昨日、不登校の成り立ちについて説明した。
不登校は生まれ持った気質によるもので、育て方ではない、と。
「でも、親が甘やかすから不登校になる可能性ってない?
もしくは虐待家庭で歪んで育ち、学校に適応できないとか。」
それもないだろう。
今日は、なぜ育て方では不登校を起こさないのか。
むしろ育て方で子供を不登校にするのってとても難しいと思うのだが、その話。
親が甘いとき
まずは甘やかすとどうなるか? について。
親がめっっっちゃ甘やかしまくる。
なんでも買うし、なんでも許す。
「めんどくさ〜い」と学校に行かないことも許容する場合。
子供はそのまま不登校になるか?
まずならない。
なぜって、不登校はとっても大変だから。
みんなが学校に行っている時間、自分だけ自宅で超ハッピー! とか、まずない。
ゲーム三昧で楽しいのは最初の数日だけ。
以降は絶対につらい。
みんなと一緒に学校へ行った方が絶対的にラク。
はて、みんなが学校で勉強をしている今、自分は何をしているのだろう……?
そしてこのまま不登校を続けたら、自分の人生どうなる……?
「めんどい」なんて軽い理由では不登校にならない。
家にずっといてもつまんないし。
親より友達を求める年頃だ。
不登校の子たちは、それでもどうしても学校に行けない理由があるから不登校やってるわけで。
学校に行けない自分を責めて、世間の目を気にして、将来を悲観して。
この状態に耐えられず、ネットやゲームに逃げて。
現実から目をそらし、そんな自分に自己嫌悪して……。
こんなの辛いに決まっている。
絶対的に大変。
全然楽しくない。
だったら多少のトラブルがありつつもみんなと一緒に学校に行く方が、よっぽどラクだ。
ゆえに、甘やかしたからって不登校になるとは考えられない。
甘やかして不登校になるなら、やっぱりベースにASDかHSCを抱えていると思う。
ASDは学校に興味がないし、HSCは自宅を安全基地にしたいのが理由だろう。
甘やかされまくったせいで後にトラブルを起こし僕の外来に来た患者さんは、今のところいない。
機能不全家庭
では、虐待など機能不全家庭の場合はどうだろうか。
これも不登校にはならないと思う。
こんな子は、『不良』もしくは『隠キャ』になりそうだ。
機能不全家庭では、自宅に居場所がない。
虐待があればなおさら。
学校の方が安心・安全だ。
コミュニケーションに問題のない子なら、虐待する親より、話の通じる友達と過ごすほうがはるかに居心地がよい。
家に居場所がないなら、学校に居場所を求めるのが道理だ。
で。
学校が居場所になるんだけど。
なんとか居場所を確保しようと、虚勢を張って強がると『不良』になる。
周囲を威嚇し、自分の力を誇示することで、居場所を作る。
家で無視されるくらいなら、学校で怒られるほうがずっといい。
不良仲間の中にいれば孤独を感じなくて済むし。
学校に居場所を求めるが自分を出せないタイプは、『隠キャ』となる。
親に認められた経験がないので、とにかく自信がない。
自己肯定感めっちゃ低い。
自信がないので自己主張できず、人に合わせる。
変なことを言ってみんなから嫌われるのは絶対に避けたい。
学校で居場所がなくなることが、一番怖い。
なのでノーと言えず、人に合わせ過ぎる『過適応』と呼ばれる状態になる。
失敗しないように、誰の機嫌も損ねないように……。
家という安全基地がないので、学校では絶対に失敗できない。
そう思えば思うほど焦り、挙動不審に。
普段目立たず、話しかけるとキョドる。
立派な『隠キャ』の完成だ。
このどちらかが機能不全家庭のゆく末だと思う。
実際僕の外来でも、機能不全家庭の子は学校へ行っている。
這いつくばってでもなんとか登校を続けようとする。
不登校になったら終わり。
家という地獄から逃げられなくなってしまう。
そんな気概を感じる。
そして早々に自立しようとする。
親から独立して自分の人生を歩もうとするのだけど、うまくいかないことが多い。
見ていて人生ハードモードだなって思う。
いかがだろうか。
育て方で子供を不登校にするのは、無理があると思うのだが。
じゃあ逆に、親が子供を不登校に誘導する方法ってあるのか、めっちゃ考えた。
めっちゃ考えた。(2回言った)
でも、難しいんですよ。
学校がしんどくない子なら、行けって言っても行くし、行くなって言っても行くし。
何も言わなくても勝手に行くだろうし。
家庭環境をめっちゃ悪くしても(両親ケンカしまくるとか)、家から逃げて学校に行くし、
家庭環境を良くしても『暇』になって学校に行く。
めっっっちゃ考えたけど、無理だった。
めっっっちゃ考えた。(2回言った)
でも、どうしようもなかった!
僕には名案が浮かばないので、誰か知ってる人がいたら教えてください。
「うちはこうやって我が子を不登校にしました!」って。
います?
「まずこの方法で五月雨登校に導き、最後はコレでトドメを刺しました!」とか。
ある?
そんなことってある?
学校がしんどくない子は、どうしたって学校に行く。
『合わない』子は不登校になる。
つまり、持って生まれた気質だと思う。
持って生まれた気質は変えられないので、その子に合った子育てをするしかない。
なので、これで異論なければ、
「アンタどうやって子供を不登校にするのさできるもんならやってみなさいよバーカバーカ」
でファイナルアンサーとさせていただきたい。
はじめまして。
親の過干渉が原因で、不登校になる可能性はありませんか。
自分でできるようなことも、やってあげてしまったり、「こうした方がいい」と、口出しや心配が多かったり。
そのせいで、自分1人では何も出来ない子になってしまい、助けてくれる誰か(ママ)がいないと不安で学校に行けない、、、と、なることはないでしょうか。
私の息子は、現在小学2年生で、とても傷つきやすく、感覚過敏もあるため、おそらくHSCです。
(小児科に通って、LDやADHDの検査をしてもらいましたが、今のところ、該当はしておらず、ASDとも言われていません。WISCでは、ワーキングメモリが低めでした。)
2年生から担任の先生がかわり、「先生がこわいから学校に行きたくない」と言うようになり、付き添い登校を始めました。
担任の先生は、機嫌が良い日は、いい先生なのですが、機嫌が悪い日は、別人のように恐い先生になります。
朝からぶすっとして口調がきつく、自分のミスを子供達のせいにして怒鳴ったり、問題を解き間違えた子に、「どうしてこんな簡単な問題も解けないの?間違えたのはこのクラスであなただけだよ?ねぇどうして?」と、クラスメイト全員の前で問い詰めたり、体調が悪いから保健室に行きたいと言ったこ子、「なんで頑張れないんだ、おかしいだろ」と言って泣かせたり。
月の3分の1は、機嫌が悪いです。
機嫌がいい日は、笑顔で楽しい先生です。
5ヶ月ほど付き添い登校を続けて、私も担任の先生への不満が募り、こんな先生なら行かない方がいいと思うようになりました。また、私自身も、「明日は先生の機嫌悪くないかな」と、夜も眠れないほど不安を抱えるようになりました。息子も行きたくないと言っているし、今月から学校へは行かせていません。
それまでは、なんとか登校できていたのに、私が限界に達したせいで、完全に不登校になりました。
私がもっと、機嫌が悪い人へのうまい対処法を教えてあげられれば、今も学校に行けていたかもしれません。
長文な上、下手な文章で申し訳ありません。
お返事いただけたら嬉しいです。