不登校とか、それに類するトラブルの相談を聞くと、
vs自分
の要素がありそうだな、と思う。
何かトラブルが起こる。
でも、これだけでは大きな問題にはならなくて。
トラブルの上に「本人がそう受け取ってる」って要素が乗っかって、問題が大きくなり表面化する。
同じトラブルに直面しても、「ふーん」で通り過ぎる人と、ギャーってなる人とがいるようだ。
世の中には、
世間の流れに抗わずにふんわりとその一生を終える人と、
納得できないとどうしても先に進めない人といるようだ。
ってココで書いてた。
いいこと言うな、昔の自分。
納得しないと先に進めない。
でも、納得したらジェット噴射で(もしくは亀の歩みでも着実に)進む人がいる。
この「納得」がキーワードになる人。
僕のところに相談に来る、なんらかのトラブルに直面した人。
「納得」できなくて、立ち止まってしまった人。
どんな人かと言うと、「不安が強い人」よな。
例えばこんな人。
不安が不安を呼んで、
先回りして悪い想像をし、
リスクを最小限にしようと高難度のハードルを設定しちゃう。
1回叱られたらめっっっっっちゃヘコむし、
なんなら自分以外の人が叱られているのを見るだけでヘコむし、
夜な夜な一人反省会を開いてる。
自分のやり方を否定されたら、
その他のことまで「全部イヤ!!!」になり、
どーせ否定されるなら、100点満点じゃないならそもそも手を出さない。
こんな人。
つまり、不安の強い人。
最近、特に思うんだ。
この「不安の強さ」って、キーになる要素よな。
不安が強くない人は、失敗しても気にせずふんわり生きていけたり、もしくは果敢に再チャレンジできたり。
不安が強い人が、失敗を恐れて立ち止まってしまう。
立ち止まったときが、僕に相談に来る時だ。
思えば、僕の患者さんには不安が強い人が非常に多い。
そりゃもう、非常に。
「本人は全然気にしてないけど周りが困って」で相談に来る人は、ゼロではないが少数派だ。
たいてい本人も困っちゃってて、その困り感には「不安が強い」って要素が関与している。
例えば、ADHDには豪快なイメージがあるけど。
やんちゃで突拍子もないことをしでかし、でも叱られても叱られても本人は気にしてない、的な。
でも、僕の患者さんは全然そんなことなくて。
ADHD かつ かなり繊細
って人が多数派だ。
考えたんだけど、不安の強くないADHDと不安の強いADHDとを比較した場合、受診率が高いのは圧倒的に後者よな。
前者は、やらかしてもあまり気にしていないかもしれない。(本人はね) (周りは困るでしょうけども)
でも後者はすごく気にする。
どっちが受診につながりやすいか考えると、明白だ。
不安の強い人は、困りやすい。
だから僕の患者さんは不安が強い人が多いのかなと思った。
でね。
いくつかの方面の本を読んだんだけど、不安の強さって生まれつきなんだと思う。
あくまで僕調べね。
僕の耳に入った情報の話でしかないんだけど。
その中ではもうね、どの本にもそう書いてあるの。
まず、脳科学。
脳科学的には、セロトニントランスポーターのアレがアレして、結果日本人は不安が強い人が多いんだそうな。
外国の人はそうでもないらしい。
つまり、不安の強さは遺伝的に決まっていると。
次。
ブログでもよく話題に出している注目の概念、HSP。
HSPは、ど真ん中で不安の強い人だ。
不安の強くないHSPとか、聞いたことがない。
そしてHSPは持って生まれた性質だと、アーロン先生(HSPの概念を提唱したエラい先生)がおっしゃっている。
アーロン先生が言うなら、間違いない。
また、精神医学でも。
個人的に信頼しまくっている精神科の先生が、
個人の性格には先天性の要素と、後天的に培われる要素とがある。
その中で「不安の強さ」は生まれつき。
とおっしゃっていた。
先生が言うなら、間違いない。
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さらにさらに。
最近読んだFFS理論って本。
別に読まなくていいんだけど、その本によると慎重で安全第一な「保全性」と呼ばれる性質があって。
周到に準備し、コツコツ積み上げて行く性質ね。
つまり、不安が強い。
これを持つ人は日本人に多く、アメリカ人には少ないんだと。
そして案の定、「生まれつき」とのことだった。
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ね。
ここまでくると、
不安の強さって生まれつきじゃん!!!
って思わざるを得ないよね。
これだけ多方面で言われるんだから、もうそうなんだよ。
僕の中ではもう、そういうことに決めた。
いつから「そう」だった?
もう、生まれつきです!
ってことで、
不安の強さは生まれつき
だ。
そしてこの特性の強弱によって、考え方が変わり、トラブル時の言動が大きく変わる。
不安が強い人は、そうでない人と比較し立ち止まりやすいように思う。
不安が強いって、別に悪いことじゃない。
不安が強いことによるメリットだって、当然だけどある。(詳しくは省くけど) (需要あれば書きます)
良い悪いじゃなくて、
「この子は不安が強いのか弱いのか」
を知っておくことに意味があると思った。
これが分かると、
とか、
といった助言が無意味であることに気付く。
良い・悪いじゃない。
「だから不安を小さくしろ」ってことでもない。
ありのままのその子、不安の強いその子を、そのまま認められると良いのかなと思う。
「普通は」とか「みんなは」とか、そういう問題じゃないんだと思う。
その子の不安レベルに合った対応をする方が、問題解決が近そうだ。
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私もメリット知りたいです。
自分もですが、息子が不安が強いです。
一回叱られると...のタイプです。
自己肯定感も中学不登校後からとても低いため、自分なんて...となってしまい、希死念慮というのでしょうか、ベースに早く死んで辛い生きていることを終わらせたいという思いもあるそうです。
わーっとなってしまっているときや、その後どーんとなってしまっている時など、自分なんてと言うので息子の良いとこを話すのですが、親ばかの母の言うことは当てにならないと言われてなかなか誉め言葉も見つからなくなってしまいます。
不安が強すぎるというどちらかと言うとデメリットになりやすいことのメリットも息子に話してあげたいです。
ぜひお願いいたします。
不安が強い事のメリット.....。前の方達が挙げられた事以外だと、「自分の意見を自分で批判し続け検討し続ける結果(まさに夜な夜な一人反省会)、実際の議論や交渉にはそこそこ強い」事ですかね。「僕の思い付いた正しさ」の上にあぐらをかいて、そこで考えるのをやめた人の掲げる正しさなんて、薄っぺらくてもろい。
野球マンガを少し見た事があるくらいで、ルールよく知らないのですが、野球にも守るターンと攻撃するターンがありますよね?守備のターンで磨いた観察眼や判断力、足の速さは、攻撃するターンで使えないわけじゃない。自分で無理なく磨ける所から磨くしかないと、個人的に思います。子供が黙って考えてる事なんて親にはわからないけれど、多分、後になって役に立つ事も、多少は考えてる。
もちろん同時に満遍なく伸ばせる人はそうすれば良いでしょうが。
不安を克服するより、メリットを活かせるならその方が早いので、記事の需要は、やっぱりあります。
先生、今回と前回は私的に神回でした❗️
我が家の中1娘、5年から不登校が別室登校繰り返し中。6年の終わりは行けてたけど中学が不安すぎてまた不登校…
赤ちゃんの時から不安が強く、危険なことは全くせず手がかからない幼少時代でした。
完全なるHSCで周りからできていると言われても自分の中のハードルが高すぎて私はできないと自己肯定感の低いこと…
自分と戦ってる感満載です。
また不登校続きなのに勉強を続けてるのも多分不安が強いから。
塾も行かずコツコツ勉強してちゃんと期末テストまで受け終えて1年生のミッションコンプリート‼️
おそらく不登校で勉強してなかったら…将来の不安、ハンパないらしいです。
少し生活が乱れたこともあったけど「昼夜逆転憧れるけど戻れなくなりそうで怖い」らしく9時に寝る珍しいティーンエイジャー。
疲れやすく普通の中学生の生活、学校、部活、塾、人間関係なんてブラックすぎてなぜみんなが普通にできているのか?と悩める女子です。
私も悩める日もありますが、義務教育期間は大変だけど、この先、この子にあった環境で暮らせばきっと大丈夫って思ってます。
生まれた時から決まっている、私もそう思います。
息子は3か月早く生まれ、脳出血があり、もしかしたら歩けないかもしれないと言われていました。
同い年の子達がヨチヨチし出し、走り回る頃も息子はずーっとハイハイしていました。
でも私は見たのです~!
畳の上に敷いたおむつ替えマットの上でコソ練している息子を!
彼は何度も何度も立つ練習を続けていました。
柔らかすぎる布団の上や転んで痛い場所ではなくちょうど良い硬さのマットの上。
そして、私の見ていない時に。
「こんなに小さいのに色んな事を考えているのだな」とびっくり&感動しました。
それからしばらくして息子は私達夫婦名前で「どやー!」と言いそうな顔で立つのを披露し
一度も転ぶ事なく歩き出しました。
今もきっとその性質は変わっていないと思います。
でもコソ練を見られるのが恥ずかしいのでしょう…今では何の練習もしませんが…。
でも頭の中ではいろいろ考えている。上手く後押ししたいものです。
下の子ですが、運動が得意で、自らやりたいと言ったので、スイミングを始めましたが、上手く課題ができない日があって、やめたいと言い出しました。
できなかったのは、その日だけで、それまでは上手にできてました。親のひいき目でなく、まわりと比べてもかなり上手だし、先生も褒めてくれてるのに、本人は上手くできてない、次も失敗するから、やめたいと。
不安の強さから来ていると思うのですが、この思い込みをどうやって払拭したらよいのやら。とても生きにくそうで、スイミング辞めても、こんなことは、いくらでも続くだろうし…
不安は強いのに、準備はしない…
まさにうちの子!
不安だけど、準備はめんどうだから、なかなか物事が進みません。挙げ句、かんしゃくを起こします。
どうしたら、前に進めるようになるのか教えてほしいです。将来、社会で働けるのかな。
うちの、不登校~別室登校の娘も、HSCで不安が大きいです。
そこまで考えなくてもいいのに…の連発です。
大らかすぎる夫は、全く気持ちが分からないようです。
私は娘よりなので、分からなくはないのですが。
おちびちゃんの頃からそうで、2才ぐらいだと、おもちゃ売り場に行ったら、たーっと親から離れて走って行っちゃう事が多いと思うのですが、うちの子は、私を引っ張って行きました。
お店に行っても、見たい物があっても、私から離れません。
もう生まれた頃からなんだろうなぁ…と感じていましたが、やはりそうなのね、と改めて思いました。
もう少し…と思いながらも、石橋を叩いて、叩きまくってから渡るタイプですから、危険な目に遭いませんでした。
大けがもせず、危ない!と叫ぶようなことは一度もなく成長しました。
危険を回避できるのはメリットかな、と思っています。
不安が強い子…
うちの中2娘にぴったりだと思いました。
今は家でゆるゆる過ごしていますが、ウクライナとロシアのことで…日本も戦争になったら…と、どんどん不安感を増やしています…。
世界情勢も心配ですが、こんな身近に影響するなんて…。
不安感が強くて、初めての人には心も開けないし、話もしない。思春期外来とか、外部へ繋がったほうがいいのかとも思うけど、それもストレスになるようで…
どうしたらいいのかと、親はふんわり困っています。
今回も素敵なお話ありがとうございました。
プレイバックして、不安についてたくさん勉強しました。ぜひ、こういった不安の強い子の感覚を緩和させる方法も教えてください。おそらく成功体験の積み上げなんでしょうけど、外に出れないのでその体験の機会がありません。
ならばそのままでいいと言われそうですが、社会に出れるかしら?
不安の強い人のメリット…
優しい人が多い気がします。ザックリ…汗
自分のやり方を否定されたら、
その他のことまで「全部イヤ!!!」。
不安が不安を呼んで、先回りして悪い想像。
1回叱られたり注意されようものなら、めーーーーーっちゃ引きずるし落ち込む。
それはもう取り憑かれたようにずーっと頭から離れられなくて夜も眠れなくなるほど。
周りの人たち、なんであんな楽しそうに生きられるんだろとか思っちゃうほど(笑)
でも、だからってすっごい準備して用意周到・絶対失敗しない!!!
ってほどの事前準備をするわけでもなく、不安がる割にはその辺りはめんどくさがるし…
まるっと性格ですね。
でも不安感が強いのは、疲れるんですよね。