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自説を信じろ!

  • 登校刺激、するかしないか。
  • 3歳児神話、気にするか気にしないか。
  • ASDか、HSCか。
  • 普通級か、支援級か。
  • 受験するかしないか。
  • この場所でがんばるか、方向転換するか。

 

この分野は正解のない命題が非常に多い。

ほぼ全てのトラブルに正解なんてないと言っても過言ではない。

正解がないからこそ、自分の考えを優先してほしい。

 

比較できない

人生は選択の連続だ。

とりあえず選ぶ、選ばざるを得ないんだけど。

でもその選択が正しかったかどうかって、確認できない。

 

  • プランA
  • プランB

 

この2つを、同じ人間に対し同じ時期に同じ条件で実行して比較することは不可能だ。

どちらかを選択したら、選ばなかった方は挑戦すらせず闇に消えるしかない。

 

問題:子供は学校を嫌がっている。でも親としては登校してほしい。

さてどうする?

 

答えはない。

正解はわからないんだ。

一般的には子供の気持ちを尊重し、無理な登校刺激は控えましょうという流れ。

だけど、無理やり登校させたらそのままうまくいくかもしれない。

「復学させたらなんとなく適応できて、有名高校、名門大学、NASA、そして宇宙へ」

その可能性は絶対に否定できない。

 

「一般的には」とか「確率的には」とかは言えるけど、『目の前のこの子』にとってそれがベストかはわからない。

大多数には有効でも、一部の人には無効なことなんて、ゴマンとある。

 

医学は統計を重んじる。

「最も多くの人に有効な治療」がスタンダードとなる。

でも、『目の前のこの患者さん』には無効かもしれない。

99%の人に有効な治療も、1%の人には効かないわけで。

この人にとっては奏功率0%だ。

 

他の99%には効いた?

知ったこっちゃない、自分には効かなかった。

 

それが全て。

 

心・発達の分野

身体の病気だと、効いた・効かなかったがある程度わかる。

でも、心とか発達の分野では、効果がわかりにくい。

登校刺激した場合としなかった場合、この子にとってどちらが満足度が高く、幸せな人生を送れたか。

確かめようがない。

 

「答えあわせ」してくださいって何度も書いてるけど。

短期的な答えあわせ(今どう思ってる? あの時どう感じた?)はできても、長期的なそれ(あなたの人生、あの時のあの選択、どうでしたか?)は死ぬときにやっとわかるもの。

ましてや選ばれなかったプランとの比較なんてできないわけで。

人は自分の選択や過去を肯定したい生き物なので(自分の選択は正しかった、豊かな人生だった、失敗も含め全てに意味があった)、それを踏まえても正確な判断は不可能だと思っている。

 

母
友達は〇〇したらうまく行ったっていうんですけど、どう思いますか?

 

母
主人は引っ張ってでも学校に行かせろって言うんですが……。

 

そんなことをよく聞かれる。

プランAとプランB、どっちがいいですか? って質問。

 

このような質問をしてくるお母さんは、大抵自分の考えを隠し持っている。

「〇〇ではうまく行かないと思う。でもみんなと同じにしないと変な親だと思われそうで……」

自分はこう思う! という意見がありながら、周囲とのパワーバランス、周りからの評価など考え、主張できずにいる。

僕に聞いてくるのは、「医者もそれでいいって言った」というお墨付きがほしいからだろう。

 

お母さんはどうしたいですか?

じゃあ、その通りにしてみてください。

 

だって、証明できない。

どちらが正しかったかなんて、分かりようがないんだ。

比較できないんだもの。

 

自分で決めること、責任を取ること

自分で決めてほしい。

自分というのはお母さん(お父さん)か、子供に判断力があるなら子供自身。

自分で考え、自分で決める。

 

だって、正解はわからないんだ。

自分で決めないと、後悔が残る。

あの時ああすれば……って引きずりながら生きていくの、ダルくない?

 

間違ってもいい。

失敗してもいい。

だから、自分で決める。

 

最悪なのは、デモデモダッテしてどちらも選ばないこと。

うまくいくかもしれないプランがあったのに、どっちつかずでブレていたら、結局全部ドブに捨てたってこと。

超もったいない。

 

 

自分で決める。

その代わり、そこには責任が発生する。

決定には責任が伴う。

それは当然。

 

プランAを選んだ。

つまり、それ以外のすべてのプランを捨てたってことだ。

その中に正解があったかもしれないのに。

 

この責任から逃れる目的でデモデモしてしまうのだろう。

ペリーが気になったり。

それはわかる。

 

でも、決めるしかない。

同時に、責任を取る。

プランAを選んだ。

他のプランは却下した。

その責任は、自分にかかる。

これが腹をくくるってことだと思う。

 

腹をくくると……

よく見える

腹をくくって選ぶ。

するとよく見えてくる。

その選択で本当に良かったのか。

やってみたらうまくいかなくて別のプランに軌道修正する、なんて柔軟性も持てる。

 

人に流されると、見えなくなる。

盲目的に進み、ブレて、わけわかんなくなったり。

盲目的にその考えに固執したり。

 

ブレない

腹をくくると気にならなくなる。

周囲の声、「普通は」「一般的には」「常識では」そんなものが。

自分は目的を持ってプランAを選んだ。

自分で選んだ。

だから、外野の意見は気にならない。

 

押し付けない

腹をくくると、他の人の意見も尊重できる。

自分は自分の責任でプランAを選んだ。

あの人もきっと、腹をくくってプランBを選んだ。

 

どちらが正解かはわからない。

状況も異なるし。

じゃあ、余計な口出しはしない。

「こうするべき」「かわいそう」「普通は」そんなことは言わない。

 

自説を信じる

あなたの人生だ。

あなたが舵を取るべきだ。

宝が手に入っても、遭難しても、自分の責任として受け取る。

だって、比較できない。

絶対に正解はわからないのだから。

 

このブログも、「僕はこう思う」「一般的にはこうすると成功率が高そう」という提案はするが、本当にそれが正解かは誰にもわからない。

僕と異なる意見を否定することは僕にはできないし、逆に僕の意見を完全否定することも誰にもできないだろう。

これを読んでいる皆様も同じで、あなたの意見も誰も否定できない。

何を取り入れ、何を取り入れないか、それぞれのご家庭で考えていただきたい。

 

自分で決めないと後悔が残る。

間違ってもいい、思うようにやってみてほしい。

POSTED COMMENT

  1. じゅんまる より:

    初めまして!今日こちらのサイトに出会い、いくつか記事を拝見させて頂きました(^^)
    自閉で不登校の息子がいます。
    幼稚園の頃から周囲に馴染まない息子を、何とかしようと試行錯誤しながらも、悪化して行く親子関係。
    虐待死、育児ノイローゼからの自殺、そういったニュースが他人事のようには思えない心境にまでなっていました。
    相談しても理解してもらえないだろう、私自身も周囲から心を閉ざしていました。
    子供は、家にずっといても全く苦にならないようです。
    1日マインクラフトをやっています。友達と遊びたいという要求もあまりありません。
    そもそも、社会適応を子供が望んでいない場合、おやが手を尽くして適応のレールに乗せてあげることが幸せなのか?
    福祉の支えで生きて行くこともできるではないか。そしてそれが子供にとって1番幸せな道かもしれない。

    そう思い始めた時から、子供と心が通っているような実感を持てるようになってきました。。

    私は、何よりも「今」この時、子供も私自身もOK-OKの子育てがしたい。その選択の先にどんな未来があろうとも、きっと後悔はしない。

    こういった心境は、絶対に理解して貰えないだろうと思っていたので、誰にも話したことはありませんでした。

    こちらで、私自身の今の心境に近い記事を目にして、「それで大丈夫」と勇気づけられた気持ちです。
    ありがとうございます(^^)

  2. ミッキー より:

    自分で選ぶ。
    毎日小さなことを含めたら
    生きるってこの連続ですよね。

    選択できる。
    選ぶことができることに感謝‼️‼️

    そしていつも
    選ぶための
    ヒントをいただいています☺️

  3. きゃん より:

    はじめてコメントさせていただきます。
    今回のテーマ、読んでいて涙が出ました。
    うちは子供の考えに沿って今後の道を選びました。
    ここでは語りきれないくらい世間の常識からすれば外れた選択でした。
    どの道が正しいなんて比較出来ないしこれで良かったなんて本人にしか分からない。
    本当にそのとおりだと思います。
    先生のブログを読んで子供と私達親の選んだ道を認めていただけたようで安心しました。
    お忙しい中、ブログの更新ありがとうございました。

    • pediatrician-p より:

      世間の常識から外れた選択をするのって、勇気がいりますよね。
      素晴らしい!
      ぜひそのまま進んでみてください。

  4. YUN より:

    P先生、こんにちは。
    だいぶ涼しくなって来ましたね。
    子どもに関する判断、決断、さまざまな場面で選択しないといけない、まさに最近の我が家でも。
    子ども達にも、「自分で決めること」、どんどん挑戦していってほしいです。
    そしてワタシ自身も。
    今日も元気が出るお話をありがとうございました。

  5. 不登校ママ より:

    自説を信じるしかないのなら、不登校で病院に行く必要なんてないと思いました。
    明日の大学病院の予約、ずっと必要か疑問だったけど、やっぱりキャンセルします!
    親が考えて親の責任で動きます。
    本当にありがとうございました。

    • pediatrician-p より:

      おっしゃる通りだと思います。
      親御さんの考えがあるなら、その通りにしていただくのが一番いいです。
      すばらしい!

  6. 匿名 より:

    背中を押してもらえた気がします。
    やっと自分からの1歩が踏み出せそうなお話でした。
    ありがとうございます。

  7. 匿名 より:

    腹をくくれ!そうですね。わかっているのにら括りきれません。もっとしっかり括りたいです!またの神言待ってます

  8. ともこ より:

    いつもありがとうございます。
    子育てというか今の私自身へのエール、
    勝手に必然な感じがしてしまいました。
    決めて落とし前つけていくのが素敵な大人ですね。元気でます!

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