発達障害

内申点が取れない……!

僕は物思いに耽っていた。

 

先日、一日フリーの日があって。

時間を持て余すと大抵、どうでもいいことを考える。

どうしても気になる事案にぶちあたってしまったのである。

 

 

東京都の県庁所在地って、新宿じゃないの……?

 

 

一般に、東京の県庁所在地といえば「東京」である。

診察室で、子どもがそう言っていた。

学校で習ったのだろう。

得意気にクイズを出題してきた。

 

男の子
男の子
東京の県庁所在地はどこでしょう!

 

男の子
男の子
正解は、『東京』でしたっ!

 

ランドセルから社会科の地図帳が飛び出している。

 

うむ。

よく勉強しているようで素晴らしい。

 

 

その時は、特になんとも思わなかったのだが。

後日暇な時間に思い浮かんでしまったのだ。

 

 

よく考えたら、都庁って、新宿やん。

 

 

「県庁」所在地だよな。

東京都の場合、「都庁」所在地と解釈してよさそうだ。

きっと北海道は北海「道庁」、京都府は京都「府庁」だ。

じゃあ、東京は「都庁」ではないか。

 

……都庁、西新宿じゃん。

 

いや、まさか、アレは都庁ではないのか。

東京駅近辺にそれらしき建物があるのだろうか。

 

都知事は、一体どこにいるのだろう。

「翔んで埼玉」では、例のツインタワーに都知事(中尾彬)がいた。

じゃあ、アレが「都庁」じゃん!

 

 

気になったらさっさと調べれば良いのに、重い腰が上がらず。

無駄に逡巡し、モヤモヤと不穏なまま休日を潰したのである。

世界一不毛な休日の過ごし方だ。

 

そう、あの「学校で習った事項をすぐにクイズで出題小学生」が、全て悪いのだ。

 

発達特性と成績

前置きが非常に長くなった。

ここからが本題。

発達特性と学業成績の話。

 

 

一般に、発達特性があると、成績が取りづらい傾向にある。

中でも、内申点が取りづらい。

 

テストの点はそれなりに取れても、内申点が振るわない。

かく言う僕も中学生の頃、テストの点数は良好、なのに成績『2』という思い出がある。

提出物、出してないからだって。

確かに全然出していなかったので、まぁ妥当なのだが。

 

 

発達特性のある子は一般に、成績が取りづらい。

特に、内申点がやっかいだ。

「意欲」「態度」「努力」「姿勢」など、なんだかフワッとしたものが評価されるからだ。

 

意欲や態度なんて、どう測るんだろうと思うけど。

そんなの、他人には分かりようがないじゃん。

まぁ、提出物とか授業中の印象とかなんだろうな。

 

 

言われた通りにしっかりコツコツ

そして

積極的にハキハキ

やれば、評価が上がる。

 

極論、内容を理解していなくとも、このテクを駆使すればそれなりの評価を得られちゃうのが現実で。

ちょっと不公平じゃ……? なんて思わなくもない。

コツコツもハキハキも、ぼんやりもクールも、別に単なる性格じゃん? と思わなくもないけれど。

 

まぁ意欲や態度を評価する合理的な理由も、一応は納得できる。

なので、これ以上は言わないが。

 

ADHDの場合

良いか悪いかは置いておいて。

現状、この内申システムを導入している学校は多い。

 

特に公立の中学校。

 

とりま先生受けの悪い「内申取りづらい勢」からすると、大問題だ。

内申点が、高校受験で相当の比重を占めるからである。

そして高校受験は、その後の人生におそらく影響する。

「内申とりづらい勢」は明らかに不利だ。

 

なので、そもそも公立中を避ける子がいる。

ADHDの「提出物壊滅勢」に多いだろうか。

公立は圧倒的に不利なので、中学受験で私立へ行く。

理にかなった選択だ。

 

 

ただこの提出物壊滅ADHD勢、イコール受験勉強も気が乗らない勢なのが、悩みの種だ。

ADHDに、目先の遊びを抑えて受験勉強をさせるのは、至難の業だ。

反抗的な年齢だし。

でも受験しないと中学で詰むし。

いやぁ、お疲れ様です。

 

ASDの場合

ASDも、内申が取りづらかったりする。

 

興味の偏りがある。

気の乗らないグループワークなんて、まさに鬼門だ。

「協調性」「積極性」とか、もう地獄。

 

話の流れが読めず、変な発言をしちゃう。

地雷を踏んで、萎縮する。

 

再度僕の話で恐縮だが、僕も学生時代のグループディスカッションでやらかした経験がある。

ある程度方向性が見えてきた段階で、

そもそもなんでSAHって決まったんですか?

他の疾患の可能性もあると思いまぁす。

とカマし、総スカンをくらった。

 

あぁ、またやってしまった……。

 

自覚し、以降は黙って貝になっていたのだが。

今度は、それはそれで成績がつかないときたもんだ。

グループディスカッションだからさ、発言しないと。

留年だって。

 

細心の注意を払って、可もなく、不可もない発言をする。

僕にとって最高難易度の課題だった。

卒業できて本当に良かった。

 

 

まぁこれは一つの例だが、一般論としてASDは内申点が取りづらい傾向にある。

興味の偏りがある。

やりたくないことはトコトンやりたくない。

切り替えできなかったり、こだわったり。

「フワッとこんな感じ」が苦手なので、納得できずにトラブルを起こしたり。

明らかに正しい答えのある問題は比較的得意だが(だから勉強のよくできるASDは割と多い)、フワッとしたもの、感情の入る課題は苦手だ。

 

発達のデコボコ

そもそも発達障害って、

あるところはよくできるけど別の部分は苦手(発達が遅れている)

ってことだ。

 

全般的に遅れているのは、知的障害。

発達障害は、できる部分とそうでない部分に差があるってことだ。

 

なので当然、学業課題にも出来・不出来がある。

学習でも生活面でも、

  • コッチは得意
  • コッチはてんでダメ

が存在するのが道理。

 

 

すると、どうしても成績が取りづらい。

テストの点に特化するのは比較的得意な(子も多い)印象だが、なにぶん総合点が低い。

そう、バランスが悪いのだ。

 

となると、現状の教育、特に公立の中学校が一番キツいよなーと。

総合点、平均点が求められるから。

※余談だが、不登校が一番多いのが公立中学校です。

 

苦手を自覚し作戦を練る(例:提出物をとにかく出す。終わってなくてもとにかく出す。)しかないけどさ。

まだ中学生だから。

自分を客観視するのは難しい年齢だ。

 

ここでの評価が尾を引いて、

「どうせ自分はバカだから」

と思い込んでいる発達デコボコの子ども、および現大人って、たくさんいるんだろうなぁ。

実にもったいない。

 

まとめ

 

発達デコボコの子は、内申点がとりにくい傾向にある。

※全員ではない。

 

解決策はうまいこと言えないけれど、事実として知っておくのはよいと思う。

取れる対策も出てくるだろう。

 

 

 

ちなみに、東京の県庁所在地は、公式に西新宿らしい。

調べたら、1分で解決した。

https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/about/syozaichi

 

変な部分にこだわってしまう点 (素直に「東京の県庁所在地は東京」で終われない)

そして

1分で調べられるのになかなかやらない点

↑こんなのが、内申で評価されない典型的な特性だと思う。

 

当然、当時の僕の成績は、ひどいものだった。

妥当だ。

まぁ大人になるとさほど困らないんだけどねー。

 

 

そして。

そうなると社会科のテストでは、

東京の県庁所在地は「東京」

と書くと、バツになるのだろうか。

いや逆に

東京の県庁所在地は「西新宿」

と書くとバツか。

 

新たな悩みが出現してしまった。

こういうところだと思う。

POSTED COMMENT

  1. ヒノ より:

    まさに中学受験する気満々の息子と、受験は試験半分内申半分ですよと担任に言われた親の衝撃をここでお伝え。。。
    まだ4年生でよかったここからどうにか、ムスコナントカナルヨネ???

  2. 寝る子 より:

    まさに。まさに。
    この子に内申点は取れまい。
    提出物は出せまい。授業を集中して聞くことはできまい。
    そう思って中学受験に乗り込むことにしました。
    学習障害はありません。ADHDタイプの小5です。

    でも、勿論、兄弟が遊ぶ家の中で
    1人コツコツと机に向かう、なんて
    目の前のテレビを消して勉強をする、なんて
    塾の授業を集中して聞いてくる、なんて
    しっかり板書をノートに書いて来る、なんて
    難しい問題を計算ミスせず解ききる、なんて
    そんな事出来るはずがありません。

    何度か、この子に中学受験はやはり無理だったか…
    と撤退も考えましたが
    そして、これからも何度も考えらでしょうが
    その度に、高校受験の方がもっと向いてないわ…
    と冷静になって中学受験を続けています。
    中学受験も高校受験も諦めて、
    大学受験一本に照準を絞る(その頃には障害がなりを潜めているのでは…と)って言う選択肢もあるかな、と思いましたが
    そこまでの勇気を持てませんでした。

    中学受験、あと1年半。
    頑張ります。

  3. ひめ より:

    先生、東京都の県庁所在地は東京もしくは新宿だそうですよー!
    先週、息子がまさに県庁所在地のテストがあったのですが、事前に疑問に思った息子が社会の先生に聞いてみたところ答えがこうだったそうです。
    すみません、内申の話へのコメントではなくて…

  4. ぺんぎん より:

    公立中在籍中の娘と(公立に行きたくないため)中学受験中の凸凹な子供がいます。2人を見てつくづく思うのが、

    ・公立中は「バランス良く全てに平均点を取れる」「決められた課題を期限までにこなせる」「前向きアピールができる」ことが求められる。

    ・中学受験な「年齢より早熟なタイプ、要領の良いタイプ」が圧倒的に有利。プラス長時間の学習やハードスケジュールに耐えられる体力が求められる。

    ということです。人の言われたとおりにやるのが苦手な興味偏りタイプ、年齢より幼めでとにかく疲れやすいタイプの娘たち、どっちも向いてなーーーーい。逆なら合うかといえば逆でも合わない(合わなかった)ことでしょう。これはもうそういうものだと開き直って、できたことを認めて褒めて、この時期を乗り切るしかないですね。大人になったら気にならない、自分たちに合う場所が必ずある。今の内申、成績より、なんだかんだ楽しく生きていける力がつくことを目標にしたいです。

  5. けろっぴ より:

    内申とれない。中学受験も気が乗らない。
    当てはまりすぎて、吹き出しました!

    IQ高めだけど凸凹あり。テストではADHDのケアレスミス発動で点とれず。
    得意な面もあるだけに「やればできるんだから」とつい口うるさくしてしまい、家庭の空気も悪く一方です。
    親の私が焦ったところで仕方ないとわかってはいるのですが・・。

    コメントの中に「もう子供時代も後半戦に差し掛かり、彼らの人生として応援するだけにしました。」とありました。
    ハッとしました。

    内申がとれない だから何?なんですよね。
    目先の進路より、ずっとずっと先を見ないといけませんね。

    「大人になったらさほど困らなかった」
    彼がそう言える大人になってくれるよう、私ができることは見守ることですね。

    P先生、今日もありがとうございます。

  6. すずらん より:

    先生、こんばんは!
    うちのこと、見てました?
    うちの中1のADHDの息子、今日中学に入って初めてのテスト持ち帰りました~
    数学20点!
    学習障害もあり、テスト見て「よくがんばったねー」と言ったら「他の母親ならこの点数だと怒って塾に入れられるらしいよ。」と息子談。

    好きなことならどれだけでもできるけど、嫌いなことはいくらやっても身に付かない彼。

    公立中学なので高校受験が恐ろしいですが、この辺りは私立が拾ってくれるらしいので…
    あまり焦っていないのんきな母(笑)

    しかもうちの県は受験の内申点は三年生の1、2学期の分のみなのです。

    今は日々、出席日数稼いでおります。

  7. 匿名 より:

    本当におっしゃる通りで。

    頭が良く口が達者で態度の悪いADHDの息子。
    テストの成績は抜群に良いのですが(さほど努力しなくても)提出物、忘れ物、授業態度…内申点が壊滅的でした。
    内申点頑張らないとトップ校は難しいね、と言われ続け、中3で不登校になり、今は学力的には物足りないながら嫌いな努力なしで通える高校で楽しく通学しています。
    進路指導の先生方にはもったいないと言われましたが、自慢でも何でもなく、どんなに勉強ができても違う部分でどうしてもできない事があるんですよね。
    努力やきちんとした学習態度(?)ができる才能が欠けているとどうしようもない、やればできるといくら言われてもやらない子はやらない、無理をする環境では精神的にまた追い詰められるのだろうなと思います。
    中学受験はもちろん本人が目の前の楽しみを優先し即答で拒否。公立中学に進みましたが先生のおっしゃる通り向いていなかったのだと思います。
    エリート進学コースはどうしても進めないですが、今、笑って高校生活を送れている事がまずは一番大事かなと思います。いつか本当にやりたい事がもし出てきたら、その時は本気出すのかな…?楽しく充実して生きていける道を見つけてほしいなと思います。

  8. より:

    長男は中学時代、興味がない授業はどうしても寝てしまうので内申点は諦めてました。提出物やテスト範囲も聞き間違いや勘違いが多くてもう全日制は無理となり早々に通信制にしぼり始めた矢先に不登校になりました。今はそういうストレスから解放されて、初めてのスクーリングに向けてコツコツとレポートを頑張っています。適した環境でなら、勉強できるんだなって改めて感じています。スクーリングの時期を考えながら計画的にペースを調整してるのを見ると頼もしいです。

  9. ららら より:

    娘「やってないのに提出物を出すとか、そもそもこれをやる目的はなんなの?答え写す子とかいるけど、あれだって意味ないじゃん。できてないもの出したって意味ないじゃん。勉強して自分のものにすることが目的なら、そんなやり方はおかしいじゃん。だいたい、ただ宿題出したからって、できるようになってなきゃ意味ないじゃん。だいたいそもそも、成績ってなんなのよ?どういう基準な訳?半分先生の主観みたいなもんじゃん。おかしいよ。やってられないよ。」
    息子「提出物やり始めたけど、どっか行っちゃって、見つかったんだけど、なんか、カバンの中で破れちゃってて、先生のところへ行ったら先生いなくて、次の日行こうと思ったんだけど忘れちゃって、気づいたら日にちが過ぎちゃってたから、もう出せないんだと思って捨てちゃった。破れてたし。でも、出さないとやばいっていうから、また先生のとこ行ってもらってきたんだけど、あれ?おかしいなぁ…」

    2人とも平常点もらうのは大変です。よかれと思ってあれこれ口を出したりもしましたが、もう子供時代も後半戦に差し掛かり、彼らの人生として応援するだけにしました。
    先生の話を読んでいると、子供達の未来が明るいような気持ちになります。ADHDもASDも特性を活かせば、何かに夢中になれたり、自分らしく突き詰めたり、幸せに感じられる瞬間がたくさんあるんじゃないかと。
    社会では適度に、プライベートでは濃く自分らしく生きて行ってほしいなと思います。

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