目の前に「橋を作る」というタスクがあったとする。
よし、橋を作りましょう。
その時、『まず』どうしますか?
人は2種類に分けられる。
- とりあえず設計図を読み込む人
- とりあえずレンガを積み始める人
の2つだ。
あなたはどっち?
設計図派
僕はバリバリの設計図人間。
物事の全体像が見通せないと、何もできない。
僕は歴史が超絶苦手なんだけど、あれは「ハイ今日は幕末をやりまーす」みたいな感じだからだと、学校を卒業して20年たった今、やっと分かった。
縄文時代からアベノミクスまでの流れがなんとなく理解できた上でないと、細部に肉付けしていけない。
「とにかく1192作ろう鎌倉幕府なんだよ覚えろよ」みたいなのがダメ。
意味を理解しないと暗記できない。
だから暗記系の分野は壊滅的。
地理とか、そこがスウェーデンでありこっちがノルウェーである理由がない。
覚えられない。
英語も、walk→walked→walked、ここまでは理解できた。
ここまではついていけたんだよ。
でもteach→taught→taughtでショートし、cut→cut→cutで爆発した。
「そういうもんなんだよ覚えろよ!」
覚えられない。秩序がないと覚えられない。
全体像が把握できれば人並み(以下かもしれないが)に結果が出せる。
でも全体が見えないと、そもそも物事に取り掛かることすらできない。
数が多すぎて「たくさん」としか把握していない宿題、取り掛かるハードルがあまりに高く、手付かずの大自然(腐海)と化す。
部屋(リアル腐海)の掃除とか。
やらなきゃいけないことは分かってる、でもどうしても「めんどくさい」が勝つ。
さっぱりわからない税金関連の書類とか。
マイナポイントとか。
つまり……どういうことだってばよ?
レンガ派
僕はバリバリの設計図派。
だけど逆にレンガ派の人も存在する。
設計図? どーでもいい。
橋を作るんだから、レンガを積み上げる以外なかろう。
積めばだんだんカタチになってくる。
千里の道も一歩から。
迷わず行けよ行けばわかるさ。(元気ですかー)
とりあえずやってみて、一つずつドアを開け、そのうち目的地に到達するタイプ。
自分のタイプを知る
設計図タイプとレンガタイプ。
(ちなみに難しい言葉で『同時処理』と『継次処理』といいます。テストに出ないんで覚えなくていいです。)
どちらが優れているといった類のものではない。
どっちもどっちで一長一短ある。
例えば僕は設計図タイプで、元来のズボラな性格も重なり、コツコツ物事を積み上げることが壊滅的にできない。
「橋? 来月から工事を始めれば納期に間に合うでしょ」
1個1個レンガを積む作業がどれだけ大変か、その実際のところを軽視しがち。
「納期が3日後? じゃあ鉄筋を入れる工程をハショッたらいいっしょ」
こうして欠陥建築となっていく。
このように
- 全体像を見てヨユーぶっこいて期日直前に焦って欠陥住宅を作る
もしくは
- 全体像が見通せないがゆえに取り掛かるハードルが跳ね上がり、未開封のまま腐海と化す
という経験が何度もある。
レンガタイプも、
- 設計図を考えずとにかくレンガを積んだら、橋ではなく家が出来上がった
とかありそうだ。
得意・不得意を知る
この考え方の違いで、得意なこと、不得意なことに差が出てくるのは想像に難くないと思う。
生きていくのに適した場所、つまり楽に生きられる場所を探すために、自分がどっちのタイプか知っておくことは有用だと思う。
前述の通り、僕は「コツコツ地道に」が壊滅的にダメ。
ある程度全体像が見通せないと、そもそも取り掛かることすらできない。
だから仕事の全体像が見える今の仕事(小児科医)は、割と自分に合っていると思う。
事務職とか目も当てられないだろうし、工場の作業員とかも3日で音を上げる自信がある。
日常生活でも、システムの理解は出来ていないがやらねばならぬ事柄について。
具体的には、行政的ななんやかんやの手続きとか、診療報酬的ななんかの書類とか。
取り掛かるハードルは非常に高いが、放置すると王蟲が大量発生しそうな案件。
これは他人の脳を頼ることにしている。
同僚に聞いたり、事務の人に聞いたり、区役所の人に聞いたり、税務署の人に聞いたり。
「自力では不可能」と割り切って、人に頼り切ることにしている。
システムを理解していないが、やらなくても小康状態を保ちそうな事案については、完全に放置している。
例えば健診とか。
予約の取り方がよく分かんねーんだもん。
事務の人が「これ義務なので必ず受けてください、○月○日○時に健診会場に行ってくださいふざけんな」と優しく指定してくれたら、その通りにノコノコ受診する。
お子さんはどっち?
さて、あなたのお子さんはどっち派でしょうか。
レンガ派? 設計図派?
それによって、勉強の教え方だったり、トラブル対応だったり、将来や進路について決める方法だったり、全く異なってくると思う。
※ちなみに僕を含め発達障害の傾向のあるタイプは同時処理派、つまり設計図派が多いような気がします。
物事に対する考え方がかなり違ってくるこの2タイプ。
決定の仕方、選択基準、努力の方法と方向性。
全然違う。
よく観察してみてください。
いつも楽しく拝読させて頂いてます。
いつも、ありがとうございます。
なるほど、我が子は……レンガ派ですね。
とりあえず、始めちゃう。
んで、思ってたんと違う……ものに到達する。
とても面白い記事でした(^^)
うちの子どもは正に兄(不登校)がバリバリの設計図派で妹がバリバリのレンガ派です。
兄はまあ、動かない!真面目なので欠陥住宅はつくらないタイプですが、初の1歩が出ません。それに比べて妹は猪突猛進、訳がわからなくても突き進みます。もちろんどこに辿り着くかは本人にも分かっていません(笑)
妹の方は辿り着いた所がゴール、みたいな考え方の出来る子なので問題ないのですが(本当に問題ないのかな?)、そもそも人生の設計図なんて壮大すぎて15才男の子には見えてこなくて当然(アラフィフの私でさえ行き当たりばったりの人生ですよ)なのに、設計図が見えてこないから「とりあえず」では動けない。兄の方はどうしたら動きやすくなるんでしょうか?
本人の人生なので(思春期だし)親が誘導する訳にもいかず…。何かいいコツがあれば教えて欲しいです。