Categories: ブログ

ママ友に相談しちゃダメ!

発達が遅い気がするんです。

でも、ママ友に聞くとこんなものだって。

気にすることないよって言われるんですが、私はどうも気になって……。

 

お子さんに気になることがあるとき、あなたはどうしますか?

ネットで調べる、ママ友に聞く、実母に相談する。

こんなところだろうか。

今日はそういった『外野の意見』との付き合い方の話。

ママ友は同じ年頃の子供を持つ、戦友のような存在だろうか。

育児の悩みで共通する部分も多いだろう。

 

 

でも。

僕はママ友が嫌いだ。

大嫌いだ。

すみませんこんなこと言って。

 

 

いや、助けてくれることがあるのはよく分かる。

よくわかるけれども、こと発達系の問題に関しては、マイナス面ばかりが見えるのだ。

 

今回のケースでいうと、お母さんは発達の遅れを心配している。

他の子と比較し、言葉が遅い、コミュニケーションが取れない。

これが正常のバラエティーなのか、介入した方がいいのか。

ママ友にわかるはずがない。

 

 

なぜなら、ママ友は素人だから。

たかだか数人の子供を育てただけだ。

その子たちが大丈夫だったからといって、相談者の子供も大丈夫だなんて保証はない。

 

 

 

例えば、

私は赤信号を渡ったけれども車にひかれなかった

という人がいたとする。

その人はたまたま大丈夫だったかもしれないが、次の人も大丈夫だとは到底言えない。

2〜3人の友達が「私も大丈夫だった」と言ったとして、あなたは赤信号を渡りますか?

 

 

規模を大きくして。

インフルエンザの予防接種はどうだろう。

 

私は打ったけどかかった

私は打たなかったけどかからなかった

 

確かにそういう人もいるだろう。

でも全国的に見ると、明らかにワクチン接種者の方が罹患率が低い。

重症化率は、とてもとても低い。

医学では、統計を重んじる。

本当にそうなのか、たくさんの人数を調べて検証するのだ。

数人がそうだったからといって、「みんなそうだろう」「私もそうだろう」というのは、明らかに暴論だ。

 

だからコロナウイルスの治療薬も、数人治った人がいたからといってすぐに「有効です!」とは言い切れない。

その人は治療しなくても自然に治ったかもしれない。

たまたま軽症の人に薬を使ったのかもしれない。

薬を使った病院の治療スキルが高かったのかもしれない。

 

 

色々な要素を加味し、薬以外の差がないようにして初めて、その薬が有効か否かを論じられる。

それには結構な数の被験者、薬を飲む人と飲まない人それぞれ数百人規模で必要となる。(※現状では、効きそうなものはとりあえず使ってみるという姿勢は、もちろん妥当だと思う)

この辺をマルっと無視して、ママ友の会話は繰り広げられるようだ。

 

もちろん、所詮ママ友なので、「あなたの子、発達が遅いからすぐに受診したほうがいいわ」なんて言わない。

当たり障りない返答をするのはわかるのだけれど。

 

 

でも、無責任だ。

実際にその子に発達の遅れがあったとしても、ママ友は責任をとってくれない。

それなのに、鵜呑みにして悩み続けるお母さんが多い。

ママ友が良いといった方法でしつけしてみて、全くうまくいかなくて悩んだり。

やっぱりおかしいと検索魔になってみたり。

信じないことだ。

 

そもそもママ友は、相談相手としてミスチョイスだ。

それより、保健師や医師、心理士に相談してほしい。

ハードルが高ければ園や学校の先生がよい。

たくさんの子供たちを見ているプロだ。

先生たちは自分からは指摘しないが、思うところがあれば、親御さんに聞かれれば教えてくれるはずだ。

きつい言い方になってしまうが、それほどまでに、発達の分野ではママ友の意見は邪魔になる。(それ以外の分野ではよいものなのでしょう。それは理解している。)

 

 

ママ友に、聞くな。

ママ友の意見を鵜呑みにし、目の前の子供を見ないのでは、本末転倒だ。

 

ママ友がすすめた学校、習い事、育児方針。

そんなもの、我が子に合う保証なんて全然ない。

 

それより、目の前の子供の意見を聞いてほしい。

答えはその子が持っている。

pediatrician-p

Recent Posts

睡眠のススメ

不登校や、起立性調節障害。 イ…

3日 ago

【ADHD】やらかす原因、やらない理由

いやー。 やらかしましたぁ! …

1週間 ago

【ASD】「わからない」詳細

発達障害の子、発達でこぼこの子…

2週間 ago

大人の情報処理 〜成長すると失うもの〜

前回の続き。↓ https:/…

3週間 ago