ふと思ったんだけどさ。
いわゆる典型的な不登校って、「学校に行きたいけど行けない」じゃん?
何度聞いても、学校には行きたいという。
でも、実際は行けない。
こんなケースが多い。
※「いわゆる不登校」の話です。はっきり「行きたくないから行かない」と明言しているケースは除く。
これって、「行きたい」と「行くべき」がごっちゃになってるからなんだけど。
本音は「行きたくない」のね。
コレね。↓
じゃあなんで「行きたくない」のかというと。
もちろんケースバイケースで、それぞれの物語がある。
でも、コレが壁となってぶち当たっているんじゃない? とふと思ったんだ。
結論はコレで。
自分のダメなところと向き合わざるを得ないから。
子どもに不登校の理由を聞くと、色々な答えが返ってくる。
いろんな理由があって、無限が衝突してマジ無量空処、つまりワケ分からん。
理由が分からず、対応に困っちゃってる方も多いと思われる。
これらについて、もちろんそれぞれ本当だし、本音だと思う。
でも、本質ではないと僕は思っていて。
そもそも学校が合わなくて、上記トラブルが最後の一滴になったものと僕は考えている。
でさ。
本質は、学校が合わなくてコップがナミナミになったことじゃん?
じゃあ、なんでナミナミになっちゃったか、なんで学校が合わないかって部分が大事でしょ?
ここは、本人の自覚がないことが大半。
分かってないのよ。
学校が合わないって自覚はないし、それまでにストレスを溜めまくっていっぱいいっぱいだったことも自覚していない。
僕、ふと思ったんだ。
学校って、自分の悪い部分と向き合わざるを得ない場所だからイヤなんじゃない?
説明する。
何をもって「悪い」とするかは、人によるが。
子どもの一般的な特徴として、「頭がカタい」というのがある。
待って、子どもの頭って柔らかいんじゃないの?
いや、子どもは頭が固く頑固ですよ。
ワガママだし、周囲が見えてないでしょ?
経験が少ないので、「臨機応変」が苦手。
グレーの許容が苦手。
頭カタいんです。
人間、歳を取って丸くなるってもんで。
子どもは一旦「こういうもの」と学習したら、とりあえず「こういうもの」になっちゃう。
もちろん子ども特有の柔軟性が前面に出ることもあるけど、ベースは「頭がカタい」と僕は思っている。
※裏を返せば、人生経験の少なさゆえ、一旦学習した「こういうもの」を覆すのも大人と比較し容易い。確固たる「スキーマ」になっちゃっていることは少ない。
でね。
子どもは頭がカタいので、「こうするべき」と思ったら、「こうするべき」と思い込んじゃう。
突き進んでしまう。
でも、自分の得意不得意とか、能力とかは客観視できない。
ここに差が生じる。
例えば、「忘れ物する子はダメ」と思うと、そのまま単純に「忘れものする子はダメ」と、子どもは思い込む。
というふうには考えられない。
忘れ物をする自分はダメ!
以上!
柔軟性がないというか、グレーが苦手というか。
他にも、
みたいな思い込みって、子どもの中にきっとある。
学校って「こうしましょう」という模範を示すことが多いので、子どもはどうしても素直に「これが正解」と思いやすい。
で、この思い込み、本人は至極当然と思っているので、なんの疑問も持たない。
スーパーで「お菓子を買ってくれ!」と駄々をこねる子どもと変わらない。
お菓子を買うイコール正義! みたいな。
経験を積むと、
とかグレーが理解できるけど、駄々っ子の中では
「買うイコール正義」
一択だ。
そんなイメージ。
子どもにはこのような思い込みがあり、グレーが苦手なわけ。
でね。
学校って、いろんなことが満遍なく課されるじゃん?
必ず、思う通りにいかないことが出てくるんだよね。
その時に、「こんな自分イコール駄目」って強く思っちゃう子。
まぁいっか、ができない真面目な子。
あと、
『正解』から大きく逸脱しちゃう、なんらかの特性を持った子。
この子たちが、学校が「合わず」、ストレスを溜めちゃうんだと思った。
補足する。
「誰にでもうまくいかないことはあるのに、不登校になる子とならない子がいる。
不登校になる子は心が弱い。(もしくはワガママだ、親が甘やかしている、など)」
という声が聞こえてきそうだ。
うまくいかないことに直面したとき、そんな「ダメな自分」をどう捉えるか。
これは、その人の「不安の強さ」に左右される。
ダメだけどまぁいっか、なのか、ダメだダメだダメだダメだ! なのか。
物事に、どのくらいの強さで不安を感じるか。
これは先天的に決まっているらしい。
しつけとか環境じゃなくて、生まれつき。
その子の強い弱いも関係なく、生まれつきね。
生まれつき不安の強い子は、ストレスを溜めやすいと予想される。
この子たちは、日常で起こる「うまくいかないこと」にストレスを溜め続ける。
学校で起きるトラブルってたまたま一回だけじゃなくて、たいてい繰り返す。
忘れ物をする子は何度もするし、友達とのトラブルも一回きりということの方が少ないだろう。
同じ火種が別の形で表面化したり。
その度、コップに水を溜めていく。
で、いつか溢れるっていう寸法だ。
理想は、
忘れ物せずみんなの人気者で、勉強も運動もでき、先生からも一目置かれるイケてる自分
だ。
そんな『正解像』を、ぼんやりと、でも確固として持っている。
でも、実際はその通りにはいかない。
そりゃそうだ。
で、100%達成できなければ、0%。
そのくらい極端な思考を子どもが持ちやすいのは、上述の通り。
0%の自分、つまり、ダメな自分。
そんな自分と向き合い続けざるを得ない場所が、学校なのではないか。
まとめるとこうだ。
完璧な自分(勉強、運動、友達、先生、生活態度etc)がゴール
↓
でも、実際そうじゃない
↓
自分はダメ
↓
学校ではダメな自分と向き合い続けなきゃいけない
↓
しんどい……
確かにこれ、しんどいよな。
でもあくまで正解は『完璧な自分』だから、尚もそこを目指す。
つまり学校には行かなきゃいけないし、行きたい。
んだけど、「ダメな自分」と向き合う日々がありありと想像され……。
しんどい。
行けない。
行きたいんだけど、行けない。
とまあ、こんな感じなんじゃないかと思った。
大人で考えると、例えば
「仕事で要求される成果が連日出せず、納得できずに自己否定を繰り返す」
みたいな感じ?
主婦の人だと
「自分なりにがんばっているのに家事に抜けがあり、それを叱責され、しかも繰り返す家庭」
的な?
おー、しんどいな。
そりゃ逃げたくなる。
やらなきゃいけない、でもやれない。
こんな感じかなーと思った。
解決策は、「自分をよく知り作戦を立てる」なんだけど。
自分の特性を知り、苦手なことは逃げるのか、はたまた戦うか。
周囲から何を求められており、じゃあ何パーセントできればいいのか。
その辺が理解できると、すごく楽になると思う。
でも、ま、無理よな。
今壁にぶち当たっちゃってる、しかも子どもだ。
経験値が足りなすぎる。
加えて今は、余裕も全くないし。
嫌な自分、ダメな自分と向き合い続けざるを得ない場所
それが学校だとしたら(その子にとってってことね)、そりゃしんどいよな、不登校になるよなーと。
そして、もちろんこれは無自覚だ。
その子は完璧に100%絶対に、『これが正解』と思い込んでいるわけだから。
そんなに気張らなくても良い、グレーでも大丈夫、自分はダメじゃない、という発想を持つことは困難だ。
学校に行きたいけど行けない理由。
子どもが絶対的な『正解』を持っている。
※学校のシステム上持ちやすい。
そして、
学校は、嫌な自分、ダメな自分と向き合い続けざるを得ない場所。
※「その子にとって」です。学校が悪いわけじゃない。
さらに、
無自覚であり、軌道修正できない。
からなんじゃないかなーと思った。
じゃあ結局、「とりあえずゆっくり休ませてやって」となる。
家を安全基地にして、とりあえずダメな自分と向き合う必要をなくす。
エネルギーが回復してから、ゆっくり、少しずつ、現実と折り合いをつければよい。
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いつも有難うございます。
わかります!!
私も白か黒じゃなきゃダメな人なのねと18歳くらいに先生に言われました。
今思うとアホなことにエネルギーを使っていたなと💦
専門学校の3年生で不登校からの退学を得て、今は
グレー、ダークグレーなんて適当にできてます。
悩まなくなって、病んでいる友人達から私と話すと暫く元気でいられると言われるようになりました(^^)
もっときっと強く楽しく生きれるように、なる気がします!!
五月雨登校。月曜日はほぼ休みます。
腹痛や頭痛の為に休むのですが、月曜日は行けないのだから行かなくて良い。だから給食は月曜日だけ止めよう。と言うと拒否します。
コロナの関係で欠席連絡すると体調は大丈夫ですか?って根掘り聞かれる事になるし・・・
本人にも母にも休むって決まっていた楽なのに・・・
(支援コの先生がたまたま電話に出た時は月曜日腹痛なので。で通じました(笑))
太っている息子の体を心配してだと思いますが、給食をおかわりしようとしたら、あまり動いてないから駄目と言われたそうです。
お腹空かして帰るから、帰宅直後からセリフは毎日お腹空いたぁ~。
我慢させれば癇癪起こして地獄絵図。
間食して太る悪循環。
太ってるから給食のおかわりはやめるべきだ!!は勘弁して欲しい。
(欠席多くて給食はいっぱい余っています。)
我が子も融通がきかない。も~、何言っても『でも、だって…。』
しかし、私もそうだったな~って。大人になりいろいろ経験して、経験値増やしていろんな考え方ができるようになったんだな~って。
とりあえず、家で楽しそうに友達とオンラインゲームして、笑い声が聞こえて…。
時々イラッとしますが(親がこんなに心配してるのにって)、まあよしとしないとですね!
学校の先生が臨機応変が出来なくて頭が固いなと感じています。
フリースクールのスタッフさんは真逆でした。ここでは快適です。
子どもって「べき」にとらわれてますよね。
双子の息子達は運動神経が良くなくて、
足もめちゃくちゃ遅かったのですが、
運動靴の『瞬足』を履いたら速くなるって信じ込んでいました。
それで買って履いたのですが・・・。
そうやって現実を知りながら、
自分なりのあり方を見つけていくしかないですよね(^。^)
(息子達は18歳になりました。
高2の3月で2人とも高校を退学し、
1人はフリーター、もう1人は春から通信大学で勉強するそうです(^ω^))
不安って生まれつきなんですね。
私自身不安になりやすくてみんなは同じ事があっても切り替えてるのにできないダメ人間だな、、って凹んでましたが、生まれつきって言われたらなんだか安心できました!
最近学校に復帰した小5の娘も不登校、保健室登校を経て少しづつ元気になったからか同じ嫌な事があってもだいぶ耐えれるようになりました。
なみなみの状態だと何しても過敏に反応してたけど、復帰した今は少しの事なら耐えるようになったので、まずは元気になったら変わりますね。
元気があればなんでもできる!って本当そうだなーって思いました
いつもありがたく拝読させていただいております!
今回のお話、すごく腑に落ちた!
主婦目線の家事で例えていただき、すごい納得。
そりゃ学校辛いわな。
以前不登校で去年小6の時に復活した娘がいますが、ホント、今まさにこんな感じです。
行きたくないけど、行かないとダメだから。
行きたいけど、行きたく無いの。
そんな事ばかり言いながらなんとか登校を続けています。
中学には行けるのか?と今からハラハラですが、本人も体の調子が悪くなるまでは行くと頑張ってます。
子供って頭、固いですよね(。-_-。)
ウチの子だけだと思っていたら皆んなもそうなのですね。
とても勉強になりました。
ありがとうございました。
初めまして。いつも先生のブログ拝読しています!このような状態の場合もちろん休まないよりは一旦お家で休息をとることがいいのかなとは思うのですが、休息後また学校に登校しだしたときに、果たして折り合いがつけられるようになるのかな?と思いました。
深掘りありがとうございます!
私自身、昔から感受性が強い方だったようで、
登校して忘れ物に気付いたらもうブルーでブルーでした。
で、忘れ物しようが宿題してなかろうが、いつも怒られても平気な様子のクラスメイトを見ると、
理解不能ながら羨ましくてしかたなかったです。
でも、そこで「あの子と私は違うから」とは考えられてなかったです。
自分の感覚と違う感覚を、想像してみるという発想もなかった。
子供は融通がきかないです。
自分がそうだったから、小一の娘が学校に関して
「〇〇は⬜︎⬜︎じゃなきゃダメなの!」
的な発言をした時は
私が解き放ってやる出番だと思ってます。
なるべくシレーっとした感じで助言すると娘も力が抜けるようです。
自分の苦い経験も役に立ちますね