前回の話から。
これは、完全に僕の私見。
異論は認める。
なので、意見が合わないと思ったらそっ閉じしてください。
9月から始まる新仮面ライダーの予習でもしててください。
女子のASDはわかりづらい
前回書いた通り、女子のASDは分かりづらい。
コミュニケーションが上手だからだ。
なので、同じASDでも男女で主訴が異なってくる。
男子が「友達もいないし学校つまんない」なら、
女子は「友達はいるけど学校がしんどい」だ。
女子のASDは、それなりに友達付き合いができる印象。
完全に孤立する子ももちろんいるけど、なんとなーくグループに属している子も多い。
でも、中心人物にはなれなくて。
必死に空気を読み、愛想笑いを貼り付け、ぐったり疲れている印象。
こんなに頑張ってるのに、なんかちょっと浮いちゃってる自覚もあるし。
なんとなーくうまくいかない。
そんな訴えを聞く。
ASDのこの子は、思春期女子のツーカーの会話にはうまく入れない。
どうしてもあぶれてしまうようだ。
そして、浮いちゃってる自分を自覚し、必死で合わせようとする。
こだわりを封印し、相槌も打って、グループで流行っているものは自分もやってみる。
……のだけど。
でも、どーーーーーしてもきれいに溶け込むまでには至らず。
ASDだからね。
頑張って頑張って、力尽きてODや不登校を発症し、病院に来る子も少なくない。
ASD? HSC?
でね。
この子が受診すると、主訴はこうだ。
これさ。
ぱっと見、HSCと区別がつかなくね?
ASDとHSCは、大変似通った主訴で受診することが少なくない。
本人に聞くと、訴えが全く同じ。
そう、一見区別がつかないのだ。
言ってること同じなんだもん。
こんな子をたくさん見る僕の視点だけど。
このような訴えをする子の中に、「いかにもASDっぽい子」から、「この子はHSCでしょって子」まで、グラデーション状に広がっているように思う。
何度か書いているが、ASDとHSCの見分けは、僕にはとても難しい。
一応、気遣いの方向性が合っているか否かを僕は見ているのだけれど。
これは……ギリギリセーフ?
いやアウトか?
ってケースにも遭遇する。
的確な気遣いか、気遣いの暴投か、判断に迷うケース。
ASDはベース空気が読めないんだけど、すげー頑張ってそれなりの気遣いをすることがある。(特に女子)
HSCは、空気を読みすぎるあまりわけわからん気遣いとなって表出されることもある。
ちょっとズレてて、「天然」「フワフワしてる」なんて形容されるのはどちらも一緒。
ASDは、やっぱりちょっとズレてるし。
HSCは、ある点を過剰に気にするあまり、他にお留守になる点が出てくるから。
そう。
HSCって周囲をよく見て深く考えるんだけど、そうなるとどうしても他に見落とす部分が出てくるのだ。
人間、扱える情報量には限りがある。
経験の浅い子どもは特に。
あまりにも大量の情報は、さばききれない。
「あれ? そこはそんなに気にするのに、ここはお留守?」ってなる。
これと、ASDの興味の偏りとが、非常に見分けづらい。
女子のASDとHSC
男子は、比較的わかりやすい。
ASDか、HSCか。
やっぱり、ASDはコミュニケーションがヘタだし、こだわりも強い。
でも女子は、わかりづらい。
コミュニケーションが比較的上手で、こだわりもうまく隠すから。
外来ではいつも「どっちだろう?」と思いながら目の前の子を見ている。
エピソードはHSCっぽいけど、目の前のこの子はASDっぽいなぁとか、ぶっちゃけある。
めっちゃ気を使って空気を読みまくるエピソードはあるけど、目の前のこの子は一方的だなぁ、と。
エピソードが、親御さんの深読みのしすぎ?
それとも病院(自分の症状を相談する場所)ではあえて一方的に喋ってる?
その逆もある。
エピソードはASD的だけど、今のこの子はめっちゃHSCやん! と。
非常に難しい。
やっぱり、僕にはよく分からない。
HSCでもASDでも、レッテルにとらわれず、そのままのその子を見て!
がファイナルアンサーで変わらないのは、そうなんだけどさ。
特に女子は、コミュニケーションが上手な分、HSCとASDの区別がつきづらいなぁと思う。
区別する必要はないのかもしれないけど。
でも、女子には女子なりの大変さがあるよなぁと、おっさんである僕は思う。
ちなみに新ライダーは、白いキツネと緑のタヌキだって。
僕は赤いキツネ派。
高3ASD娘の母です。
娘のために良かれと思うことを色々とトライしては空回りしながらも、あと数ヶ月で成人というところまで来てしまいました。
先生のブログは娘を理解するためにとても助けになっています。
中3の時に、恐らく30代の若い児童精神科の医師にASDと診断されて、親がそれを受け入れて動き出すまでに随分時間がかかりました。
成人になったからと言って全てが解決するわけではなく、この先もいつ自立できるのか想像もつきませんが、この夏休みに一つ進歩がありました。
娘が自分からアルバイトがしたいと言い出し、娘にしたらかなり頑張って面接を受け、責任感を持って仕事に行くことができたのです。
受験生なのに全くピントが外れていますが、娘が社会に受け入れてもらえたことが嬉しかったです。
勉強は本人が必要性を感じた時にやれば良いと思えるようになりました。