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今更だけど、自己肯定感って何?②

前回、自己肯定感の高い人と低い人の違いを書いた。

今更だけど、自己肯定感って何?①自己肯定感自己肯定感って散々書いてる。 大事なのは自己肯定感。 手洗い・うがい・自己肯定感。 草薙剣・八咫鏡・自己肯定...

 

自己肯定感が低いと、そもそも自分は「普通(みんな、最低限、一般、常識など)より下」という意識がある。

だから取り得る行動はこの二つ。

  1. スゲーがんばって普通ラインより上に行く
  2. 普通ラインより下の自分を受け入れて不幸になる

どちらを選んでも生きづらいという話。

地獄の2択。

 

発達障害とかの人と自己肯定感

そもそも生きづらい人。

発達障害とかHSCとか起立性調節障害とか。

普通にしてたら普通に生きづらい、少数派の人。

この人たちこそ、特に自己肯定感が大事だと思う。

 

壁にぶつかりやすい

少数派の人は、少数派ゆえに、人生で壁にぶちあたることが多い。

学校にうまくなじめないとか、忘れ物が多いとか、切り替えができないとか、対人関係が苦手とか、朝礼でぶっ倒れるとか。

大人になっても、仕事でやらかすとか、段取りが苦手とか、汚部屋とか、恋愛できないとか、お金の管理ができないとか、マルチタスクがこなせないとか、こだわりが捨てられないとか、疲れやすいとか。

枚挙にいとまがない。

 

ぶち当たったときどうするか

壁にぶちあたること自体は、別に問題ない。

問題は、その時どうするか。

自己肯定感が高ければ、「じゃあ忘れ物を減らす工夫をしよう。一覧表を机に貼っておこう」とか、建設的に考えられる。

幸せをつかみに行ける。

 

でも自己肯定感が低い場合、

男の子
男の子
こんなに忘れ物ばかりする自分はダメだ。

先生にもいつも叱られ、ロクな大人にならないんだ。

みんな自分を嫌ってる……。

とか思う。

 

つまり、『自分は普通より下』として整合性を取ろうとする。

自罰的になるってこと。

 

もしくは「忘れ物をしないようにめっちゃ頑張る! 忘れ物チェック10回!」とか気合と根性で乗り切ろうとするんだけど(普通ラインの上に行こうとする)、もともとの特性があるのでうまくいくわけなくて、案の定失敗して

 

男の子
男の子
自分はダメだ……。

 

に行き着く。

結局自罰的に。

 

めんどくさっ!

 

でも、僕もそうだからめっちゃ分かる。

ダメな自分は、何をやってもどうせダメって思っちゃう。

普通ラインより上の人、つまり『みんな』より不幸であって然るべきと思っちゃう。

 

 

困ることがあるなら解決すればいいのに、自己肯定感の低い人はそれができない。

解決策を提示されても受け入れられない。

 

「ここまでは出来てる」と途中経過を褒められても、素直に受け取ることができない。

だって完璧に、100%出来てないと誰かに責められる気がするから。

実際にはそうじゃないのに、自分で架空の敵を作り出してる。

黒船もいないのに「ペリーが来た(ような気がする)ぞー」ってこと。

 

幸せになっちゃいけないから、デモデモダッテし続ける。

で、普通ラインより下のダメな自分として、整合性を取る。

 

二次障害を起こす

壁に当たることは問題じゃない。

当たったあとの認知と行動が問題。

 

具体的には余計に自分を責めて、さらに自己肯定感を低下させる。

そして反抗的になったり、うつになったり身体症状に出たり。

二次障害まっしぐら。猫まっしぐら。カルカン。

 

 

この二次障害が一番の曲者で、持って生まれた特性以上にめっちゃ困る。

むしろ二次障害さえ起こさなければ、もともとの特性なんてさほど問題ではないとすら思う。

 

このブログでは「こんなことで困る人が多いよ」とか「こうやったらうまくいくかもよ」という提案をしている。

でもそれを受け入れられるかは、自己肯定感にかかってくる。

本の情報や、誰かに聞いたりなどもそうだろう。

現状を客観視し建設的に改善していけるか、つまり幸せを享受する気があるかどうかが、自己肯定感にかかってくるのだと思う。

 

そもそも自己肯定感が下がりやすい

少数派の人こそ自己肯定感が大切なんだけど、でも彼らこそ自己肯定感が低下しやすい。

少数派だから。

「みんなと違う」「なんかヘン」と感じやすい。

本人が、もしくは周囲が。

 

その時に、「でも自分は自分」と思えるかどうかがすごく大事。

「みんなと同じに」「なんとか普通に」とか周囲の大人が押し付けたら、その子の自己肯定感はダダ下がりだ。

低いってゆーか、地面にめり込んでる。もう地底人だ。

 

 

このような少数派の子たちこそ、そのままのその子を受け入れてあげてほしいと思う。

こういう子たちに親が与えられる一番大きなものって、『自己肯定感』だと僕は思う。

失敗しない方法じゃなくて、失敗しても立ち上がる力、つまり『自己肯定感』が大事だと思う。

親の価値観で線を引かないで!

で、先日の話。

親の価値観を押し付けた先 そんな風に、親が親の価値観で人をジャッジする。 多かれ少なかれやっている親御さんが...

 

親の価値観を押し付ける、人をジャッジするって、普通ラインを一生懸命引くこととイコールだ。

母
これが普通

 

母
〇〇出来ないとダメ

 

何度も何度もなぞって、太く、強く線を引く。

 

このラインが強固になればなるほど、子供の自己肯定感は下がる。

なぜなら、いつでもその線を超えられるわけじゃないから。

 

親が言うことって大抵子供が「出来ていないこと」だと思う。

出来てないから小言を言うんですよね。

忘れ物はダメ」「不登校なんてダメ」「勉強できないとダメ」とか。

 

強固な普通ライン

その下にいる自分。

 

スゲー頑張るか、整合性をとって不幸を受け入れるか、その2択になってしまう。

地獄の2択。

 

まとめ

ね、自己肯定感。

超大事でしょう?

 

財布・スマホ・自己肯定感でお願いします。

地震・雷・火事・自己肯定感。

カステラ一番、電話は2番、3時のおやつは自己肯定感。

 

お願いします。

POSTED COMMENT

  1. あさみ より:

    納得しました!

    子供が失敗しないように、怒られないように、まわりと比べてできないこと・知らないことがないように、まわりに変に思われないように、恥ずかしい思いをしないように…他にもそんなことばかり考えて子育てしてしまいました。
    子供のためにと一生懸命でした。

    親とずっと一緒にいる未就園の頃はなんにも気にしなかったのに、幼稚園や小学校で失敗しないか、私が不安だったんだと気付きました。
    『失敗しても立ち上がる力』をつけてあげると、親の目の届かないところで失敗したら…という不安がないですね。
    難しいですが、ペアレントトレーニングなどで勉強していけたらと思っています。

    私自身が、仕事を気合と根性で乗り切れず体をこわした経験があるので、『現状を客観視し、建設的に改善していく』大事なことだと思いました。

    • pediatrician-p より:

      そうですよね。
      失敗しないようにと思うと、ずっと見ていられるわけではないので、結局不安がついて回るんですよね。
      失敗してもこの子は大丈夫と思えるとラクになりますよね。

      気合と根性で乗り切るのは、僕もお勧めしません。しんどすぎます。
      お体大切にしてください。

  2. シマリス より:

    はじめまして。いつも拝読しています。
    娘は23歳のM1です。
    小さい頃から貴方はあなたよ、とは気をつけていました。本人の選択をえ?と思っても貴方がしたいならと進んで来ました。(これが間違いですね。)
    ですが、就活前の自己診断テスト?で自己評価だけだダダ低い。能力客観評価と差が激しい。
    そして、思いおこして本人落ち込む。これまで頑張ってきて何もいいことがなかったと。だから、勝手に線引いて自分はこえなきゃかいけない!と頑張る話、よくわかります。そう、今まで頑張って来たね。だから、今の貴方がある。でも、本人は納得できない。じゃどんな自分ならいいの?と。どれだけ、私はダメだと愚痴を言われても、でもコレは人より優れてるし、他の人もこうだから同じだよ。と話しても納得できない。
    これが、自己評価ですか?
    疲れてます。

  3. ゼスプリ より:

    カナちゃんさん
    保育士さんの”子供が一生懸命自分でやったことは直したくないんです”という言葉に私自身がグッときました。そういうことなんだなあ、、と、素晴らしいですね。高1と中1の子供がいますが、今からでも忘れないでいたい言葉だと思います。

    • カナちゃん より:

      ゼスプリさん、ありがとうございます。

      私は決して子育てが上手い母親ではありませんでしたが、この保育士さんの保育の姿勢から沢山教わりました!な、なんと!!彼女はまだ20
      代!!  結婚してるから、子どもがいるからとかでは無くて子どもを愛情深く見つめる姿勢をとても尊敬しています

  4. カナちゃん より:

    いつも楽しく読ませていただいてます。
    先日、三男坊をお迎えに幼稚園に行ったら三男がズボンもTシャツも後ろ前に着けてました。
    「自分で頑張って着けたんですよ〜、めんこいですよね〜」と保育士の先生がおっしゃって。
    「そうですね〜、可愛いです〜」と伝えると
    側で三男坊が誇らしげに「僕は自分で服をきたよ!」と言ってました。
    保育士の先生が子どもが一生懸命自分で頑張ってやった事はなるべく直したくないんです、
    こんなめんこい間違いをするのは今だけだけですから〜と爽やかに言ってまして、私もその通りだと思います。小さな間違いを「よく頑張って自分でやったんだね〜」って認めてくれる大人が沢山周りにいたら子どもにとって1番自己肯定感が高まるのでは?と思っています

    そのまま服を直さずにスーパーに連れて行くと、親切なおばちゃんから「あらあら、上も下も後ろ前に着けてるわよ、直さないの?」って声をかけられますが、もちろん三男坊は
    「自分でやったからこれでいいの!」って答えてました 笑

    不登校の長男君も幼児期にはめちゃくちゃ高かった自己肯定感が不登校になり一時地底に沈みかけましたが、学校といい感じの距離を取り今は伸び伸びしています。上記の保育士の先生は長男君が幼児期の時にも担任の先生で幼稚園を卒業してもう6年になるけど、長男は今でもよく先生の事を覚えているんです。
    彼の記憶力が良い特性もありますが、
    自分を無条件で肯定してくれた人を忘れ無いんだろーなーと思ってます

    • pediatrician-p より:

      素敵なお話ですね。
      心があたたかくなりました。
      自分でやったんだから、それが一番価値のあることですよね!

  5. saya より:

    私も高1の息子の自己肯定感を下げまくって反省している一人です。
    小学校高学年頃から色々なことをやらかして怒りまくり、色々な症状が出てしまい、中1で検査を受けましたがグレーでした。でも全体の数値が低く、元々の能力が無いということが分かっただけで少し気が楽になりました。
    なんとかかんとか高校生になれ、それ以降はほとんど怒ること無く過ごしていますが、一度落ちまくった自己肯定感は上りません。自信を無くしてとても消極的です。
    もう遅いでしょうが、私も今からでも出来ることを教えていただきたいです。

  6. kk より:

    いつも読ませていただいております。
    先生の記事を読むにつけ、もっと早く知っていたかった、、、悔やんでも悔やみきれない、自分の子育てです。

    愚かな母のせいで自己肯定感を育めなかった我が子らは、18歳の長男は受験勉強も進まず何にも興味を持てず、早く人生終わらせたいと毎日言い、ADHD傾向があるものの明るい性格だった高2次男は春から不登校になってしまいました。2人とも精神科でお薬をいただいています。
    子供達が小さいときから私の価値観の押し付け、ダメ出し、いつもイライラガミガミ、緊張感が高く安らげる家庭ではありませんでした。
    この後に及んで我が身を反省し、無条件で子供を受容しよう、受け止めようとしていますが、いや、これは過保護なのか、子のためになるのか、などぎこちない、迷いの日々です。

    ここまでなってしまった我が子らが自己肯定感を持てるために、今からでも母親ができることを教えていただきたいです。

    本やさまざまな情報はいかに自己肯定感や親の無条件の愛が大切かや愛着障害のことなど書かれていますが、すでに我が家のような状況になってしまったティーンエイジャー及びそれ以降の年代の子たちにはどうしたらよいのか、情報が少ないのです。
    まだ手遅れとは思いたくない、やり直させて欲しいのです。

  7. うさぴーの母 より:

    自己肯定感が大切なのはよく分かりました。
    完全不登校中の中1の娘、
    ありのままを受け入れようと『学校は行っても行かなくてもどっちでもいいんだよ』『出来ないときもあるよ』などの声掛けをすると、
    「そうやって甘やかす、変な対応するからこう(体調が悪く学校に行けない自分)なった」「学校に行きたいと思ってるのに、行かなくてもいいなんて言わないで」と怒ります。
    自己受容が出来ていないからでしょうか。。
    こういった場合の適切な声掛けを教えてください。

    • pediatrician-p より:

      書かれた内容からの推察なので全然違っていたら申し訳ありません。
      https://hattatsu-kids.com/?p=1060
      ↑これかな、と思いました。
      答え合わせができてないのかな? と。
      お子さん本人がどう考えているのか聞かず、「こうすれば嬉しいはず」と決めつけてませんか?
      見当違いだったら申し訳ございません。

  8. あちゃこババ より:

    いつも大切なことを分かりやすく教えていただき感謝しています。
    自己肯定感が大事だということは分かっていたつもりでした。なるべく誉めて、認めて…。意識して関わっていたつもりでした。
    でもやはり人と違うと苦労するのではないかと言う心配が先にたち、「普通」を求めてしまっていたのだと、今日の先生のお話を読んで気付きました。
    「普通」を求めることがこんなに自己肯定感を下げてしまうとは…。当に私の子育てそのものです。
    自己肯定感が下がってしまった子どもたち、大きくなった今(高校生、中学生)からでも自己肯定感を上げることは可能なのでしょうか?ぜひその具体的な方法を教えてください。

  9. 菩薩母 より:

    この二回のブログを読んで18歳、OD寛解中HSC娘を育ててきて、親としての選択は間違いではなかったと思いました。

  10. のんまま より:

    いつも読ませていただいています。
    子供の味方の先生、私の様に自分の子育てができない親に気付きをありがとうございます。

    今回のお話は、まさに私と息子(中2)の事が書かれているようでした。
    広汎性発達障害の疑いがあり、HSC気質、私の過干渉もあり、いじめがきっかけで小6より不登校、自己肯定感が低く認知の歪みで苦しむ息子です。
    親として今までの関わり方を反省、変わろうと日々接しています。

    発達、認知の歪みがある二次障害思春期の子供への親の接し方をテーマでとりあげていただきたいです。
    認知行動療法が有効であると本などにありますが、出向く事ができません。
    親の関わりで少しでも息子が生きやすくなれるのならば、その方法が知りたいです。

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