不登校

なかなか動かない不登校児に足りないケア

みなさん、受験お疲れ様でした。

僕のところにも、嬉しい声が続々と届いている。

まだこれからの人は、ぜひとも頑張ってください。

 

 

中には、ムリ目なところからの逆転合格劇もある。

しばらく動けなさそうだなーと思われた不登校の子が、受験を期に突然動いたり。

で、努力の末に相当いい学校に入ったり。

 

進路が決まると、心の荷が降りて、晴れやかな表情に。

この子はきっと、新天地で頑張って行けそうだ。

超ガンガレ!

 

 

さて。

このように動き出す子がいる一方、なかなか動かない不登校のその子もいるわけで。

 

その子、あと、何が足りない?

 

動き出す可能性予測

受験には、合否可能性予測がある。

模試でさ、A判定だと合格圏内、E判定だと無理そうだよってやつ。

あるじゃん?

あれね。

あれを参考に、受験の計画を立てるわけだけれど。

 

同様に、不登校にも動き出し予測が立てられたら便利だ。

この子はもう少しで動き出しそう、この子はかかりそう、とかって。

 

動く時期が知りたい。

動き出すなら事前の準備が必要だしさ。

本人及び周囲の心の安寧にも、めっちゃいい。

どんな状態だとあとどのくらいで動き出すか、わかる?

 

 

……うん、無理だ。

サッパリ分からねぇ。

 

 

実際、不登校の患者さんを見ていて思う。

 

予測できない。

 

正直しばらく無理と思われた子が、ある時突然フルスロットルで動き出し、急速に社会復帰することがある。

逆に、このままゆっくり社会に戻るものと思われたのに、遅々として進まないケースも。

めっちゃ順調だった子が急激に悪化することもある。

 

女の子
女の子
学校に行きます!

 

って子が全然行けず、

 

男の子
男の子
絶対ムリ……。

 

って子が翌月には復帰していたり。

 

 

診察室は、さながらドラマのようだ。

筋書きのない、どんでん返しの連続のドラマ。

山場やオチも、ないのかあるのか2個3個あるのか。

みんなまちまちで。

 

正直、予測できない。

動くも動かないも、正直よくわからない。

 

 

もちろん、ざっくりとした傾向はわかる。

 

  • 不登校になりたての子(3ヶ月以内)
  • 抑うつの強い子
  • 家族関係が悪い子

なんかは、まだムリそうだなーと思う。

 

でも、こんな状態でも動くケースもあって。

この場合、解決してないけどとにかく学校へは行くってことね。

  • エネルギーゼロだけど無理やり行くとか、
  • 抑うつの底なのに無理やり行くとか、
  • 居心地の悪い家から逃げるために行くとか。

 

↑実際は解決してないわけだけど、こんなのを「動いた」とカウントするなら、もう本気で予測できない。

いつ、どの子が動くのか。

僕には何も見えない。

何も。

 

 

模試で言うなら、全員C判定。

受かるかもしれないし、落ちるかもしれないし。

 

宝くじだと、全員小吉。

これは、いい……のか……?

 

商店街の福引だと、全員洗剤。

ティッシュよりは嬉しいけど……。

 

何の例えをしているのかよくわからなくなってきた。

 

親のサポート量と復帰確率

誰がいつ社会復帰するか。

マジでサッパリわからない。

 

予測なんて、マジで確率5割以下。

MajiでKakuritsu5割以下。

ずっと前から彼のこと好きだった。

 

 

5割以下なら、当たらない確率の方がむしろ高い。

つまり、周囲のサポート量で復帰確率を測ることはできない。

 

手厚いサポートがあれば、復帰確率が上がると思うじゃん?

そうでもなくて。

 

たくさんサポートすれば、報われる(結果につながる)と思うじゃん?

そうでもなくてさー。

 

 

サポートが多い子ほど復帰するかというと、そんなこともなくて。

順当に、サポートありきで復帰する子、サポートが得られず復帰しない子もいる。

でも、逆もいる。

 

手厚くケアされているのに動かない子

ケアなしでなんか急に動く子

もいるのだ。

正直よくわからない。

 

 

つまり、

これだけサポートしたんだから復帰するでしょう

という予測は成り立たない。

 

同時に

復帰しないってことはまだ何か足りないんだわ

という理論も成り立たない。

 

できるサポートをして、あとは本人を待つのみ。

ナントカを尽くして天命を待つ。(よく知らないことわざ無理して使わないで!)

「あとこれをすれば社会復帰します」的なものは存在しないと、僕は考えている。

 

まとめ

 

不登校児の社会復帰は、筋書きのないドラマだ。

 

盛り上がりも落ち込みもなく、平ーーー坦ーーーに数年が経過する子もいる。

めちゃくちゃに乱高下する子もいる。

どれも人生だなぁと思う。

 

何が言いたいかというと、不登校児を持つ親御さんは「まだ何か足りないんじゃないか」と焦りがちだと思いますが、そうでもないっすってこと。

 

本人をよく見て、戦略的にサポートしてください。

そこからどんなドラマが繰り広げられるかは、まったくもってよく分かりません。

POSTED COMMENT

  1. ふくちゃん より:

    久しぶりにコメントさせていただきます。

    小6の3学期に起立性調節障害になり、体を起こすのさえ気分が悪かった息子。

    息子が不登校になって、苦しかったこの2年と3ヶ月。毎日、私は、先生のブログを、タオル片手に大泣きしながら読み、そのおかげで、「たぶん大丈夫。息子は、普通の大人(おじさん)になれる、笑」と思えるようになりました。

    4月から中3です。
    今年度は、ある級外の先生のおかげで、最低週1は、別室登校することができました。
    昨日、ふと息子は、「僕、7月か9月からは、教室に通いたい。受験したいし」と言いました。

    なんてこと!

    まだまだ、勉強なんて、NO勉に近いし、ゲームかYou Tubeばかり見てるし、長時間の授業に耐えられるわけないけど、本人が希望するなら、がんばれ!と背中を押してあげたい。

    悲観して泣いた日のことも、
    いつか、ほんとに笑える日が来る!
    まだ、道半ばだけど、息子を信じたい。

    やっと、、、
    やっとです。。

    ここまで来るまで辛かった。

    長かった。
    でも、必要な時間だったんだと思います。

    また立ち止まるかもしれません。
    いや、止まるはず(笑)
    でも、焦らず息子を応援してあげたいと思います。

    (面識はございませんが、失礼します)
    雨さんのお子さんが通信制に入学されるとのこと、おめでとうございます。とまとさんのお子さんが登校再開されたとのこと。すごいっ!
    こちらまで元気をもらえます😊

    P先生、いつも、親に優しい言葉をかけてくださりありがとうございます。そして、このコメント欄の存在も有り難いです。

  2. より:

    全員洗剤があとからジワジワきてヤバかったです、何その発想、結構なパワーワード、じわる。笑

    うちの娘を見てるとお外はお腹いっぱいになっちゃったんだなーと思います。そして学校で食あたり(;´Д`)今は家を楽しみきってお腹がすいたら食べたい部分を食べだすと予想してます。
    昨日はジェットコースターを食べたくなったようで、昼過ぎ急に「今ならジェットコースター乗れる気がする!行きたい!今!いーま!」とか言うので遊園地に行き、3種類乗って「乗れるけど好きって程じゃなかった」となんだかんだ閉園まで楽しんでました。(なんで平日じゃなく春休み入ったばかりの土曜日なんだよ!とか思わずにはいられない。笑)
    以前は私に何かあっても外で楽しくやっていけるようにって気負いすぎてたなーと反省しました。
    親が焦るとろくな事ねぇ!と勉強になりました、色々結構大丈夫(´ー`)

    今まで不登校の記事とhscの記事ばかり読んでいたけど、ジャンル問わずP先生の過去の記事読んでいたら、数か月間自分が色々考えた結果辿り着いた内容とほぼ同じ内容が既に書かれてたりで、答えここにあったやん…てなりました。P先生すごいなぁ、どこかのタイミングでここまで考え抜いてたんですね(´・ω・`)
    まだまだ自分なりの答えを見つけてまとめるために張り付かせて頂きます(*´∀`*)ノ

  3. しろ より:

    毎日読んで励まされてます。

    このお話とは変わりますが、4月から小学生の娘の音声チック症が悪化しており、毎日どうして良いのか…胃が痛くなります。
    元々チックは有りましたが、今回は3ヶ月と長く、症状も重く続いてます。

    小児科に行っても様子見を続け、最近漢方薬を飲ませましたが効果は有りません。
    そろそろ小児神経科の紹介状を貰おうと思ってますが、数ヶ月待ちらしいです。

    とても繊細な性格で、良く周りをみる慎重派です。気を遣うHSCの様な気がします。
    療育でも眼を合わせるのが苦手等、特性は有ると言われてます。
    チックは10%から20%存在すると聞きますが、殆ど見掛けた事は有りませんし、他の先生もあまり詳しく有りませんでした。

    チック症に対して何か見解が有りましたら教えて頂けると嬉しいです。

  4. とまと より:

    こちらの記事にとても共感と納得です。

    義務教育のほぼ半分の年数が不登校の子どもがいます。中3の夏休み後から登校再開しました。「思い立って」行くことにしたそうです。
    動けない状態が長く続いていたけど、その間あれこれと情報を提示してくれてありがとうと子どもから言われました。
    親は見守りながら、居場所や塾や高校の情報を調べておきタイミングをみて子に伝えていました。
    ナントカを尽くしてナントカを待った感じでした。

  5. のん より:

    年度末のこのタイミングでこのブログの投稿!
    P先生、マジ神!!!と叫んじゃいました。
    斜線通知表に心折れかけた不登校親に、束の間の癒しとクスッと笑いを本当にありがとうございますm(_ _)m

    小5の娘は完全不登校&ノー勉まる1年。まだ学校への拒否感も強く、このまま小学校に復帰することなく卒業かな?と覚悟する日々。
    家ではいい顔して笑ってることが多くなったし、先日の家族旅行も楽しめたので、エネルギーは溜まりつつあるはずと感じています。今後どうなるか全く分からないけれど、今回のブログを拝見して娘自身のドラマ展開を親も楽しもうと思えました。いつも本当にありがとうございます。

  6. オクシ より:

    家で元気に不登校中の息子。
    2年になります。
    食欲が減った事もありますが、常に会話もあり、普通の思春期よりは素直そう。

    不登校の時に言われるエネルギーって、自分がやりたくない事を頑張れる力だと思うのですが、それってどうやったら溜まりますか?
    トライ&エラーを繰り返し、自分に自信を付ける?
    出来る事でコツコツ自信をつけても、やりたくない事にはトライしない。
    やりたくない事にトライするエネルギーがまだない?エネルギーどうやって溜める?なんか無限ループの様な気がして。
    見守るだけでは動かない。かと言って無理強いも出来ない。自ら動かない息子に本当にお手上げです。

    雷にでも打たれない限り、特性あるだろうなの息子が「頑張る事」を乗り越える日は来ないのでは。と思います。

  7. より:

    今日のコメントも読んで元気になりました。私教員してますが不登校の数、ハンパないです。
     うちの子も不登校になり、今年春から通信制に行きます。
     本当に不安定な子がたくさんいます。ところが仕事の量が年々増えており、教員もへとへと子供たちもやることがたくさん。
     減らしたいけど減らそうと言おうものなら仕事したくない人になります。
     学校で勉強するなら授業の時間を大事にして家庭学習はそんなにいらないんじゃないか、テストの数を増やしたからすぐ成績が上がらないよなあと思います。自分は自分とわりきりたいと思うのですが難しいですね。

  8. らむね より:

    P先生でもわからないのか、、、!!
    なんだかホッとしました。

    親が未熟だからわからない、じゃないなら
    できることを出来る範囲でやるしかないですもんね。

    長い目で見て、支援していこうと思います。

  9. よよよ より:

    兄弟2人が引きこもり状態です。

    でも、弟は盛り上がりも落ち込みもなく、
    平ーーー坦ーーーに数年が経過する子。
    兄はめちゃくちゃに乱高下する子。

    疲れてます。

    先生、どうか「本人をよく見て、戦略的にサポートする」ってどういうことか、教えてください。

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