苦手なこと、ありますか?
きっとありますよね。
僕はめっちゃある。
苦手なことが見えたとき。
よく聞かれる。
訓練する方法は、あるっちゃある。
例えばコレ。↓
やさしいコグトレ 認知機能強化トレーニング [ 宮口幸治 ] 価格:2,200円 |
ゲーム感覚で、苦手分野のトレーニングができる。
1日5分続ければ、結構な差になるだろう。
取り組みやすい良い教材だと思う。(勉強って感じじゃないから、子どもも乗ってくれる)
患者さんに紹介することもよくある。
が。
本質的にはここじゃないと、僕は思う。
上記のようなトレーニングや、その他苦手克服訓練には、大いに効果があると理解した上での意見だ。
僕は、苦手を克服するより得意を伸ばす方がずっと良いと思っていて。
苦手のトレーニングより、得意なこと、好きなことに取り組む方がよい。
モチベーションも上がるし、何より楽しい。
苦手な課題ってしんどいもの……ね。
そうは言っても、苦手なことで実際困っちゃうことがある。
発達障害って、「その特性のせいで困っちゃう」ってのが診断基準だ。
困っちゃうことがあるから発達障害なわけで。
診断には至らないまでも、特性のせいで困っちゃう場面はあるだろう。
どうしても困っちゃう場面って出てくる。
そんなときはまず、「環境を変える」ことをおすすめする。
上の例だと、板書は免除で写真を撮らせてもらうとか。
苦手な能力を使わない環境に身を置く。
するとその苦手は、なんと「なかったこと」になる!
なんとか人並みにと追い立てるより、さっさと逃げる方が得策だと僕は思う。
このへん、まず最優先でやるべき。
自分を捻じ曲げる(苦手を克服しようともがく)前に、まずは環境を変える。
これで解決することは多い。
それでも無理な場合。
ありますよね。
そんなときは仕方ない。
そこそこの適応を目指すことをお勧めする。
いいですか、そこそこですよ。
よく「人並みにできるように」って聞くけど、それ結構ハードルが高い。
「人並み」「平均」「普通」は、ハードルが高い。
そのレベルより、かなり下で良い。
平均以下、赤点以上を目指す。
いや、ハードル高いですよ……。
やる気がないからできないんです!
いや、できないから発達障害(グレー含む)なわけで……。
「ちゃんと」できるようにするのはハードルが高い。
トラブルにならない最低限でよい。
苦手と直面すると、「できる」「できない」の二択で考えてしまうことがある。
この子、これが「できない」んだ。
じゃあ「できる」ようにしなきゃ。
極端だ。
物事は、「できる」「できない」の二択じゃない。
ちょっとならできる、それなりにできる、ほぼほぼできる、確実にできる……などなど、幅があるものだ。
苦手なことは、そこそこ、まぁまぁ、良くはないけどそこまで悪くもない、というレベルを目指したい。
例えば、上記板書の例だと
成績に直結するものは書くが、そうじゃないものは書かない
がそのラインだろうか。
出さなきゃいけないプリントは書くが、ノート提出が不要、もしくは出しても成績に大して響かないなら板書はしない。
ここが合理的なライン。
友達作りが苦手なら、
誰とでも仲良くする必要はないが、気の合う友達を一人、二人作る。
とか。
忘れものだと、
ヤベーものは絶対に出す代わりに、そうでない細々した提出物などは忘れる覚悟で生きる。
とかさ。
平均点には届かないけど、赤点はとらない。
このスタンスで。
苦手なこと、ありますよね。
僕はめっちゃある。
繰り返しになるが、
苦手は克服せず、得意を伸ばす
のが、基本方針。
そのためには、
環境を変える
のが最優先。
自分を変える前に、環境を変える。
それでもダメなら、
「ちゃんと」じゃなくて「そこそこ」の適応
を目指す。
平均点以下、赤点以上ね。
そんな感じで、苦手は把握した上で、戦略的に戦っていただきたい。
View Comments
今回も親として反省しました。つい、できない所が目がいってしまうんです。
我が家のADHD(少しLD入り)の息子は、板書が壊滅的。そして授業中はADHDの要素を発揮し、ただ話を聞いていることに耐えられず落書き三昧。
テストも字が先生には読解不能でバツになること多し!!学校での評価が低くなること間違いないタイプなんです。
本当はわかっているのに・・・と思うと、親が悔しくなり、ついお尻を叩きたくなります。もっと、私の基準を下げて学校の授業で何かひつとでも覚えてきたら(^o^)👌にしてあげようと思います。また更新を楽しみにしてます。
たしかにその通り.だけど、本人にそこそこにして凌ぐ調整をする気持ちがないと、難しい。本人が苦手と得意を認識して、冷静に調整できるまでに時間がかかると思います。
先生、今回もとっても救われました。
そうですよね。そこそこ頑張ればいいのだ…
学校は避けて通れないので。
そこそこ出来たら褒めてやると、これでいいのだ!って思えるようになるのだな、と、天才バカボンのような思考を植え付けるように頑張ります。
余談ですが、天才バカボンの一家も発達障害家庭ですよね!はじめちゃんはおそらくギフテッドでしょうしね。笑
また更新を楽しみにしております。