コメントをいただいた。
ところで、先生は以前からこのブログで不登校は本人の特性であり親のせいではないとおっしゃっていましたが、特性だけではなく親が子供を支配(コントロール、または依存)していることが不登校に関係しているというケースはないでしょうか?
ありがとうございます。
これなー。
以前から考えているのだけれど。
文科省の不登校理由の調査でも、いっつも出てくるねん。
「親子関係の問題」って。
結論から言うと、僕はやっぱりそのようなケースはお目にかからないんだ。
親子関係からの不登校
僕は、不登校の原因は「その子」にあると考える。
「学校が合わない子」だった。
それだけ。
誰も悪くない。
「もともと学校が合わない子」を親が上手にケアし、結果不登校に至らず、ってケースはあると思う。(もしかして全親にこれを期待してる?) (そりゃムリだ)
でも子どもに合わない特性は無いのに、親の関わり方で不登校にしたのだろうなーというケースを、僕は見たことがないのです。
僕がそういう目で見てないだけで、実際はあるのかもしれないけど。
逆に聞きたいんだけど、親がどんな関わり方をすると、子どもが不登校になるんだろう。
僕は理屈から入るタチで。
納得できる理屈があれば、今後はぜひそういう目で見たいと思っているんだけど。
親御さんが学校に行かせたくない派なら、理解できるんだよ。
家で兄弟の面倒をみなさい!
確かに、これは不登校につながる。
子どもは、どんな親でも大好き。
期待に応えたいと思っている。
親が行くなと言うのなら、自分を殺して「行かない」という選択をする子も多いだろう。
でも、こんなケースは見たことがない。
親御さんはすべからく、学校には行ってほしいと思っている。(もしくは思っていた。不登校になる前から不登校を推奨していた人ってたことない。)
親御さんは行って欲しいんだから、不登校は親の意に反している。
親は行って欲しい、でも子どもは行かない(行けない)。
不一致があるわけ。
これが前提ってとこまではいいですか?
親子関係からの不登校:シミュレーション
でね。
親は学校に行って欲しい、でも子どもは行かない。
この状態につながる、親の接し方。
どんなケースが考えられる?
シミュレーションしてみる。
僕はそのような状況が思いつかないので、質問で例示された
- 支配(コントロールできてる)
- 支配(コントロールできてない)
- 依存
の3パターンについて考えてみようと思う。
① 子どもを支配した場合(コントロールできていたとき)
親が過干渉で、高圧的。
もしくは弱者ぶって罪悪感を人質にとり、結局子どもをコントロールする。
そんな感じ?
これな。
子ども、めっちゃつらい。
最近毒親に関する本を何冊か読んだんだけど、こんな感じだと、子どもはひどいことをされても言われても、
「自分のために言ってくれている」
「自分が悪いから親が怒るんだ」
と解釈するらしい。
毒親認定しにくいらしい。
しんどいなー。
自己肯定感は下がりまくるし、トラブルは起きまくるだろう。
トラブルは、人を傷つけるタイプのものも、自分を傷つけるタイプのものもある。
で。
過干渉でコントロールされて育った子が、不登校になるケースなんだけど。
これ、やっぱり僕は思いつかないんだよ。
ベースは「ダメな自分」と「導いてくれる親」の関係性なわけじゃん?
そして親は「学校に行きなさい」と言っている。
多分、子どもは行く。
支配されてるんだもん、親の意見を受け入れるだろう。
しかも、かなりの無理をしてでも行くと思われる。
行けなくなるのは、「本っっっっっ当にムリな時」だ。
ただでさえダメな自分が、親の進言に背いて不登校になる。
本当、マジで、心から、どうしようもなく、クソな、救いようのない自分ってことだ。
そのくらい思い詰めたときに、不登校になるのだろう。
そうならないために、限界まで頑張る。
それでも不登校になったってことは、やっぱりどーーーーーしてもムリな理由が、その子の中にあったのだと思う。
② 子どもを支配した場合(コントロールできていなかったとき)
次に、親が支配的に接したが、子どもがそれに反発したケースを考える。
過干渉で支配的な親。
「ウゼーなクソが」
と思ったとする。
親の言うことなんて聞くもんか。
むしろ意地でも背いてやる。
このケース。
たとえ親でも、変なことを主張していたら反発する子だって当然いる。
でも、これも不登校にはならないだろう。
親からは離れると思うが。
不登校って、ずっと家にいるってことだ。
嫌いな親と顔を合わせる時間が、ぐぐっと増える。
だったら、学校に行って友達と過ごすほうがずっと良い。
もともと「学校が合わない特性」を持たない子だ。
学校の方が、ずっとずっと居心地がよいに決まっている。
不登校で家にいるより、学校を選ぶのが自然だ。
不登校で理解できるケースとしては、「引きこもり」だ。
不登校を通り越して、親とも顔を合わせない。
部屋から出ない。
人とは一切会わない、接しない。
これなら理解できる。
親の過干渉で自己肯定感がめっちゃ下がっており、かつ親には断固反発したい。
この場合、「引きこもり」は選択肢となる。
「お前の子育て失敗だったぞ」
「お前が人ひとりの人生を台無しにしたぞ」
と見せつける意味で。
ただねー。
こういうケース、僕は聞かないのよ。
不登校と引きこもりは異なる。
結構、全然違うと思う。(僕が見てるのは小中学生がメインです)
世の中的には混同されがちなんだろうけど。
いわゆる不登校児って、親や家族と接している。
むしろ家では普通に過ごしているケースが多い。
一緒にテレビを見たりご飯を食べたり、ダベったり。
平均的な不登校児は、平均的な不登校じゃない子と比較して、親と接する時間がずっと長いだろう。
特に小中学生では、「引きこもる」ってあまり現実的じゃないように思う。
大人は可能だろうけどね。
ついでに言うと、高校生以上になると、「非行」という選択肢がある。
親はキライだから家にいたくない。
だもんで、引きこもるんじゃなくて、夜の街に出ていく。
親と距離を取るという意味では一緒。
悪い仲間とつるんで、そこに居場所をつくる。
そのためには空気を読んで不登校しないと、仲間外れにされちゃう!
こんなケースはありそうだ。
しかしこれは、家を拠点とした「いわゆる不登校」とは別の問題だろう。
不登校より非行の問題だね。
そして、小中学生ではほとんど見かけない。
もっと大きくなってから、自分でお金の工面ができるようになってからだと思う。
次回予告
長くなったので分けます。
次回【後編】で、親子関係からの不登校シミュレーション③依存 のケース。
あと、不登校になった「後」の話。
中3の娘は不登校の引きこもりです。
そこで分かったこと。
不登校はただのきっかけだった。
ベースは自己否定の強さかなと。
そして誰にも自分は必要にされていない。
親ですらも・・・
だから孤独を選ぶしかない。
だってみんな敵だから。
親も敵。
自分すら敵。
味方がいない。
外の世界を作るパターンもベースに親に愛されいと思っているから。
自分を認めてもらうために外でそれを探すのだろう。
親に愛してもらうことを無意識にあきらめた。
そしてしっかり依存できないままに自立へと向かった。
未熟なままに自立へ向かう。
愛されたい
認められたい
みんな必死
でも誰のせいでもない。
親だって毎日必死。
やり方が間違えていただけ。
わからなかっただけ。
だから誰のせいでもない。
そう思います。
そこに気づいたとき
ずっと背負ってきた罪悪感が手放せました(^^)
なるほど〜。
不登校親としては救われますね。
それで先生にずっとお聞きしたかった事ですが、
先生は、どうして最近の子は不登校が
多いと思われますか?
時代の変化!と言う事がよく言われますが
具体的にどう言う事なのか私にはしっくり
来ません。昔と何が違うのでしょう?
あとはやはりまた、甘やかし過ぎ論に走る人が
多いですよね。
そしてよく聞くのが、スピリチュアル的発想で
世の中が良くなるために産まれて来た子達、
と言う意見(^^;
どうなんでしょう?
P先生こんにちは^_^
なるほど〜。
先生の過去記事の、そうは言っても親が悪いと不登校になるでしょう?
に通じますが、支配的な親に反発するために不登校を選ぶには、不登校はハードル高すぎって事ですね…。親と過ごす時間は増えちゃいそうだし干渉もパワーアップしそう…。そうしたら学校も家からも離れて非行の道かなぁ。
反発欠席がきっかけで長期の不登校になるなら、おそらくその子はもともと学校が合わない特性を持っていたのでは、という事ですね。。