マジでふと思ったんだけどさ。
この話を書いてて思ったんだけど。
不登校になると、つまり社会的に孤立するわけで。
そりゃ不安定なわけですよ。
本人も焦るに決まってるんだよね。
だからそのうち動き出すって道理。
どっしり構えて待っててください、という内容でした。
あと、「はい」連打ね。(ウケたなら嬉しい!)
で。
一括りに不登校と言っても、割と早めに動き出す子と、なかなか動かない子とがいる。
外来を見ていて思う。
不登校になったと思ったら3ヶ月くらいで動き出す子がいる。
3年たっても一向に動かない子もいる。
この差、今までは「そーいうもんか」で流していた。
でもふと、こうなる合理的な理由があるんじゃないかと思ったわけです。
仮説を立てた。
不登校に至るまでにかかった時間と、社会復帰までにかかる時間は、比例関係にあるんじゃなかろうか。
単なる思いつきの仮説で、エビデンスなど微塵もないんだけど。
誰か統計とってくれないかな。
この関係を調べてほしいよね。
僕はやらないけど。
めんどいし。
不登校の子。
周囲の大人は、不登校になった「その日」が問題のスタート地点と考える。
だって、それまでは何の問題もなかったわけだから。
でもその子の中では、もっとずっと前から始まっていたはずだ。
本人が学校に違和感を感じてから、実際に不登校になるまでには、それなりのタイムラグがあるはず。
問題が表在かするのは、実際に不登校になったとき。
もしくは、目に見えて元気がなくなったり、明らかに反抗的になったとき。
いずれにしても、エネルギーレベルが30%を切って以降だろう。
でさ。
この
「違和感を抱えながら頑張って登校していた期間」
と
「不安を抱えながらも社会復帰には至らなかった期間」
って、比例するんじゃないかと。
長く頑張っていた子が、長く動き出せないんじゃないかってことね。
あくまで仮説。
そして単なる傾向の話で、個々のケースではこの限りじゃない例もたくさんあるとは思う。
だって、そう思うんですよ。
まず、低学年の不登校は、復帰が早い傾向にある。
思春期頃の不登校の方が、経過が長い。
単純に「幼い」からかもしれないけど(深く考えてないからさっさと復帰する)、入学から間がなく、鬱屈した思いを蓄積していないからかもしれないと思う。
それから。
僕は外来で、不登校の理由を一応聞くことにしているんだけど。
それが真実とは思ってないけど、一応参考までに聞く。
その時に、早く復帰する子って具体的なことを言う傾向にあるように思う。
こんな子は、初診で「まずゆっくり休みましょう」と言い、でも数ヶ月後には早々に登校していたりする。
早っ!!! ってなる。
反対に、なんだか要領を得ない子。
でもなんで急に行かなくなったのかというと……なんでだろ?
よく分からん答えだ。
こんな子は、長引く傾向にあるように思う。
で、このよく分からん解答の子たち。
多分だけど、前からずっと違和感を抱えて、でも頑張って登校していたものと予想する。
溢れたのが今だった。
だから不登校の理由を聞かれても、自分でよく分からない。
この子たち、割と粘り強いタイプなんじゃなかろうか。
「学校いやっ!」→「だから行かない!」
とはならない。
「学校いや!」→「いや?」→「別にいやじゃないはず」→「みんな頑張ってるし、自分も頑張ろう」→「粘り強くコツコツ」→「努力すればいつかは良くなる」→「努力は裏切らない」→「筋肉も裏切らない」→「頑張り続ける以外のやり方が分からない」→「筋肉は裏切らない」
散々頑張った挙句、やっと不登校に至る。
つまり、粘り強いタイプなんじゃないかと予想する。
あと途中で筋肉体操混ざってた。
じゃあ、不登校から動き出すまでの期間も、その粘り強さが発揮されるのではなかろうか。
不登校を継続することに不安はありつつ、「でも動けない」。
動いた方がいいとはわかってる、「でも動けない」。
粘り弱いタイプの「めんどくさい」とはまた異なった感情だ。
めんどくさいんじゃなくて、わかっちゃいるけどとにかく動けないのだ。
デモデモダッテして動かない。
そんなイメージがある。
で、気づけば結構な時間が経過していたりする。
「めんどくさい」はうまいやり方(一発逆転できる方法とか、絶対に失敗しないやり方とか)が見つからずウダウダしている印象。
だから、ちょいちょい動く。
動いてみてすぐ辞めて、継続しないけど。
でも粘り強いタイプは、動かない。
やり方は分かっている。
学校に戻り、もしくは学校以外の居場所を見つけ、そこでコツコツ努力を続けることだ。
粘り強い子のやり方は、粘り強く頑張ることだもの。
わかっちゃいる。
でも動けない。
不安に押されている。
でも粘り強く耐える。
不登校への一歩がなかなか出なかった子は、同様に社会復帰への一歩もなかなか出ないのでは? と考えた。
完全に仮説だけど。
でもさ。
そう考えると、デモデモダッテしてなかなか動かないその子。
粘り強く『vs自分』を続けているその子。
少しおおらかな目で見られません?
不登校になるまでも時間がかかったんだから、復帰までも時間がかかって当然よね。
これまでだいぶ頑張ってきたのだから、ここらでちょっと足踏みしてもいいじゃない。
動かなさにも粘り強さが必要で。
粘り強いってことは、動かなくなるまでも時間がかかったハズ。
つまり、頑張ってきたってこと。
ってことで、社会復帰までの期間についての考察でした。
だけど。
本人の粘り強さとか超越して、ぶっちぎりで不登校が長引く要因がある。
家が快適じゃないケース
これな。
これはもう、めっちゃ長引く。
家でリラックスできずエネルギーが削り取られる。
ずっと充電不足。
いつまでたっても30%を超えない。
ずっと小言を言われたり、「学校に行かない者に人権なし」的な扱いだったり。
家で人格否定され続ける。
あとは腫れ物扱いされるとかね。
動こうと思っても、すぐに電源が落ちる。
動けない。
これ、ぶっちぎりで長引く。
家が不安定だから、一念発起して社会復帰するケースも中にはあるけど。
家より外に居場所を探すケースね。
でもこれも、うまくはいかないだろう。
きっとまたどこかでぶちあたる。
ってことで、
家を快適に!!!
これを全親御さんにお願いしたいです。
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幼稚園からの年季の入った行き渋りです...。
中3で不登校になり、いま通信制高校一年生ですが、最近は無気力が加速、登校しないのは仕方ないとして、最低限のレポートさえやりません。このままやめるのかな...。不登校初期から責めないように、家を居心地よくしてきたつもりだったのに、倍の年月がかかるなら、いったいいつまでこうしているんだろう。30才過ぎまで引きこもりだったらさすがにショックです...。
いつもブログを楽しく拝見しています。
下の子は中2で不登校が始まり高校卒業するまで、危ない橋を渡り続けました。転校したり、高校は遠方へ行ってみたり希望することを叶えてはみたものの、立ち止まり、ずっと立ち止まったまま月日が流れて‥を繰り返しました。
ASDもあり受け身タイプと言われているものですから、接し方を間違えては親も立ち止まったり、頭がフリーズしたり、子供と同じく色々な葛藤を抱えてしましました。
ここでブログを読みながら、過去を思い起こしたりしています。子供の思いに負担をかけないように、リラックスしてもらおうとしましたが、圧は感じていたようでした。これがさらに長引いた原因かもしれません。
公立高校を無事に卒業出来て今は更に上の学校へ行って一年間、体調不良にならず毎日通っています。こんな日を迎えることを想像できませんでした。
自分のことを話すことが苦手だった息子が、思うことをしっかり言えるようになってきました。自分を振り返ったり、周りを見る気持ちも育ってきたのでは、あの時ずっと青白い顔が日焼けで黒光りしているのもうれしいです。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花(怖い怖いと思うと、なんでもないものまでとても恐ろしく感じられるものである。コトバンク)」と言う諺もある様に、不安な気持ちでいると、本当はなんでもないはずの事にも、不安や無力感を感じやすくなってしまう。
また、聞きかじった事しかないのですが、記憶術には「場所法」と言うのがあって、「場所とリンクした情報は記憶に残りやすい」らしい。学校で不安な思いを繰り返すと、それが積み重なった場所である学校を思う度に、その複数の記憶が蘇ってしまう可能性はある。学校が無理だと思うと、代わりの場所に対しても抵抗感が増す事は十分考えられる(もちろん、学校に通い続けているうちに、友達との関わりの中で学校が楽しくなるケースもあるので、どうするのが正しいかの正解はない。どんな人といつ出会って、いつお互いを知る事ができるか。人との出会いは運だと思います)。
だから、P先生がおっしゃる通り、長い間学校で頑張って、結果上手くいかなかったお子さんほど、動き出すまでに時間がかかる傾向があるのは、納得できます。
末尾に書かれていた事について、私の超適当な仮説を書かせてください。不登校が許せない大人の一部には「自分だって嫌なことがあっても頑張って学校に通って今がある。嫌な事のない人生なんてない」と言う思いがあるのではないかと思います。確かにその通りで、私も、嫌な事はあれこれあっても普通に学校に通って大人になった。ただ私が育ったのは、まだ日本が右肩上がりの時代。今は色々欠けていても、次のステージに進めばきっといい事があるというのが、日本のある程度の共通する空気だった様な気がします(子供だった自分から見た狭い範囲の話ですが)。
でも、今はそんな事を信じられる大人も子供もそんなに多くない。ある程度ものが考えられる年頃になった時にはすでにバブルが崩壊していた中で育った人は、それ以前とは考え方が違うのではないか。子供は自分でも社会の空気を感じ取るし、周りの人の価値観も受け継ぐから、ダメな今が余計に辛いのではないか、そして異なる空気の中で育った年配の人達には理解されないのかな、と。
誰が悪いわけでもありませんが、子供や若者が手渡されているのは、世界基準で見たら最高レベルに安心なはずの現在と、それを自分達で支えなければならない少子高齢化や終身雇用の崩壊した不安な未来。そもそも抱えている不安の量が違う。日本の平均年齢は47歳超えなので、もしそうだとすると、苦しむ子供の気持ちが理解できない人が多いのが、普通。
合ってても違ってても、親にできるのはP先生のおっしゃる通り「親が自分の人生を楽しむ」しかないんですけどね。子供や若者は伸び代がすごく大きいので、本来は、今はダメでも今のままではいない、はずなので。
余談ですが、筋肉体操の谷本道哉先生、私も好きです。子供に運動を勧めてもどうにもならないけれど、自分が運動をするのは簡単にできる。食べるべきものを食べながら運動で痩せて、体を軽く感じたりワンサイズ下の洋服が着られる様になるのは、自分の気分が上がりますね。子供の視界に入るのは子供自身ではなく、周りの人間。年を取ると口角だって下がって陰鬱な印象になりかねないし、浪費にならない範囲で自分を大切にするのって大事だと、最近思うようになりました。
一年半前から不登校の高1の息子、父親と喧嘩し同じ家にいてもう半年顔を合わせていません。
母親の私とは父親不在時に世間話まではなんとかできるようになりました(先生のブログを読み私が成長したのかも)
母親だけでもわかってあげていれば大丈夫!と不登校関連の本に書いてはありましたが。
我が家にとっては息子が納得して父親との確執が消えないと家は快適とはいえないかな。
息子の気持ちを主人に理解してもらうのも難しい。先生のブログを主人にLINEで送ってるんですけどね(涙)
すみません、愚痴です。
母親は家を快適にしたいけれど、父親や同居の祖父母が理解がなく学校へ行きなさい、家にいるんだから勉強しなさいとか色々言われてしまう場合はどうしたら良いのでしょうか。
中2から完全不登校→全日制高校進学→通信制へ転入、現在高2の引きこもりがちな息子がいます。
不登校初期に色んな情報を読み漁りました。はっきりとは覚えていないのですが、不登校支援をされている方の記事だったと思いますが、確か「心の回復には倍の時間がかかる」と書いてありましたよ!
うちの子は幼稚園からの行き渋りなので実に10年もの間違和感を持ちながらも頑張り続けていたのです。
中2で不登校になった時は『とうとうこの日が来たか』と思い、学校に行きなさいとは言えませんでした。
なのでうちの息子は復帰に20年かかっても仕方ない、30代で自立できたらいいなぁと思っています。
今年は進路を決める年ですが、前に先生がおっしゃっていたように「骨を拾う」スタンスで、失敗上等!ドーンとやってみようと思います。
ずっと先生のブログを拝読していました。
特に今日の記事は、今の私達親子を肯定してくれた方にやっと出会えた気分です。
現在高校一年の息子は中学校3年間皆勤で、俗に言う優踏生でした。陸上長距離をしていて、粘り強い方だと思います。
が、高校入学後2ヶ月で不登校。五月雨登校もなく突然完全不登校。
本人も原因はわからず、とにかく無気力、勉強が手につかない、もう無理と。
部屋に引きこもりもなく、昼夜逆転もありません。
でも動けません。
私には、雑談や心境を打ち明けたりとよくしゃべり、暴言や荒れたりもなく穏やかです。
でも動けません。
暇で苦しい、しんどいと嘆きます。
でも動けません。
とうとう留年が決まりましたが、不登校当初から受け入れ、ゆっくり休ませてます。
長引きそうで、本当にこれでいいのか不安で仕方がありませんでしたが、今日の記事でだいぶ楽になりました。
中学校3年間は、充実してたと言うので、一体いつからコップの水が満タンだったのかわかりませんが、このまま家を快適にして待ってみます。ありがとうございました。
最終的に、家は快適に!
にたどり着くんですね。
なるほどと納得しました。お家で学ぶタイプのこ達は、学ぶのに学校を必要としていない気もするし、そう違和感とみんな仰ってます。
今は元気にフリースクールに通ってますが、スクール代と本人が普通の高校進学希望なので学力維持の塾、それからお弁当の食費とお金かかるから、毎日のようにボロクソいってしまいます。お金かかりすぎ(T_T)