心理学

悩みやすい人の特徴

悩みやすい人っている。

同じトラブルでも、スゲー困っちゃう人と、さほど気にせずなんとなくうまくいく人とがいる。

 

この差ってなんだろう。

 

僕のところに受診する人。

多種多様な「困りごと」を抱えているんだけど。

中でも「特に困りやすい人」っている気がする。

 

こんな子がいました。

1歳の子。

歯科で、虫歯の指摘を受けたそうだ。

小児科受診のついでに、夜間のミルクについて相談された。

 

母
毎晩ミルクを飲みながら寝るんですけど、虫歯になりかけてるって。

夜間のミルクはやめた方がいいですよね?

 

これな。

 

みなさんならどう答えますか?

やっぱりミルクはやめるべきでしょうか。

 

もちろん、僕もそれには賛成。

歯の健康を考えると、哺乳しながらの寝落ちは良くない。

そりゃそうだ。

 

でもさ。

じゃあ今日からミルク禁止!

にするべきでしょうか。

 

僕はそうは思わなくて。

 

親の睡眠問題

1歳の子。

飲みながらじゃないと寝ない子ってたくさんいる。

ミルクやおっぱいがないと寝ない子。

いるよね。

 

この子も、今までそうしてきた。

それを突然禁止したら、この子はどうなる?

 

そう、大泣きして寝ないだろう。

夜中に何度も起きて泣く(つまり夜泣き)ことも予想される。

 

こうなった場合、親御さんの睡眠はどうなる?

そう、親も寝られないのだ。

 

 

育児において最も大切なことは、僕は睡眠だと思っていて。

もちろん親の

 

全親、寝てください。

僕が最もおすすめする育児グッズは、ちょっと良いベッドだ。

もちろん親の

親御さんが余裕を持って初めて、適切な育児ができるってもんで。

 

 

この方のバックグラウンドは分からないけれど、1歳ならお仕事に復帰して両親共働きかもしれない。

そうであれば輪をかけて、夜間の睡眠が大事になるわけで。(もちろん仕事してなくても大事だけど)

昼寝できないんだし、夜の睡眠時間はなんとしてでも死守したい。

 

「子のために自分を犠牲にしてでも!」って姿勢は美しいけど、最適解とは限らない。

まずは自分(親)を大事にしてほしい。

自分(親)のメンテナンスも育児の大事な仕事ってもんで。

 

盲目的なミルクの禁止は、親の睡眠を奪う。

親の睡眠と子の歯の健康、良いバランスをとりたい。

 

子の睡眠問題

そして、この子の睡眠に対する姿勢も分からない。

ミルクがなきゃないで、すんなり寝る子もいる。

でも、頑として寝ない子もいる。

 

「3日間我慢すれば、ミルクのことは忘れて以降ぐっすり寝るよ。」

 

そういう子もいる。

でも、そうじゃない子もいる。

 

1週間目で母が根負けしミルクを与えたところ、さらに執着して絶対に離さなくなった、なんて子もいた。

奪われるかもしれないという危機感で、死守するようになっちゃったんだね。

 

この子がどう出るか、やってみないと分からない。

 

よく口コミやネット記事を真に受けて、「ちょっと頑張ればミルクをやめられるって言われるんです」と相談される。

やめさせない親が悪い、親が楽したいがための怠慢だ、的な。

 

でも、マジで個人差があります。

あの子は卒乳できたかもしれない。

でもこの子も同様とは、マジで全然1ミリも限らない。

 

育児は個人差がある。

やればできる、こうすればみんなこうなるってものではない。

 

答えのない問いにどう対応するか

歯にとっては、ミルク禁止が最適解だ。

そこに異論はない。

でも、子の睡眠や精神安定と、そこに付随する親の睡眠や精神安定を考えると、ベストとは限らない。

 

↑ココです!

こういう絶対の解が出ない場面。

あっちを立てればこっちが立たず。

 

歯的にはやめた方がいいけどぉ、夜泣き的には飲ませた方がいいよねー

 

って場面。

ここでどう考えるかが、悩みやすい人とそうでない人の分岐点な気がする。

 

悩みやすい人は極端

 

悩みやすい人って、極端だ。

グレーがない。

 

歯的にはミルクは良くない。

じゃあ、禁止一択! となりやすい。

だって虫歯になるんだもん。

まぁそうなんだけどね。

 

で。

案の定夜泣きに見舞われ、今度は夜寝なくて困る! と悩む。

 

 

極端なのよ。

どんなに夜泣きが激しくても、頑なにミルクは与えないし。

もちろん赤ちゃんに「虫歯になるからミルクは飲めないのよ」と説明したところで、納得して我慢するわけがない。

根負けしもう無理ってなって、今度はミルク飲み放題、虫歯を量産したり。

 

頑張ったよ。

すごく頑張ったのはわかる。

でも、ちょっとイケてないかなーと、僕は思う。

もっと手を抜いて、曖昧に考えてもいいのに。

 

悩みやすい人は極端

「こうあるべき」が強すぎる人は、悩みやすい気がする。

このタイプの人に、どうすれば「いい」ですか? って答えを求められることが多い。

答えのない問いに。

 

この話だったら、例えば僕ならこんなふうにする。

  1. 布団に入る前にミルクをたっぷり飲ませ、歯磨き。
  2. 布団の中ではおしゃぶりやおもちゃに代替する。
  3. ダメなら、布団の中では水やお茶にする。
  4. それでもダメなら、ミルクで寝落ちした後に、起こさないように歯磨きシートででそっと拭く。
  5. それでもダメなら(起きちゃうなら)、寝る前にしっかり歯磨き、ミルクで寝て、朝起きたらまたしっかり歯磨き。

 

こんな感じで何段階かプランを作成し、実際試し、いい塩梅を探す。

睡眠(もちろん親の)は確保した上で、子どもの要求と歯の健康との良いバランスを模索すると思う。

僕ならね。

もちろん答えなんかないんだけど。

 

ミルク禁止

or

虫歯量産

 

このどちらかでは、極端だ。

白か黒かだけじゃない。

中間のグレーを探す方が、悩みにくいように思う。

 

 

他のことでも同様で。

 

AかBか!

マルかバツか!

 

みたいに極端に考える人は、悩みやすい。

その間の「いい塩梅」を探す方がよい。

 

そんなもんでしょ?

人生、テキトーな人の方が案外うまく乗り越えちゃったり。

マジメな人が、マジメゆえに壁にぶちあたって堂々巡りしたり。

そんなことってよくあるじゃん?

 

いいかげん が 良い加減。

 

テキトーにいきましょ。

POSTED COMMENT

  1. 迷える母羊 より:

    選択肢が二択だけじゃない時は良いけど・・・
    選択肢が二択しかない時、悩みやすい人は困り果てるし
    ADHDに引き出しが1つしかないように、悩みやすい人は他の選択肢がブラックホールの中にあるのではないでしょうか?

    親の睡眠って大切ですよね。

    二択しかない状況(息子を入院治療させるか、させないか)で、入院させてるけど、すると母の睡眠は乱れます。
    まともに熟睡出来た日はありません。
    問題起こす息子が居ない=親が眠れる
    じゃないんですよね。

    本当なら二択ではないのかも。
    入院させずに家で出来る事には選択肢があるのかも?

    でも家にはブラックホールがあるんです。

    入院には慣れてるけど、初めて長期入院になり、パニックな母です。

    訪問授業を受ける為の転籍手続きも済ませたし、覚悟は決めてるつもりなんだけど

    悩み安い母は、悩みやすい人の話に黙っていられませんでした。

  2. 匿名 より:

    先生、こんばんは。
    いつも参考になるお話ありがとうございます(^^)

    悩みやすい人、それはまさしく私のことです!
    考え方が0、100思考で極端ですし、悩みまくってる割に答えが出せないので、結局無限ループに陥ります。そして、子供にもそれを押し付けてしまいがち。

    夫にも極端すぎる、適当でいいって言われるんですけど、いつも、テキトーって何!結局どーすりゃいいのさ!?ってなっちゃいます…
    テキトーな思考を身につける為のいい方法があれば教えていただきたいです。
    (こういうトコロですよね…よくないのは(^^;))

  3. 匿名希望 より:

     今回のブログは、本当に診察室にいるみたいな雰囲気ですね。これを読んでいて、私は相手からの言葉を聞いた時に、この人はどんな事を考えた結果この言葉を発したのだろうと、ほぼ毎回無意識にシュミレーションしてしまうので、このブログのように、初めから本音が書かれているものを読む方が気が楽なんだなあと思いました。

    「みなさんならどう答えますか?」って書いてくださってるので、もし私が身近な、例えば年上のママ友としてこの親御さんに聞かれたら、どう答えるかを書きます(一歳児の母にとって、私は姑でもおかしくない実年歳なので、今の事情と違ったらごめんなさい)。
     「問題になっているのは虫歯だけなんだよね?その歯医者さんに、寝る前のおっぱいやミルクが主な原因と言われた訳じゃないよね?永遠に寝る前のおっぱいやミルクをあげるわけじゃないし、虫歯はない方がいいに決まってるけど、永久歯がちゃんと生えてくるまでに傷一つつけちゃいけないわけじゃない。まずは、日中の食事とか歯磨きとか歯に悪い事がないか、ちゃんとする事をして虫歯菌?を減らしてからでもいいんじゃない」ですかね。
     なぜこんな事を言うかと言うと、最初の子の1歳0か月での卒乳後、しばらくたってから夜泣きに苦労したからです。日本の住宅事情では夜泣きはきつい。哺乳瓶はともかく母乳は復活しないし。それに懲りたので、2人目は2才まで母乳で寝かしつけてましたが、ある日いきなり「今日から夜寝る前におむすび作って。先生に約束した。おっぱいじゃなくておむすび食べて寝るよ」とニコニコしながら子供が言ってきて、最初の日だけおむすび食べて、それで終わりでした。子供によって全然違うので正解はないんですが。適当にしていると、周りがなんとかして下さる事もありますね。上の子は当然授乳じゃないのを下の子は知っているのも大きいとは思いますが、子供が納得して自分で動く様に話して下さった、保育園の先生に感謝です。

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