。↓
![](https://hattatsu-kids.com/wp-content/uploads/2022/02/question_head_girl-320x180.png)
不登校に限らず、悩み事全般そうなのかもしれないけど。
困った環境
と、
その環境に自分がどう反応するか
の両者が混じり合って、結果すごく困っちゃうケースがほとんどだと思う。
これまでに、不登校問題を真に解決できた人はいない。
今現在、不登校の子はたくさんいるわけで。
うまくいくケースもあれば、いかないケースもあるってことだ。
全例をうまく解決する方法は、まだ誰もみつけていない。
- いじめを解決したら不登校が解決した子がいる。
- いじめを解決しても不登校が続く子もいる。
- 合う学校や居場所が見つかり、社会復帰した子もいる。
- どんな場所にも、なんやかんや理由をつけて行かない(行けない)子もいる。
単純に「こうしたらうまくいくよ!」って話じゃない。
『自分』と戦っている要素があって、そこには介入が困難だからだ。
ゆえに不登校問題は難しい。
でも、だからこそ支援者は「環境」と「本人」を分けて考えた方がいいんじゃないかって思うんだ。
ごっちゃにしちゃうと、支援者まで潰れかねない。
vs環境
不登校には理由がある。
その子にとって、学校は「合わない場所」だったんだと僕は思っていて。
その子は、学校が「合わない子」だった。
何が「合わない」って、わかりやすいのは環境。
- 集団行動が苦手。
- ザワザワした音。
- さくらんぼ算など、やり方を強要されるのがイヤ。
- 体育が苦手で嫌い。
- 怒鳴る先生。
- 人前で発表すること。
いくらでも出てくるけど、こんな感じの「コレが嫌」というものがある場合。
『環境』が合わないわけだ。
合わないことは、調整だ。
僕、苦手なことを根性で克服するより、さっさと逃げて別のやり方を探すのをオススメしてるんだけど。
- 静かな環境にする。
- どうしても苦手な課題は免除してもらう。
- 苦手な子とトラブルになる前に大人が介入。
こんな感じ。
『環境』については、ある程度の調整が効くことが多いだろう。
「コレが」って分かってるなら、取り除く。
環境には、支援者が積極的に介入して良いと思う。
ここは支援のしどころで、親御さんには頑張ってほしいし、学校にも理解を求めたい部分だ。
vs自分
さてさて。
環境は整えた。
本人の言う「嫌なこと」「気になること」に、可能な限り対処した。
- 授業は分かるし、
- 友達もいて、
- 先生も優しく、
- 教室は快適で、
- つらければ相談できる。
ね。
あるよね。
これはもう、『vs自分』なのだろう。
できる限り解決したのに、さらに「あれがイヤ」「これもイヤ」と言うかもしれない。
環境の要因がゼロではないだろうが、きっかけになったトラブルを挙げているだけで、そこが本質ではないのでしょう。
「行けない理由」を並べているだけ。
本質は『自分』との戦いなのだ。
整えようがない環境に難癖をつけて、「だから行かない!」と主張する子。
これも同様に、『vs自分』なのだろう。
変えられないと分かって文句をつけたり。
代替案を頑なに拒否したり。
「行けない理由」を挙げて、自分を正当化しようとしているんでしょう。
結局『自分』との戦いよな。
この、『自分』と戦っている状態。
これは支援が難しい。
実際に不登校の子をみると、『vs自分』の要素が結構あるように思う。
勝手にハードルを上げ、勝手に戦っている。
「こうするべき」とか、「これは恥ずかしい」とかね。
誰も求めてないのに。
周囲からすると、別にいーじゃんってことに、頑なにこだわる。
もう、『vs自分』だよね。
HSCとか、不安の強いタイプの子は特にハードル上げがち。
コレね。↓
![](https://hattatsu-kids.com/wp-content/uploads/2020/09/hurdle_takai_woman-320x180.png)
こうなっちゃうともう、本人の中での戦いだ。
現実的なところで折り合いをつけるしかないのだけれど。
ここに介入するって、環境を調整するより、ずっとずっと難易度が高いように思う。
だって、別の人だもの。
親御さんとお子さんは、別の人格を持った別の人だから。
良かれと思ってアドバイスするんだけど、お子さんが納得するかどうかはお子さん次第。
うーん、もどかしい。
『vs自分』を支援する
もう、正直本人の問題なんだけど。
そうはいっても何か支援したいですよね。
相手は頭のカタい子どもだし、ほっといても解決の糸口を見つけられそうにない。
僕からオススメするのは、お子さんに『寄り添って』くださいってこと。
※具体的な『寄り添い方』については後述
環境の問題と違い、自分と戦っているときは、
コレが問題だから → こうしよう
が通用しない。
本人が自分の中に落とし込み、納得するしかないのだ。
馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。
(イギリスのことわざ)
ってヤツね。
イギリス人、いいこと言うね。
周りにできる支援って、本人の話を聞くことだと僕は思う。
人に話すことで考えがまとまるってある。
親御さんには、本音を引っ張り出し、整理して、じゃあどうするか一緒に作戦を練ってほしいんだ。
僕の思う『寄り添う』って、そういうこと。
先回りして、良かれと思ってレールを敷くんじゃなくて。
本人の話を、じっくり聞いて欲しいんだ。
![](https://hattatsu-kids.com/wp-content/uploads/2020/07/o0392040014778045033-320x180.png)
お子さん、ヘンなことを言うと思うけど。
それでいい。
正解は、いつだって子どもの中にある。
人とは違う子どもを育てるなら、
人とは違う親にならなければなりません
(エレイン・N・アーロン)
うまくいかないこともある
それでも、うまくいかないことはあるだろう。
どんなに寄り添っても、頑なに動かないケースはある。
これはもう、しょうがない。
別の人だしね。
『vs自分』について、これ以上の支援は難しいように思う。
結局、自分を納得させるのは自分しかいないのだ。
そしてその子は、納得しないと動かない。
でも、こういう子でしょ?
自分の考えをしっかり持った子だから、不登校になったんでしょう?
じゃあ、「本人待ち」で良いし、僕はそれしかないと思う。
周囲にできるのはきっかけを与えることだけ。
乗っかるかどうかは本人次第。
水、飲まないならしょーがないよ。
こんなとき、支援者(親御さん)は焦らないでほしいと思う。
何かしてあげたい気持ちは非常によくわかるが、もうあとは「本人待ち」だ。
環境への介入は積極的にしてほしいけど、本人の問題はできることに限りがある。
ここを分けて考えた方が良いと思ったんだ。
ここで、「解決に向けて何かしなくちゃ!」と焦ると、労力に対しうまく結果が出ない。
支援者がしんどくなる。
だから親御さんはできること(環境調整)をやって、あとはドーンと構えていただくのが良いと思った。
お子さんの話を聞いて、「そう思うんだね」と魔法の言葉を使いながら。
ここから先は、本人の問題だ。
何かあったら骨は拾う骨拾いババァのスタンスで、親御さん自身の人生をエンジョイしていただくのが良いように思う。
大丈夫。
不登校の子は、実にしっかりしている。
「不登校する」と自分で選べた子だ。
自分で考え、納得し、動き出す日がくると僕は信じている。
うちの小6の息子、これか!と納得しました。
VS自分…ですね。
周りの働きかけやら代案やら
「無理だから!」と取り付く島もなく
不安で動き出せずにいました。
でも自分で納得してやろうって決めた時の
行動力はスゴイです。
今は学校復帰してます。
ずっとこの性格とは付き合っていかなければなりません。
「自分の考えをしっかり持った子」
これを本人に言ってあげたいし
このブログを読んでもらってもいいかも。
いつもありがとうございます。
救われます。
いつも読ませて頂いています。
不登校2年目の小五息子、まさにvs自分です。
スマホゲームのガチャの課金をお年玉の範囲でやっています。
まず課金するかどうか悩み1ヶ月、やっと決意して課金するも撃沈。傷も癒えぬうちに、またもや好きなアニメのコラボキャラが出て、2週間近く悩んだ末、1万円注ぎ込み撃沈。
ガチャは運だし、高額な金額をつぎ込むのはどうかと思うし、私もいろいろ言いたくなってしまうのですが、息子は何週間も考え続け(考えすぎて疲れ果て)、やってみて自分で納得してはじめて、次のことに頭を切り替えることができる、そんな感じです。
周りで見ている方は疲れます。でも、これが彼のペースなのかな、とも思います。
ブログ最後の「自分で考え、納得し、動く出す日がくると僕は信じてる」。とても心にしみた言葉です。
まさに、vs自分の娘がおります。
学校に行かなくなった当初は環境を変えることをトライしました。
が、やはり行けなくなりました。
今なんとか適応教室に通っていますが、
「ここにはただ環境が合わなかっただけの子は楽しく通ってる。私は違う。同年代の子と接すると疲れる。それでも今は私の居場所だから通ってる。」
そう自覚しているようです。
4月から高校に進学予定ですが、本人は不安で仕方ないようです。進学先でも生き生きと楽しめなくてもどこかに居場所を見つける事ができれば彼女の光になりそうです。
親は妖怪骨拾いBBAのスタンスでサポートしていきます。
不登校丸2年になる中2女子。本人的には学校とは良い意味で距離を置き、親から見ると吹っ切れている感じに見えています。学校には何か特別な「気持ち悪い〝空気”がある」そうです。なので、やっぱムリーだそう(笑)
そうなんです、どんなに環境整備をした(支援学級所属、行きたい時に行けば良いよ、行く時は送迎するよ等)と私は思っても本人が動かなければどうしようもない。親としてできることはやっている!と胸を張って、動き出す日を待ちたいと思います。しかし日々iPadと仲良しの娘を見ると、ドーンと構えて待つだけで良いのか⁇と不安になったりもしますが、この記事を保存して、お守りにしたいと思います。
vs自分、ホントどうしてやりようもありませんね。
いつもありがとうございます。
P先生のブログを知って1週間、不登校になって1年の子を持つ母です。
もっと早く先生のブログ知りたかった~
とっても勉強になるし、優しい言葉に涙したり…めちゃくちゃ読んでいます。
文章も読みやすくておもしろくて、先生最高です!笑
今回の「vs自分」、まさしく今の娘です。
「今の自分が受け入れられない」って言いました。
娘はHSCで、ハードル高いですが
いつかまた笑顔で外に出れる日が来ると信じて寄り添います。
先生こんばんは。
いつも楽しみに読ませて頂いてます。
ダウン症+自閉症の中1の息子が、夏休み前から完全不登校になりました。知的発達は4歳ぐらいです。
特別支援学校小学部から同じ学校の中学部に入学したのですが、2ヶ月ほどで力尽き、学校に行けなくなりました。学校に行ったら、緊張して気持ち悪くなると息子は言いました。
家では元気にしていますが、もうすぐ2年生になると本人も分かっていて、話をしていると学校の話題が出てきたりします。本人なりに考えているようですが、私としては本人に任せようという気持ちでいます。
以前のブログで、自閉と発達ゆっくりさんは、元気になってもなかなか自分からは動かないというお話でしたが、それについてもう少し詳しく教えて頂きたいです。
いつも分かりやすいブログをありがとうございます。
今日の内容は今の状態にドンピシャで、心あたたまりました。
不登校が長引いて、途方に暮れているところでした。
あなたはそう思うんだね。
これをいつも思い出して、子ども自身の力を信じようと改めて感じました。
P先生は不登校界の羽生くんです!
勇気いただけます٩(ˊᗜˋ*)و
いつもありがとうございます。
先生こんにちは。
今回のお話も、とても為になりました。息子が完全不登校になって2年が経とうとしています。思い悩み、枕を濡らした日は数知れず…
でも最近吹っ切れて、もう学校行かんでもええで!勉強もしたくなった時でええで!って思えるようになりました。でも学校側は、やはりまだ不登校をネガティブな状況と捉えているんですよね。
じゃーなくって、うちの子は元気だし、得意なことは進んでしてるし、適度な運動もしてるので、環境もハナマルなんですけどね。vs学校になるのはちょっと嫌ですし…
どうしましょ。