不登校

自分を変えない。環境を変える!

新年度が始まり、しばらく経った。

僕のところには、不登校経験者からの嬉しい報告が次々と届いている。

 

なんか、学校楽しいんだって!!!

 

不登校だった子

中学で不登校だった子。

高校は、自分で決めてチャレンジ校に進学した。

入学してすこし経ったところで、本日外来受診日。

 

女の子
女の子
高校超楽しい!

友達もできた。

体調不良もほとんどないよ。

 

曰く、中学とは全然違うと。

雰囲気が違う。

ゆったりしていると。

 

友達の感じも違う。

『優しい』とのことだ。

 

母
こんなに違うんですね。

念のため、2週間くらいは朝起こして学校まで送ろうと思ってたんです。

でも3日目には「もう要らない! ついてこないで!」って。(苦笑)

 

あんなに苦しんでいた朝のダルさや頭痛が、ほとんどない。

自分でシャキッと起きて、準備していると。

 

母
学校の対応が、中学校と全然違うんですよ。

先生が「体調優先でつらかったら休んでいいよ」って言ってくれる。

中学では「休んだらダメになる」って言われてたのに。

 

もちろん高校は義務教育じゃないので、出席とか単位が非常に大事になる。

中学は何もしなくても卒業できる。

なのに、中学は休んじゃダメで、高校では休んでいいって言われるとはコレいかに? と。

 

先生がしっかり様子を見てくれるし、しんどそうなら「休む?」って声をかけてくれる。

逃げ場がある。

安心できる。

そう思えると、そもそもの体調不良(頭痛とか腹痛とかダルさとか)自体が、ほとんど起きなくなる。

 

安心して過ごせる。

もともといい子なので、当然友達ができる。

居場所ができる。

さらに体調不良が起きづらくなる。

 

こうやって社会復帰していくんだなー、本当によかったなーと、僕もすごくすごく嬉しい!

 

自分を変えない

この子の良かったところ。

成功のキモ。

親御さんが無理強いしなかったことだと思う。

 

 

割と登校刺激の強い中学校だった。

 

「なんとか来てください」

「少しでも来てください」

 

結構なプッシュがあった。

 

「成績がつけられないよ」

「進学先がなくなるよ」

 

そんな脅しもあったようだ。

※もちろん学校からの登校刺激が全部悪いわけじゃない。それでうまくいく子がたくさんいるのも承知。この子の場合は、それは合わなかったってだけ。

 

そんなとき、お母さんが盾になってくれた。

 

オロオロせず、

 

母
うちの子は、中学は合わないので行きません!

 

割と早めに宣言した。

そして早々にフリースクール的な居場所を確保した。

週1回通い、社会から断絶しないようにしていた。

 

なんとか適応させようとせず、早々と居場所を変えた。

もちろん、本人も納得の上で。(本人の主張も「中学は絶対行かない」で一貫してた)

 

 

これが本当に良かったと思う。

余計な傷つき体験を増やさなかった。

つまり、二次障害を起こさなかった。

 

学校に行けなくても、家は絶対的な居場所だった。

親御さんが絶対的な味方だった。

「学校に行けない自分はダメな子」と感じる余地が、最小限だった。

 

家でエネルギーを溜めた。

だから、腹痛とか頭痛とかはあったけど、週1回のフリースクールはがんばって通っていた。

そこで仲間をみつけ、先生に支えられ、高校進学を自分で決めたわけだ。

 

 

「学校に行けない」という事実に直面したとき、この親御さんは本人を変えようとしなかった。

本人も、自分を変えようとしなかった。

 

場所を変えた。

環境を変えた。

 

結果、すごく合う場所(高校)を見つけた。

そしたら、なんかモロモロ全部解決した。

 

もちろんこれは「この子の物語」であって、みんながみんな同様にうまくいくとは限らないけど。

 

環境を変える!

うまくいかないことがあったら、

  1. 自分
  2. 環境

の、どちらを変えますか?

 

うまくいかないのは仕方ない。

そりゃ、そういうこともあるさ。

 

でも、選択権は我々にある。

  1. 自分
  2. 環境

どっちを変える?

選べるんだ。

 

そして、②環境 を変えるって、すごく大きな選択肢。

非常に強力なライフハックになり得る。

 

なんたって、お子さんはそのままでいいんだ。

「ありのままのその子」でいい。

めっちゃデカい。

 

環境を変えるとうまくいくことって多い。

環境を変えると、今まで困っていたことがすべて消滅したり。

すべてが良い循環で回り出したり。(登校できて→体調がよくなって→さらに登校できて→…のように)

 

 

困ったら、環境を変える。

自分をねじ曲げて適応するより、まずは環境を変える選択肢がないか考えてみる。

 

その子はそのままでいい。

自分を変えずに(またはほんの少しだけ変えれば)適応できる場所、きっとありますよ。

世界は広いから。

POSTED COMMENT

  1. モルママ より:

    いつも先生のブログに励まされ、元気をもらっています。
    ありがとうございます。
    環境を変える!これ、本当に大切だと実感する体験をしたので、お話させて下さい。
    幼稚園から小学校4年まで長い間、不登校だった息子ですが、治療入院をしながら支援学校へ転入をし、登校訓練をしていただいたところ、あれほど嫌がっていた学校に通えるようになりました。
    支援学校の先生方の絶対に無理させない促しのお陰でこんなにも変わるのかと驚きました。ただ、ずっとこの支援学校に通えるわけではなく、原籍校への復帰が目標になるので、今は自宅からの登校訓練をしています
    。しかし、やはり本人はかなりツライようです。大きな集団が苦手なのは変わらないで
    す。今もどの選択が良いのか迷いながらではありますが、
    本人が生き生きとできる環境を整える事で前向きなれると知れただけでもとても大きな糧になりました。

  2. 匿名 より:

    いつも楽しく読ませていただいてます。ありがとうございます。
    不登校傾向のある発達グレーの息子(小3)を4月から思いきって私学に転校させました。この学校の教育方針が息子のような特性のある子には合う(叱ったり強要したりしなくて、比較的自由、自主性を重んじる)ようで、毎日楽しく登校できています。
    学校の対応次第でこんなにも違うんだなとびっくりしてます。
    先生のおっしゃる通り、環境を変えたことが功を奏したのでお知らせしてみました。

  3. いけちの母 より:

    先生の軽い語り口が大好きで、いつも拝見させて頂いています!
    発達障害からの困難を感じる事も多い息子ですが、光る所や魅力もいっぱいあります。
    息子が輝く事ができる場所は広い世界にたくさんある!
    その子はそのままでいい。
    まるっと受け止められる母でいたいと強く思います。

  4. 匿名 より:

    転職だってそうですよね。
    合わなきゃ行かないというか辞める。
    合う場所が、合う職場があれば続く。通い続けても苦にならない。
    一つの場所が合わないからといって、その人が全否定されることなんてない。

    合わなきゃ行かない。
    合う場所があって、行きたいと思えば自然と行ける。

  5. あい より:

    うちは不登校専門のとても手厚い中学に進学したのですが、なかなか行くことができません。やはり本人が「行こう」「頑張ろう」という意欲が出てこないことには前に進めないのかなと思ってます。無理強いせず見守るつもりではあるのですが…環境が変わっても本人のやる気がまだついてこない…のは時期早々なのか…親としてはヤキモキしております。

  6. 匿名 より:

    よかったですね(^^)
    お子さんからの楽しい!って(^^)

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