一昔前に比べ、不登校は増えた。
発達障害も増えた。
OD (起立性調節障害)も、増えたように思う。
一昔前より患者数が増えた気がする。
これってなんで?
実は昔からたくさんいたの?
それともここ10年でぐっと増えた?
だとしたら、何が原因で、どういう機序で?
ODの原因を一言で言うと、
自律神経のバランスが悪い
こと。
人間には、「頑張る神経」と「休む神経」の二つがあってですね。
うまくバランスをとって、人はいい感じに活動できる。
このバランスが崩れると、いい感じに活動できない。
これがOD。 (ザックリしてるぅ!)
頑張りたいのに、頑張れない。
天気はいいのに、進めない。
風強すぎて、お亡くなり。
定期的に、オールバック。
※流行りに乗らないと気が済まない。
で。
やっかいなことにこのバランスは、身体が勝手に調節している。
崩れちゃうと、どうしようもない。
自力で、気合で立て直せるものではない。
自律神経と呼ばれる。
『自律』だ。
他者の意思を受けず、勝手に動いているのだ。
だもんで、「朝から調子悪いなー」って時に、無理やり外出しようとすると。
どうなるか?
もうお分かりですね。
そうです。
外出た瞬間、終わったわ。 (よしっ)
ここまではODの基礎知識。
ご存知の方も多いだろう。
聞きたいのは、おそらくココだろうと思う。
なんでこんなに増えたの?
親御さんが子どもの頃は、おそらくここまでODがゴロゴロしていなかったはずだ。
今みたいに、「クラスに何人も」とか「不登校の中のかなりの割合を占める」とかではなかったハズ。
なんで増えたの?
今と昔、何が違うの?
原因が分かれば対策が立てられる。
これについて、僕の意見を書く。
僕を専門家と言っていいのかはわからないが、接しているODの数はおそらく相当多い。
数の暴力で、僕の思うところを主張してみる。
ネット等で見聞きする。
ジャンクフードや冷凍食品が、悪いのだろうか。
貧血、低亜鉛、低タンパク……。
特定の栄養素が不足すると、ODになるのか。
高度化しすぎた社会のせいだろうか。
塾や習い事、受験、息苦しい学校生活……。
そんなものが原因か。
はたまた、生活リズムか。
スマホやネットの台頭で、子どもたちの睡眠が崩れているのか。
ブルーライトや電磁波は、影響しているだろうか。
共働き家庭が増え、生活に余裕がなくなったせいか。
この辺。
30年前と今との違いというと、思いつくのはこのあたりでしょうか。
どれも否定はできない。
絶対に違うとは言えない。
でも。
どれも決定打がない。
現場の肌感覚で言えば、どれも決定的じゃないんです。
確かに、栄養が原因かもしれない。
実際に栄養状態を改善したら症状が良くなるケースもある。
でも、全員じゃない。
ODの子はみんな鉄を摂れば良くなるよ! みたいな実感は、正直ない。
効く人もいるし、効かない人もいる。
みんなが良くなるなら、「鉄が原因だ!」と言えるけど。
同様に、スマホを制限したら良くなる人もいるし、そうでもない人もいる。
昼夜逆転を直したら改善した人もいるし、変わらない人もいる。
ストレス源(学校)から離れるのもそうだし、適度な運動もそうだ。
どれもこれも、効く人もいるし、効かない人もいる。
というのが、現場からの正直なところ。
個人的には、行動自体が効いたっていうより、「治そうと思って前向きに行動した」ってことが効果的だったように思える。
本人が治そうと思えば、栄養だって生活だって運動だってプラスに働く。
「治すために、ODの神様に毎日5回祈ってます。神様はハゲたじーさんで、雲に乗ってます。手は6本ある。」とかでも効きそう。
ある種プラセボよな。
ってことは。
確固たる「これをしたらみんな治る」がない以上、「これが原因だ」とも言いきれない。
『ソレ』は、原因かもしれないし、関係ないかもしれないってことです。
ODの神様は、残念ながらまだ未確認です。
なので、
病気の原因を取り除く
↓
病気が治る
の治療モデルから離れた方がいいと思う。
なにを取り除くべきかわからない。
仕方ない。
現状、何が原因とは言い切れないのだ。
症状はある上でどう考えるか、にシフトする方が現実的。
あと、治んねーし。
個人的には、おそらくOD自体は増えていないと思っていて。
病気の頻度は変わらず、認知率が上がった
というのが実際のところだろうと思う。
だって、昔からいたじゃん?
朝礼で、校長先生の話でぶっ倒れる人。
あの子、きっとODだ。
でも当時は「脳貧血」とかって呼ばれ、あまり問題視されなかった。
ぶっ倒れるまでいかなくても、だるさや頭痛を抱えた人は、きっとたくさんいて。
でも当時は「OD」という概念がなく、スルーされた。
疾患概念がないと、スルーされる。
名前がつかないと、認知されにくい。
自閉症だって、100年前はおそらく「いなかった」。
自閉症という概念ができたのは1943年らしい。
うつ病だって、数十年前はほぼ「いなかった」だろう。
うつ病が広く認知されたのは1990年代だそうだ。
でも、いないわけないじゃん?
昔から、自閉症もうつ病も存在したはずだ。
でも疾患概念がないためスルーされたと考えるのが妥当。
そんな感じで、ODもスルーされてただけだと思う。
昨今の発達障害爆増の理由と同じだと、僕は考えている。
ってことで。
ODの原因はよくわからない。
だから、
取り除けない。
OD症状は、ある。
きっと短期的になくなるもんじゃない。
その上でどうするかを考えるのが、建設的だ。
アレが原因か、はたまたコレが悪かったのかと思いを巡らせる気持ちは分かる。
思い当たるものにアプローチしてみるのも、全然アリだ。
でも、
食事が悪かった(親のせい)
とか
スマホを与えなければ(親のせい)
だとか、はたまた
生活リズムを直そうとしないのが悪い(子どものせい)
だとか、特定の誰かを追い詰めるのは逆効果のように思う。
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たまたまだとは思いたいですが、支援級母同士、うちはARTなのよ。うちもよ。多いなあという印象があって。ARTにのめり込む親の気質を受け継いでいるのかとも思いますし。
夫のお義母さん。
80歳はとうに過ぎていますが、たぶんODです。
年寄りは朝早起きがデフォルト、って言いますが、全く当てはまりません。意外と宵っぱりで遅くまで野球見てたりします。そして全然寝付けないらしい。睡眠薬も常備してます。
朝は全然目が覚めなくて7時とか8時まで寝てます。起きたらまず布団の上で寝たまま歯磨きします。
ようやく起き上がってきても足元フラフラ。
食欲もでないらしく、いきなり近くに置いてあったお菓子を食べ始めます。
こんなお義母さんから生まれた夫もいいおじさんだけと、毎朝全く起きられず、起きても眩暈がしてフラフラ。気持ち悪くて朝ご飯なんて食べられない。休みの日は昼までぶっちぎりで寝ています。
成人した息子も朝起こしても応答なく、30分おきに声をかけ続けて起きるまで2時間。。。
ODは確実に脈々と受け継がれています。
とりあえず、日常生活を送るためにはある程度無理はしてなんとかしてますけど。
私は朝早く起きてすぐにいっぱいご飯を食べられるので、この人たちとの付き合いはなかなかしんどいです。
外出た瞬間終わったわ♪のとこで、思わず吹いてしまいました(笑)。
使いどころが天才的☆
うちの場合は発達障害ですが、原因を探してしまうのは親心かなーと。
育て方が原因でないのは百も承知なんですが、それでも“私が〇〇すれば回避できたんじゃないか?”“私が〇〇しなければこんなことにならなかったんじゃないか?”“私がもっと〇〇すれば今ある問題が解決するんじゃないか?”って思考についついなっちゃいます。
今はもう、私が治せる物ではないと思うし、私が主体の話ではないのでもう少し距離を取って考えるようになりましたが…。
先生のおっしゃるとおり、そう考えたところで解決の道は見えてこないんですけどね。ついつい…。(^_^;)