先日の外来でこんなことを聞かれた。
検査してみたら知的な遅れがあった。
親御さんはショックを受けたけれど、薄々気づいていて「やっぱり」という気持ちも。
数日たち、しっかり受け入れて腹をくくったところ。
そこで出てきた疑問。
はて、この子の知的障害っていつ頃出てきたものなのか?
別にトラブルなかったけど。
トラブルがなかったのであれば、違うだろう。
何か変なことをしたのでしょうか?
これといった原因がないなら、違うでしょう。
じゃあいつから?
証明はできないけど、僕は『受精したとき』だと思っている。
遺伝子の表現型として、「そう」だったのだろう。
「そういう子」だった。
と思っている。
じゃあ、しょうがないですね。
そう、しょうがないのだ。
誰も悪くない。
お母さんの妊娠中の行動も、出産時の出来事も、乳幼児期のイベントも、全部関係ない。
命が始まったその瞬間から「そう」だった。
じゃあしょうがないや!
発達障害も「そう」だと思っている。
受精の瞬間から、そういう特性を持った個体だった。
遺伝子的にそうだった。
だから発達障害には家族性がある。
もちろん、その両親から生まれた子は必ず発達障害になるというわけではなくて、その子がたまたま表現型が「そう」なる染色体の組み合わせだった。
もっと言うと。
HSCもそうだと思っている。
受精の瞬間に決まっていた。
不登校もそうだと思う。
受精の瞬間に決まっていた。
もちろん喘息体質とか身長とか髪の色とかも、受精の瞬間に決まってた。
子供の頃に出てくる特性のかなり多くの部分が、受精の瞬間にすでに決まっていたと僕は思っている。
人生が長くなれば、すなわち大人になれば後天的な環境とかの要素も大きくなってくると思うけど、たかだか数年〜10年程度しか生きていない子供の特性の多くは持って生まれたものだと思う。
- 行動的か慎重派か
- 社交的か内向的か
- 衝動的か計画的か
- 自己主張が強いか弱いか
- 刺激に対して敏感か鈍感か
- マツコか有吉か
- ぺこかりゅうちぇるか
- おすぎかピーコか
- IKKOかミッツか
(なんでオネエ多め?)(なに、りんごちゃん?)
そんな子供時代の特性って、もともとだと思う。
何が言いたいかって、子供の『問題行動』があったとき、それは元々の可能性が高いってこと。
何言ってんの?
例えば
「うちの子計画性が全くなくて、宿題もせずゲームばかりしてるんです」
この原因は甘やかして育てたとか親の接し方が悪かったとか日本の政治が悪いとか言いたいことも言えないこんな世の中じゃとか、そういうんじゃない。
「元々そういうタイプの子」なだけ。
「育て方が悪かったんですぅ」とか原因探しをするだけムダってこと。
いろいろ考えても全部ハズレ。
最初から「そう」なのだ。
「何とか正しい道に戻さないと」とか、『戻す』ってのがもう違って。
スタートからその子はその場所にいて、一歩も動いてないだけっていう。
どんだけぇ〜。
不登校もそう。
最初から「学校が合わない子」だっただけ。
その子はずっとそこにいて、案の定学校が合わなかっただけなのに、「甘え」とか「ずる」とか「ラブ注入」とか「ちょいブス〜」とか言われても。
どんだけぇ〜。(言いたいだけ)
やっぱり、その子が答えだと思う。
その子をそのまま受容するところから全てが始まる。
「なんでこうなった?」とか「お前が甘やかすから」とかじゃなくて、その子をそのまま見てあげてほしいと思う。
つまり何が言いたいかって、「愛が〜全てさ〜」ってこと。りんごちゃん。言いたいだけ。