HSC

HSCと自己肯定感

HSC (ひといちばい敏感な子)は、自己肯定感が低下しやすい。

今日はそんな話。

 

なんのこっちゃわからないですよね。

説明しよう。

 

 

HSCとは、

  • すぐビックリする
  • 感受性豊かで繊細
  • 周囲を気にしすぎて疲れやすい

などの特徴を持った子のこと。

 

学校生活が負担になり、ストレスがかかる結果、不登校となることもある。

 

 

自己肯定感とは、

「自分ってこうなの! こう思うの!」

と、文字通り自分で自分を肯定するチカラ。

 

で、HSCは自己肯定感が低下しやすい。

自分ってなんかヘン、みんなと違う、こんなことを考えるのはおかしいのではないか、などと考えやすい傾向がある。

 

理由は簡単。

HSCは人類の15〜20%と少数派であり、大多数の人とは感覚が異なる。

そしてその差異を敏感に感じ取る気質を持つ。

 

だから、「みんなと違う自分」を気に病むのだ。

当然そうなりやすい。

 

 

少数派は周囲と自分の違いに違和感を感じやすく、

結果、自己肯定感が低下しやすいことはお分かりいただけると思う。

 

 

すると、よくないことが起こる。

HSCの子供は、持って生まれた性分に蓋をするのだ。

 

せっかくの繊細さ、危機回避能力、豊かな想像力。

そんなものに蓋をする。

 

「みんなと同じにできない自分はダメだ」

「不安が強いのは甘えている証拠だ」

 

そう考え、非HSCである8割の人々と『同じように』振る舞おうとする。

 

 

 

これは誰も得をしない。

 

HSC本人は、すごく疲れる。

ついていくだけで必死で、その瑞々しい感性が発揮される機会は激減する。

不登校につながることも多い。

 

周囲の人も、本人の資質に気づかない。

繊細さを知らないので、悪気なく強い言葉をぶつけたりする。

マイノリティーな良い意見が出る機会を奪う。

 

だから。

みんなの幸せのために、自己肯定感を高めよう

という話になる。

 

 

上述の状態を回避するには、HSC本人が自分の特性を認識し、人と違った意見を主張するとよい。

しかしHSCは自己主張が苦手である。

人に注目されることを嫌う。

 

それはよくわかる。

わかるのだが、乗り越えて自己主張してもらったほうがよい。

本人にも、みんなのためにも。

大げさでなく人類全体のためにも。

 

 

「自分はこう思う」と伝えるための大前提として自分が自分の気持ちを認めることが必要。

「私ってこういう人で、今こんなふうに感じている」と自覚し、肯定してほしい。

 

できるはずだ。

HSCは自分の気持ちにも敏感だ。

その敏感さに蓋をしないでほしい。

 

身近な大人(主に両親)が、否定せずにその話を聞いてくれると、HSCは少しずつ自信を持つ。

 

こんなふうに考えてもヘンじゃないんだ。

お父さん(お母さん)はわかってくれるんだ。

 

こう思えると、HSCは少しずつ、他の人に対しても自己主張できるようになる。

もちろん世の中には非HSCが多いので、聞いてもらえないこともある。

変な子という扱いを受けることもあるだろう。

HSCは傷つく。

なんたってHSC (悪口や人の評価にめっっっっっちゃ敏感)なので、それはそれは傷つく。

 

でも、「両親はわかってくれる、絶対に味方だ」という安心感を持っている子は、そこまでへこたれず、また前を向く。

 

 

HSCに対し、両親が与えてあげられるものって、『自己肯定感』しかないと思う。

 

こんなときはこうするのよ

これくらい我慢しないと

悪口を言われたら言い返す強さを持たないと

 

そんな風に、目の前のことの解決策を与えても、HSCには響かない。

「わかってもらえない感じ」だけが育っていく。

 

両親にもわかってもらえないなら、他人である友達や先生にわかってもらえるはずがない。

そう考えて、引っ込み思案に、内向的になっていく。

自分の気持ちに蓋をして、なんとか周囲に合わせようとする。

 

 

これは、不幸だ。

なんたってHSCなのだ。

気持ちをわかってもらえたときに嬉しさは、非HSCの何倍も大きい。

小さなことで、ものすごくハッピーになれる人種なのだ。

 

ぜひお子さんの話を、否定せずに聞いてあげてほしい。

自信になって、また次の一歩を踏み出すエネルギーに変換される。

 

HSCはクラスに数人くらいの頻度で存在する。

珍しくないので、案外理解してくれる人が多い。

 

ああ、いるよねそういう人、ってレベル。

みんなと違う意見でも、言ったらわかってもらえるレベル。

 

 

でも言わなければ理解されるはずがない。

HSCは、自身が言われなくても察する能力を持っているので、他の人もそうであろうと思っている。

実際には多くの人には標準装備でない。

 

そのズレをHSCが理解し、発信していくしかない。

発信するエネルギー源が、『自己肯定感』だ。

 

周囲から認めてもらえたときに、HSCの持つ良さが生き生きと輝き出す。

HSCの個性が発揮される環境は、つまりみんなが生きやすい場だと思う。

 

「みんな一緒」ではない。

一人ひとりが個性を持ち、尊重される環境。

 

発達障害や、ひいては健常児にとっても生きやすい環境だと、僕は思う。

いじめも減るかもしれない。

 

そんな学校、社会を作っていく役割をHSCは担っているのではないだろうか。

僕はそんなふうにこっそり期待している。

POSTED COMMENT

  1. ごん より:

    はじめまして
    とても勉強になりました。
    多分息子はHSCなのだと思います。
    今も信頼する高校の先生の言葉と陰口で
    ひどくひどく傷ついて、学校をお休みしています。

    もしかしたら、私もHSCなのかもしれないのですが、もぅ40歳なので自己肯定感も主人のおかげでつき、精神的にも強くなったので
    息子の弱音にたいする理解が足りなかったのだと思います。

    これからは、理解共感し自己肯定感を高まる関わりをしていきたいと思います。
    ありのまま生きるのがとても楽で、楽しいことだと思うので。

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