テスト返却。
ケアレスミスが目立つ。
ミスさえなければ、もっとずっと点数が上がるのに。
非常にもったいないのだが、本人はどこ吹く風。
指摘すると怒るし。
見ているこっちがイライラ。
この話から。↓
ADHDタイプに多いだろうか。
テストの点数が奮わない。
答案を見ると、ミスが非常に多い。
本質は理解していると思われるのに、ミスがとにかく多い。
単純な計算ミスや。
足し算と引き算を勘違いとか。
字が汚すぎて自分で読めないとか。
(○)で答えるタイプの問題に、(1)と答えたり。
2個選びなさいを、1個とか。
ちょっとこっちきて、よく見てみなさい!
何度も口酸っぱく言っている。
解き終わったら見直しをするようにと。
答案を見ると、どうやら内容は理解している。
なのに点数にならないって、これいかに。
この子はADHDだ。
問題を解き終えたら、その瞬間に「終わって」いるのだ。
終わったことは振り返らない。
それがADHDの生き様ってもんで。
だもんで、返却されたテスト用紙を見せて、一緒に解き直そうと提案しても、まず拒否される。
彼らの中では、テストはすでに「終わった」のだ。
ブラックホールの中に消えている。
それを引っ張り出すとか。
そもそも引っ張り出すという概念すらない。
なぜなら、すでに「終わった」のだから。
この傾向は、テストに限らない。
横で宿題を見ていたってそう。
とにかくどんどんやっつけたいので、問題文を読まない。
フィーリングでじゃんじゃん埋めて、
「終わった! 早くゲーム!」
だ。
だもんで、ひっかけ問題には必ずひっかかる。
少し頭を使う文章題なんかは苦手。
初見で、ぱっと見で、フィーリングで解ける問題を、サクサク解いていきたい。
なのに、ハマる分野では急に深く考え込んだり。
うむ。
これぞADHDの生き様だな。
結局、やっただけの成果はでない。
でも特定の分野でずば抜けた功績を残したりする。
多分ね。
見直さないのが上記ADHD特性。
ノリとフィーリングで突き進みたい。
(彼らの中で)終わった問題を議論するとか、選択肢にない。
文字通り「ない」。
すでにブラックホールだ。
終わったなら次! だ。
気持ちはもう数キロ先を走っている。
加えて、ADHDは理屈っぽい子が多い。
そしてプライドが高い。
「自分は出来る」という変な自信を持っていたりする。
このプライドに反することは、頑なに受け付けない。
自分の間違いを白日のもとに晒されるとか、マジ卍。
見たくない。
ありとあらゆる手を使い、自分の失態から目を背ける。
結果。
そうですね。
見直さねぇ。
全然見直さないし、当然点数も伸びない。
成績は惨憺たるものだ。
そもそも勉強しないしね!
課されたものだけやっつけで終わらせるか、それもやらないか。
「爆速で終わらせた課題が全て正解! かっこいい自分!」
というイメージを持っていてですね。
(なんて都合の良いイメージ!)
これにそぐわないものは、認められない。
間違ってもやり直さない。
1問でも不正解だった瞬間にやる気を失ったりする。
この子のやる気スイッチはいずこへ?
ってことで、ADHDは能力の割に成績が奮わないことが多い。
ADHDに限らず、ASDにも同様の傾向がある。
新一年生。
宿題に、なんと3時間もかかるんだって。
ちょっとかかりすぎじゃない?
3時間も、一体何を?
聞けば、先生の赤ペンで細かいハネやハライを直されるのが嫌なんだって。
あとから青鉛筆で書き直すのも嫌。
初回で花マル! カンペキ! 以外、嫌なんだそうだ。
この心理も、「間違いを見たくない」だろう。
爆速で終わらせるADHDと違って、こちらは緻密に慎重に仕上げるけれど。
根っこは同じで、「間違いを見たくない」だ。
バツをつけられると、自分の全てが否定されたような気持ちになる。
課題の失敗は、自分の否定。
自分の否定は、この世界まるごとの否定。
それが死ぬほど怖いのだ。
これ、ASD特性。
このように、発達に特性を持つ子は成績が上がりにくい傾向がある。
HSCもそうか。
丁寧にやりすぎて、容量オーバーで破綻する。
鬼の勉強量でカバーして好成績のことが多いけど、費用対効果は悪い。
やった量に見合った結果は得られていない。
特性によって成績が上がらない理由があるのだ。
その中で、「間違いを見たくない」という心理の占める割合は大きいように思う。
誰だって、自分の不出来な点は見たくないんだけどさ。
発達特性を持つ人は、この気持ちが特に強い。
HSCだって、まさに失敗が怖いわけじゃん?
もっとうまく手を抜いて、的を絞って勉強すればいいのに。
時間をかけて100点より、短時間で80点がいいのに。
それができない。
不安が強い人は全般に、間違いを見たくない気持ちが強いものだ。
ここで、ガミガミ言うのは悪手だと思う。
大人がみると、あまりにもったいなく見えるけれど。
本人の「イメージの中の、カッコよくできる自分」と「現実の、失敗ばかりの自分」との乖離が大きすぎる。
高低差ありすぎて耳キーンなるわ。(フット後藤)
いかに、
と思ってもらえるかなんだけど。
ここが大事で、死ぬほど難しい。
一般的な指導では、自己肯定感(自己効力感)をへし折りかねない。
だから、本人の意思に反して勉強させるのは、僕は結構危険だと思っている。
自分の意思なら多少失敗しても乗り越えるけど、やらされ感があるとまず腐るからさー。
特性のある子の勉強指導は、こと左様に難しい。
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うちのASDの娘にドンピシャな内容だったので、こちらの記事を見せて○ちゃんみたいだね?と言うと「たしかにー!」と、
自分の学校は赤で直すけど、この女の子の学校は青鉛筆で直すんだねと変なところに注目していましたが・・自分はこういう特性があるかも?と入れておくことで少しは客観的に自分をみれるようになるのかなあ・・なるといいなあと思います。
娘の宿題3時間、マジで意味分からなかったです(*´▽`*)
本人高低差で耳キーンなりたくってましたw子供だからこそ余計に自分の実力把握出来てないし、母はもどかしかった…
私自身が宿題なんて10分で終わらせた方がたくさん遊べるじゃん!て子供時代だったし、まさに時間かけた100点より短時間の80点になんでしないの??て娘に思ってました(・∀・)
やりたくもない宿題は先生の添削にも納得いかないしですごく辛そうだったけど、自分がやりたくてやってる事だと上手くいかなくて腹は立てても何度でも再挑戦して上手くいくまで頑張るから「私、欲しいものは絶対手に入れるまでやるタイプなの」と豪語するようになりました。
そこに痺れる憧れるけど、私は絶対やらねぇー!面倒くさいが勝っちゃうー!(*´Д`*)
勉強は本当に出来ないししません。
小3、ASDと、ADHDもあると思います。
手先もすごく不器用です。
幼稚園は終わり頃から行けず、小学校も不登校です。
勉強は色々試しましたが本当にやりたくないようです。
パッと見てすぐに分からないと嫌。
字も少ししか書けません。
計算はそんなに教えていないけど大体出来ます。
本人も、「自分は何も出来ない」
「漢字も書けない」「友達もいない」
など泣きながら言う時があって、どうしたらいいのか分からないです。
特性のために勉強など苦手なことが多くて、自己肯定感も低く、繊細だし、生き辛そうです。
親は何が出来るのか…と思います。
ゲームとYouTubeを見てる時はすごく幸せそうです。
>不安が強い人は全般に、間違いを見たくない気持ちが強いものだ。
これですね。定期テストの見直し、解き直しをしない。
なんなら中受した入試の結果も知りません。合格はしましたが、自分の点数を知りたくないのだそうです。
本人しか開示請求ができなかったので、私も知ることができませんでした。
定期テストも平均点は取れていたんですが、順位は明らかにされないので自分の位置が分からない。
よって、全員自分より頭が良くて上だろうと思っている。
結果、あらゆることに自信をなくして不登校です。
自分のポジションがわからないと頑張りようがないと思うんですが、まあ今後も無理そうですし、頑張るつもりもなさそうです。
うちは中1ですが、ADHD.LDそしてASD要素もあるトリプルパンチで高校も行けるところは無さそうです…
まず計算早いのに意地でも途中式をかかない、間違えてたら大荒れ…英語は致命的、漢字も小2.3レベルも怪しい、なんならカタカナも怪しい。
大荒れする割には「困ってない」らしく、LDの合理的配慮も拒否、一緒に工夫を考えてもそもそも本人困ってないので母の話はイライラ…児童精神科医に「内服も困ってないなら飲まないでしょ」(ゴミ箱に捨ててた前科あり)で前途多難です…
P先生、おつかれさまです。
先生のブログが更新されると、すごく嬉しいです!
1つ遅れのコメントになりますが、前回のスイッチの話し、すごく心に響きました!
先生のブログに反論するようなんですが、
やる気スイッチって、親が強制的に押すことも出来ちゃうんです。
親が子供を押さえつけ、子供の手を掴んで
「ほら、スイッチ入れたよ」
って無理矢理押せちゃうんです。
親が押した強制的スイッチであっても、素直で努力家の子供って、動いて結果も出せるんです。
でも、ある日急にブレーカーが落ちてしまったかのように切れちゃって、復旧するのにすごく時間がかかるんです。
そうなんです。
やる気スイッチは本人しか押してはいけないのです。
「誰かが強制的に押したやる気スイッチは、いつか突然切れてしまう。でも、本人が押したやる気スイッチは絶対に切れない」
こんな大切なことを、夫も私も知りませんでした。
子供が不登校になって、頭打ってやっと分かりました。
息子たちよ!
母ちゃんは、絶対に気持ちのいい親になるんだ!って決めたよ。
このやる気スイッチは母ちゃんが自分で入れたスイッチだから、絶対に切れない。
何年かかってもいいよ。
一緒に元気になろうね。
まさに今この問題に頭を悩ませています。
ASD+HSC知能は高めの兄妹ですが、「間違い=死」くらいの感覚をもっています。
出来る自分しか受け入れたくない、周囲と比べて出来ないことは端から取り組まない。やらなければ失敗もない、出来ない思いもしなくて良い。日常生活全てそんな感じで回避の人生です。
宿題でわからない漢字があると怒り狂ってます…。90点のテスト破り捨てます。
最近までわからない問題があるテストは提出しませんでした(100点とれないから…)。
一般的な指導は難しいと思います。
なんせ先生にすら「知識をひけらかして自慢している」と感じているようなので…。
「満点から得られるものはないよ、間違いから学ぶのが勉強なんだよ」と伝えていますが全く響きません。
彼らの心に響く魔法の言葉を探しているのですが、そんなものあるのでしょうか。
このままでどうやって中高と学んでいくのか、暗澹たる思いでいます…。
えっと…これはおつかれさま案件ですかね(^_^;)
ADHDのケアレスミスの具体例が息子のワークそのもので、思わず笑ってしまいました。
中学生の現在、ワークやる→丸つけ→直す→青ペンで再度丸つけ→全部丸にして提出…という教科がけっこうあります。(本人が丸つけはお願いしますと言ってくるので、それは親の作業)
直しの作業、小学生の頃よりは時間がかからなくなりましたが、それでもやっぱりキレながら取り組む日もよくあります。
そういう日は無理にやらなくてもよいと伝えますが、本人も“やらねば”と思ってしまっているので、止めることもできずカオスになります…。
ほんっっっとうに「ミスはただのミスでみんなやることで、あなた自身への否定ではない!」という言葉が伝わってくれたらなぁと常々思っています。
本人も頭ではわかっているのに、受け入れられないのかもしれませんが。
そうなんですーー。
中一息子のテストのたび、高低差でキーンとなってます(><)
夏休み宿題は深夜までやって、2日で終わらせて後は全く勉強しないし、テストも1日目思い通りに出来なかったら、大荒れして帰ってきて、明日はテスト受けない!とか言ったりします。
勉強に関することは、特に振り幅大きすぎて疲れます。
勉強しなさいと言うと母である自分の首を絞めるようで最近は言わなくなりました。
平和に頼みます。と祈る日々です( ; ; )
続きを待っています。
どんな指導が効果的なんでしょうか。
一般的に勉強が出来た方が、仕事の人間関係で苦労しないじゃないですか。
技術や資格を持っていれば強いけれど、何もなければ一番下っ端で、そこから這い上がるコミュニケーションスキルがなさそうなので、それよりは勉強する方が楽なのではないかと思うのですが。