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公立と私立、結局どっちがいいの?

僕の患者さんは学生さんが多い。

そして、学校が「合わない」子が多い。

学校が「合わない」せいで不登校になったり自律神経を乱したり反抗的になったり自傷したりラジバンダリで受診される。

 

で、丁寧に聞くわけだ。

「学校楽しい? 学校のどこが嫌?」

サンプルがたくさん集まる。

 

もちろん学校による。

個々の学校による違いは大きいんだけど、大きくざっくり公立と私立のそれぞれ良いところ悪いところが見えた気がするので書いてみる。

 

一番の違い

僕の患者さんは小・中学生が多いので、小・中学校について書く。

 

私立の一番の特徴は、生徒がみんな同質であること。

そして公立の特徴は、みんな異質なこと。

 

私立

私立の小中学校は、受験を経て入学する。

黙っていたら自動的に公立に籍が置かれるわけで、あえて受験を選び、勉強して、出願し、試験をパスしないと私立には入れない。

(成りすまし登校を除く) (僕も開成に成りすまし登校したい)

 

だから、その学校の生徒である時点でかなりのバイアスがかかっているわけだ。

『普通』にしていたらその学校には入学できないわけで。

 

具体的には、ある程度の経済力と家庭環境がある。

親御さんはそれなりに教育熱心だろう。

少なくとも何らかの目的を持って受験させているはずだ。

生徒も、ある程度知的レベルが揃っている。

ずば抜けて低い人は合格できないし、ずば抜けて高い人はもっと上のレベルの学校に進学していると思われる。

 

生徒の質も、家庭環境も、ある程度同質なのだ。

よくも悪くも。

 

公立

公立は、みんなバラバラだ。

たまたま同じ年に生まれ、同じ地域に居住していた者が同級生になるだけ。

そこに何の選択も発生しない。

 

家庭環境もピンキリ。

教育熱心なお家も、そうでないお家もある。

経済的にも色々だろう。

生徒も、真面目な子から不真面目な子、モチベーションの高低、知的レベル、発達障害があったりなかったり、実に様々。

 

みんな異質なのだ。

よくも悪くも。

 

私立のメリット・デメリット

私立の一番のメリットは、みんな同質な点だと思う。

同じような生徒が集まる。

学校が「合わない」子にとって、これは非常に大きなメリットだ。

 

まず、うるさい子がいない。

ヤンキーみたいなガラの悪い子もいない。

みんなそれなりに真面目で、モチベーションが高い。

すごくできる子もいないし、すごくできない子もいない。(たまにいるけど少ない)

大体みんな同じくらい。

 

これは、とても大きな安心となる。

同質の生徒と落ち着いた環境で学べる。

これが何物にも代えがたいメリットだと思う。

 

 

そして私立最大のデメリットもまた、みんな同質な点だと思う。

「みんな同じ」という安心感は、奇異な者を拒絶する方向に働きやすい。

少し勉強が出来る・出来ない、少し空気が読めない、少し特徴的な外見をしている。

「みんな同じ」が前提ゆえ、そんな少しの差異が目立ってしまい、迫害やいじめにつながる。

学校が「合わない」子は特にそんな差異を持ってしまいやすいし、その差を過剰に気にしてしんどくなる子も多い。

 

公立のメリット・デメリット

公立の最大のメリットは、みんな違う点。

 

いろんな人がいる。

ヤンキーもガリ勉も。

金持ちも貧乏も。

生徒の質の振り幅が大きい。

なので、ちょっと変わったヤツとか、別に気にならない。

「あいつはそういうヤツだから」で終わることが多い。

 

また、放っておけば勝手に籍を置かれるのが公立だ。

私立であれば「これがウチの方針なので、合わなければ辞めてください」となるところを、公立ではそうはならない。

いろんなタイプの生徒に対応しようとする。(形だけでも)

支援級があったり、抽出授業をしてくれたり、通級や適応指導教室なんかも利用できる。

私立では普通級一択なのに対し、公立は手厚い。(ことが多い)

潰しが効くのは公立だろう。

 

 

同時に公立のデメリットもまた、みんな違うところだ。

いろんな人がいる環境は、合わない人にはとにかく合わない。

動物園みたいに騒がしい教室にいるだけで疲れる。

強い言葉を投げかけてくるクラスメートに傷ついたり。

できる生徒と比較し、自分はなんてダメなんだと落ち込んだり。

 

振れ幅が大き過ぎる、刺激が強過ぎるのが欠点だろう。

 

一長一短

公立と私立、どちらも一長一短あると思う。

そして、その子にどんな環境が合うかは、最終的に入学してみないとわからない。

事前情報から色々考えたりはするが、結局は試してみるしかない。

ある子にはぴったり合う環境でも、別の子にとっては地獄なんて、全然ある。

だからママ友の口コミとかちっとも当てにならないし、マジで意味ないと思う。

 

じゃあどこを選ぶか。

 

各家庭でよく考えてほしいんだけど。

でも、そもそもめっちゃ学校が合わないタイプの子。

マジで合わない、全然合わないって最初から分かっている子の場合。

 

個人的には、まず私立に入学し、合わなければ公立に移籍するのが一番潰しが効くのかなーと思っている。

まずは私立の、同質な生徒たちの環境へ。

ダメなら公立へ。

私立から公立は移動できるが、逆は難しいから。

これが一番チャンスが多い方法だと思う。

 

学校が合わない子は、合う環境を探すことにエネルギーを費やしてほしい。

合わない環境に適応するのに貴重なエネルギーを割かない。

さっさと別の環境を探す。

これが絶対に成功率が高いと、力強くお勧めしたい。

 

心地よい居場所が見つかることを祈っています。

POSTED COMMENT

  1. ミセスオニオン より:

    私もそう考えます。
    その子にあった環境を探すことが一番だと。
    うちは、公立→私立ですが、すぐに変えてよかったです。

    今順調に学校に行ってますが、環境が合わなくなればとことん探すつもりです。
    結局は、その子その子のオリジナルの追求かな…?(^_^)なんて思います。

  2. かわうそ より:

    先生のブログを読むようになってから、親子のいざこざが減りました。いつもありがとうございます。
    いつか、ペアレントトレーニングについての先生のお考えを伺いたいです。
    実践したことはありませんが、聞いた話から想像すると、ペアトレは褒める子育ての医療版のような気がします。
    ですが、P先生のブログには褒めるというワードが余り登場しないような気がします。
    ネタに困ったときはよろしくお願いいたします。

  3. にこ より:

    初めまして。
    兄弟それぞれ公立から私立に転入、私立から公立へ転入しまして、それぞれ不登校経験ありです。ふむふむと読ませていただきました。

    我が家の経験から感じたことですが、

    私立は不登校になった場合、学校に居づらいです。
    先生方の対応の経験が少なく、公的機関への連携の情報も知識もほとんどないようです。
    私立から公立に転校する時は、書類の手続きだけ淡々と、という感じで本当にあっさりしていました。

    公立はすぐにスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育委員会の関係機関と連携を取っていただけるので、その点はすごく安心だと思います。

    公立から私立転入試験を受験する時は、先生方も協力的であたたかく応援して下さいました。

    全て学校にもよりますし、ケースバイケースだと思いますが。。

    いろいろ試してみて、止まっているより経験値は上がったかなと思います。

  4. 匿名 より:

    私立は金がかかりすぎ、、
    大変です、、

  5. あさみ より:

    ほしかった記事がきてありがたいです!

    結局は入学してみないと分からないですが、それまでに少しでもいろんな情報を得ておきたいです。
    息子のこともじっくり観察して決めたいと思います。

  6. わっわわちゃん より:

    先生の記事、ふむふむと楽しく読んでいます。
    適度に軽い文章にしてくれているおかげで、ふわっと頭に入ってくるところが好きです。

    さて。今日の公立の説明部分は
    あれは、ちょい違う、いや、かなり違うです。
    そんな甘くないです。

    >なので、ちょっと変わったヤツとか、別に気にならない。
    >「あいつはそういうヤツだから」で終わることが多い。

    そんな簡単にはならんです。

    小・中学生は私立も公立も国立も、異質物排除はどこも強烈。
    気になりまくりです。
    幼くて弱くて残酷です。
    どこも一緒です。

    >「あいつはそういうヤツだから」で終わることが多い。

    みたいになるのは、たぶん高校生ぐらいだと思う。

    • pediatrician-p より:

      全体としてそういう傾向がありそうという話です。
      排除する公立校も、寛容な私立校ももちろんあります。
      個々の学校による違いが大きいと最初に書いています。

      おっしゃることはわかりますが、そういう学校もある、いわゆるN=1ってやつですよね。
      (2か3か知りませんけど、とりあえず標本数は少ないですよね)
      そして小中学生が基本的に正直で残酷なのも理解しています。
      僕は全体的な傾向として書いていますので、ご理解ください。

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