心理学

先を見通す力 〜成功から得るもの・失敗から得るもの〜

この本、知ってますか?↓

ケーキの切れない非行少年たち (新潮新書) [ 宮口 幸治 ]

価格:792円
(2021/5/6 09:20時点)
感想(48件)

有名な本なので、読まれた方も多いのではないでしょうか。

僕も最近やっと読んだんだけど。

 

僕が興味を惹かれた内容。

それは、「ケーキを3等分しなさい」と言われても実行できない子供達の話

 

ベンツマークのように切ることができない。

とりあえず真ん中で切り、次の手を考え込んでしまうというのだ。

 

ここ。

とりあえず真ん中で切り」。

ココ。

 

僕は個人的に、この部分にヒジョーに興味を持ちまして。

 

目の前のことでいっぱいいっぱいの子

本に書かれている少年たちは、知的にボーダーだったり認知機能が低かったり。

支援を要する子がメインだ。

この子たちが「とりあえず真ん中で切る」のはうなずける。

 

真ん中で切って、その後どうするか? という見通しが持てないわけだ。

ケーキを切れと言われたから、とりあえずハイ切りました! って。

 

でも僕、外来でもこのような考え方の子をよく見かけるのです。

知的には問題がない、むしろ高い子でも、だ。

 

今のこの行動、先々どんな影響がある?

 

そこが見えず、目の前の状況に溺れてアップアップしている感じ。

とりあえず見えていることにだけ対処して、状況を悪くしている感じ。

(とりあえず真ん中で切っちゃうと、3等分するのが非常に難しくなる。それと似ている。頭の中で完成図と手順を設計してから切ってほしい。)

 

 

例えば、「不登校で、とりあえず人生終わったのでパニック!」とか。

  • 本当に終わるの?
  • 他の不登校の人たちの予後は?

とか、見ていない。

パニックになっても何も解決しない。次の手を考えてトライするのが建設的だ。(もちろんパニックの時間が必要なのは承知。でも長いとその分前進が遅くなる。)

 

テストの点が悪くて、とにかくもうダメだ」とか。

  • そのテスト、成績にどれだけ影響する?
  • 今回の成績って内申点に響く?

とか、度外視だったり。

 

親が〇〇って言ったクソが」とか。

  • 親がそう言った意図は?
  • 状況の認識がお互いズレてない?

とか、考えてない。

 

全体を見る力

全体を見る力が弱いと困ったことが起こりやすいのは、ご理解いただけると思う。

 

この子たちも、上記の書籍で言われるような認知機能の弱い子なのかもしれない。

IQは高くても、認知機能や実行機能は要支援レベルの子が存在するのは、本の通り。(WISCでその子の能力を正確に測ることはできない。「参考程度」だ。)

異論は全くない。

 

でもその可能性は理解した上で、デモデモそうとも限らないかもと個人的には思うのだ。

 

経験が足りないんじゃ?

 

僕にはそう思える。

 

すごく思う。

圧倒的に経験が足りないんじゃない?

特に失敗の経験が圧倒的に足りない。

 

やってみて → 失敗して →  自分でケツを拭く

この一連の経験がまるでないのでは? と思う。

 

 

なんで?

 

 

多分だけど、親御さんが過保護。

どうやら転ばぬ先の杖を突きまくっている

 

「危ないから」「傷つかないように」「良かれと思って」「あなたのために」先回りして決める。

子どもの側としても、今までそれでうまくいっているので親御さんに頼りきり。

自分で決めた経験が非常に乏しい。

 

だんだんと、自分で判断することを放棄する。

だって親の言う通りにしていれば失敗しないのだから。

自分で考える必要ないもん。

 

 

するとどうなるか?

想定外の場面に出くわしたとき、困ってしまう。

 

この子は、小さい頃から小さい失敗の積み重ねが圧倒的に足りない。

自分で狙いを設定して→やってみて→結果を確認 という経験がまるでない。

だから、失敗したらどうリカバーするか全く分からん!

 

女の子
女の子
困った!

パニック!

 

これが「経験不足」。

 

パニックになればなるほど、余裕がなくなる。

目の前のことでいっぱいいっぱい。

とりあえず目の前のことに対処するしかできない。(とりあえずケーキを真ん中で切る、的な。)

→さらに状況悪化

という悪循環。

 

経験がないから余裕がなくなり、余裕がないからさらに状況が悪化するという悪循環。

 

これ。

 

成功と失敗

全体を見る力、先を見据えて実行する力って、失敗からしか学べないのだろう。

 

成功から得るのは『報酬』

失敗から得るのは『学び』

 

↑これ、僕が考えたんじゃなくて脳科学者の先生が言ってた話。

だから信憑性あると思うけど。

 

大人が方法を教えて成功しても、その成功の秘訣はなんだったのか、どこに注意すべきか、子どもは理解していない。

「成功した」という報酬を手にするのみ

 

次につながる学習って、失敗からしか得られない。

失敗して、じゃあどこがダメだったのか考え、またやってみる。

方法を変えるとか、目標を下げるとか、自分の能力を把握するとか。

試行錯誤することで次につながる学びとなるのだと思う。

 

転ばぬ先の杖をしちゃうと、この経験が圧倒的に不足するだろうことは想像に難くない。

子どもの失敗する権利を奪っちゃいけないんだと思う。

 

母
失敗しても大丈夫?

立ち直れる?

 

大抵の失敗は大丈夫。

失敗させないことより、失敗しても立ち上がる力をつけてあげてほしいと思う。

※もちろん、シャレにならない失敗は止める必要がある。マジ命の危険、とか。あと人によってはコレは心折れるでしょうよ、とか。そこは親として目を光らせ続けてほしい。

 

 

男の子
男の子
 自分は失敗しても大丈夫。

 

男の子
男の子
失敗しても自分の価値は変わらない。

 

男の子
男の子
また新しくやってみよう!

 

そう思える子は強い。

失敗から学び、認知機能を向上させていくだろう。

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