昨今のコロナ流行で、大人の働き方が大きく変わった。
近年の働き方改革が大きく前進したのは間違いないだろう。
社会の流れは、効率重視に大きく傾いている。
旧態然とした体育会系の働き方は、淘汰されていくことだろう。
発達障害や発達凸凹がある子にとって、非常に有利な時代だと、僕は思っている。
今日はこれから社会に出て行く、発達障害や発達凸凹の子たちの仕事戦略について。
僕の受験の頃なので20年近く前になるが、成績優秀な高校生は、東大より医学部を狙うようになっていた。
東大を出ても、有名企業に就職しても、倒産やリストラにあうかもしれない。
だったら医師免許を取って手に職をつけたほうが食いっぱぐれない。
本来なら東大や慶応、早稲田なんかを受験していたはずの層が医学部に流入し、医学部の偏差値と倍率がグングン上がっていたのを覚えている。
20年前でこうだ。
今はもっと学歴や大企業信仰は薄れていることと思う。
優秀な学生は、大学へ行かずに起業して社長になることもあると聞く。
その方が効率がいいから、と。
いい大学から有名企業へ、そしていい車といい時計、のような価値観は、もう古い。
やりたいことを効率的に行い、余暇はプライベートを充実させるのが今の『イケてる』価値観だ。
この時代の流れ、当分止まらないと思っている。
時代遅れで有名な医療の世界にも、働き方改革の波が押し寄せている。
僕の病院でも32時間勤務が禁止になった。
マックス24時間に。それでもどうかと思うけど。
一般企業はなおさらだろう。
これについていけない大人が結構いることに気づく。
昭和の価値観を、今の子供に押し付けている様子を目にする。
先日40代の知人(未就学児の父親)と話していた。
子どもにいつ頃スマホを与えるかという話になり、「スマホ? 子どもには持たせないよ」と。
理由を問うと、
「だって俺が子どものときスマホ持ってなかったもん!」
と。
いやいやいやいやいやいやいやいや。
アンタの時代はスマホないでしょう。
ポケベル止まりや。
今は学校の事務連絡もLINEで行う時代。
連絡網なんてもうないのだ。
教育方針として、信念を持ってスマホを持たせないなら家庭の考えで良いと思うが、「自分は使わなかった」という理由のみで子供に踏襲させるのはどうかと思う。
時代は流れている。それもすごいスピードで。
ここまでひどくなくても、似たような感じで子供の教育方針を決定する親御さんがいるようだ。
みんなと同じに、はみ出さず、全教科の成績を平均的に、いい大学からいい企業へ。
自分の時代はそれが勝ちパターンだったから……。
実にもったいない。
『普通じゃない』ことが武器になる時代なのに。
みんなと同じことは、AIに取って代わられる。
その人にしか出来ないことを求められる時代だ。
満員電車で出社し、長時間労働をすれば評価される時代は終わったのだ。
いかに短期間で効率よく、他にないサービスを提供できるかが問われる時代。
発達の凸凹はむしろ『有利』だと思うのだ。
得意な分野で大きな成果が得られる時代。
苦手なことは、分業やAIが担うだろう。
会社に忠誠を誓う必要はない。
それより「君は何ができるの?」が求められる。
もう、『ちょっと変わった子』の独壇場だ。
発達障害やHSCは強い。
だからこそ、子どもの頃からその子の個性を伸ばしてあげるのがよいと思っている。
平均的になんでもできる子より、ずば抜けたもののある子。
社会で必要とされるのは、なんらかの特技のある子だと思う。
自閉スペクトラムやHSCの子は、好きなことに没頭してもらって良い。
開発・研究の仕事や、職人の技術なんかは、AIにはとって代われない。
気持ちに寄り添う仕事もAIには無理だろう。
あちこちにアンテナを張って、社会の流れをいち早く察知できる子も強い。
IT化の波は止まらない。
需要を素早く察知し、新たな事業を開拓する力。
ADHDの独壇場では?
この子は何が好き?
何が得意?
じっくり見てあげてほしい。
苦手な科目は苦手のまま放置して良い。
必要になればそのうちやる。
それよりその子の興味や知的好奇心を尊重すること。
自己肯定感を高めること。
大人になる頃には誰にも真似できない大きな花を咲かせることと思う。
いい時代になったものだ。