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世界を変える!②

前回の続き。

世界を変える!①これはマジで僕の独り言。 医療とか全っっっ然関係なくて、僕が最近思っただけの話。 チラ裏と思って聞いてください。 ...

 

人って案外勝手に世界を作り出しているんじゃないかって話。

優しいと思えば、世界はすごく優しい。

勝手に敵認定してるだけで。

本当はみんな味方なんだと思う。

 

親の世界と子の世界

批判が出ると思うけど、覚悟で言う。

親の世界は子に感染る。

 

親御さんが敵だらけの世界で生きているのなら、↓

お子さんの世界も同じになる。

 

反対に親御さんが優しい世界に生きていたら、子供の目に映る世界も優しいものになると思うんだ。

 

世の中は厳しいんだから、ちゃんとしないと!

 

最低限こうあるべき!

 

これができないなんて、ありえない!

 

敵だらけの世界で生きている親御さんから発せられる、上記のようなセリフ。

お子さんは、このセリフを通して世の中を見る。

 

人生経験の乏しい子供にとって、親は神様だ。

自分がLv.1なら、お母さんはLv.50くらいに見える。

強敵をばっさばっさと薙ぎ払っていくパパスのごとく見えるものなのだ。

 

そのお母さんが、「世の中は怖いところ」と言っている。

じゃあ、自分なんかはもう、手も足も出ないのだろう。

 

ちゃんとしないと、頑張り続けないと、すぐゲームオーバーになってしまう。

周りの敵にやられないように気を張って、結果を出して、強力魔法とか会心の一撃とか出さないと。

出し続けないと。

ちゃんと残りのMPも計算して、あぁなのになんで会心の一撃が出ないんだよ!

 

 

実際、周囲の人は敵ではない。

でもこの子は、この子のビジョンではみんな敵に見えているわけだ。

ちょっとのことでも過剰に反応してしまう。

 

例えば、何か失敗をして友達から笑われたとする。

平和な村に住んでいる人なら、みんな笑って許してくれたと思う。

でも敵だらけの村に住んでいる子は、みんな自分をバカにして笑った! やり返さないと!(or こんな自分はダメで無価値なんだ……)となる。

 

同じ出来事に遭遇しているのに、その子の世界によって、受け取り方が180度異なる。

なぜなら、その子はそういう世界に生きているから。

 

人は自分の思うことと一致する出来事を集める習性がある。

優しい世界に生きる人は、世界が優しい証拠を。

敵だらけの世界に生きる人は、世界が敵だらけである証拠を、集めようとする。

「ほーらやっぱり世界は優しい(厳しい)んだ」と納得する。

こうしてその子の思う世界(つまり親から教わった世界)が強化されていくという寸法。

 

子供は人生経験が乏しいから、親が世界をどう見ているかを通して世界を予測していると思う。

つまり、子供は親の目を通して世界を見ていると思う。

 

子供って親の考え方や振る舞いをよく見ているものなー。

 

親のせい?

不登校とか集団が苦手とか発達障害とか、親御さんのせいじゃない。

「そういう子」だっただけ。

何度もそう書いている。

 

でも、世界をどう見ているか、つまりどんな世界を生きているかは、親御さんの影響をモロに受けると思う。

モロ強く受ける。

モロツヨシ。(唐突に思いついたネタをぶっこむのヤメテ)

 

親のせいだって言うんですか⁉︎

 

お叱りを受けそうですね。

でも、そうだと思う。

 

特性の強さと生きづらさって比例しないと思っている。

かなり特性が強くても幸せに生きている人って、確実に存在していて。

逆に特性はさほど目立たないのに、非常に、もう非常に! 生きづらそうな人もいて。

 

その子がどんな世界で生きているかって、すごく大事だと思う。

短期的な幸せじゃなくて、将来社会の中に居場所を見つけて楽しく生きていけるかも、ここにかかってくると思っている。

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親子の世界観は共通する

しんどそうな子の親御さんは、大抵しんどそうだ。

たまにその限りでない親子も見るが、例外的。

大抵同じ感じだ。

 

子供は

①親と同じ道を辿る

か、

②反発しながら結局同じ道を辿る

かのどちらかだと聞いたことがある。

 

理由はここだと思う。

親が敵だらけの世界で生きているなら、子供も同様の世界を生きている。

生きている世界が同じなのだから、処世術も自ずと同一のものになる。

「親の言うことは間違っている!」と思いながらも、前提となるフィールドが同一なので、結局似たり寄ったりの行動をとるってこと。

 

あなたが今しんどいなら、あなたは今どんな世界で生きていますか?

お子さんもきっと、同じ世界で生きています。

 

お子さんがしんどそうなら、お子さんはどんな世界で生きていると思います?

あなたの世界も同一ではないですか?

 

 

親御さんが悪いわけじゃない。

きっとその上の世代、祖父母もまた同じように敵だらけの世界で生きてきたのだと思う。

それが親御さんに継承され、今またお子さんに継承されようとしている。

 

誰も悪くない。

悪くないんだけど、断ち切った方がおトクだと思うんだ。

だって、ラクだもん。

優しい世界に生きると、断然ラク。

 

僕はこんな世界に生きてきたんだけど、↓

マジしんどかったもん。

 

何をしてもダメ、何もしなくてもダメ、せめて人様に迷惑をかけないように……って。

僕は引きこもりや鬱の経験はないんだけど、正直気持ちはわかる。

周りが敵だらけなんて、無理ゲーすぎる。

 

絶対、お得だよ。

世界を変えた方が。

 

世界を変える!

変えよう、世界!

まず、あなたが今どんな世界に生きているか、見つめ直してほしい。

そして変えよう、世界!

あなたが辛く厳しい世界に生きているのなら。

 

子供達に教えてあげてほしいんだ。

世界は優しい。

世界は、あなたが信じた通りになる。

僕みたいな胡散臭いおっさんが言うより、親御さんが伝えたほうが響くに決まってる。

 

親御さんが、優しい世界に生きてほしい。

僕は小児科医だから子供の幸せを第一に考えるんだけど、そのためにはまず親御さんの幸せだ。

まずは親御さんが、優しい世界に生きてほしい。

それが子供に伝わり、そして伝説へ。

 

根拠なんてなくて良い。

やってみてほしい。

あなたはあなたの世界を変えられる。

愛がある、冒険がある、人生がある。

導かれし者じゃなくても、あなたはあなたの人生の勇者だ。

怖いものなんてない、僕らはもう一人じゃない。

pediatrician-p

View Comments

  • ASDの次男(小1)やそれにイライラする長男(小4)や三男(年中児)に振り回されながらも、P先生の記事に励まされながら育児をしています。
    主に発達障害など工夫が必要な子や親向けで書かれているとは思うのですが、「普通の子」の子育てにも大事だと思うことがたくさん書かれているので参考になります。

    お忙しいところ恐縮ですが、少しお話聞いていただければ幸いです。
    友人のお子さん(小5男子)が「知的障害はないが発達障害傾向にある」とグレーゾーンにいます。
    以前より気になったものが手に入るまで(買ってもらえるまで)暴れることがあったのですが、ここ1年ほど親の財布からお金を取って買いに行ったり、ついには今年に入って同級生のものを盗んで帰ってきました。
    手に入れてしまえばその物に関心はなくなりどこにでもポイっとほったらかし状態なので、家に見覚えのない物があって「これは何?」と判明したようです。
    主治医からは「その都度『これはしてはいけないこと』と注意してください」と言われていて実践しているのですが、改善どころかひどくなる一方で、それを伝えても「根気強く続けてください」「知的障害はないので『ダメなものはダメ』と伝え続けていれば理解できるようになります」と言われているようです。
    あまりにも友人がやつれてきたので話を聞いたら「ついによそ様のものにまで手を出してしまった」と困り果てていたので、もし注意の方法にコツがあるなら教えていただけますでしょうか?
    もし既に取り上げられている事案でしたら申し訳ありません。
    どうも友人は子供の主治医と合わないと感じているらしく転院したいと考えたりもしていますが、一度話したら「一から検査したりと手間や時間がかかりお子さんにも負担になりますよ」と言われたそうでそのまま通い続けていて、P先生がお近くだったらなぁと思う今日この頃です。

  • 自身も発達障害の特性ばりばり、息子もADHDの母親です。
    私達の場合、村を変えることつまり現実の世界で引越をしました。教師から「子の子は一生支援を受けないと生きていけない」と言われましたが、今の学校では前の教師は何を見ていたんだと言われる程、通常級で落ち着いて過ごしています。

    引越にお金がかかる、そんな事しても意味がないと周りから散々言われましたが、これ以上子の成功体験が潰れるくらいならもっと働いて環境を変えて解決したら良いと思いました。

    医師、教師、家族は変わりません。
    子の環境を変えてあげる必要性は親しか持ってないと思います。

  • コロナ禍や受験で子供が不安定になり、どれだけこのブログに助けられたか分かりません。
    ありがとうございます。
    今日のブログも沁みました。
    心掛けたいです。

  • P先生こんにちは!
    「モロツヨシ」で笑って、
    「根拠なんてなくていい」あたりから、
    泣かされました(笑)。
    子供たちのためにも、
    自分が世界を変えていきます。
    行け、勇者!
    今日もありがとうございました。

  • あんまり共感できなかったです。
    先生の説を極めていくと、
    「親の価値観を変えなければ子供の価値観は変えられない」という結論に、繋がりかねないからです。

    子供が問題行動を起こしている時に「親のせい」という意見ばかりが論じられて、
    「子供がそうなっているのは子供のせいもあるんじゃないか?」という見方が一切されない事にいつも違和感を感じています。

    問題行動の責任が全て親にあるとしてしまったら、子供本人が「自分で自分の人生に責任をとらなくなる」のではないでしょうか?

    もともとは「子供自身の問題」なんです。
    親の出来る事なんてせいぜい足を引っ張らないように見守るだけ。
    あまりにも「親のせい」を言うと、勘違いして、本当は子供の問題なのに親がやらなければって、親子の境界線がおかしくなってしまう人が出てくる危険性も感じます。

    実際に、「自分がこうなったのは親のせいだ」と言って、自分自身の持つ「生き辛さ」から逃げまくっている人を知っています。「自分の問題は全て親のせい」という価値観です。

    そういう人を知っているので、思わずコメントしてしまいました。「親のせいもあるかもしれないけど子供が自分で選んでる部分もある」と考える方が、親も子も救われると思うんですが、どうでしょう?

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