心理学

僕のポンコツなところ 〜自分を知って作戦を練る〜

WISC。

子どもの知能検査。

 

受けました?

僕は結構好きで、参考までに受けてみても良いと思っている。

 

とは言うものの、僕自身は受けたことがなくて。(ちなみに大人はWISCじゃなくてWAISね)

明らかにヤバそうだ。

 

人にはあーだこーだ言っておいて、お前……っ!

 

ってなることが予想され、受ける勇気を持てないでいる。

 

僕の脳年齢

先日脳トレ的なゲーム? アプリ? を試す機会があって。

僕の脳年齢、55歳だった。

 

なん……だと……?

 

僕、一応まだ30代なんだけど。

ピチピチの30代。

だいすけお兄さんと同い年。(だいすけお兄さん大好き)

なのに55歳って、ヤバくね?

 

 

いや!

いやね!

言い訳させてもらうと、出された課題が、計算とか数字探しとか、そんなんだったの。

素早く、かつ正確にって課題。

僕のいかにも苦手そうな。

 

確かに僕、掛け算九九が苦手な自覚があって。

中でも特に7の段と8の段はダメだと思ってたのよ。

 

いいよ、白旗上げる。

7の段と8の段にはかないませんよ。

えぇかないません出来ませんよ。

 

でもさでもさ。

まさか4×9が出てこないとは。

4の段よ、4の段……。

 

僕さ、一応数ⅢCまで履修してるんだ。

微分積分や三角関数、やってるんだよね。

センター数学9割超えてた。

 

なのに、4の段て。

医者は頭がいいとか、誰が言った?

理系を極めてるとか、マジか?

 

あ、こんなポンコツ僕だけですよねそうですよね。

 

考察

ゲームで出た課題は、WISCで言うとワーキングメモリーと処理速度を測るものだった。

ワーキングメモリー:情報を短時間記憶にとどめたり、頭の中で整理しながら考える力。

処理速度:単純な作業を素早く正確に行う力。

 

これ、僕の苦手なところだ。

WAIS受けたことないけど、やっぱり苦手だったってことで再確認。

 

でも僕、自分では、考えることって苦手じゃないと思ってるんだよね。

普段から色々考えるし、考える作業が好きだ。

頭がいいのか悪いのかは知らないけど、考えてから動くタイプ。

 

なんだけど、知能検査ではこの有様なわけ。

WAISだったら、IQ100は余裕で下回ってくると思われる。(同年齢の平均が100だから)

 

 

多分ね。

僕が得意なのは、「考察」なんだ。

 

目の前の事象が、なぜそうなっているのか、「考察」する。

これが得意だし、好きなんだろうね。

 

逆に言うと、それ以外のことはマジでポンコツ。

特に計算とか単純作業とか、マジ卍。

 

 

これを頭がいいと言うのか、悪いと言うのか、よくわからない。

僕の能力は、知能検査では完全には評価できない。

知能検査の限界ってここで、測りやすい指標で測るしかないわけだ。

 

ミスなく計算する力とか、課題をこなす素早さとか、いかにも測りやすい。

反対に測りにくい能力。

例えば芸術的なセンスとか人当たりの良さとかイマジネーションの豊かさとか。

こんなものは、数値に反映されない。

測りようがない。

 

だから、WISCとかWAISとか、その人の一面しか見ていないと思う。

測りやすい一面で数字を出しているだけだ。

 

母
WISC……こんなに低いんですね。

 

気を落とす必要はないと思う。

それがこの子の全てではない。

数字では測れない魅力、いっぱいあるはずだ。

 

苦手との付き合い方

完璧に測れないなら、じゃあWISCは意味がない?

否。

僕は「苦手の把握」という意味で非常に有用だと思っている。

 

自分は何が苦手かを、客観的な指標(数字)で知ることができる。

 

 

苦手、知るの嫌だよね。

怖いよね。

 

誰だって自分の欠点を受け入れるのは怖い。

でも、知っておくととても便利だ。

 

苦手な能力ほどきちんと把握した方がよいように思う。

把握して、うまく逃げる。

僕はポンコツだけど、実生活ではあまり困っていなかったりする。

身を置く環境(特に仕事)が、苦手分野の能力を要さないから。

 

素早く正確に! みたいな仕事だったら、確実に詰んでた。

以前もちらっと書いたけど、ワクチンの問診係とかヤバかった。

苦手な仕事はやっぱり苦手 〜苦手なことを把握する〜みなさん、コロナウイルスのワクチン打ちました? 僕は打っても打たなくてもいいと思っているので、どっちでもいいんだけど。 ...

 

昔バイトしてた居酒屋でも、時間内にタスクが終えられなかった。

当時は「こんな大量の仕事、終わるわけねーだろクソが」とか思ってたけど、クソなのは仕事量ではなく僕の能力であった可能性が非常に高い。

タウンワークに「誰にでもできる簡単なお仕事です」って書いてあったのに。

その「誰にでもできる簡単なお仕事」が、僕にはできなかったわけだ。

 

 

他にも、僕は重度のコミュ障なので営業や販売系の仕事でも詰んでいたろうし。

ミジンコ体力(千空と同じくらい)なので力仕事もムリときたもんだ。

今の仕事を選んで本当によかった。

 

今の仕事では、僕の苦手な能力をほぼ使わずに済む。

するとどうでしょう。

こんな詰んでる僕だけど、一応「普通のスタッフ」として振る舞えるではないか!

苦手な能力を使わないから。

得意分野だけで勝負しているから。

 

 

そう。

苦手は苦手でよいのだと思う。

大事なのは、苦手を自覚してうまくコントロールすることだ。

と、僕は強く思うんだ。

 

例えば、苦手な能力を要さない環境にいれば、その苦手は「なかったこと」になる。

消えてしまうのだ。

あら不思議。

 

逃げずに戦うとしても、「これは苦手である」と自覚していれば、やらかしてしまう可能性は大幅に下がる。

やらかしって大抵、自覚のない時に起きる。

 

母
WISC……こんなに低いんですね。

 

苦手な分野があっても、うまくコントロールできれば問題ではない。

その意味でも、WISCの数値に気を落とす必要はないと思う。

 

苦手?

おっけ、じゃあどう戦略を練る?

 

むしろ、気を落とす暇があったらさっさと腹を括って苦手を受け入れる方が建設的だ。

 

把握すべし!

以上より僕は、WISCって結構好き。

 

WISCで能力の全てが測れるとは思わない。

つまり、裏を返せば数字がいくつであってもそれで人生決まらない。

じゃあ、その前提でうまく活用することだ。

 

数字が低い分野は、苦手だ。

それはきっと、確かに苦手な課題なのだろう。

 

この「苦手」を把握するために、WISCを使う。

数字で示されると、「ふわっと苦手」から「明らかに苦手」に認識が変わる。

具体的になる。

数字で示すことには、大きなメリットがある。

 

知能検査って、

高知能だやったー!

とか

低知能だガーン!

とか、そんな一喜一憂する目的で受けるものではないと思う。

苦手と得意を具体的に把握し、じゃあどうしようか作戦を立てるのに活用する。

 

苦手なら苦手でよい。

落ち込む必要などない。

 

ただ、

『苦手』の事実を正面から受け入れる。

それも、

具体的に、解像度高く受け入れる。

 

これがめっっっちゃ重要。

自分のマイナス面を受け入れるのってハードルが高いけど、腹を括りたい。

※このときに「自己肯定感」ってやつが必須になると思う。自己肯定感が低い人が、自分の苦手分野を冷静に客観的に受け入れるのは非常に難しい。

 

ってことで、僕は脳年齢55歳のポンコツです。

ちょっと不本意ですが、潔く受け入れようと思います。

POSTED COMMENT

  1. かおりんご より:

    P先生
    明けましておめでとうございます。
    今回の記事、本当にすとんと自分の中で落ちまして、過去の自分を褒めてあげたい気持ちになりました。

    私は就職活動中のSPIがとにかく苦手で。
    それで落とされると言っても過言ではなく…
    鶴亀算とか意味不明。
    こんなもので人の価値をきめつけんな!
    と逆ギレしながら、ドリカムの【何度でも】を励みに就活していました。

    WISCとSPIは別物ですが、この記事を読んで当時が思い出されたのです。
    幾つでも自己分析、自分は何が得意で好きで、何は苦手で嫌いなのかを知ることは大事ですね。
    大人になれば、その苦手や嫌いが選択により避けられますが、学校とゆう場で全てをこなさなければならない子供たちは大変ですよね。

    この冬休みも、過集中で好きなことは黙っていても、何時間でも何日でもやり続ける子供の姿を見ていろんな事を思いました。(笑)

    そしてなんと!!
    まさか先生が同世代なんて!!
    今年もどうぞよろしくお願いします。

  2. すずらん より:

    今年も先生のブログの更新を楽しみにしてますね。

    行き渋りがちな我が家の普通級在籍の小4男子(ADHD+LD)もwisc受けたことがあります。
    かなり低く限界知能と呼ばれるレベルでした。

    しかし、好きな理科や社会はテストでも高得点で…読み書き障害があるので記述は全滅ですが選択問題は解けるようです。

    検査の結果を見て落ち込んだこともありますが、スポーツ全般とピアノが得意でおもしろい息子なので友達も多いので学校が合わないだけできっと大丈夫と思っています。

    ただ診断がついたおかげで宿題も免除になり、学校とうまく付き合う方法が少し見えてきた気がします。

  3. 雨のち晴れ より:

    いつもブログを楽しみにしています。
    最近は過去のブログを遡って勉強させてもらっていましす。
    我が子は小学4年生の男子で3歳の時にASD.ADHDと診断されています。
    昨年の2月から不登校です。

    息子は先生と同じタイプで考察が大好きです。

    先月、マイクラの話をしている時に、

    俺ね、学校は書くが本当にしんどかった。
    プリントとかばっかりで学校は書くことだらけなんよ。でも、教科書を読むとかは嫌いじゃなかったよ。

    と話してきました。
    今までは私が聞いても何も答えずだったのが
    学校の話を突然してきたのでビックリしました。

    大人数は苦手だと本人は自覚していましたが
    それプラス書字も苦手だと自覚できたようでした。

    その後で学校はすぐに変わらないからな〜、俺に合った学校になるにはもうおじいちゃんになっとるね、と話していました。

    しっかりと苦手を受け入れて、これから先をどうしようかな、と考えている姿を見て
    いろんなやり方があるから、自分に合った道を探していこう、と話しました。

    一緒に戦略を練っていきたいと思います。

    余談に、昨日エネルギーがたまってきた息子に
    そろそろ(後回しにしていた)歯医者にいこうかね?と聞いたところ

    わかってる。ずっと考えてたよ。
    歯医者と学校は一日も頭から離れたことないから
    と言っていました。
    楽しそうだったユーチューブ漬けの日々も離れたことはなかったそうで不登校って子供も大変なんだな、と改めて思いました。

  4. Pakomama より:

    はじめまして。
    Wiscの結果がその子の全てではない、数値で測れない力があるとの言葉で、すごく気持ちが楽になりました。我が子はワーキングメモリが極端に低く、勉強で苦労しています。だけど、人当たりは良く、思いやりがあって優しくて。
    そんな娘をもっと親である私自身が、認めてあげたいと思えました。ありがとうございます。

  5. ut より:

    P先生
    明けましておめでとうございます!

    自分の良いところ&好きじゃないところ、全部と仲良く共存するには、存じております「自己肯定感」がついてくるんですよね~

    ちゃんと「自己肯定感」を取り扱えるようになりたいものです(* ̄∇ ̄*)

    学び深いお話、ありがとうございます♡

  6. 匿名母 より:

    2月に、不登校の小5の娘が受ける予定です。わりと優秀だと思っていたのですが、作文大好きだけどそういえば計算のスピードがない、単純作業が嫌いそうなので、低めにでてショックうけるのかも。前もってこちらの記事読んだので結果を冷静にうけとめる覚悟ができました。

  7. しのぶ より:

    こんにちは!
    タイムリーに、先生の21年6月の、
    wisc受けた?記事と
    高IQと低IQに思うこと 記事と、
    それに20年5月の、診断のとき〜 の記事を
    アメブロにてリブログさせていただいたところでした。
    自分ノート作ろうと思いまして。
    ありがとうございましたm(_ _)m

    センター数学9割はすごすぎ…。

    私は数学が一番苦手だったので、
    巷で噂の「分数が来たら二分の一か三分の二」
    の法則をフル活用してたら割と高得点でした。
    塗り潰すのだいじ(^-^)

    今年もよろしく尾根ギアします

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